6622.2025年6月30日(月) メディア業界凋落の一因はスマホにあり

 今メディアの世界では、新聞、雑誌、テレビなどいずこも内包する難題を抱えているようだ。最近最も世間の話題になったのは、フジテレビでタレントが元女子アナに性的暴行を加えたことをテレビ局内部で隠蔽しようとした会社の後進的な体質から、会社の長年の陰湿な体質などがあぶり出され、公開の場で厳しい非難を浴びることになった。結果的にフジテレビはスポンサー企業からCMを解約され経営的にもピンチに陥っている。

 元々テレビ局は、歴史的にはそれほど長くはない。その割に営業自体が派手な一面があり、チヤホヤされた未熟なタレントや若い社員が事業の主体であるため、よほど注意深く人的管理を行わないと危うい側面はあった。

 近年SNSとインターネットの普及により、テレビ事業本体の経営が脅かされる傾向も見えた。かつて、安倍晋三元首相時代に、すべてネットにしたら好いという極端に乱暴な声が出たことがあった。これに対して新聞業界が反対したことがあった。視聴者もこれには反対したようだが、メディアへの不信感が広がっていて、今後同じようにテレビ廃止などの動きが再現しないとも限らない。

 テレビ業界自体は新しいのだが、その体質は古い。その第一は、男社会であることである。それを変えてこなかったのは、今回フジテレビの不祥事でその存在を明かされた、長年居座っていた陰の支配者、日枝久・元フジ・メディア・ホールディングスCEOが、長年に亘ってグループを独断的に支配していたことがあったからでもある。今役員人事を一新し新体制へ移行して、再起を期しているが、一度失った顧客であるスポンサー企業を取り戻すのは容易ではあるまい。

 新聞界も基本的に定期購読者が減少したことにより、経営的にも危ない橋を渡りつつある。昨日もかつて購読していた某新聞がポストに入っていて、A4判の紙に丁寧な購読の依頼文が書かれていた。とても2紙を購読する時間的余裕がないし、上記のように情報はネットを合わせてかなり得ている。実際、定期購読者数は近年激減し、2000年には、5千4百万部の日刊紙が購読されていたが、それが昨2024年には2千7百万部にまで減った。ほとんど半減である。しかも朝夕刊セットで読んでいる人は、4百万部弱である。これには、本を読まなくなった、手紙を書かなくなった人が増えたことが大いに影響しているが、その原因を作ったひとつは、パソコンやスマホに頼り過ぎるようになった習性と時代性にある。新聞を読まず、ペンを握らずスマホですべてを済ますという手抜きのせいで、新聞購読者が減ったと言っても決して言い過ぎではない。

 近年このスマホを小中学生のころより親しむようになった大きな原因のひとつは、義務教育の過程でタブレットを使用する授業を文部科学省が必修として認可したことにある。小中学生にタブレットを使用したことは、教育上も良い筈がない。メディアにとっても将来的には営業上マイナスとして跳ね返ってくるこういう公が認める教育に、なぜメディアは強く反対しないのか不思議でならない。

 メディアが、やや信頼を失いつつあるのは他にも原因があるが、取り敢えずこのような上記の問題にしっかり対応すべきだと思う。

2025年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6621.2025年6月29日(日) JAXA、現方式ロケット最後の打ち上げ成功

 国産ロケット「H2A」の最終号機・50号機が、今朝早く種子島宇宙センターから打ち上げられ、政府の地球観測衛星を正常に分離して打ち上げは成功した。これで宇宙航空研究開発機構(JAXA)が三菱重工と共同開発してきた「H2A」は有終の美を飾って、今後は後継の「H3」号機に引き継ぐことになる。最近民間の衛星ロケットが打ち上げては度々失敗するので、打ち上げ前に少々気になっていた。ところが、国が開発に関わった「H2A」シリーズの打ち上げは、20年以上50回の打ち上げでたった1度しか失敗はなく、かなりその精度は高かった。ただ、経費が約100億円もかかり、今後「H3」計画では、JAXAと三菱重工が「H2A」の半額となる打ち上げ価格を目指して、世界的に拡大する衛星の打ち上げ需要の取り込みを狙うという。50号機は、今世界的な地球温暖化問題には、二酸化炭素などの濃度を地球の全表面で観測することが可能だそうだから、かなり科学的に貢献することが出来る。

