517.2008年10月12日(日) 韓国講演に有益なアドバイス

 八木哲郎・知研会長にアポをとっていただいた井上淳二氏から、韓国の講演に関してアドバイスをいただくべく、八木会長の案内で大井町のご自宅をお訪ねした。 

 目から鱗のお話をたっぷり伺ったが、次の予定があったので1時間半ばかりでお暇した。

 井上氏の講師経歴が素晴らしい。現在79歳ということだが、顔の色艶もよく企業講師の経験が豊富である。今でも年間150回の講師をこなすタフネスぶりだから驚きである。リコー㈱に勤務した後に独立して講師を本業とされたが、多い時には年間300回の講演をされ、収入も会社時代の3倍をあったというから大したものだ。実際お話を聴いていても自信たっぷりで、話すポイントをうまくまとめられる。

 今日のお話で、「自分の幸せは自分で構築する」とか、「聞いている人をほっとさせる」ことが、高齢者に対する話のエッセンスであると至極当然のように仰ったが、強く心に残った。韓国の講演内容にある程度方向付けができたように思う。伺ったお話のエキスをまとめて、本番までの間にパワーポイントのスライドを作り、話し方を工夫したいと考えている。明日にでも講演概要をまとめて韓国の桂明洙さんに送付しようと思っている。

 井上氏のお宅を出てから八木会長と別れ、九段会館で開かれている飯田ゼミの例会へ向かう。遅刻してしまい伊藤幹事から開会を遅らせたが、今始めたばかりだと聞かされた。10分とは云え、ついに記憶ではわが人生2度目の「遅刻」となってしまった。やむを得ない事情とは申せ、少しタガが弛んでいる証拠ではないかと猿にも出来る反省をする。

 飯田先生が珍しく奥様を伴っておられないが、風邪を召されて代わりに娘さんが車で送ってこられたという。心配していた先生のご健康はお顔を見ていると前より良いようにお見受けした。4月にゼミ有志とお祝い会で顔合わせをしているが、卒業して45年も経っても同じ学問をやったという共通点は気持ちも通じて話し合える気軽さがある。親しい仲間とまた旅行に出ようとの話も持ち上がった。やはり読売の滝鼻くんはスケジュールの都合がつかないようで欠席だった。来れば巨人軍優勝のお祝いを言ってあげるのだったが・・・。

 アメリカがまた日本を裏切った。今朝の朝日では「米、北朝鮮テロ指定解除」がトップ記事になっている。未申告核施設の検証を拒んだ北朝鮮に対し、6者協議の枠組み維持を最優先したアメリカ政府が譲歩し、事実上申告した施設に限った検証計画を受け入れ、見返りに指定解除を決めた。日本は米政府の決定に対して正式に異議を唱えることはせず、言いなりになっていただけだ。ブッシュ大統領が麻生首相に「日本国民が強い懸念と不安を持たれていることを理解している。被害者家族への深い同情とこの問題を解決するための誠実な気持ちを伝えたい」と電話があったらしいが、常に拉致被害者の気持ちを斟酌して行動すると言っていた大統領の言動がこのザマである。しかも、事前連絡もなく抜き打ち的にぱっとやり、事後に相手に伝えるアメリカ流の不誠実極まりないやり方である。このアメリカが一番信頼できる友好国が日本だというからチャンチャラおかしい。アメリカはこの他にもアフガニスタンのテロ作戦撲滅にも、友好国として金を出せと言っている。これが、パートナーシップであり、日米同盟の絆は日米外交史上最も強固だとするアメリカの友好国裏切り行為の実態である。日本には外交がないといわれるが、外務省のだらしないのは今に始まったことではない。しかし、何と言っても一番ひどいのはやはり政治家であろう。

2008年10月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

516.2008年10月11日(土) ロス疑惑の三浦和義移送直後に自殺

 時折PCの具合が悪くなることがある。今書斎のデスクには3台のPCがある。主に「SONY VAIO」のデスクトップを使い、ホームページ用と旅行用には「PANASONICの LET’S NOTE」ノートパソコンを使っている。かねてよりこのままの状態でPCが起動しなくなったら、どうしようかと気になっていたところだ。

