5233.2021年9月10日(金) 緊急事態宣言延長の一方で、緩和のところも

 東京都内では、このところ日々新型コロナウィルス新規感染者数が減少しているが、重症者数や、若者の感染者が増えていることもあり、医療現場は逼迫して警戒はまだ緩められない。明後日まで27都道府県に発出されていた緊急事態宣言を引き続き、19都道府県にそのまま緊急事態宣言を、そして8県はまん延防止等重点措置発出に切り替えて今月末まで実施することにした。

 ワクチン接種が浸透して、昨日時点で65歳以上は1回目89.5%、2回目87.8%の接種率である。全人口の割合では、1回目54.6%、2回目43.4%の接種率となっており、11月上旬には希望者はほぼ接種を終える予定だという。問題はその後である。接種率の上昇につれて感染者も減り、重症者が減れば結構だが、油断出来ない。ワクチン接種が早かったイスラエルでは、2回目の接種を終えて安心したのか、再びリバウンド状態となり、最近になってブースターと言われる3度目の接種を始めた。

 デルタ株が悪性で感染率を増加させたが、また新たにミュー株という新種が現れた。この様子では、収束するのはまだ当分先のようだ。一方で、宣言は延長されるが、その中で行動を緩和することである。気になるのは、都市の歓楽街などで人流、特に夜間の人出が増え続けている現象である。このまま人出を放置しておけば、ワクチン接書が効果を上げようとも感染者は減らないのではないか。国と自治体は、これをどう見極め、有効な手を打つことが出来るだろうか。一部には、来月以降の衆議院選を控えた選挙にらみで緩和に踏み切る自治体が増えるのではないかと心配されている。

 そんな折、EUでは観光など不要不急の目的でのEU域内への渡航を認める「安全国リスト」から日本を外すと決め、発表した。これについては、1月にも日本は外されたが、6月に「安全国」に認定された。海外からはこのように安全な国とは見られていない。ワクチン接種割合が高まっても、対象地域での行動制限の緩和にはよほど注意する必要がある。

 さて、今月中に首相を辞める菅義偉首相は、昨日記者会見で在任1年を振り返ってコロナについては、「暗いトンネルの中を手探りで進んでいくことにも似た困難だった」、「医療体制を確保することが出来なかったのは大きな反省点」と語っていたほど、コロナの感染拡大に悩まされたことが理解出来る。これを引き継ぐ日本の総理大臣史上100人目の首相になるのは誰か。そしてその首相は、コロナ禍に対していかなる方策で対処しようとするのか、ぜひ前向きなポリシーを発表してもらいたい。

 午後予定されていた河野太郎・行政改革担当大臣が自民党総裁選への立候補を表明した。3人目である。すでに立候補を表明して連日テレビに出まくっている岸田・前政調会長や高市・前総務相は原発容認派であるが、河野氏は脱原発を唱えた。だが、その説明は歯切れが悪い。自民党内では少数派で、正面切って国民に脱原発をアピールすることが出来るかどうかが、河野氏にとっては勝負どころである。

2021年9月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5232.2021年9月9日(木) 小学生時代を過ごした台風禍の鋸南町

 今日は中国由来の「長陽の節句」である。普段お世話になっている、近所の小中陽太郎さんが、今日87歳の誕生日を迎えられた。午後ご自宅へお電話してお祝いの言葉を伝え、いろいろお話しすることが出来た。健康面では特に問題はないと仰っていたので、ホッとした。新型コロナウィルスが収束したら一杯やりましょうという前向きな言葉で話を終えた。

 2年前の今日は、台風15号が襲来して関東南部、特に千葉県南房総地方では甚大な被害を被った。中でも最大の被災地は、小学校低学年時に過ごした勝山町(現鋸南町)だった。テレビで当日の映像を観る度に胸が痛んだ。懐かしさもあって落ち着いたころにぶらっと住んでいた旧社宅辺りを訪れて昔を偲んでみたいと考えていた。ところが、その後コロナが流行して訪れる機会がないまま今日に至った。今朝テレビで街の空中写真を放映していたが、風景があまりピンと来ない。まるで他所の町のようだ。大きな街ではなかったので、もう少し面影が残っていても良さそうな筈だが、思い出すような場面が画像上現れなかった。レポートでは、復興がまだ充分ではないようなことを伝えていた。少年の日の懐旧の想いは、まだ当分先伸ばしになりそうだ。

