3697.2017年6月27日(火) シルバー旅行の相談に乗る。

 過日ゼミの後輩・遠藤靖子さんから、夫婦で世界旅行をしたいので相談に乗って欲しいとの話を伺っていたので、承諾して今日新宿でランチをごちそうになりながら四方山話の中で夫婦の旅行について話し合った。ご主人は、つい最近までマレーシアで働いておられ、それも漸くメドがついたので最近帰国したのを機会に長年の約束だった世界旅行を夫婦で楽しみたいという夢のある話だった。海外生活も長いのでお2人とも語学が達者で、通り一遍の旅行というのではなく自分たちがこれまで行きたいと思いながら行けなかった都市を話し合いの中で見つけたいと言っておられた。靖子夫人からは最近ハヤカワ文庫から出版されたソフィー・ハナ著「閉じられた棺」の共訳書をいただいた。それが何と彼女と共訳しているのが、いろいろお世話になっているワイン評論家でもある山本博弁護士である偶然には、驚いた。

 今日の話ではまだ旅行先が決まったわけではないが、一応候補地としてスペイン、ポルトガル、スイス、チェコ辺りが良いのではないかと彼らも考え、私も薦めた。スイスへ行けば、当然アルプス周辺ということになるが、マッターホルンへ行くか、アイガーへ行くか、は今後考えられるようだ。ポルトガルは首都リスボンだけではなく、折角訪れるなら北部の古都ポルトも行かれるようお薦めした。

 振り返って我々夫婦は新婚旅行を含めてこれまで10回ほど2人で海外旅行を楽しんだが、エーゲ海クルーズ、カナディアン・ロッキー、ニュージーランドの旅が強く印象に残っている。しかし、この15年ばかりは夫婦で海外へ出かけていない。私1人だけ海外へ出かけているが、もう1度くらいは夫婦で出かけてみようとは思っている。

 さて、今日の夕刊各紙とテレビで私たちの感覚からすると信じられないような珍しいニュースが取り上げられていた。スペインのシュールレアリズムの画家サルバドール・ダリの遺体を掘り起こしDNA鑑定をするよう裁判所が命じたのである。ダリはすでに28年前に亡くなっている。その遺体を再び地上に曝け出すというのだ。理由は、ダリの娘だと主張する61歳の女性の訴えをDNA鑑定で検証するためだという。略奪結婚して10歳年長の妻を娶ったダリは、終生愛妻家としても知られていた。件の女性は母親がダリと関係を持って生まれたのが自分であると主張し、裁判所は親子関係の特定のためには遺体を掘り起こしてDNA鑑定以外に方法がないとの合理的?な判断に達した。それにしてもあまりにもおぞましい。

 仮にDNA鑑定の結果親子関係が確定すれば、当然その女性に遺産相続の権利が発生する。約90億円ほどの遺産額になるという。これに対してサルバドール・ダリ財団は掘り起こさないよう上訴するという。結論がどうなろうとどうもすっきりせず、素直に受け入れられない。真偽のほどは分からないが、事実だとするなら巨匠ダリも随分罪作りなことをしたものだ。

2017年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3696.2017年6月26日(月) 14歳の藤井棋士、前人未到の29連勝達成

 かねがね経営不振が伝えられていた自動車部品大手「タカタ」が、東京地裁に民事再生法を申請し受理された。事実上の倒産である。負債額が3月末で実に3,800億円で、自動車メーカーが欠陥エア・バッグ問題につき肩代わりしていたリコール費用などを加えると最終的に負債総額はざっと1兆円を超えると言われている。戦後の製造業の大型倒産としては最大規模であるが、過去に驚かされた倒産がある。新潟鉄工所、三田工業、興人、永大産業、林原など大型倒産した会社名が偲ばれる。とりわけゼミ親友が在職中に病死した後勤めていた新潟鐵工所が倒産したことと、大学同級生の父親が経営者だったコピー器の三田工業の倒産が忘れられない。