 友人の大塚武夫さんが顔の広いところで、小糸武彦さんと仰る若いITコンサルタントを自宅へ連れてきてくれた。小糸さんはパソコンを遠隔操作して、PCの病を治療してくれる出張コンサルタントだそうである。そんなに有難いことを本当にやってもらえるのだろうかと半信半疑の思いだった。とりあえず、今日のところはVAIOを診断し、かなり内部を掃除してもらい軽くしてもらった。この契約を結ぶことによって定期的にPCの安全管理をしてもらえるわけで助かる。更に、HPの発信工房であるノートパソコンが異常現象を起した場合に備えバックアップとして、メモリーを外付けにしてデスクトップとノートパソコンの両方にリンクして同じ役割を任せれば、どちらかのPCに不具合が発生しても対処できるというアドバイスをもらった。

 PCにはこれからも随分お世話になるわけで、性能が勝れていることに越したことはない。今やPCなしには一歩も前へ進めない。その意味でPCの安全管理にひとつの道が開けたわけで、これからも安心してPCへ向かうことができる。

 今週に入って4人の日本人科学者がノーベル賞を受賞して日本中がお祝い気分だったが、一昨日のノーベル文学賞者には噂された村上春樹ではなく、昨日の平和賞受賞者も日本人ではなかった。今年のノーベル平和賞にはアハティサーリ・フィンランド前大統領が選ばれた。「今日の世界で、アハティサーリ氏は傑出した調停者だ」。ノーベル賞委員会はこう評している。確かに過去の受賞者に比べてもこれほど平和、或いは紛争の調停者、仲介者として業績を挙げた人は極めて少ない。ざっと挙げても、ナミビア独立紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、北アイルランド紛争、アンゴラ内戦、ソマリア内戦、アチェの独立紛争、コソボ問題ほか、いかに他国の紛争に関わり幅広く活動していたか、この活動歴だけを見ても想像出来る。それにしても、この人のエネルギッシュな行動には頭が下がる。とても日本の政治家には真似ができない。今日開かれたG7に出席した中川昭一財務大臣の憮然とした顔つきとふてくされた態度、更に存在感のなさにはがっかりした。

 夜になって突然驚くニュースが入ってきた。2月にサイパンでサイパン警察によって逮捕された、いわゆる「ロス疑惑」の三浦和義が、今朝サイパンから着いたばかりのロスアンゼルス警察内で自殺した。三浦は日本で殺人罪により起訴されたが、懲役刑を受け服役し出所後、自由の身となってサイパンへ旅行して逮捕された。ロス警察から身柄の引渡しを要求され、ロス到着直後に自らの命を絶った。

 一事不再理という同じ罪で起訴されないということから、頑としてロス移送を拒んでいたが、最近になってロス行きに同意した。ただ、アメリカでは一事不再理ということが関心を集めたこともあってか殺人罪としてではなく、共謀罪として起訴される予定だったという。有罪なら共謀罪は軽くて25年、重いと死刑というから、ひょっとすると覚悟の自殺の可能性がある。

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515.2008年10月10日(金) 読売巨人軍逆転優勝!

 「JAPAN NOW観光情報協会」の月例観光立国セミナーが開かれた。元JTB取締役ヨーロッパ支配人だった唐津康夫さんが、日本の観光地を採点されたミッシュランの「☆」について事細かに説明された。ミシュランの評価はなるほどと思ったり、合点がいかなかったり、やはり日本人の感覚とフランス人のそれでは大分違う。かつて唐津さんはインバウンドを取り扱ったり、ヨーロッパに駐在されていただけにさすがに詳しい。九州国立博物館が☆☆☆、つまり三ツ星というのが、どうしても理解できず、この件で質問というか、私なりの考えを述べた。