 ひとつレポートで気になったのは、破壊されたままになっている家屋でも、固定資産税がかかり、家屋を処分して整地した状態にすると固定資産税は4倍にもなるということだった。これではこの後の計画が立たなかったら、そのままに手を付けずに放置する所有者が多いのではないかと感じたことである。

 さて、自民党の次期総裁選が迫っている中で、昨日高市早苗・前総務相が正式に立候補を表明した。記者会見で靖国神社へ参拝することを問われて、個人的に参拝するのは個人の権利で自由であり、傍からとやかく言われる筋合いではないというような主旨のことを述べていたが、靖国神社には太平洋戦争のA級戦犯が祀られていることは当然知っている筈であり、それこそが靖国参拝問題として取り沙汰されるのである。大臣も務めた人がこんなことを知らない筈がない。このような安易な物言いをするようでは、とても総裁、総理にはなってもらいたくない。情けない限りだ。

 また、立候補を表明していないが、近々正式に表明するであろう河野太郎・行革担当相は、これまで脱原発を唱えていたが、昨日の話では明らかにトーンダウンしていた。現状はともかくいずれ脱原発となるような言い回しである。反原発、或いはすぐにも脱原発を言えば、自民党内では反発を招くことが予想されるところから、ここは一歩退いたフリをしたというところであろうか。

 高市氏にしても、河野氏にしても考え違いをしていたり、その場しのぎをしているようで狡いとしか言いようがない。持論なら持論として堂々披歴して質問にも答えるのが、総裁総理になろうとする政治家が心得るべきことではないか。2人ともに苦労知らずのまま今日に至った人という印象が強い。苦労を知らない人物が、政治の場では一番ネックになるのだが、最近はそういう政治家が多くなった。将来を考えると暗然とさせられる。

2021年9月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5231.2021年9月8日(水) アフガニスタンとミヤンマーの現状

 私が普段から強い関心を抱いているアフガニスタンとミヤンマーの実情については、一般的にあまり知られているとは言い難い。とにかく今や両国とも国情が一層分かり難くなったこともある。

 このところ連日アフガン情勢について報道されてはいるが、イスラム系テロ組織集団タリバンが政権を獲得し、国際社会からは極端なイスラム教義の押しつけが懸念され、警戒されている、女性に対する教育や就職などへの厳しい制約で女性に対する差別を容認しようとするタリバンが、今日暫定政権の閣僚を一部発表した。まだすべての名前が決まったわけではないが、当然のように女性閣僚の名は見らない。最高指導者にはアクンザダ幹部が、首相にはアフンド幹部が就任した。強硬派のハッカーニ幹部が内務相に決まったが、テロ組織アルカイダと関係があると言われ、国連から制裁対象に指定され、アメリカではFBIがテロ組織の首領と見做している人物である。かつて宗教警察として恐れられた「勧善懲悪省」が復活したのも以前のやり方を踏襲しようとするサインである。アフガンとしては、20年前の9.11テロ以前に復帰するわけだが、国際社会の中で極端なイスラム教義を主張する国家が果たして、国内的にも国際的にも停滞なく平和路線を歩んで行けるのか、極めて懸念される。

 問題は、このタリバン政権のアフガニスタンを諸外国が国家として承認するかどうかである。テロ以前のタリバン政権を承認したのは、パキスタンなどたった3か国だけで、当時とあまり変わっていない異色の国家を諸外国がすんなり認めるとは思えない。現状ではどういう国家の形が出来るのか、まったく不明である。

 一方で、最近メディアで報道されることが少なくなったミヤンマーは、昨日民主派勢力が国軍に対抗して樹立した「統一政府」のドゥワラシラー副大統領が、過激な口調で国民に檄を飛ばした。非常事態を宣言し、これまでも国軍に抵抗していた普通の市民からなる武装組織「国民防衛隊」、及び国内の少数民族の武装組織に対して「直ちに国軍を攻撃せよ」と呼び掛けた。これによって国内で激しい闘争が起きることが心配である。