 「タカタ」は2008年に欠陥エアバッグで事故を起こし、多数の死傷者を出した。その後リコールが起きたが、その対応が稚拙で経営は苦しくなって行った。こういう事件が起きる度に思うことだが、経営者にもう少し才覚があり、早く上手に手当てをすれば最悪の事態は防げたのではないかと思うことがある。「タカタ」の場合は、3代目経営者がリコール問題が発生した時自ら解決しようとの姿勢が見られなかったことが致命的だった。世界でもエアバッグでは3大メーカーに数えられていただけに、日本の世界的メーカーがまたひとつ姿を消すのが何とも寂しい気がする。

 経済成長著しかった日本の製造業であるが、近年やや精彩を欠いている。亀山工場生産のテレビが華やかだったシャープの台湾企業への身売り、日本企業の象徴的ブランドでもあった東芝の株式上場1部から2部への転落等々もバブル期を思うと想像もつかない。それぞれすべてが自社の責任ではないが、やはり経営者が将来を見つめてもっとしっかりした舵取りをやっていれば、もう少し傷口は小さくすることが出来たのではないかとの思いがする。

 さて、また天才少年にびっくりさせられた。プロ・デビューから28連勝を積み重ねて連勝記録にならんだ、中学生棋士の藤井聰太四段が増田康宏四段を破り、連勝記録を30年振りに29に更新した。各地で号外が発行されるほどの大騒ぎである。並み居るベテラン棋士を次々と連破して前人未到の金字塔を打ち立てたのが、14歳の中学生とは正に驚きで、恐ろしいほどである。この記録がいつまで伸びるか、その都度楽しみであり、ハラハラものである。それにしても末恐ろしい少年が現れたものである。

2017年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3695.2017年6月25日(日) 東京都議会議員選挙が始まった。

 昨日当ブログに美空ひばりが28年前に52歳で亡くなり、偶々昨日が命日だと書いたところ、ある友人が石原裕次郎もやはり52歳で他界して、来月には没後30年になると態々教えてくれた。そう言えば、昨晩3時間に亘りNHK・BSがライブを交えて「日本人が最も愛した男 石原裕次郎」なる特集番組を組んでいた。しばらく観ていたが、裕次郎の場合は歌手であり俳優でもあった。三船敏郎のように国際的な俳優として権威ある賞を授かったわけではないが、戦後数々いた男性俳優の中でも、抜群の人気を誇り、三船とは異なる存在感のある独特の個性派俳優だった。ひばりと同じ年齢で彼岸へ旅立ったのも何かの縁であろうか。

 裕次郎の兄・石原慎太郎が初めて東京都知事選へ立候補した時、街宣車の上で裕次郎と一緒に応援演説をやって大勢の聴衆に取り巻かれたことがあると慎太郎の高校時代の同級生で、「プロ野球ニュース」の人気キャスターだった佐々木信也さんから伺ったことがある。

 それにしても選りによって戦後の大スター、美空ひばりと石原裕次郎が奇しくも同じ52歳の若さで世を去ったとは運命とは言え、不思議な巡りあわせのような気がする。

 さて、東京都議選がスタートして自宅近辺を各候補の宣伝カーがボリュームを上げて候補者名を連呼して走り回っている。1週間後の投票日を照準に選挙戦は一気に熱い戦いに入った。選挙公報が届けられたが、世田谷区選出都議は候補者18名に対して6名である。

