5228.2021年9月4日(土) 菅首相退場に株価が好反応

 昨日菅義偉首相が自民党総裁選への立候補を断念し、今月内に首相を退任する話題がメディアを席捲したが、今朝の新聞はほとんど全面にその理由と原因をかなり詳しく書いている。これまでなかったような首相退任に至った経緯については。その原因として新型コロナウィルス防止対策の失敗に加えて、衆議院解散と党内人事の対応が拙速だったことに自民党内から不満が噴出し、ニッチモサッチも行かなくなり前日まで総裁選出馬を表明していたにも拘らず、前言を翻すことになってしまったというのがあらましである。首相は二階幹事長に幹事長職を辞するよう伝え、本音はともかく二階氏は受け入れた。その辺りの2人だけの密室内の話に、外野席の安倍前首相や、麻生副総理から厳しい苦情があったようだ。

 政治の世界には、過分な配慮とか忖度が罷り通り、中々一筋縄ではことが進まないが、それにしても闇の中で話し合われる会合がどれほど国民に理解されるか、当事者は分かっていない。自民党内で首相の行動に対する不満や不安から人心が離れ、首相の思い通りには行かなくなってしまった。結局根底には首相としての力量不足がある。

 オリンピックで景気回復を狙って政権浮揚を目論んだが、思い通りに行かず頓挫してしまった。皮肉なことに首相が総裁選不出馬を表明した途端に昨日東京証券取引場で株価が急騰し、対前日比584円高となり2か月ぶりに日経平均株価が2万9千円台を回復する有様である。兜町専門家の話では、菅首相が総裁選に再選され総選挙を戦った場合、自民党が大敗して政権が不安定になるが、そのリスクがなくなるとして買い注文が集まったようだ。何とも切ない話である。

 さて、6月に母校・千葉市立幕張小学校長から、本年創立150周年記念に当たり来年発行する記念誌へ寄稿文を依頼されたが、その要綱が昨日教頭から送られてきた。800字以内とやや小さいスペースであるが、期待に応えたいと思っている。例文として30年前の創立120年記念誌の一部コピーが同封されていたが、その中に元プロ野球投手の故土橋正幸さんや、椎名誠さんの文章が見られる。土橋さんは我々の3年先輩で私らの担任教師が担任だった。大分前の1983年恩師が亡くなられた時、土橋さんはヤクルト・スワローズ監督を務めていたので、私は恩師の訃報を神宮球場で試合中のヤクルト球団に電話で知らせたことがあった。椎名さんは今回も原稿を依頼されたようで、先日校長から千葉市内の講演会の場で会ってお願いして引き受けてもらったと言っておられた。母校の歴史が残る記念誌として後々まで伝えられるものなので、70年前を想いながら精一杯書いてみたいと思い、取り敢えず草稿を恩師・湯浅和先生の想い出を綴ってみることにした。

 今風とは異なり70年前の湯浅先生は教室内だけではなく、生徒たちを郊外へ連れて行っては原っぱで自由に遊ばせながら授業をすることもあり、写生や俳句などの作り方を教えてくれた。そのせいだろうかその後私は俳句作りにのめり込み、作った一句「コスモスが 揺れて見つかる かくれんぼ」が少年月刊誌に入選し、先生が喜んでくれた。特に影響を受けたのは版画で、その後年賀状は毎年自作の版画を彫った。学生時代には歌舞伎を一緒に観に行ったこともある。生徒たちを温かい心で包み込んでくれ、知識の詰め込み教育ではなく全身で教える情操教育の奔りと言っても良い先生だった。とにかく恩師湯浅先生に纏わる話をまとめて湯浅先生のご恩に報いたいと考えている。

2021年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com