 しかしながら、圧倒的な武力を持つ国軍に対してこれらの組織による攻撃が勝てるとは思えない。それでも国軍に国を挙げて攻撃を仕掛けるというアクションが国軍の戦意を挫けさせることが出来るかは、分からない。これによって、ミヤンマーから逃れたロヒンギャ族が再びミヤンマーの地へ戻ることは難しくなった。このままだと国内の治安は泥沼化するばかりである。今や国連も中ロの否決の行使により国内の問題解決が難しくなった。国軍との戦いは長期化すると見られ、食料や薬などの買いだめでパニックが起きかねないと危惧されている。

 アフガンは、アメリカの介入と撤退が難題を置き去りにすることになった。反面ミヤンマーでは、他国の直接介入はなく、あくまでミヤンマー国民自身の考えと行動によって、思いがけず地獄図絵が生みだされようとしている。

 その点では、転覆しそうなこれらの国々に比べれば、政権取りごっこをしている日本は、呑気なものであり、まだましな方と言っても好いだろうか。

2021年9月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5230.2021年9月7日(火) 拙著最新刊、重版出版

 昨日の慶應病院に引き続き、今朝は近くの国立東京医療センターへ定期健診に出かけた。軽度のリューマチ治療のフォローである。毎度採血して知るCRPとHbA1cは、前者が0.11で先月の0.08に比べれば上がっているが、糖尿病の目安である後者は、先月と変わらず6.9だった。医師の話では、数値的には大きく改善してはいないが、全般的には良好ということから服用薬のプレドニンを8㎎から、7㎎に減らすということになった。今月末にもう1度検査して今後の凡その処置を判断されるのではないかと考えている。

 さて、今日漸く近著「八十冒険爺の言いたい放題」の重版本を出版社から送ってきた。初版ではかなり誤植が見られ恥ずかしく思っていたが、重版に向けてかなり文章を訂正したので、ざっと目を通したところ不自然さが消え、これからは胸を張ってPR出来る。

 内容について一般的にドキュメント書でもアフガニスタンやミヤンマーに関しては、深く掘り下げて書かれたものはほとんど目にしない。それが僭越ではあるが、本書が一定の評価を得て、販促効果を上げた一因ではないかと考えている。

 そのアフガンの様子がこの数日どうも怪しげな雰囲気になってきた。タリバン№2の仲介によって、隣のイスラム国パキスタンのイムラン・カーン首相が中国の王毅外相と会談したとの情報が伝えられた。それはパキスタンがかねてよりインドとの対立からインドと関係良からぬ中国へ接近していると言われている。だが、中国はイスラム系の新疆自治区のウィグル族を抑圧して国際社会から非難されている事実がある。その中国へ何故にパキスタンとタリバンが接近するのだろうか、不明である。むしろ中国が、アフガンへの進出を画策しているからではないだろうか。中国はどうもアフガンの銅山に目をつけているようだ。「一帯一路」政策に見られるように、中国が途上国へ進出するのは経済的な利権を得るためであることは明白である。完全な政治の体裁を整えていないアフガンが、今望むのは経済的な支援である。そこに中国は的を絞っている。タリバンがこれから如何なる外交政策を取るのか分からないが、アフガンがもう少し国家の体制を整備したうえで、民主国家として歩むことを願うばかりである。

 今晩のNHK「クローズアップ現代+」に「緊迫のアフガニスタン最新報告」の副題で最近のアフガンの後ろ向きな政治をアピールしていた。女性人権活動家は、外出する際は、無事に帰宅出来ないのではないかと不安になると訴えていた。タリバンがいう「イスラムの原理の許す範囲内で女性の権利を尊重する」との言葉は、ほとんど信用できない。20年間に80万人の兵士をアフガンに送り込んだアメリカが、タリバンという政治的基盤のない政権を復権させたことは、アフガンを益々非人権的な国家へ追い込むことになるのではないだろうか。