 その科学的費用について、年間約5億円超(20年間で約100億円)の予算を投資してきた結果、それなりの成果を収めることが出来た。他方で、トランプ大統領が各国首脳に喚き散らしているGDPの5%を、国防費予算へ投資したところでこれほどの成果は期待出来まい。日本は2025年度予算で、前年度より防衛費を0.2%引き上げ、1.8%にして27年度には現在の1.8%から2%にまで上げる腹づもりである。日本のGDP0.2%とは、ほぼ1兆2千億円に該当する。年間これほどの巨額を無駄な防衛費に投資しようとすることを考慮すれば、効果的な宇宙ロケットの開発費用はそれほど高額ではない。無駄な投資、しかも憲法に違反する国防のための投資など対費用効果を考えれば、いずれ日本にもトランプ圧力による国防費の投資額増大を要求するだろうが、日本の将来にとって少しもプラスにはならない。況してや軍事費支出なんて憲法に違反している。政府はアメリカ政府にもこの点をよく説明し、日本なりの方針を考える必要があるのではないか。

 さて、卒業式などでよく歌われる「蛍の光」について、3日前の朝日新聞にその歌詞の歴史的背景と沖縄との関係についてエピソードが紹介されていた。今から140年以上も前に当時の文部省が唱歌として発表してから今日まで歌い継がれている「蛍の光」は、普段1番だけしか歌わないことが多く、歌っても精々2番までである。ところが、歌詞は4番まであり、その4番はまるで知らなかった。4番には、北方領土の千島とともに沖縄が歌われているのである。♪千島のおくも 沖縄も 八洲の「うち」の守りなり~♪であるが、この内作詞家は♪千島のおくも 沖縄も 八洲の「そと」の守りなり~♪とした。それを文部省が穏当ならずとして、「そと」を「うち」に修正させたという。国民感情を考慮したようだ。しかし、20世紀に入ると教科書では、♪台湾の果ても樺太も やしまのうちのまもりなり~♪と変わった。日本が千島、樺太、台湾、朝鮮などを植民地化して国土の拡大を図ったのに合わせて、小学校唱歌を通して国民に一致団結や国威高揚を訴えたのだ。

 優しいメロディにより世界中で愛唱歌にもなっているスコットランド民謡を、こんな戦意高揚なんかに使われていたと現地の人びとが知ったらさぞや悲しむことであろう。

2025年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6620.2025年6月28日(土) スポーツ界のトップに女性選任の流れ

 日本オリンピック委員会(JOC)会長だった柔道の金メダリスト山下泰裕氏の後任に橋本聖子・参議院議員が選任された。アイス・スケートと自転車競技で7度もオリンピックに参加し、東京オリンピックでは担当大臣を務めていた。時を同じくして日本陸上競技連盟でも女性会長にマラソンの有森裕子さんが選任された。女性会長はいずれも初めてである。有森新会長は、バルセロナで銀、アトランタで銅メダルを獲得した。時を同じくして国際オリンピック委員会(IOC)でもこのほどバッハ前会長が退き、後任に女性として初めてのカースティ・コベントリー会長が決まった。コベントリー新会長は、ジンバブエ人でアフリカ出身者としてもIOC会長は初めてである。新会長はアテネと北京大会の水泳で金メダルを獲得している。

 今後スポーツ界でもこれまで格差があった男女間の問題が取り上げられることだろう。女子スポーツも大きな組織の会長が女性となったことにより、その問題点や障害の除去に取り組まれるだろうし、徐々に差別の排除が脚光を浴びるようになることと思う。

 実際に現在スポーツ界において男女間の格差をなくすことが大きな課題となっている。元々スポーツは男のやるものという偏見が長い間定着していた。例えば、プロ・スポーツの場合、試合の賞金総額は男性スポーツが圧倒的に女性スポーツを上回っている。2023年8月に開催されたサッカーの女子ワールド・カップ(W杯)では、前大会の2019年より4倍近く増額されたにも拘らず、22年開催の男子W杯の賞金が女子のそれと比べて依然として4倍も多かった。これは、サッカー連盟だけの問題ではなく、大会を支援するスポンサー企業からのCM料にも左右されるので、放映権など他の問題も合わせて難しい問題を孕んでいると思う。

 しかし、近年は女子スポーツの人気度も向上しつつあることや、連盟や協会の女性選手への対応なども変わり、少しずつ格差是正へ修正されていくのではないかと思う。その点で組織のトップに女性が就任したことは意義深いことであると思う。実際、テニス界はすでに先取りして、現在4大大会の賞金に男女差はない。