 以前は2020年東京オリンピック関連事項や、社会資本整備、福祉問題などが議論されていたが、今では論点として豊洲市場移転問題ばかりがクローズアップされている。共産党と民進党は直接都議選には無関係の加計学園問題の対応で自民党を批判している。豊洲移転に反対しているのは、共産党と生活者ネットワークである。しかし、どうも説得力に欠ける。先日里吉ゆみ共産党都議がわが家へ挨拶に来られた時、共産党は豊洲移転に反対しているが、すでに完成した豊洲市場に投資した莫大な費用を無駄にするのかと尋ねたところ、都議は充分調査して結論を出すようなことを言っていた。だが、それっきりである。共産党からもその種の回答は広報誌を通じても伝わって来ず、メディア報道で見る限り「豊洲移転に反対、築地市場を再整備」である。教育、保育、福祉関係の対応はそれなりに評価できるが、最大の論点である豊洲市場移転に関する肝心な点についてもう少し丁寧に説明してもらいたいものだ。

 里吉議員に尋ねた豊洲の費用については、現時点では共産党党世田谷区委員会も里吉都議も応えてくれていない。すでにかかった豊洲市場整備費が6千億円と言われている。これだけの巨額な事業費をどうやって捻出するかの議論はほとんど行われていない。いずれにせよこれは都民に税金という形で負担させられるものである。派手なパフォーマンスなんて望んでいない。もう少し現実の問題に真剣に取り組んでいただきたい。どうも国会議員同様、都会議員もその辺りはちょっと無責任ではないか。

 これから1週間、私なりに都議選を注目して見てみたい。

2017年6月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3694.2017年6月24日(土) 早世した市川海老蔵夫人と美空ひばり

 歌舞伎役者、市川海老蔵の妻小林真央さんが乳がんのため、昨日34歳の若さで亡くなった。昨年6月海老蔵が、一昨年10月に真央さんが乳がんに侵されていることが判り、闘病中であることを公表して、以後海老蔵のかいがいしい看護ぶりと真央さんのブログへの日替わりコメントが注目を浴びていた。ブログはイギリスのBBCでも話題になり、250万人が読むほどの評判を呼んだ。しかし、多くの人々の回復を願う気持ちに応えることなく、昨日逝ってしまった。テレビでは、夫海老蔵の会見を始め、その死が話題を呼び、繰り返し2人の結婚までの過程と闘病生活、幼い2人の子どもの姿まで放映され、視聴者の涙を誘った。

 家庭を持ちながらプレイボーイぶりを発揮し、暴力事件まで犯した不肖の役者・海老蔵が、一転して反省の態度を示して家族孝行をするようになってまもなくの癌発見だった。以後海老蔵の献身的な介護が始まり、それまでのマイナス・イメージを取り戻しつつあった。会見では涙を見せ、それが世間から同情を呼んで、漸く自らの不祥事を償うことが出来たようだ。

 これから小さな子どもを育てていくのは大変だと思うが、真央さんの晩年を支えたエネルギーで、彼らを立派に育て上げ、更に大歌舞伎役者として成長してくれるよう願ってやまない。

 さて、今日はかの不世出の歌手だった美空ひばりが、享年僅か52歳でこの世を去ってから28年になる。もうそんな年月が過ぎ去ったのかと、我が身を振り返って感慨深い気がする。歌手としての才能は並勝れていたと思う。どんな曲でも誰よりも上手に歌いこなし、レコード化されれば、彼女の唄った歌はすべてヒットした。あれだけの歌手は今後ももう現れないだろうと思っている。私より1歳年長だったし、一時私の実家湘南鵠沼周辺に住んでおられたこともあるので、同じような時代環境で同じような景色を見て来られたと思うとついセンチメンタルな気分になる。

 今日もあるテレビ局が美空ひばりを回顧する番組を放送していたが、ヒット10曲を現代の歌手が歌っていたが、すべてかつて聞いた有名な歌謡曲だった。

 真央さんと美空ひばりの2人のあまりにも早い死をダブらせて、ついおセンチになってしまった。

2017年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3693.2017年6月23日(金) 沖縄で72年目の「慰霊の日」

