今日自民党総裁選挙の5人の候補者が記者クラブで全体討論会をやった。1人8分の持ち時間の中で他の候補者に質問して、自分との違いをしきりにアッピールしていた。麻生、与謝野、石原、石破、小池各氏らに共通しているのは、やはり揃いも揃って現場を知らない経歴の持ち主だということだった。確かにそれぞれの質疑応答を聞いていると極めてそつがなく、それなりに答として納得させるような気もするが、それは政治家だから口が巧いだけであって騙されてはいけない。裏打ちがないのだ。つまり民主党に対して、民主の政策は資金的な裏づけがないとしきりに非難しているが、今日5人の候補者の言い分を聞くと、資金面もさることながら実現出来そうもないことを後から後から軽口でしゃべる。実際その通りやったら、自分たちが権限を押さえようとしている官庁の役人から猛烈な抵抗を受け、行き詰まることは明白である。これは、永年狐と狸の騙しあいの世界で議論のすり抜けばかり身につけたせいだろう。幼いときから豊かで、恵まれた生活を送り、他人への思いやりをあまり悟る機会がなかったせいもあるかも知れない。一番経験があると自称する麻生幹事長のごときは、質問をまぜっかえしたり、マス・メディアへ皮肉を言ったり、およそレベル云々を言えるようなものではない。
これではまるで政治への期待が持てない。石原氏も小池氏も内々に政治家の程度の低さが分っているせいであろう。2人とも国会議員数を減らすことを提案している。こういう問題こそ、彼らにとって身近な問題で根幹であるので、真剣に議論するだろうし、国民にとっても関心のあるところであり、ぜひ議員数削減について5人の意見を開陳してもらいたいものである。
それにしてもこれだけ大物が集まって議論して、NHKで生中継をやっていたのに、夕刊紙上ではまったく触れられていないのも腑に落ちない。まあ熱が入っていないことの証左ではないだろうか。こんな状態で一時的なフィーバーは22日の自民党総会まで持つのだろうか。