 女子サッカーの「なでしこジャパン」が2011年ドイツ大会を制覇して以来、女子サッカーは国内でも注目度が高まり、10年後の21年には、女子のJリーグ「WEリーグ」が発足し、人気も益々高まり観客数が増え、年々活性化している。

 今スポーツ界では、トランスジェンダー問題が顕在化しつつある。陸上競技では以前は男子選手として参加していたジェンダー選手が、女子選手クラスのレースに出場することが疑問を投げかけている。体力的に男性としての能力があった選手が、女子部門に出場するケース自体が懸念されている。こればかりは、スポーツ界だけの問題に捉われることなく、広く考えられるべきであり、女性会長が就任したからと直ぐ解決出来るような生易しい問題ではない。ただ、どういう風にこの問題に対応をするのか、やはり新会長の手腕が注目される。

 終戦の年に国民学校へ入学したが、当時は体育の授業などは、2クラス一緒で、男子組と女子組に分かれて男子らしい運動と女子らしい運動を別々にやっていたものだ、それを考えると時代は大きく変わったと感慨に堪えない。いつの日にか国立競技場をファンが埋め尽くす女子サッカー大会が開催されるかもしれない。期して待ちたいと思う。

2025年6月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6619.2025年6月27日(金) 健康管理のために大切な予防医学

 このところ体調がやや優れない。今月8日の深夜に右背中に鈍痛を覚え、苦しんでいたところその痛みが腹部上部へ移り、1時間半ばかりその痛みに悩まされた。明けてすぐ通いつけの内科医院に行って診察してもらったが、はっきりした原因は分からなかった。それでも採血をしてもらったところ、血がやや濁っているという点と、もうひとついつも安定している蛋白質の含有量を示すCRPが随分上がっていたことである。いつも0.5以下だったのが、3.76にまで上昇した。更にその日から脈拍の数値が以前に比べ下がったまま続いているのが気になっていた。

 実は、今日毎月1度定期的に診てもらっている糖尿病医院で、内科も開業しているクリニックでご相談した。下がった脈拍を一覧表でご覧になって、ここで測ってみましょうと言い、時折おかしいと思うとのことでその場で心電図検査をしてもらった。平時は問題ないが、時折不安定になるというような診察だった。CRPとHbA1cを採決して測ったところCRPは0,20にまで下がり、HbA1cは5.8で、あまり問題視することはない。来月3、4日に慶應病院で心臓の不整脈をチェックするホールター心電図検査を受けることになっているので、担当医師とよく話し合ってみたいと考えている。

 今年1月に思いがけず体調を崩してから、一時的には元へ戻るが、高齢のせいもあり以前のようにはいつも健康優良児というわけにはいかなくなってしまった。小中高生時代は学校を1日も休んだことがなかった。そのくらい病気には強い健康体だった。それが今は衰えてきている。何といっても現在食欲があまりないのが、一番気になっているところである。朝はいつも通りパンに目玉焼きとコーヒーであるが、昼食と夕食は、その都度妻が何を食べたいかと尋ねるが、あまりこれとはっきり言えるようなものがない。毎日その場で消極的に食べたいものを言うだけだ。そして、お茶漬けとか、うどん、蕎麦、サンドウィッチというようにあまりお腹の足しになるようなものでもない。

 やはりもうあまり無理出来ない健康体になってしまったのかも知れない。医師からは水分を極力摂取するように言われる。そう心掛けて無理強いしないようにして健康管理に努めたいと思っている。元々健康には一過言あって、出来るだけ予防医学を心得、1年に1度人間ドック検査を受診している。人間ドックによって、心臓の不整脈も他の病も事前に見つけ、治療に励むことが出来た。毎日血圧、体温、脈拍、体重、1日の歩数を測っている。これを1か月ごとに一覧表にして、かかりつけの医師にもお見せしている。そのお陰で自分自身異変を感じとることも出来る。正に予防医学である。医師からもこの習慣をいつまでも続けた方が良いと勧められている。

 これからも予防医学と日ごろの健康管理には十分気を付けて行きたいと思っている。

2025年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6618.2025年6月26日(木) 日本の3大怨霊と世界最悪の怨霊トランプ

 日本には3大怨霊と呼ばれ、各地で災いをもたらしたとされる3人の「偉人」がいた。ひとりは、落雷をもたらしたことから雷神として崇められ、「天神様」と呼ばれた菅原道真である。2人目は、日本の半分を新国家として樹立し、その後追討され斬首された「平将門の乱」の首謀者・平将門である。彼の斬首された首が落ちた大手町の「将門塚」では関東大震災後も奇怪な事件が度々起きている。3人目は、3歳で第75代天皇に即位し、10代で鳥羽上皇によって譲位させられた恨みから実権を取り返すために「保元の乱」へ戦火を拡大させた崇徳天皇である。歌人でもあり和歌は百人一首にも選ばれている。