2021年9月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5229.2021年9月6日(月) パラリンピックの評価はまずまず

 先月18日に慶應病院で大腸の内視鏡手術によりポリープを取り除いてもらった結果と事後の経過を伺うために同病院へ出かけた。幸い経過は問題ないと伺ったが、懸念しているようにこれから2年後ぐらいに再びポリープが表れる可能性があるということだった。それには、定期検査を受けることが必要だとのことだが、毎年人間ドック検査を受けるのでそれで良いだろうと考えている。

 雨模様のせいもあるが、やや肌寒いので上衣を着て出かけだが、今日都内の気温は終日25℃を超えなかった。今月に入り今日まで6日間も25℃を上回らなかったのは1934年以来で、平年なら9月下旬から10月中旬の気候だというから、いつもなら残暑も厳しいと手紙に書き出すところだが、今日書いた手紙には、「秋の気配も感じられる~」との書き出しで文章を起こした。これから日に日に秋の気配が強まってくることだろう。

 さて、昨日パラリンピックが無事閉会したが、このコロナ禍の中でほとんどの競技が無観客という他にも多くの制約があり、難しい大プロジェクトが行われたわけである。コロナが収束する気配がなかったことが悔やまれるが、その中で昨晩の閉会式はまずまずの出来だったのではないかと評価したい。ショーには著名人の出演が少なかったようだが、全般的な評価としては合格点のようだ。橋本聖子・組織委員会会長は、完璧とは言えないと思うが、うまく出来たと思うし、成功かどうかはいずれ分るだろうと述べていた。ネット上の声を拾い上げてみると、概ね好評である。閉会式後半でパリとの生中継場面では、フランスの演出を評価する一方で、フランスにおける相変わらずの袖触れ合う「密」状態には、流石に驚いているようだ。どうも外国人はマスクが苦手のようだし、流行病に対する警戒があまり充分でないようだ。とにかく今夏のオリンピックとパラリンピックは終始コロナに振り回されたようで主催者にとっては気の毒な大会だったように思う。それでもまずまずの評価を得たのは、関係者、選手らの努力の他に、ボランティアの協力があったからだと思う。事故もなく終わって良かったというのが率直な感想である。

 さあ、これから当分の間は自民党総裁選が話題の中心になるだろう。17日に告示と言われているが、今以て立候補を正式に表明したのは、岸田文雄・前政調会長しかいない。立候補を考えている議員も周囲を見たり、各派閥の長の顔色を窺ったりして自分で決められないようだ。その派閥にしても結束しているのもあり、分裂している派閥もあり、お互いに腹の探り合いをして様子を窺っている案配である。仮に総裁になれたとしても、その後に控える衆議院選の結果次第では、総裁の責任を問われかねず、その後の立ち位置が難しくなる。そんな駆け引きの中で、候補者と目されている実力者は右往左往しているのが現状である。かつての派閥の主が御出馬という舞台が出来にくくなった。それだけスケールが小さくなったとも言える。

2021年9月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5228.2021年9月5日(日) パラリンピック滞りなく閉会式

 ここ数日、夜間になると決まって雨が降る。昨晩から今朝にかけても降雨があり、パラリンピックの最終日に当たる今日は、朝から陸上競技で各種のマラソンが行われていた。男女とも複数種あるマラソン・レースで女子視覚障害T12 で、道下美里選手が前回リオ大会の銀メダルに続いて、金メダルを獲得した。雨交じりのレースだったが、このまま天候が好転しなければ、折角予定されている閉会式も雨に邪魔されるのではないかと心配していたところ、午後から空が明るくなってきた。7、8月に行われたオリンピックの開会式、閉会式に比べて、パラリンピック開会式は比較的好評だった。今度は閉会式でどんな目新しいデモンストレーションが演出されるのか期待していたが、期待を裏切らなかった。オリンピックの閉会式より洒落ていて、オリンピックが謳った時代に対応した「ダイバーシティ(多様性)」に溢れていたと思う。パラリンピックのモットーは「We have wings」で、閉会式のコンセプト「Harmonious  Cacophony 」(調和のとれた不協和音)の下に2回に分けられたショーも内容的に良かったし、全般的な構成が良かった。後半フランス国旗掲揚と国歌「ラ・マルセイエーズ」演奏では、画像がルーブル博物館内とパリ・エッフェル塔前広場からライブ中継された。いずれも中々良かったが、相変わらずフランスらしく誰ひとりマスクを着けずに密集状態だった。開会前は開催云々でとかくの非難、中傷もあったが、ともかく無事に閉会式を迎えられて良かった。心配していた空模様も問題なかった。