 セミナー終了後近々世に出る拙著の校正と表紙カバー・デザインについて話し合うため、急いで新宿の早稲田出版社へ向かう。表紙は事前に修正箇所について希望を伝えておいたので、出来上がりはかなり気に入ったものとなっていた。少々注文をつけて本文の校正原稿をチェックする。問題はカバーの帯に載せる芳野満彦さんの推薦文をまだ手元にいただいていないことだ。芳野さんには手紙、ハガキ、電話で再三催促をしているのだが、まだ送られてこない。出版社からももうそろそろいただかないと出版が遅れてしまうと困った表情をされてしまった。芳野さんへ手紙で直近のお願いをしたのは一昨日で、それが哀願調の拙文を読まれた芳野さんの心にどう響いたのか。夜水戸の芳野さんへお電話をした。電話口に出られた芳野さんは、「遅れて申し訳ありません。明日必ずお送りします」とほっとする返事をいただいた。やれやれである。どんな推薦文をお書きいただいたのか、ともかく楽しみに待ちたいと思う。

 今週下がりっ放しだった株価は、今日も大幅な下げ幅881円で、ついに日経平均株価は8,276円となり、7,000円台も視野に入ってきた。バブル期の底は7,607円だったそうだから、もう第2バブルと呼んでもよいのではないか。今日大和生命保険が破産した。

 プロ野球は先日パ・リーグで西武が優勝を決めたが、今日セ・リーグでは巨人が優勝した。7月初めには首位の阪神タイガースと13ゲーム差があったが、それを逆転して見事に優勝を飾った。今年はプロ野球を実戦もテレビでもほとんど見なかったが、秘かに巨人を応援していて一時は優勝を諦めていただけに、ファンの気持ちとしてはやはり嬉しい。ゼミ仲間の巨人軍オーナー・滝鼻卓雄くんも得意満面だろう。とにかくよかった、よかった。

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514.2008年10月9日(木) 北京五輪後の中国経済

 多摩大学寺島実郎監修リレー講座は、「北京オリンピック後の中国経済の行方」と題して、沈才彬(シン・サイヒン)・多摩大学教授によるどんぴしゃり1時間半の講義が行われた。流石に元三井物産戦略研究所中国研究センター長であり、日本でも中国に通している論客のひとりと見られているだけに、一般にも関心の持たれるテーマについてパワーポイントで数値を示しながら、淀みなく五輪後の中国について考えを説明された。

 沈教授は中国を7つの視点から精査し分析された。1)アメリカ金融危機、2)北京オリンピック成功による国家の高揚感、3)オリンピックは先進国への成人式、4)内憂外患の中国経済、5)10%前後の成長、6) 2010年上海万博以降、7)日中関係、等7つの重層的な視点である。特に、アメリカの先行きに対する不安材料と中国自体の内的な力を強調された。これまでのようなアメリカ一極集中的な経済拡大は期待出来ず、また中国が抱えるいくつかの問題が火を噴きかねない。特に中国国内の格差問題は深刻で、これをどう解決するかということが問われている。とりわけ、内陸部と臨海部の地域格差、都市と農村の格差、富裕層と貧困層の所得格差が深刻であり、これが爆発しなければよいがと懸念されていた。また、日本との関係に摩擦はあっても後退はない。日本自身の内需拡大は望み薄であるが、外需による日本国内の内需拡大の方法として、外国人旅行客を増やすことがひとつの方法であると指摘された。その外国人とは中国人である。日中双方の関係は、「win-win」関係の構築で日中の共存・共栄を目指そうと結ばれた。

 帰りに秋田英澪子・知研事務局長と大学門を出て坂を下ったところで、30歳前後の女性に後から声をかけられた。「沈先生ですか?」 んむ? 私のことを今しがた講義を終えたばかりの沈先生と見間違えたようだ。講義前に沈先生の写真を見た八木会長からも「近藤さんに似ているなぁ」と言われたが、中国問題の専門家と思われたのは光栄だ。そんなに似ているかなぁ。不思議な感じだ。