 一般的に学問の神様とか、叛乱の立役者、百人一首歌人として、多くの日本人に尊敬されている3人が、「怨霊」とは考えもしなかった。偉人も見方によっては功罪相半ばと見られているということだろうか。

 そこで今世界中に不安と疑心を撒き散らし、私欲から一方のイスラエルに肩入れしたと思ったら、そのやり方に難癖をつけて相変わらず世界を呆れさせているトランプ大統領こそ怨霊ではないかと考えている。昨今のイスラエル・イラン戦争に関しては、そのしたたかな言動が、西欧首脳陣に気を遣わせ彼らに大統領をヨイショさせる原因となった。

 本来なら、イスラエルとイランの戦争の部外者であるアメリカのトランプ大統領が、米空軍機にイランの核施設破壊攻撃を命じて戦火を拡大させる国際法違反を冒したのである。それが翌日には両国に停戦案を押し付けて12日間戦争は終結した、それは広島、長崎への攻撃で戦争を終わらせたのと本質的に同じだと原爆被災者を憤慨させるようなトンデモナイことを言っている。すべて自らが関わったことを得意になって世界中に発信して悦に入っている有様である。イスラエルのネタニヤフ首相は、「ホワイトハウスにトランプ大統領ほど素晴らしい友人を、これまで持ったことがなかった」と持ち上げる始末である。この背景には数日前パキスタン政府がトランプ大統領を今年のノーベル平和賞候補者に推薦したとの情報がある。ノーベル平和賞欲しさに、戦争を仕掛け、終結に持ち込み平和に貢献したと自画自賛してアピールしているつもりなのではないだろうか。

 北大西洋条約機構(NATO)首脳会談に出席したトランプ大統領に対して、ルッテNATO事務局長から「あなたは何十年間もの間、どの米大統領も成し得なかったことを達成する」とたっぷりお世辞を言われた。首脳らは、調子づいたトランプ氏が以前から要求していた、NATO各加盟国に対する国家の国防費・防衛費を国内総生産(GDP)比で5%に引き上げる新目標を実施することで合意したようである。現在NATO加盟国の中で一番防衛費が多額なのは、ポーランドの4.07%で、次いでアメリカの3.19%であるが、他の加盟国はイギリスの2.33%から最も低いスペインの1.24%とかなり幅がある。とても5%は手が届くとは思えない。スペインなどは、5%は不合理と反発している。この新目標達成は現状では難しく、フランスのマクロン大統領も数字だけの議論は好まないと否定的である。NATO加盟国ではない日本に対してもトランプ氏は、非公式に3.5%を求めているようだが、日本は2025年度予算で前年より0.2%引き上げ、1.8%にして27年度には2%にまで上げる腹づもりである。だが、とても5%なんて絵に描いた餅である。石破首相も「日本の防衛費は日本が決める」と受け入れる言葉は述べない。

 こうして世界各国に無理難題を吹っかける世界の厄介者であるトランプ大統領こそ、今世紀世界最悪の怨霊である。何とかならないものだろうか。

2025年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6617.2025年6月25日(水) 朝鮮戦争勃発から75年が経過

 昨日の本ブログに3日前の日韓国交正常化60年について触れたが、実は今日は朝鮮動乱と呼ばれた朝鮮戦争が勃発してちょうど75年、3/4世紀になる。開戦の時は小学校6年生だったが、その当時プロ野球以外にあまり子どもが関心を抱くような話題がなかったせいもあり、この戦争が教室でも大きな話題となり、新聞とラジオが伝える戦況を毎日興味深く見守っていた。特に、北朝鮮軍が分断された国境線を越えて韓国領内へ侵攻し、南部へどんどん進軍していく様が新聞では地図入りで説明されたので、教室内でも友だちと地図を眺めては行方を見ていた。また、韓国の地名が韓国語の発音通りに書かれていたため、皆面白がって韓国内の地名を韓国語の読み方で覚えたりした。担任教師だった湯浅和先生が生徒たちの関心の様子を知って配慮したのかどうかは分からないが、授業中にも朝鮮戦争についていろいろ教えてくれた。その内南部へ追い詰められた韓国軍が、一転マッカーサー司令官の指令で国連軍・米軍一体となって仁川港への上陸作戦を敢行し、勢いのあった北朝鮮の背後を突くその作戦の成功により、攻守所を変え、逆に南は国境線を超えて北を中国国境線近くまで追い込む優位な立場に立った。そして、北朝鮮軍には中国人民義勇軍が支援するようになり、両軍の対決は一進一退を繰り返した末に、3年後の1953年7月27日休戦協定が結ばれた。38度線の国境が暫定的に今も朝鮮半島を北と南に二分して暫定国境となっている。だが、今以て南北朝鮮間の平和協定は締結されていない。

