6621.2025年6月29日(日) JAXA、現方式ロケット最後の打ち上げ成功

 国産ロケット「H2A」の最終号機・50号機が、今朝早く種子島宇宙センターから打ち上げられ、政府の地球観測衛星を正常に分離して打ち上げは成功した。これで宇宙航空研究開発機構(JAXA)が三菱重工と共同開発してきた「H2A」は有終の美を飾って、今後は後継の「H3」号機に引き継ぐことになる。最近民間の衛星ロケットが打ち上げては度々失敗するので、打ち上げ前に少々気になっていた。ところが、国が開発に関わった「H2A」シリーズの打ち上げは、20年以上50回の打ち上げでたった1度しか失敗はなく、かなりその精度は高かった。ただ、経費が約100億円もかかり、今後「H3」計画では、JAXAと三菱重工が「H2A」の半額となる打ち上げ価格を目指して、世界的に拡大する衛星の打ち上げ需要の取り込みを狙うという。50号機は、今世界的な地球温暖化問題には、二酸化炭素などの濃度を地球の全表面で観測することが可能だそうだから、かなり科学的に貢献することが出来る。

 その科学的費用について、年間約5億円超(20年間で約100億円)の予算を投資してきた結果、それなりの成果を収めることが出来た。他方で、トランプ大統領が各国首脳に喚き散らしているGDPの5%を、国防費予算へ投資したところでこれほどの成果は期待出来まい。日本は2025年度予算で、前年度より防衛費を0.2%引き上げ、1.8%にして27年度には現在の1.8%から2%にまで上げる腹づもりである。日本のGDP0.2%とは、ほぼ1兆2千億円に該当する。年間これほどの巨額を無駄な防衛費に投資しようとすることを考慮すれば、効果的な宇宙ロケットの開発費用はそれほど高額ではない。無駄な投資、しかも憲法に違反する国防のための投資など対費用効果を考えれば、いずれ日本にもトランプ圧力による国防費の投資額増大を要求するだろうが、日本の将来にとって少しもプラスにはならない。況してや軍事費支出なんて憲法に違反している。政府はアメリカ政府にもこの点をよく説明し、日本なりの方針を考える必要があるのではないか。

 さて、卒業式などでよく歌われる「蛍の光」について、3日前の朝日新聞にその歌詞の歴史的背景と沖縄との関係についてエピソードが紹介されていた。今から140年以上も前に当時の文部省が唱歌として発表してから今日まで歌い継がれている「蛍の光」は、普段1番だけしか歌わないことが多く、歌っても精々2番までである。ところが、歌詞は4番まであり、その4番はまるで知らなかった。4番には、北方領土の千島とともに沖縄が歌われているのである。♪千島のおくも 沖縄も 八洲の「うち」の守りなり~♪であるが、この内作詞家は♪千島のおくも 沖縄も 八洲の「そと」の守りなり~♪とした。それを文部省が穏当ならずとして、「そと」を「うち」に修正させたという。国民感情を考慮したようだ。しかし、20世紀に入ると教科書では、♪台湾の果ても樺太も やしまのうちのまもりなり~♪と変わった。日本が千島、樺太、台湾、朝鮮などを植民地化して国土の拡大を図ったのに合わせて、小学校唱歌を通して国民に一致団結や国威高揚を訴えたのだ。

 優しいメロディにより世界中で愛唱歌にもなっているスコットランド民謡を、こんな戦意高揚なんかに使われていたと現地の人びとが知ったらさぞや悲しむことであろう。

2025年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com