 72年前の今日沖縄で最後の地上戦が行われ、多数の犠牲者を出して終わった。沖縄では、今日は「慰霊の日」と呼ばれ、最後の激戦地となった糸満市摩文仁の丘の平和祈念公園で追悼式が行われ、翁長雄志知事が平和宣言を読み上げた。安倍首相も出席し、沖縄の基地負担軽減に全力を尽くすなど、政府として努力したいと述べたが、白々しい。最近の政府・沖縄県の関係が順調なものでないだけにどうもぎくしゃくした感じが拭えない。

 それにしても沖縄では、県民の1/4が戦争の犠牲となったほど熾烈なものだった。今日も平和祈念公園へお参りした人が、亡くなった家族を偲ぶ姿が痛々しい。摩文仁の丘にはお参りしたことはないが、ノルマンジー海岸近くの整然とした連合軍戦没者墓地をお参りしたことがある。9月にはアウシュビッツ収容所を見学してユダヤ人の悲しみを臨場感で感じて来たい。

 さて、今日から有権者1千百万票の東京都会議員選挙がスタートした。4年前は自民党議員全員当選という大勝でその後の総選挙に弾みをつけ、自民党1強の基盤固めとなった。だが、今年の選挙は自民党にとって手厳しい戦を強いられそうだ。各党の様相が変化してきたからだ。自民党は前回のように全勝というわけには行くまい。小池百合子ブームが一段落したとは言え、4年前とは比較にならないほど自民党にとってはハードルが高くなった。一方の小池知事が主導する「都民ファーストの会」は、知事が一昨日発表した豊洲、築地市場使用の中途半端な結論によって勢いは落ちたと思っている。各党それぞれの思惑によって小池知事への距離を取っているようだが、どういう結果になるか。

 豊洲の安全性云々の議論が繰り返されてきたが、危険と見られた中で安全性を強く主張していた専門家に国立研究開発法人・産業技術総合研究所(産総研)名誉フェローの中西準子さんがいる。この中西さんが今朝の日経紙に写真入りで、紹介されているが、その中で改めて豊洲市場の安全性をアピールし、その点で小池知事の判断を了としている。中西さんとは高校3年間ずっと同じクラスだったが、久しぶりに写真を見て面影があると思った。名誉フェローになって多少時間的に余裕が生まれたようなので、今年こそは会えるのではないかと思っている。彼女からも私の冒険談を聴くのを楽しみにしているとメールをもらっているので、楽しみにしている。

2017年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3692.2017年6月22日(木) 補聴器を購入することに決めた。

 半月ばかり試聴していた補聴器を買い求めることに決めた。自由が丘駅近くの「ブルーム」という補聴器販売店で、2度ほど器機を調整してもらって何とか両耳に馴染むようになった。「WIDEX」というデンマークの補聴器専門メーカー製の補聴器である。これまでに「ブルーム」のコンサルタントから丁寧なアドバイスをいただきながら、器機を調整して試聴を続けて来た。こういうプライベートでも、業務上も大事な器機は使い捨てという代物ではないので、やはり定期的に相談していつまでも使えるものでないと購入は決めかねる。パーフェクトに音声を捉えられるということではないにせよ、少しでもはっきり音声を聴き取れるようならそれに越したことはない。

 実は、補聴器機というだけならヨドバシカメラ浅草店で、多種のそれを安く買えると勧めてくれた知人がいた。だが、長らく使用している間には何かと親身になって相談に乗ってくれるソフトウエア・サービスが欠かせない。こればかりはハード部分だけではない。それには低価格であっても大衆的な電器店で「売ってしまえばそれまで」のノーフォロー、ノーアフター・サービスの形で購入するのは賢明ではないのではないかと考え、アフター・サービスが品質、サービスともしっかりし、自宅からもほど近い「ブルーム」店舗で買うことに決めた。価格はざっと30万円だったが、ある程度その腹積もりはあったので、この際とばかり清水の舞台から飛び降りた。補聴器には消費税が付加されないとは知らなかったが、こればかりは有難いと思っている。