 隣の国の戦争に日本は関わらなかったと理解している国民が多いようだが、実は日本に駐留していた米軍が参戦し、日本は米軍の補給基地としての役割を果たした。また、朝鮮戦争による特需は戦後日本の経済復興に大きく貢献した。

 今も想い出すのは、小学校時代の湯浅先生と、京都市立中学3年時の社会科担当の棚橋先生が意外にもともに、同じような質問をされたことである。それは、仮に日本が他国に侵略されたら君たちはどうしたら良いと思うかと、2人の先生に同じような質問をされたことがある。その時、我々生徒たちは揃って鉄砲を持って抵抗すると応えたが、2人の先生の答えはいずれも、抵抗せずに黙って降参した方が良いと言われた。無駄な死に方は避けるべきだというのが、先生方のお考えだったようだ。血気盛んで正義感に溢れた子どもではあったが、どうして簡単に降参するのか、理解出来なかったことがその後大分時間を経てから少しずつ分かって来た。どうしたら良いか、本当のところは今以てはっきりとは分からないが、先生方が言わんとした無駄な死に方は避けるべきだというお考えが、何となく理解出来たと思えるようになった。

 今世界各地で戦争や紛争が絶えないが、現実に戦っている現場の兵士たちはどう思って銃を敵方に向けているのだろうか。私の息子や孫たちの時代になったらどうなるかは分からないが、もう平均年齢を生きた我々戦前生まれが、戦争や地球破滅によって消し去られることはないと思う。ただ、危ない現代社会の戦時の危険と、その空気だけは、息子・孫たちにも体験させたくないと心から願っている。

2025年6月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6616.2025年6月24日(火) イスラエル・イラン停戦と日韓国交回復60年

 一昨日アメリカのトランプ大統領が、突然アメリカ軍がイランの核施設を空爆したと語ったことに仰天させられた。これからアメリカもイスラエル・イラン戦争に加わって戦争が拡大していくと懸念していたところである。そこへ日本時間今朝7時に突然大統領は、「イスラエルとイランが完全かつ全面的に停戦することで合意した」とSNSに投稿した。その後イスラエルとイラン両国から停戦合意を受け入れたと公表された。詳細はともかく戦火が止むことは大いに結構なことである。それにしてもトランプ大統領は、世界中を引っ掻きますような言動をよくぞ行うものだとただ唖然とするばかりである。

 偶々昨日の朝日夕刊「素粒子」欄にこんな皮肉っぽいコメントが載っていた。「世界の戦争を終わらせると豪語して大統領(トランプのこと)になった人物が、新たな戦争を始めて『今こそ平和な時だ』と説き、戦争犯罪人として逮捕状が出ている首相(ネタニヤフのこと)が『歴史を変える行動』と称賛する。この倒錯」。またいずれ続編があるだろう。

 ついては、昨夕NHK「映像の世紀」で「韓国・戒厳令との闘い」と題して先般の尹錫悦前大統領による戒厳令発令から遡って日本占領下の朝鮮、戦後の朝鮮半島南北分裂、韓国・日本間の国交回復、そして1980年多くの犠牲者を生んだ光州事件など韓国国内を揺り動かした事件を伝え、感慨を抱いて観た。実は、一昨日6月22日、日韓国交正常化が実現してからちょうど60年になった。

 当時大学を出て社会人になってからまだ日も浅かったが、殊更日韓関係については関心が強かった。1960年日米安保条約反対闘争に参加して条約改定に反対したが、岸政府に押し切られ我々学生や労働者らの希望は叶わず、日米安保条約は改定された。それが、今日の沖縄の状況を示している。そして、その後ベトナム反戦運動にも参加し、戦争は何とか1975年に終結となり、今年4月にベトナム戦争終結50年を迎えたところである。当時韓国は朝鮮戦争の熱気が冷めやらず、旧日本軍人朴正熙大統領体制下でベトナム戦争に勇猛果敢な猛虎部隊を派遣し、部隊のかなり手荒な行動が一部には批判されていた。激しかったベトナム戦時下の1967年1月に首都サイゴン(現ホーチミン)を訪れた時、一部のベトナム人らから反韓国行動が行われ、テロ攻撃を恐れて厳重な警戒をしていた韓国大使館前を通ったことがある。そんなこともあり、当時の韓国は遅れた経済のまま軍事色が濃かった。その中で日本と平和条約を締結したのである。韓国の朴正煕大統領に対して、日本は佐藤栄作首相が協定書に署名した。日韓基本条約の骨子は、日韓併合条約の失効、日本・韓国間国交正常化、及び経済協力などだった。この後日韓両国の人的交流は深まって行った。