 終わってみて、コロナ禍の中で日本という国はこういうイベント開催を何とかやり遂げるパワーの潜在力を有しているのだと改めて思った。取り敢えず、これで国家事業のオリンピックとパラリンピックを滞りなく終えて、明日からは改めて最大の課題、コロナ対策に国を挙げて取り組み解決しなければならない。

 さて、自民党総裁選に向けて立候補者と立候補を検討している自民党議員らの動きが伝えられているが、現時点で立候補を表明したのは、岸田文雄・前政調会長だけである。それにも拘わらず、外野席ではすでに世論調査まで実施されている。共同通信社の電話による調査では、河野太郎・行革相が31.9%でトップを占め、2位が現在出馬を検討中の石破茂・元幹事長の26.6%、次いで岸田氏の18.8%だった。この他に出馬が予想されているのは、高市早苗・前総務相、野田聖子・幹事長代行、一度は立候補を表明したが、その後取り下げた下村博文・政調会長らがいる。

 河野氏は、世襲議員として知名度が高い。特に新型コロナウィルスでは出面が多くなり、
割合はっきりものを言うことからクローズアップされることが増え、その点では得していると思う。

 しかし、少々自意識過剰にして目立ちたがり屋で、傲慢な点が些か気になる。今ではワクチンに関する担当責任者として、ワクチンの接種、ワクチン剤の購入・配布などを仕切っているが、小さいながらもトラブルが頻発している。この辺りは功を焦って慎重にことを運ばない河野氏のマイナス面がボロを出したのだろ。敢えて言えば、今回は辞退して修行を積んでから出直した方が良いように思う。

2021年9月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5227.2021年9月4日(土) 菅首相退場に株価が好反応

 昨日菅義偉首相が自民党総裁選への立候補を断念し、今月内に首相を退任する話題がメディアを席捲したが、今朝の新聞はほとんど全面にその理由と原因をかなり詳しく書いている。これまでなかったような首相退任に至った経緯については。その原因として新型コロナウィルス防止対策の失敗に加えて、衆議院解散と党内人事の対応が拙速だったことに自民党内から不満が噴出し、ニッチモサッチも行かなくなり前日まで総裁選出馬を表明していたにも拘らず、前言を翻すことになってしまったというのがあらましである。首相は二階幹事長に幹事長職を辞するよう伝え、本音はともかく二階氏は受け入れた。その辺りの2人だけの密室内の話に、外野席の安倍前首相や、麻生副総理から厳しい苦情があったようだ。

 政治の世界には、過分な配慮とか忖度が罷り通り、中々一筋縄ではことが進まないが、それにしても闇の中で話し合われる会合がどれほど国民に理解されるか、当事者は分かっていない。自民党内で首相の行動に対する不満や不安から人心が離れ、首相の思い通りには行かなくなってしまった。結局根底には首相としての力量不足がある。

 オリンピックで景気回復を狙って政権浮揚を目論んだが、思い通りに行かず頓挫してしまった。皮肉なことに首相が総裁選不出馬を表明した途端に昨日東京証券取引場で株価が急騰し、対前日比584円高となり2か月ぶりに日経平均株価が2万9千円台を回復する有様である。兜町専門家の話では、菅首相が総裁選に再選され総選挙を戦った場合、自民党が大敗して政権が不安定になるが、そのリスクがなくなるとして買い注文が集まったようだ。何とも切ない話である。

