6618.2025年6月26日(木) 日本の3大怨霊と世界最悪の怨霊トランプ

 日本には3大怨霊と呼ばれ、各地で災いをもたらしたとされる3人の「偉人」がいた。ひとりは、落雷をもたらしたことから雷神として崇められ、「天神様」と呼ばれた菅原道真である。2人目は、日本の半分を新国家として樹立し、その後追討され斬首された「平将門の乱」の首謀者・平将門である。彼の斬首された首が落ちた大手町の「将門塚」では関東大震災後も奇怪な事件が度々起きている。3人目は、3歳で第75代天皇に即位し、10代で鳥羽上皇によって譲位させられた恨みから実権を取り返すために「保元の乱」へ戦火を拡大させた崇徳天皇である。歌人でもあり和歌は百人一首にも選ばれている。

 一般的に学問の神様とか、叛乱の立役者、百人一首歌人として、多くの日本人に尊敬されている3人が、「怨霊」とは考えもしなかった。偉人も見方によっては功罪相半ばと見られているということだろうか。

 そこで今世界中に不安と疑心を撒き散らし、私欲から一方のイスラエルに肩入れしたと思ったら、そのやり方に難癖をつけて相変わらず世界を呆れさせているトランプ大統領こそ怨霊ではないかと考えている。昨今のイスラエル・イラン戦争に関しては、そのしたたかな言動が、西欧首脳陣に気を遣わせ彼らに大統領をヨイショさせる原因となった。

 本来なら、イスラエルとイランの戦争の部外者であるアメリカのトランプ大統領が、米空軍機にイランの核施設破壊攻撃を命じて戦火を拡大させる国際法違反を冒したのである。それが翌日には両国に停戦案を押し付けて12日間戦争は終結した、それは広島、長崎への攻撃で戦争を終わらせたのと本質的に同じだと原爆被災者を憤慨させるようなトンデモナイことを言っている。すべて自らが関わったことを得意になって世界中に発信して悦に入っている有様である。イスラエルのネタニヤフ首相は、「ホワイトハウスにトランプ大統領ほど素晴らしい友人を、これまで持ったことがなかった」と持ち上げる始末である。この背景には数日前パキスタン政府がトランプ大統領を今年のノーベル平和賞候補者に推薦したとの情報がある。ノーベル平和賞欲しさに、戦争を仕掛け、終結に持ち込み平和に貢献したと自画自賛してアピールしているつもりなのではないだろうか。

 北大西洋条約機構(NATO)首脳会談に出席したトランプ大統領に対して、ルッテNATO事務局長から「あなたは何十年間もの間、どの米大統領も成し得なかったことを達成する」とたっぷりお世辞を言われた。首脳らは、調子づいたトランプ氏が以前から要求していた、NATO各加盟国に対する国家の国防費・防衛費を国内総生産(GDP)比で5%に引き上げる新目標を実施することで合意したようである。現在NATO加盟国の中で一番防衛費が多額なのは、ポーランドの4.07%で、次いでアメリカの3.19%であるが、他の加盟国はイギリスの2.33%から最も低いスペインの1.24%とかなり幅がある。とても5%は手が届くとは思えない。スペインなどは、5%は不合理と反発している。この新目標達成は現状では難しく、フランスのマクロン大統領も数字だけの議論は好まないと否定的である。NATO加盟国ではない日本に対してもトランプ氏は、非公式に3.5%を求めているようだが、日本は2025年度予算で前年より0.2%引き上げ、1.8%にして27年度には2%にまで上げる腹づもりである。だが、とても5%なんて絵に描いた餅である。石破首相も「日本の防衛費は日本が決める」と受け入れる言葉は述べない。

 こうして世界各国に無理難題を吹っかける世界の厄介者であるトランプ大統領こそ、今世紀世界最悪の怨霊である。何とかならないものだろうか。

2025年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com