 当分の間馴れるまでは戸惑うこともあるかも知れないが、1日も早く自分の耳として周囲の音声に慣れていきたいと思っている。

 さて、加計学園問題を与党は火消しに懸命であるが、また奇妙な代議士のパワハラ事件が明かされた。元はと言えば、今日発売の週刊新潮で暴露されたようだが、今日の昼間のエンタメ番組では挙って取り上げている。何と自民党の42歳になる豊田真由子衆議院議員が、事務所の55歳の政策秘書に非常識な暴行、暴言を行ったと話題になっている。テレビの報道を観ると、確かに酷い暴言で普段世話になっている10歳以上も年長の男性秘書によくもこれほど悪態の限りをつくせるものかと呆れるばかりである。東大法学部卒後厚生省入りした元官僚で、ハーバード大にも留学しているエリートであるが、人間的に、また国会議員としてどうなのか首を傾げざるを得ない。

 豊田議員は後部座席から運転中の秘書に繰り返し殴るなどの暴行を加え、顔や背中などにけがをさせたり、「このハゲ!」とか、「死ねば?生きている価値ないだろ」などと暴言を吐き、秘書の娘を通り魔事件の犠牲者に例えるような発言もしたという。秘書は暴行された診断書を持っているので、傷害罪で訴えられる可能性もある。今まで元気のいい女性議員はいくらもいたが、これほど酷い代議士は初めてである。

 ネットのWikipediaで豊田議員の項をチェックしたところ、すでに手回しよく全面削除の手が打たれていた。豊田議員は会見も、弁明もすることなく自民党へ離党届を提出し、体調不良としてさっさと入院してしまった。衆議院議員2期目だが、期待され、内閣府、文科省の政務官を務めたこともある。惜しい人材であるのかも知れないが、理性も常識も持ち合わせない人間では、所詮どの社会でも通用しないだろう。

 これも1強・安倍政権の驕りから生まれた思い上がり人間の成れの果てではないだろうか。

 ところで、今日もうひとつショックを受けたのは、イラクのモスルにあるヌーリ・モスクが倒壊したことである。IS国が自爆によって破壊したと伝えられているが、はたしてどうか。このモスクを訪れたことはないが、アラブのモスクという共通の史跡がいとも簡単に戦争の犠牲で破壊されることが悲しい。モスクは街の中心にあり、敬虔なイスラム教徒にとって信仰の対象であり、朝からコーランの唱和がホテルの部屋の中まで流れて来るのがいつもイスラム国らしいと思っていた。こうして、先人が創建した貴重な宝が姿を消していく。惜しまれてならない。

2017年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3691.2017年6月21日(水) 加計学園の闇と小池都知事の決断

 一昨日国会が閉会になったことを受けて、安倍首相が記者会見を行った。メディアの支持率が軒並み大きく低下する中で、殊勝にも低姿勢で反省を口にした。今国会では自身と昭恵夫人がからんだ森友学園と加計学園の「もり・かけスキャンダル」とその後に関与を隠蔽するような稚拙な対応が国民に疑念を抱かせ、国会でも国民を納得させるような説明をしなかったことが影響している。「反省」会見とは言っても、所詮本心ではなく、東京都議選に悪影響を与えないためのジェスチャーでしかない。

 8つの報道機関の世論調査による内閣支持率は、前回調査に比べて6~12%も低下している。意外なのは読売の12%の大きなダウンと朝日の6%の小さなダウンである。読売は前回の支持率が高く61%で、朝日は47%と低かったせいである。かつて、60年安保条約改定の際に強行採決を行った岸内閣の対応を念頭に、後を継いだ強気の池田勇人首相が本音を隠して「寛容と忍耐」をアピールしたのに似ている。