 さて、6月に母校・千葉市立幕張小学校長から、本年創立150周年記念に当たり来年発行する記念誌へ寄稿文を依頼されたが、その要綱が昨日教頭から送られてきた。800字以内とやや小さいスペースであるが、期待に応えたいと思っている。例文として30年前の創立120年記念誌の一部コピーが同封されていたが、その中に元プロ野球投手の故土橋正幸さんや、椎名誠さんの文章が見られる。土橋さんは我々の3年先輩で私らの担任教師が担任だった。大分前の1983年恩師が亡くなられた時、土橋さんはヤクルト・スワローズ監督を務めていたので、私は恩師の訃報を神宮球場で試合中のヤクルト球団に電話で知らせたことがあった。椎名さんは今回も原稿を依頼されたようで、先日校長から千葉市内の講演会の場で会ってお願いして引き受けてもらったと言っておられた。母校の歴史が残る記念誌として後々まで伝えられるものなので、70年前を想いながら精一杯書いてみたいと思い、取り敢えず草稿を恩師・湯浅和先生の想い出を綴ってみることにした。

 今風とは異なり70年前の湯浅先生は教室内だけではなく、生徒たちを郊外へ連れて行っては原っぱで自由に遊ばせながら授業をすることもあり、写生や俳句などの作り方を教えてくれた。そのせいだろうかその後私は俳句作りにのめり込み、作った一句「コスモスが 揺れて見つかる かくれんぼ」が少年月刊誌に入選し、先生が喜んでくれた。特に影響を受けたのは版画で、その後年賀状は毎年自作の版画を彫った。学生時代には歌舞伎を一緒に観に行ったこともある。生徒たちを温かい心で包み込んでくれ、知識の詰め込み教育ではなく全身で教える情操教育の奔りと言っても良い先生だった。とにかく恩師湯浅先生に纏わる話をまとめて湯浅先生のご恩に報いたいと考えている。

2021年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5226.2021年9月3日(金) 菅首相、総裁選に出馬せず首相退任へ

 お昼のニュースで「菅総理、総裁選に不出馬」と報じられ驚いた。昨日までそんな素振りは全く見せず、今日の朝日朝刊トップに「菅首相、二階氏に出馬伝達」と書かれていた。それが夕刊では大きく反対の「菅首相、総裁選に出馬せず」となっている。前向きだった総裁選への出馬が、1夜にしてひっくり返ったのには、自民党の役員会で聞かされた党役員らも信じられないと語っている。特に、二階幹事長にとっては、菅首相から今期限りで幹事長から身を退くよう求められ幹事長職を明け渡すことまで表明していたが、お互いが辞めることになったのには、2人の間に何か覗い知れない原因があったのかも知れない。菅首相が総裁選に出ないことは、今月限りで首相を辞めることでもある。総裁選不出馬の理由として、首相自身は、コロナ対策と総裁選運動はとても両立出来ない。コロナ防止対策に専念したいので、総裁選へ出ないと語ったそうだが、それならどうして昨日まで出馬をほのめかしていたのか。それにしても1日にして考えが変わったのには、曰く言い難い伺い知れない理由があるのではないかと思う。これから政治家評論家諸氏のコメントを聞いて考えてみたい。

 菅総裁の総裁選不出馬によって、総裁選レースは複雑な各派閥の思惑で分からなくなりそうだ。現在立候補を表明している岸田前政調会長、高石前総務相、一旦は立候補を取り止めた下村政調会長の他にもチャンス到来と名乗りを上げる候補者がいることだろう。来る17日が告示だが、中クラスの群雄割拠の中で果たして誰が次の国政を担うことになるだろうか。これから当分の間メディアも騒がしいことだろう。

 ところで、アメリカ軍のアフガニスタンからの全面撤退完了で、アメリカの自己都合による行動がいろいろ問題を投じているが、利己的に駐留に伴う費用が過大化したことが撤収の最大の原因に上げられているようだ。

 アメリカ軍がアフガニスタンに駐留して以来20年間に費やした周辺国のテロ戦争として投資した費用が、8兆㌦(約880兆円)にのぼる。毎年膨らんでいる日本の今年度国家予算が106兆6千億円となったことを考えると、いかに巨額であるか見当がつく。とてもアメリカとて持ち堪えられないだろう。加えて7千余名の戦死者もいる。これらを考えるとアメリカ政府の胸中も理解出来ないことはないが、それなら最初からきれいごとを言わずにさっさと撤収計画を練るべきではないだろうか。アメリカも血を流して痛みを知ることになったわけである。