 今一番両国間で課題として残されているのは、日韓請求権協定である。日本が韓国内に残したインフラ、資産、権利を放棄し、当時の韓国国家予算2年分に当たる有償無償合わせて5億㌦の資金提供を行い、お互いの請求権を放棄することで合意した。その後も日本は多額の資金提供を行った。

 しかしながら、日韓両国政府間で話はついても戦時中被害を被った韓国人にとっては必ずしも納得出来ず、補償を求める韓国国民が韓国政府を訴え、韓国の裁判所も個人の請求権は消えたわけではないとして、日本政府に対し、改めて国家間の協定では解決した件ではあるが、個人的には未解決であると国民の間にアピールした。これが、日韓両国政府の間で、障害となってかみ合わないまま今日に至っても完全解決とはなっていない。ただし、韓国首脳の考え次第で、両国間の交渉の際に採りあげないことが多くなった。

 今月大統領に選任されたばかりの「共に民主党」の李在民大統領は、選挙前には反日的な言動が目立った。2016年2月には雪の降る中を慰安婦に関する日韓合意の無効を訴え、当時城南市長だった大統領も座り込みをしたほどだった。しかし、対日スタンスが変わり当選後はそのような言動は一切控えて、日韓関係の発展を望んでいる姿勢を示している。

 日韓合意60周年を期して、隣国同志がお互いに手を携えてこれから前進することを確認して欲しいと願っている。

 残念ながら日韓国交回復60年を記念する政府主催の祝典も公には聞かされない。どこまで両国の友好が復活したのだろうか。

2025年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6615.2025年6月23日(月) イラン核施設攻撃翌日に「沖縄慰霊の日」

 昨日行われた東京都議会議員選挙の投票結果が判明した。結果的には、議席数が一番多かった自民党が24議席から21議席へ減らし、小池知事が名誉顧問を務める「都民ファーストの会」が25議席から31議席に伸ばして首位の座を奪い返した。他には、初めて議席を得た国民民主党9議席と参政党3議席が注目されている。一方で日本維新の会は、現職議員が落選し、同会から都議員は一人もいなくなった。他には女性議員が毎度増えつつあるが、今回7名増え48名となった。議員に占める割合は38%である。

 これから4年間は小池都政の下で都民ファーストが都政をリードしていくことになる。自民党候補者への支持が減ったのは、しこりの残っている裏金問題の不明瞭さにある。今回自民は裏金容疑の候補者は公認せず、無所属で出馬したせいもあって裏金議員17名の内5名が落選した。世田谷区の自民党候補者も無所属で出て落選した。都民ファーストが票を伸ばした原因として考えられるのは、自民党の敵方の裏金問題によるおこぼれと、都財政の余裕から子育て支援として子ども全員に月額5千円支給、水道料金4か月無料、高齢者割引都内バス料金のうち高額支払い額を半額に値下げ、等の家計補助が実績として評価されたものと思う。だが、神宮の森の緑伐採計画やら、64億円も無駄遣いしたプロジェクション・マッピングなど疑問視されているプロジェクトもある。今後どう折り合いをつけて真っ当な都政を行ってくれるか、しっかり監視したいと思っている。来月行われる参議院選挙で都会議員選挙の影響がどう各党の支持に反映されるかも注目される。

 さて、今日6月23日は80年前の太平洋戦争で、沖縄が米軍戦で疲弊した旧日本軍の組織的戦闘終了の日で、沖縄県が「沖縄慰霊の日」と定めている。米軍兵1万2,520人を含め日米双方で約20万人の死者を出し、当時の沖縄県民の4人にひとりが犠牲になったと言われている。沖縄戦による惨禍と悲劇がどれほど酷いものだったかは、現地沖縄の人びとにとっては余りにも生々しくとても想い出したくない。戦争、戦闘によってさほど嫌な思いをしない人は、実戦経験のない人たちだけである。その点は、昨日のイランの核施設を攻撃したアメリカのトランプ大統領と閣僚ら、イスラエルのネタニヤフ首相らはその典型である。