 いつも通り車で帰り、夕食後近くの深沢支部(玉川青色申告会)の税法改正の説明会と懇親会に出席した。特に減価償却に関して申告会の方が説明された。青色申告会も年々会員数が減少しているそうで、新会員獲得運動を行っている。まだ、入会してから1年も経過していないので細部までは判らないが、この組織はよくやっていると思う。出席者の考えも聞けたので、どう申告に対処すべきか、少しずつ分ってきたように思う。

 韓国の桂明洙さんから電話とFAXがあったが、どうも講演場所がソウルではなく、ソウルから車で4時間半ほど離れた、東海岸・江原道のソク・チョという港湾都市のようだ。こうなると2泊3日で世界遺産巡りなどやっている余裕がないと思う。世界遺産は改めて訪れることにするか。KARPでは4泊5日を勧めている。さて、どうするか。

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513.2008年10月8日(水) 一旦消えた韓国講演話が再び浮上

 昨日一旦お断りすることに決めた韓国の講演について、八木哲郎・知研会長に、改めて韓国の桂明洙さんと話し合ってもらった結果、当初私が考えていた定年後の人生をどう楽しむかというテーマに併せて、定年退職者の再雇用問題について日本の制度と現状について話をするということでほぼ了解点に達した。もちろんそのためには、日本の再雇用問題に関して関係者に取材してそれなりに調査しなければならない。これで、再び私の韓国講演が浮上してきた。

 午後駒沢大の公開講座から帰ってみると、すでに八木会長が取材相手を見つけて話をつけてくれていた。さらに、高年者の再雇用についてインターネットで調べ、専門家として目についたのが麗澤大学の下田健人教授だという。びっくりしたのは、下田教授は飯田ゼミの18年後輩で度々ゼミの例会で会っているし、4月のゼミ祝賀会でも若手?の中で彼だけ参加してもらった。早速メールで下田教授に連絡をとったが、明後日のゼミ例会には所用で来られないという。いずれにせよ、近日改めて連絡を取って後輩に教えを請いたいと思っている。

 今日も昨日のビッグニュースを上塗りするようなニュースが入った。まず、昨日はノーベル物理学賞受賞者に日本人3人、南部陽一郎・シカゴ大学名誉教授、益川敏英・京都産業大学教授、そして小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授が選ばれた。そして今日ノーベル化学賞が下村脩・ボストン大学名誉教授に授与されると発表された。2日連続で4人のノーベル賞受賞者を輩出する華々しさである。暗いニュースが続く中で、久しぶりの快挙である。

 2つ目のビッグニュースは、冴えないニュースである。昨日に引き続く株価の下落だ。昨日一時的に日経平均株価が10,000円を割り込み、その後買い戻して何とか10,000円台に留まった。しかし、今日は朝から下落傾向が加速され、終値は対前日比で952円安という5年ぶりの大幅値下げとなり、日経平均は、ついに10,000円を割り、9,203円となった。これほどの大幅な下落は、戦後3番目だそうである。このままの趨勢を辿るとひょっとすると8,000円台も目前である。

 1929年の世界大恐慌以来の世界的な不景気が襲いかかっているという専門家もいる。もう金融不安も好い加減にしてもらいたい。

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512.2008年10月7日(火) 日本人3人がノーベル物理学賞受賞

 昨日ソウルから電話があった講演の件で、夕方になって八木哲郎・知研会長が電話で韓国の桂さんとの話し合いの内容を知らせてくれた。主催者のNGO韓国隠退者協会(KARP)では、韓国の定年退職者はどうやって第2の職場を探したら良いのか、日本の制度と現状も併せて話して欲しいというのが凡その主旨だった。八木会長とも話し合った結果、相手の希望と我々の理解がすれ違っていたと認めざるを得ない。高年者再雇用問題は、これに専門的に取り組んでいる人でないと話は出来ないのではないかと思う。八木会長には、ほかに候補者を見つけられるかもしれないということでもあり、ひとまず私の講演はお断りすることにしようということになった。ちょっと残念な気もするが、こればかりはやむを得ない。次の果報を寝て待つことにしよう。