 さて、今日は3日前に前立腺診断に先立ったMRI検査の結果が分ったということで、泌尿科クリニックに出かけた。飯ケ谷医師から写真を見せてもらいながら説明を受けた。現状では、前立腺がんの可能性は数値的には25%程度だが、私の年齢や数値などを総合的に考えるとこのまま経過を見ることで良いのではないかということになった。近いうちに前立腺がんで死ぬことはないと冗談交じりに話されてホッとしたところである。取り敢えず、気になっていた健康案件は一応クリアしたことになる。6日に慶應病院で先月18日に受けた大腸のポリープ除去の説明を受けるだけである。

2021年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5225.2021年9月2日(木) デジタル庁発足と習近平思想の押しつけ

 昨日国の役所として鳴り物入りのデジタル庁が発足した。菅政権発足に際して、時代の要望に適った斬新な官庁の新設は大いに期待されていた。但し、IT担当国務大臣として平井卓也・初代デジタル庁大臣が、自身得意の分野であるせいか、自己意識過剰でやや口が軽く騒ぎ過ぎていた。発足前の役所としてはスキャンダルや人事選任の稚拙さが露呈され、荒波の中を航海へ乗り出すような雰囲気があった。№2のデジタル監には、石倉洋子・一橋大学名誉教授が就任することになったが、経営戦力やグローバル人材などが専門で現場の経験に乏しく周囲には心配の声もあり、本人もデジタル専門家ではないと言っている。大丈夫だろうか。

 いずれにせよ日本のデジタル化は、世界から周回遅れと言われ、そのレベルは上位の北欧諸国から大きく遅れて30位だという。これをデジタル化することによって今後国から自治体の末端まで情報を共有し、スムーズな情報伝達通信・提供が可能になれば、デジタル化は情報社会において大きな効果を上げることだろう。その奔りと言われ、健康保険証や運転免許証などを兼ねることが出来るようになるマイナンバーカードが、残念ながらまだ36%の普及率だという。現状は、とても満足出来るものではないが、1日も早い欧米並みのデジタル化社会が実現することを期待している。

 ところで中国では、新年度に合わせて習近平・国家主席の思想が盛り込まれた新しい教科書の使用が始まった。教育面にも習近平の個人崇拝と、国家管理思想の強制的押し付けが実施される。明らかに昨今の中国政府と独裁者・習近平主席の傲慢さが見られる。中国教育省は新年度から習主席の政治的イデオロギーを小学校から大学まで全国の教育カリキュラムに取り入れる方針のようだ。その意図するところは、小学校教師には若者の心に党と国、社会主義を愛する種を植え付ける狙いがあるようだが、習主席への個人崇拝と全体国家主義の押しつけに思えて仕方がない。

 新しい教科書には、習主席の言葉や笑顔の写真が掲載され、小学校の教科書には中国文明の功績、貧困削減、新型コロナウィルスとの闘いにおける共産党の役割が盛り込まれ、押しつけがましい習主席の愛国主義や義務に関する言葉を学ぶことになる。更にその普及と啓発を図ると同時に、学校教育の場で児童に過剰なプレッシャーを与えていたとして、小学校1,2年生に対しては筆記の宿題を与えることを禁止し、頻繁な試験を行うことに制限を課す。また、教育格差の是正を理由に学習塾を非営利化することを決めた。これによって私塾の経営が成り立たなくなる恐れが出てきた。習近平・国家主席を神格化した一帯一路国家教育である。些か背筋の寒くなるような空気感を覚える。

 さて、今日もクリニック巡りである。内科は定期的なもので、薬をいただきながら医師と健康管理について話した。その後3か月ぶりに眼科を訪れた。先月の人間ドック検査で右眼に白内障症状が見られると指摘されたことをお話しした。検査のうえで、確かにそれは見られるが、今すぐ手術するまでもないとのお話だった。ちょうど1年前に左眼を手術して視力が回復し喜んでいたところだったが、その時右眼はそれほど悪くはなく、少しずつ見づらくなった感じである。

