3843.2017年11月20日(月) アフリカとアジアの独裁国家の貧困

 アフリカ・ジンバヴエのムガベ大統領が数日前から自宅軟禁状態にある。ムガベ大統領は、1980年イギリスから独立して当時のローデシアから現ジンバヴエに国名を変更して以来首相、大統領の地位に就き国を支配してきた独裁者である。現在93歳で世界最高齢の大統領と言われ、確かに独立の父ではあったが、あまりの独裁振りと経済舵取り失敗のため、近年は国民からの信頼と人気は急激に下降線を辿っていた。今日党首を務めていた「アフリカ民族同盟愛国戦線」の中央委員会から党首の解任、同時に大統領辞任を求められたが、当人は相変わらず地位に連綿として受け入れる気持ちはないようだ。これまで37年間に亘って統率して来た同士や部下から、背を向けられ党首を追われることになった。現在軍を交えて大統領辞任について話し合っているが、大統領があくまで拒否した場合は弾劾手続きにより大統領職を退任させられる可能性がある。

 今の関心は、誰が次期大統領になるかであるが、副大統領を解任されたばかりのムナンガグワ氏が選任されそうである。ムガベ夫人が大統領の座を虎視眈々と狙っているようだが、大統領より42歳も若く、国民が貧困に苦しんでいるにも拘わらず、派手好きでブランド商品を買い漁っていて国民からの受けが悪い。

 ムガベ大統領が国民に背を向けられた最大の理由は、独裁的支配もさることながら国家財政の破綻と惨めな国民生活にある。今朝の「天声人語」によれば、インフレ率は一時5千億%に達し、平価切下げを行った。5千億%の値上げ率とは想像もつかない。これでは国民も堪ったものではあるまい。

 私利私欲が強く身内のことしか考えず、国家経済を破綻させたことが国民にまったく信頼がないことが致命傷となった。国家、国民のために奉仕する気持ちがなくては国民の上に立つことは出来ない。さっさと辞めるべきだろう。他に悪い例がないか調べてみたら、何とアジアでもカンボジアで強権発動したフン・セン首相の行動が厳しい指摘を受けている。何とフン・セン首相も30年以上に亘って政権に就き、近年野党勢力が力を伸ばしたことに危機感を憶えたのか、三権分立を考えず司法の手によって最大野党の解散を命じた。野党議員は続々と国外へ亡命し始めた。これでまともな国家運営が出来るのだろうか。正に民主主義の危機である。この国もフン・セン首相になってから経済的に立ち遅れている。ASEAN10カ国の中で1人当りGNPは最下位である。ジンバヴエもカンボジアも、独裁者の手にかかると不正行為が蔓延り経済が停滞することが証明された。日本政府もカンボジアには多額の援助を行っているが、それが国民に行き渡らずフン・セン首相周辺に渡っている心配はないか気になる。何せフン・セン首相はこれまでに21回も訪日されているそうだが、どうもその辺りに妙なやり取りはなかっただろうか。

2017年11月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com