 夜になって嬉しいビッグニュースが入ってきた。今年のノーベル物理学賞が日本人科学者3人に受賞されることに決まった。一度に3人も受賞するのは初めてだ。受賞者が出るのは6年ぶり、15人目になる。政治、経済が落ち目の日本だが、科学の分野ではしっかり底力を発揮している。なんにしても自信喪失気味の最近の日本としては、曙光が射したような嬉しい気持ちである。

 リーマン・ブラザーズの破綻以来、株価の下落は止めようがない。ニューヨーク証券取引所のダウ平均は昨日、10,000$を割ったが、アメリカに引きずられた東証日経平均株価も今日は一時10,000円を割り込んだ。アメリカでは金融安定化法案が議会を通過して75兆円財政支出が可能になったが、投資家からその実効性に不安をもたれ、その効果が今のところ表れてこない。朝刊各紙は揃ってダウ平均10,000$を割り込んだことをトップ記事で報じている。今日駒沢大の授業では2時限とも、講師はこの話題について触れられた。

2008年10月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

511.2008年10月6日(月) 韓国の講演テーマに思い込み違い

 夕方になって突然ソウルから電話があった。11月に講演を依頼され、その仲介をされている桂さんからだった。先月末必要な書類をメールで韓国隠退者協会会長に宛て送信したが、その中に講演テーマと内容も送信した。ところが、私の理解と相手の考えとの間に大きなずれがあることが判った。私は韓国の定年退職者が退職後どんな希望を持ち、人生を楽しんで生きていくのか、日本人のケースを私自身の例と父親のケースに例えてお話しようと考えていたが、主催者側は60歳、或いは65歳の定年後に、次の職をどうやって見つけるか、どういう形で再就職をするのか、等日本のケースを話して欲しいということのようだった。つまり再雇用について話して欲しいということだったが、これは私の知らないフィールドで、私の経験や知識で大勢の人たちに向かって話をするのは難しい気がする。また、こういう話自体には面白味がないのではないか。時間はまだ充分あるから、考えてみて欲しいというのが桂さんの希望だった。しかし、よくよく考えてみるとこういうテーマはハローワークとか、厚労省の労働行政者にとっては専門分野であるが、通常の人が講師となるのは難しい。とりあえず、受けたままにしているが、その後八木哲郎・知研会長に電話で話の大筋を伝え、一応ペンディングとすることにして、明日会長が親しい桂さんに直接尋ねてみるということになった。

 一昨日小田実一周忌講演会の際、購入した「終らない旅」500頁をぱらぱらとめくっていたところ、奇妙なことに気がついた。目次がないのである。扉頁があって、すぐ本文に入るが、見出しがあって、文があり、その先にまた見出しがあって文がある。最後までその繰り返しである。見出だしは1から71まである。しかし、その見出しの目次がない。発行元の新潮社に電話で著者小田実の意向かと尋ねたところ、普通のスタイルと大きく異なった編集の場合は、著者の意向が大きいと担当者ではない女性の答えだった。多分落丁本ではなく、意図的に目次を付けないのは、著者の希望を受け入れたのだろうとも言っていた。でも、見出しを探すにも苦労する。一覧で見られないのは不便だし、読みにくくもある。こんな本は初めてだ。小田実のやることは、最後まで一風変わっている。

 さて、先週末アメリカで金融不安に対する1つの手が打たれたが、週明けの日経平均終値は対先週末465円の大幅下落だった。やはりアメリカ相場に歩調を合わせ、ウリが相場を支配した。世界同時不況の始まりか。この先どこまで下がり続けるのやら見当もつかない。

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510.2008年10月5日(日) アメリカ議会で金融安定化法案は通ったが・・・。

 昨日アメリカで金融安定化法案が下院議会を通過成立した。先月29日に同法案は一旦下院で否決され、その後上院で一部修正して通過、再び下院に戻され修正案が可決された。そもそも最初に下院で否決されたこと自体が意外だっただけに、僅か1週間で修正案が賛成多数で成立したことが、いかにもドラスティックでアメリカらしい。