 医師の話では、もう少し様子を見て医師ではなく私が手術を受けたいということであれば、そうしましょうということで、手術は当分見合わせ、改めて様子見をして手術を決めるということになった。

2021年9月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5224.2021年9月1日(水) 「防災の日」、真子さまのご結婚報道と金メダル取り消し

 1923年関東大震災が勃発してから今日で98年になる。震災では、約10万5千人の死者、行方不明者が出た。この日を自然災害に備えるということから「防災の日」と定められた。20年前の今日は不運を重ね合わせたかのように自然災害ではないが、大きな火災事故が起きた。新宿歌舞伎町の雑居ビルで火災が発生し、ビルの階段に障害物が置かれていたために扉が開かず、ビル内にいた人が外へ脱出出来ず、一酸化炭素により44名が亡くなる大惨事が起きた。

 ところで余談であるが、「太陽王」と言えば、誰でもその名が頭に浮かんで来るフランスのルイ14世である。その太陽王は1715年の今日9月1日に76歳で亡くなった。父ルイ13世の突然の死により4歳にして君主の座に就き、その後ヨーロッパ王室の中でも最長の72年110日間に亘って玉座に君臨した。

 さて、昨日の本ブログに偶々喩で秋篠宮家の真子さまの結婚問題に触れたところ、今日テレビと夕刊に真子さまが今年内に婚約者の小室圭氏と結婚の予定であると報道された。真子さまは皇籍を離脱して、現在ニューヨークのロースクールで学び、弁護士資格獲得を目指している小室氏と結納もせず、結婚式も挙げずに結婚してニューヨークに住むことを選択したようだ。この結婚がこれまで皇室、並びに世間から素直に祝福されないのは、小室氏の母親が元婚約者との金銭トラブルが解決していないからで、どうしてここまでもめるのかよく理解出来ないし、納得も出来ない。小室氏は少なくとも法律家の道を歩もうとしている。それならまずは自らの身の回りの問題を解決してから先へ進むべきではないかと、その対応に疑問を感じていた。2人がお互いにどうしても一緒になりたいと願い、その熱意に真子さまのご両親・秋篠宮ご夫妻も折れたような感じだが、本来なら親として心から愛娘の結婚を祝福し、正式に結納を交わして結婚式を挙げ、娘の門出を祝福してあげたいところであろう。

 語弊があるが、名より実を取った形の結婚となりそうだが、今後外国での新婚生活は警備面も含めてかなり厳しいものとなることだろう。それでも2人のお互いの愛情が強いことは理解出来る。前途は多難かも知れないが、異国の地で挫けずに幸せな新生活を築いて欲しいと心より願っている。

 さて、オリンピックに続いて開催されているパラリンピックでも連日熱戦、熱闘が繰り広げられているが、昨日こんな首を傾げるような珍しい事件があった。

 男子砲丸投げ(知的障害F20)でマレーシアのゾルケフリ・ムハンマドジャド選手が一旦は優勝しながら金メダルを取り消されてしまったのである。その理由とは、ムハンマドジャド選手が試合開始時間に遅刻しながらも試合に出場して、世界新記録で優勝した。だが、試合後の聞き取り調査の結果、審判員から遅刻が正当な理由ではないと見做され、棄権扱いとされ、金メダルは取り消され、2位のウクライナの選手が繰り上げ金メダリストとなった。そもそも最初に集合時間に遅れた時点で失格とすれば何ら問題はなかったが、試合後に公表されていない理由で失格扱いにする理不尽さには、当該選手ばかりでなく審判団にも責任があると思う。金メダリストに繰り上がったウクライナの選手にしても、あまり後味の良くない結果になったのではないだろうか。因みに試合後にSNS上に国際パラリンピック委員会(IPC)や、ウクライナ選手に対するマレーシアからとみられる誹謗、中傷の投稿が大分寄せられたそうだ。
 世界的な大会・パラリンピック中に起きた出来事である。IPCももう少しすっきりした対応をしてもらいたいものである。

2021年9月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com