 昨日になって加計学園に関する闇がまたひとつ表面化してきた。松野博一文科相が次のように語った。首相側近の萩生田光一副官房長官が、加計学園の国家戦略特区への獣医学部新設について文科省高等教育局長に「総理は平成30年4月を開学の期限としている」などと明らかにプレッシャーを与える発言を記録した新たな文書を公表したのである。それでいながら松野大臣は「副官房長官の発言でない内容が含まれている」と萩生田副長官に妙な気遣いをするような言葉も語っているのだ。これらの発言と副官房長官が加計学園系列の千葉科学大学名誉教授の肩書まで有している現実からも、萩生田副官房長官が加計学園獣医学部新設へ向けて関係者へプレッシャーを与えたのではないかとの疑念が一層深まったことになる。

 しかし、嘘をつくことを気にも留めない政治家、萩生田氏は「加計学園に関して首相からいかなる指示も受けたことはない」と一切を否定し、あまつさえ「文書が外部に流されたことについて理解に苦しむとともに強い憤りを感じる」とまで居直っている。

 これだけ疑惑を示す文書が暴露され、前川喜平前文科省事務次官が証言し、野党が強く前川氏の証人喚問を要求しているにも拘わらず、政府は証人喚問に応じようとしない。これではいつまで経っても問題が解決しないことは明らかである。政府は国民が加計学園に関する関係者の配慮を忘れてくれることを願っているのだろう。やはり1強独裁の政治の行き着く先は、中国のトップ層の贈収賄事件のように安倍首相への忖度となって悪の深みへはまっていくのだろう。

 さて、昨日小池百合子東京都知事が、記者会見で豊洲市場移転問題について漸く基本方針を発表した。明後日の東京都議選告示を前に「決められない知事」との好ましくない声を抑える狙いもあるようだ。

 小池知事はいかなる方針を発表したのか。どちらかと言えば、市場は豊洲とか、築地と明確に打ち出したわけではない。知事は二兎を追ったのである。「どちらとも取れるような曖昧な「解決法」で、この窮地を乗り切ろうとしているようだ。言い方は、総合物流拠点」と「食のテーマパーク」である。

 まず、豊洲市場を2018年春にも開場するとした。果たして間にあうのだろうか。築地はどうするのかと思いきや、5年後をメドに再開発して将来的には「築地」というブランド力を生かした「食のテーマパーク」を目指すという。その前に跡地をオリンピック用に仮設駐車場にして活用し、同時に築地を通る環状2号線の開通を目指すという計画を持っている。

 少々驚いたのは、豊洲へ引っ越した業者のうち、再び築地で商売してみたいという業者には5年後に戻ることを支援するという。業者の気持ちに寄り添っているように思えるが、これはそう簡単に出来ることではない。どうも安易で中途半端に思えて仕方がない。経費は民間が負担するというが、都民の負担も増えるのではないかと思う。

 業者や地元住民からも戸惑いの声が聞かれるというが、10カ月も結論を先伸ばししてきた割りには、すんなりとは納得し難い。あぶはち取らずにならなければよいのだが・・・。

 今日将棋界の新星、14歳の藤井聰太4段が澤田真吾6段を破り、プロ・デビュー以来負けなしの28連勝を達成した。神谷博広志8段が30年前に成し遂げた記録と並んだのである。関西地方では号外が出たようだから、大きな話題となっている。それにしても、史上5人目の中学生棋士にしては冷静で、落ち着き払った口元から高尚な言葉がぽんぽん出て来る。自分の中学生時代に照らしあわせてとても足元に及ばない。いつまでこの記録が伸びるのだろうか。我が家の近所に住んでおられる羽生名人にも勝っている。順調に記録を伸ばして将棋界に大きく羽ばたくことを期待したいものである。

2017年6月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3690.2017年6月20日(火) 高校の先輩3人と楽しい会話