 当初公的資金を金融機関救済のために投入することが、国民、特に低所得層から大きな反発を招き、それが下院議員の背を押すことになって、結果的に法案否決となった。ブッシュ政権も金融不安解消の手立てが否定されたことにショックを受けたようだ。当面金融不安を回避し、打開するための手段として反対多数の世論を真剣に受け止め、法案の精神が否定されることが、今後益々景気後退を加速させ、ヨーロッパ、アジアの金融不安を増幅させると考え、懸命に国民を説得し、修正を加えることによって何とか公的資金が市場へ出回ることになる。

 ところで、これで金融不安解消とはいかないものである。これはサブ・プライム・ローンによる巨大な打撃のほんのひとつの処方箋に過ぎない。現実に、値下がり続けたダウ平均株価が一気に上昇に向かうと思いきや、予想に反して昨日は157$も値を下げた。まだ、市場は疑心暗鬼なのだ。週明け後のヨーロッパ、アジアの株式から目が離せなくなった。

 今日は高校ラグビー神奈川県予選1回戦で母校湘南高が、横浜創学館高と対戦した。近所の和田先輩をピックアップして、日大藤沢高校へ。

 新しいチームになったが、また負傷者が出たようだ。しかし、最近の傾向としては選手層が厚くなったことが、チーム力を押し上げる要因のひとつとなっている。試合は、キックオフ早々にトライを得て、前半だけで5つのトライを奪い、トータルで8トライを奪取、後半は4人を交代させる余裕も見せて、結果的に46-12で圧勝した。まずは幸先が良い。この調子で2回戦も勝ち上がって欲しい。

2008年10月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

509.2008年10月4日(土) 小田実没後1周年記念講演会

 小田実さんが亡くなって1年2ヶ月余りが過ぎた。今日神田小川町で「小田実没後1年記念講演会」が催された。ざっと3~4百人が来られていた。そのほとんどが40歳代以上の方々で、あれだけ情熱を注ぎ込んで利他的な平和運動に関わった人だが、今の若い人たちの間では煙たいのか、知らないのか、ほとんど若者の姿が見られなかった。

 スピーカーは3人で、コロンビア大学名誉教授・ドナルド・キーン氏が「『玉砕』を翻訳して」と題して30分、葬儀委員長も務めたベ平連仲間で哲学者の鶴見俊輔氏が「文学者としての小田実」を30分、最後に小田を尊敬していたという作家の澤地久枝氏が「『河』を読んで」のテーマで1時間たっぷり話された。

 キーンさんは1958年にハーバード大学で小田と会ってから40年経って、突然小田から「玉砕」の原稿が送られ翻訳する羽目になった。太平洋戦争中米軍の通訳として、玉砕の島、アッツ、キスカで軍役に就いていたギーンさんは、日本軍守備隊が10倍の数の米軍に突っ込んだ玉砕を目の当たりにしたという。

 翻訳に当たっては、日本軍の習慣と米軍のそれとの違いにしばしば困惑した。日米で異なる軍律、上官への言葉使い、部下に対するビンタ、アメリカ軍について悪く書かれていること等で悩んだが、英訳版がコロンビア大学から出版されてもアメリカ人読者から抗議や、非難はないそうである。

 鶴見先生は、韓国人義父アボジとの会話や、コミュニケーションについて話された。小田は平和運動に忙しく関わっていたが、作家としてのタレントも抜きん出ていた。2008年の日本人にはないものが、小田の姿勢の中にはあった。1961年、29歳の時発表した「何でも見てやろう」以来、小田は個別にものごとを受け入れるのではなく、まとめて受け入れ、自分の手記の中に押し込んだ。鶴見先生が戦時中ジャワ島の酒保で入手した呉茂一訳のギリシャ文学が、「玉砕」にエコーを送っている。故呉茂一先生は高校時代の友人・呉忠志君の父上である。

 「終らない旅」が、小田が鶴見先生へ贈った最後の本になった。その時2人で本を書こうと約束したが、ダメになった。最後に小田を評して、「思想史の中の小田実」「文学者としての小田実」の他に、「組織者としての小田実」を加えたいと結ばれた。