 今日新聞で見たアメリカのシンクタンクである研究所・ピュー・リサーチセンターの調査によれば、トランプ大統領就任以来アメリカに対する印象が一部の国で著しく悪くなっていることが分かった。当然だと思う。これに昨日のイラン攻撃が上乗せされれば、その悪印象はもっと高まるであろう。調査した15か国の内、日本を含む12か国で好印象は10%超の下落となった。イスラエルは83%が好意的なのに対して、スウェーデンでは好意的でないのが79%だった。特に好意的な人が減ったのは、最近とかく問題を起こしたカナダで54%から34%に、メキシコで61%から29%にまで下落した。

 アメリカ人がトランプ大統領をどう思っているのかという点を知りたいと思っているが、最近のアメリカ国民の動向を見ていると、案外トランプ支援者は多いのかも知れない。ハーバード大学が、真面に反論をしたことをトランプ大統領が怒り、大学への補助金支給を停止した事実からも憶測出来る。世界中に不安と苦悩を与えて世界中の人びとから恨まれ、とにかくアメリカ大統領史上最悪の大統領であることは、間違いなかろう。

2025年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6614.2025年6月22日(日) 仰天! 愚かなアメリカ、イラン核施設を空爆

 今日は東京都議会議員選挙の投開票日である。首都の決戦であるだけに、各党党首も昨日まで街頭に出てしきりに応援演説を行っていた。昨日までと同じように今日も戸外はかなり暑かったので、陽が完全に落ちた5時半過ぎに妻ともども投票所で投票した。これまでと違って、投票所が従来の息子たちの母校だった区立小学校からすぐ近くの東京学芸大学付属小学校に移転した。投票所は体育館内だったが、立派な建物でエアコンがよく効いていた。小池都政は都財政が豊かなお陰で結構実績を積んだが、64億円も投じたプロジェクション・マッピングのような無駄な支出も多い。結果は今夜遅くならないと判明しないだろう。

 さて、今日お昼のニュースで、突然アメリカのトランプ大統領が、イランの3つの核施設に大規模、かつ精密な攻撃を行ったと得意げに公表した。この数日の雲行きから多少懸念していたが、まさか本当に不意打ちで核施設を空爆するとは思いも寄らなかった。まるで逆真珠湾攻撃のようなものだ。イラン原子力庁は直ちに「国際法に違反する残忍な攻撃を受けた」と非難した。攻撃された3つの核施設の内ひとつは16世紀ペルシャ時代の首都イスファハン近くである。30年ほど以前に同じ古代都市ペルセポリスとともに訪れたことがあるが、「イランの真珠」と呼ばれる美しい町であり、その中心「イマーム広場」と市場の雰囲気には魅せられるものがあった。影響を受けていなければ良いがと願う。

 トランプ氏の身勝手な言い分は、「われわれの目的は、イランの核濃縮能力の破壊と、世界最大のテロ支援国家がもたらす核の脅威を阻止することだった。私は世界に対して、この攻撃が軍事的に見事な成功を収めたことを報告できる」という自慢話のようなものである。こんな身勝手な話が世界の人びとを納得させられると思っているのだろうか。トランプ氏は、自分たちの行動はすべて正しいものだとの認識と自己擁護のうえで、相手国の目障りな障害物の撤去を期している。この次は、イランの最高指導者ハメネイ師の暗殺を考えているらしい。

 今世界中で広島や長崎の原爆被災を例に、2度と核による人類へ災禍を止め、止めさせる、核拡散防止運動が広がっている。その中で極めて危険で、下手をすると核施設から漏洩した放射能有機物が地球上に広まる恐れも考えられる。こういう誰もが反対する核施設攻撃などという手荒な行動に出たトランプ大統領には、最早付ける良薬が見つからない。

 トランプ氏は正しいことをやったと自らを信じ切っているようだが、世界中の人たちを危険に曝すような荒療治を誰が良しとするだろうか。今やトランプ政権内部には、正論を述べる雰囲気がまったくないようで、ただ大統領の顔色を窺っている愚かな閣僚ばかりが雁首を揃えているだけである。世界にとって「悪の中の悪」であるこのような無鉄砲な核施設攻撃を、アメリカ本土にやられたわけでもないのに、仕返しのような行動を起こすのは、常人の神経では考えられない。精神に異常を来たしているとしか考えられない。1日も早く、トランプ大統領を精神病院へ強制入院させて徹底的に精密検査をするべきである。