 先月予定していた会食を兄の両眼の白内障の手術のため今日まで延期していた。兄の高校の同級生で南極の専門家、国立極地研究所名誉教授・神沼克伊さんと兄、そして新たに同じ同級生の天野武和さんが加わり、私もお仲間に入れてもらって4人で5カ月ぶりに会食を楽しんだ。これまで知らなかった母校や同級生らの愉しい話が後から後へと引きも切らず、食事とカフェで3時間以上も話し込んでしまった。

 神沼さんは相変わらず海外へよく出かけられるようで、つい最近あまり日本人が出かけない世界遺産、ギニアのエンジェル・フォールまで登山道を歩いて出かけたのはよいが、選りによって転倒し頭部を7針縫ったその傷跡まで見せていただいた。医療費は一切支払わなかったと、キューバと同じように社会主義国家のご相伴に与ったと仰っていた。神沼さんは、一時は80歳までは生きられないと言われたこともあるそうだが、無事今月1日に傘寿80歳をクリアされた。お見かけしたところ元気溌剌とされていて、パワーをいただけるような気がしてくる。

 天野さんは高松高検検事長まで務められたお父上の血筋を引いた秀才としてよく知られ、大手銀行、鉄鋼会社で大幹部を務められ、長年母校同窓会会長も務められた。ニューヨークに、そしてデュッセルドルフに2度勤務されたので、海外事情にも詳しい。それぞれお話を伺っているだけで勉強になるし、知っている同級生のお名前が出て来るので懐かしくも思う。母校校歌の作詞者、北原白秋のお孫さんで母校出身の金城学院大学教授の北原ルミさんにお会いして、祖父が作詞した校歌を筆で書いてもらい、福岡県柳川市の北原白秋記念館に掲げてもらったという涙ぐましい話には感動した。

 同級生の中で珍しい人物として「日本のシンドラー」杉原千畝の長男弘樹氏がおられる。高校卒業後直ぐアメリカへ行かれたようだが、すでに亡くなられた。ごく最近骨肉の裁判の結果母親の遺産相続問題に決着がついたばかりである。

 どういうわけだか不思議な縁であるが、9月に訪れるバルト3国のうち、杉原千畝が総領事だった領事館は、今リトアニア大使館として母校後輩の重枝豊英氏が特命全権大使を務めておられ、隣のラトヴィアでも後輩の藤井真理子さんが特命全権大使を務めている。バルト3国と母校の不思議な縁を思う。3国の位置関係もまだきちんと頭に入っていないが、日本戦史のうえでも大きな話題となった国を訪れることを楽しみにしている。

2017年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3689.2017年6月19日(月) 日本ペンクラブ理事に就任

 一昨日伊豆半島石廊崎沖合でアメリカ軍駆逐艦イージス号とフィリピン船籍コンテナ船が衝突事故を起こしたことに様々な憶測が流れている。最も不審感を抱かされるのは、沖縄で度々引き起こされるアメリカ兵の刑事、民事事件で捜査権ばかりでなく、裁判権も日本側に認められていない日米地位協定なるいかがわしい協定である。今回の衝突事故でも日本領海内で起きた事件であるにも拘らず、コンテナ船への立ち入り捜査は行われるが、イージス艦への捜査は行われない。結果的に7名の不明者がどうなったのか分からない内に、アメリカのメディアでは彼ら犠牲者の身元が報道されている有様である。いつまでもこの日米地位協定なるものが存在する限り、いくら安倍首相が偉そうなことを言ったところで、アメリカへの属国意識は消えるものではない。とりわけトランプ大統領就任以来、アメリカへの印象が悪くなる一方である。

 さて、今日は日本ペンクラブの定期総会が神保町の如水会館で開催された。かつては、日比谷の東京会館で開かれていたが、東京会館は取り壊して新しい建物に建て替えるためにしばらく使用出来ない。