 澤地さんは、「河」ばかりでなく、小田の最新書についてご自分なりの感想と解説をされた。「終らない旅」については、ベトナム戦争を背景に愛とか、ラブシーンを上手に描いているという。それは、小田が現場に拘ったからで、ベトナム戦争にも随分関わった。この本の中で孫文の言を巧みに引用している。「日本よ、西洋の覇道を歩むな。王道を歩め」。「玉砕」だって、実際は文中では玉砕していないが、場所は玉砕の島・ペリリュー島であり、小田はわざわざペリリューにまで行っている。僭越だが、私もペリリューとアンガウルには行っている。

 小田は行動の中で文学の技を磨いていった。多忙な中で書いたボリュームは並ではない。「河」は未完のままだったが、8年間で6,000枚は毎日100枚書かなければできない。寸暇を惜しんで書き続けたことが推察できる。自分が仕えた五味川純平は、ヒット作「人間の条件」に10年間を費やし、原稿は3,000枚だった。

2008年10月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

508.2008年10月3日(金) 「役人悪人論」をぶち上げよう!

 社会保険庁の歯止めなき悪質な暴走ぶりは止まるところを知らず、またまた組織ぐるみの怠け癖と嘘つきが国民の前に曝け出された。今日社保庁は、厚生年金の支給額算定の基礎となる標準報酬月額の改ざん問題で、標準報酬が極端に(5等級以上)引き下げられた記録が約75万件あったと発表した。ふざけるんじゃないと言いたい。やれやれである。先日舛添要一・厚労相は改ざんが6万9千件ほど見つかったと言ったばかりである。何たるお粗末!これは社保庁の役人どもの長きに亘る意図的な犯罪行為である。しかし、過去に遡っても役所内から、責任を取る人間は絶対出ないだろう。それが役所の体質だからである。もうこうなったら現状の官僚制度に徹底的にメスを入れなければダメだ。じっくり考えて、役人を懲らしめる懲罰制度と、国民を舐めきっている彼らの根性を叩きなおす公務員制度を抜本的に制度改革しなければ、この種の悪事と怠惰はいつまでもなくならないだろう。

 とにかく「役人悪人論」をしっかり組み立て構想を練って、いずれ世に訴えていきたい。

 一昨日観光振興を目指して観光庁が発足したが、今朝の日経「春秋」欄には「国土交通省の外局として観光庁ができた。第一の任務はやはり外国人観光客の誘致らしいが、『庁』までつくって何をやろうというのだろう。『国際競争力の高い魅力ある観光地づくりを支援』などとうたっているけれど、民間の仕事に余計な口出しをしないのかどうも心配だ」。やはりお役所仕事の非効率ぶりを気にしている。実際ソフト分野の多い旅行業界で、「いつも動いている旅行業」の実態が分らない官庁がいくら旗振りをやっても誰も踊らないのではないか。こういうところが、お役人のピントのずれている点だ。

 玉川青色申告会が主催してくれている「複式簿記講習会」も今日が最終回。やはり演習を含めて直接授業方式で教えてもらうと理解しやすい。振替伝票の記入、総勘定元帳への転記、同月次締切り、合計残高試算表の作成、総勘定元帳の期末締切り、決算整理方、領収書の保存方等、一連の記帳作業を学んだ。たった3回だけの講習だったが、初めて真剣に学んで分りやすい説明に受講した効果は充分だった。今どきこういう良心的で手軽で有意義で、安くて「目から鱗が落ちる」講習があるんだなぁと感心した次第である。

 このところのアメリカの金融不安の連鎖により、日本の景気も大きな影響を受けているが、ついに今日の東京株式市場は日経平均で11,000円を割ってしまった。これから日本経済の力を示す株価はどういう道筋を辿って行くのだろうか。3月に持ち株は全部売却してしまったので、もう損することもないが、それでも底値を待って買い戻し損害を取り戻そうとの助平根性もあるので、相場は気になる。

2008年10月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com