 ところが、近年好戦的な言動のイスラエルのネタニヤフ首相は、常にアメリカの支援を受けているせいであろうか、今回のイラン攻撃に関してトランプ大統領を称え、「トランプ大統領は力強く自由世界を導いている。彼はイスラエルの偉大な友人だ」と手放しで褒めちぎっている。同じ穴のムジナである2人の言動をアメリカ国民とイスラエル国民は、良識的にどうして止められないのだろうか。

 去る17日、イスラエルがイランを不意に攻撃してイランの核施設攻撃に対して、西欧諸国は、イスラエルは自国を守る権利を有すると言い、ドイツのメルツ首相などは今以てナチスのホロコーストのトラウマのせいで、常にイスラエルに対して遠慮勝ちである。今回も「イスラエルの攻撃につき、行動をとる勇気を持ったことに最大限の経緯を表する」と馬鹿げた忖度しきりである。しかし、核施設まで破壊するような今日の危険な攻撃に対して、本当はどう思っているだろうか。いずれ真意を知りたいと思うが、他の西欧諸国の首脳も何らかの声明を発表するだろう。

2025年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6613.2025年6月21日(土) 「ウクライナはロシア領」とロシアの悪魔が・・・。

 今年も意識しない間に夏至を迎えることになった。暦上の記念日や慣習は一応頭の中に入っているが、近年地球温暖化の影響で気候の変化が著しい。毎年少しずつ地球上の気温が上昇しているせいで、台風や強風がある程度予測出来た以前とは異なり、「初めて」とか「過去最高」というような表現が使われることが多くなった。今日も連日のように東京都内は真夏日である。今年の夏はこれから一体どんな暑さになるのだろうか。

 さて、日本時間今朝5時過ぎにロイターが驚くべきニュースを伝えた。ロシアのプーチン大統領が、「ロシア人とウクライナ人はひとつの民族であり、その意味でウクライナ全体がわれわれのものだ」と主張したそうである。これに合わせて、「ウクライナのスムイ州に緩衝地帯を設置しており、州都スムイを制圧する可能性も排除しない」と述べ、ロシア兵が足を踏み入れた場所は、自分たちのものだとまで領土拡張について身勝手な持論を展開した。プーチン大統領も「地」を表し、露骨に欲望を表明するようになった。最近トランプ大統領がイスラエルのガザ攻撃とイラン攻撃に関心を深め、ウクライナ戦線にあまり関心を寄せていないその隙を突いたプーチン氏の持論展開である。

 ともかくロシアというか、プーチン氏は領土欲が異常に強く、これまでウクライナへの食指を一部地区への侵攻と言う形で実行しつつあった。それが、なりふり構わずロシアの領土欲を表したのである。これには、トランプ氏のウクライナ問題への関心の低下と同時に、西欧のウクライナ擁護派の間で対ロシア非難の声が薄れている虚を突かれたという感じがする。

 この結果はどうなるだろうか。トランプ氏はイスラエルとともにイランを攻撃しようと狙っているが、言い訳を考えながら2週間以内に判断すると公表した。この間にもイスラエルは、ガザ地区攻撃とともにイランにミサイル攻撃を続けている。今や存在感が薄れて来た国連安保理事会が、昨日開かれグテーレス事務総長が戦闘の停止を求めた。イランの国連代表が、イスラエルの攻撃は国連憲章や安保理決議に違反し、核不拡散体制に対する攻撃だとイスラエルを口撃し、同時にグロッシ国際原子力機関(IAEA)事務局長が、「今後イラン南部で稼働中のブシェール原発や発電所への送電線が破壊された場合は、放射性物質の大量放出を引き起こす可能性があり、核関連施設への攻撃を止めるよう」訴えた。これに対してイスラエル国連代表は、核の脅威が取り除かれるまで攻撃を止めないと、強く否定した。このイスラエルの強気の陰にトランプ大統領の精神的支援がある。そのトランプ氏もイランへの空爆にやる気満々である。

 我々が学生時代に60年安保反対闘争や、ベトナム反戦運動に参加して、シュプレヒコールを繰り返した「平和」とか、「戦争絶対反対」という掛け声が、今や中東やアメリカ、ロシアではまったく聞かれなくなった。残念ながら戦争志向や、是認の流れが米ロや、イスラエルの間で強まっている現状では、悲しいかな、我々はどうすることも出来ないのが実態である。

2025年6月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com