 先般会員選挙により理事に選出され、すでに新理事会に出席している。今日の定例総会では、報告の後質疑応答が行われた。その後我々のように選挙による選出理事20名と新会長の推薦による10名を加えた30名が向こう2年間理事として正式に承認され、職務を果たすことになった。理事として承認される前に一会員として、定款に理事選出のための選挙制度について一言も触れられておらず、理事選出にとっては基本的なことであるので、きちんと定款上に表記すべきであると提案した。反応を見ているとあまり積極的ではないようで、少々失望した。現状を変更することに戸惑いと抵抗があるように感じた。前途は厳しいと自戒している。

 また、宴会開始前の30分程度だったが、新役員が揃った最初の理事会で浅田次郎会長に代わり、吉岡忍専務理事が新会長に就任することが承認され、引き続き3名の副会長、新専務理事、6人の常務理事が承認された。ここでも先般の理事会と同様、理事相互の紹介がなく、名前を知らないまま別れることになった。こういう仕切りはどうなのか、疑問を感じた次第である。

 私も13ある委員会の内いずれかの委員としてお手伝いするつもりだが、一応財務委員会と国際委員会に申し込もうと考えている。僅かな時間ではあったが、ペンクラブの運営や組織自体にどうも違和感のようなものを感じた。少しずつ慣れていくことと、徐々に組織を建設的な形に変えていくことが必要ではないかと考えている。

2017年6月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3688.2017年6月18日(日) 政府は国民無視の「3ない」答弁に終始

 ここ数日終盤国会で理性も品性もまったく感じられないあの騒ぎは、一体何だったのだろうか。そもそも森友学園と加計学園の怪しげなプロジェクトに安倍首相夫妻が深く関わっていたことから問題が発生し、何らかの圧力や配慮があったのではないかとの疑問が囁かれたのが事の発端である。とりわけ官邸スタッフと官僚による首相への忖度があったのではないかと疑念を持たれて、最後まで建設的な国会ではなく、低次元の国会に終わってしまった。森友学園問題では籠池森友学園理事長を証人喚問して安倍夫妻との関係を聞き出したにも拘らず、当事者でもある安倍夫妻は関与を頭から否定する有様だった。それで真っ当な結論が出されればまだしも、国民の行動を監視し締め付け、言論の自由を抑圧するテロ等準備罪法は成立させ、多くの疑問を残しながらウヤムヤのうちに国民の目を逸らそうとしている。

 今朝の朝日新聞一面には、政府が「3ない」答弁に終始していたと厳しく指摘している。つまり何事も、仮に疑問があっても政府の答弁は「認めない」「調べない」「謝らない」と傲慢にも責任を取ろうとせず、悪いとも思っていないというのだ。そのうえで、都合が悪くなるとすべて官僚に責任をなすりつけると野党から非難されてもいる。

 新聞もさじを投げたような論調が目立つ。1強に甘えて不遜な対応をした安倍首相は、最近益々それが嵩じて多少支持率は下がってきた。だが、自民党の1強多弱の支持基盤では、いくら野党が反対を唱えても数の力に押し切られてしまう。与党はその辺りはお見通しで、禁じ手を使って強引に採決に持ち込んだり、首を傾げることばかりで、実にわが物顔なのである。これでは日本の民主主義はいずれ崩壊してしまうだろう。

 昨日の参議院本会議場におけるテロ等準備罪法案採決に当たっても、中間審議をカットしていきなり本会議で数の力によって採決した。かつて60年安保条約を強行採決した祖父岸信介首相と同じように、孫の安倍首相も尊敬する祖父を真似て強行採決した。これだからちやほやされた世間知らずの世襲政治家は困るのだ。悪いところだけ真似をする。反対する野党の牛歩戦術に対しては、参議院議長が時間制限を設けて最後の3人の投票を認めず締め切るという暴挙に出た。辛口の政治評論家・田原総一朗氏も烈火の如く怒っていたが、さもありなむと思う。言論の自由が危機に瀕している以上に、今や日本の民主主義は世紀末的になってきたと言わざるを得ない。

2017年6月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com