4648.2020年2月3日(月) 新型コロナウィルスの影響甚大

 新型コロナウィルスの感染拡大による影響は底なし沼のようだ。中国における感染者は2万人に近づいてきた。死者も361人となった。日本国内でも感染者はすでに20人である。静岡県富士宮市では、市の初めての企画で来月高校生15人を中国・上海市及び紹興市へ派遣する準備を進めて、高校生も意欲満々だったようだが、計画を中止することになった。気の毒なことであるが、厳しい現況から考えればやむを得ないのかも知れない。

 中国では、延長された春節も昨日で幕を下ろして今日から新年を迎えたが、例年とは大違いのようで仕事に熱が入らないようだ。人の移動も思うようにならず、武漢市を出た市民も自宅へ戻れない状況が続いており、経済活動は下降したままのようだ。投資家はそれを汲んだのか、株式相場が振るわない。上海株式市場は大きな影響を受けて対先週末-7.7%だった。これは日経平均株価が、233円も下がって-1.01%である事情を考えると上海の相場は、約1,800円も値下がりした勘定になる。中国経済に与える影響も大なるものがあるようだ。

 そんな折、国内ではほんの1週間前に山形県で老舗のデパート「大沼」が突然破産宣告した。先月27日にテレビで唐突に報道され、慌てふためく店員の姿が何とも言えず哀れを誘った。191人の店員は破産の前日26日の終業後、全員呼び出されてその場で唐突に破産と翌日からの閉店を通告されたという。従業員は退職金もなく、次の就業先も決まらないまま、露頭に放り出されたのである。閉店した27日店舗のシャッターに張り出された「昨日限りで閉店」の張り紙を見た市民がびっくりした。

 投資ファンドから派遣された社長の従業員への通告には、謝罪とか、今後の生活への支援などは話されず、自分たちは精一杯やったが、破産しか選択肢はなかったなどと言い訳三昧に終始した。こんな無茶な破産、残酷な解雇の話は現実に聞いたことがない。ネットで調べてみると創業家の資産は確保されたという。創業が元禄13(1700)年で県内唯一の百貨店「大沼」は320年の歴史に幕を降ろすことになった。恐らく創業者も泉下で泣いているだろう。毎年赤字を出しながら積極的な営業対策を打てず、従業員の退職金の積み立てもせず、この破産劇は顧客や従業員もまったく知らぬ間に経営者の一存で決められた。経営が順調ではなかったようだが、取引銀行である山形銀行との協定も経営側にとっては、得心出来るものではなかったようだが、それにしてもあまりにも突然の無慈悲な破産通告だった。後顧の憂いを残すことになった。明日は立春だが、「大沼」の従業員には春はやって来ない。

2020年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4647.2020年2月2日(日) 音声を発する迷惑?行為

 今日の朝日日曜版別紙「GLOBE」に「迷惑という迷宮」としていろいろなタイプの騒音について興味深く取り上げている。イの一番に取り上げているのは、韓国の子どもの遊ぶ声であり、二番目にスイスの山村の教会の鐘の音だ。他にもサッカーの盛んなドイツで、サッカーの発する音が騒音と捉えられ近所迷惑と受け取られるケースなどである。

 今や高音や、雑音、轟音は町のそこら中から聞こえてくる。先日もテレビで都内の住宅街にある公園の「禁止看板」について放映していた。都会では子どもたちの遊び場が徐々に失われて、子どものころ外で遊びまわっていたことを考えると近ごろの子どもたちが可哀そうに思える。韓国の子どもを取材した記事では、市内のところどころに「ノーキッズゾーン」と書かれた看板が見られるという。韓国では、子どもが騒ぐような行動を「ミンペ」と呼ぶようだが、元々の漢字は「民弊」と書き、日本語の「迷惑」の意味に近いという。子どもの嬌声や泣き叫ぶ声に対して、迷惑だと文句を言っても始まらないだろう。

 スイスの例は、小さな村の教会の時を知らせる鐘の音が、うるさいという苦情だから狭い村で物議を醸すのも当然かも知れない。ただ、朝6時から15分ごとに鐘を鳴らされたのでは、実際ゆっくり眠っていられないという村人の気持ちも分かる。今非イスラム国でイスラム教の礼拝で流れて来るアザーンが問題になっている。オランダでは近年イスラム系の人が増えて、アザーンに慣れないキリスト教徒から苦情が出ている。

 悪意ではないにしてもこれまであまり問題視されなかった音声が、今では迷惑だと敬遠されるようになっている。どうしても音が出ることとその迷惑行為に対しては、どこまで音量が許されるのか当事者同士の配慮と我慢について話し合いをするより仕方があるまい。

 1966年初めてジャカルタに宿泊した朝、窓から流れ入って来たアザーンには何とも言えない気だるいような印象を抱いた。しかし、その後他のイスラム国でしばしば聞いているうちに慣れてしまい、これはイスラム教の習慣だと思うとほとんど気にならなくなった。これも慣れだと思う。近年聞いたこともなかったような音声に出くわして、それに溶け込めないからと言って、かつては気にもされなかった子どもの声が排斥の対象になるとは時代も変わったと思う。と同時に、子どもの声に目くじら立てる大人たちが増えたことは、他人に配慮するとか、他人を思いやる気持ちが失われたということである。「おもいやり」がなくなったということを考えると寂しい限りである。

2020年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4646.2020年2月1日(土) コロナウィルスにWHOが緊急事態宣言

 中国・武漢市で発症した新型コロナウィルスの流行と感染が収まるどころか益々拡大して、各国とも国としての対応が注目される事態になっている。日本からはすでに武漢在住者を帰国させるために3機の政府チャーター便が派遣された。帰国した人々の中にも一時的に病院や国営の施設に隔離されている人もいるが、その中から発症者が現れた。武漢から来た団体のバス・ドライバーとガイドが感染して「ヒト・ヒト感染」も現実に現れ、国内の感染者もすでに20人になった。政府は、感染者から「ヒト・ヒト感染」による2次感染から守るため水際作戦として、2週間内に武漢市のある湖北省に滞在していた外国人と、湖北省発行の旅券を所持する中国人は当分の間日本入国を拒否すると発表した。

 今回の騒ぎで注目されるのは、スイスに本部がある世界保健機関(WHO)の遅い対応、緊急事態宣言の発表である。中国側の資料と説明が充分でなかったにせよ、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言が、今か今かと待たれる中で昨日になって漸く発せられた。宣言が発せられる前にしびれを切らしたアメリカ、オーストラリアなどは、日本同様に中国からの入国を拒否すると発表した。宣言が遅れたのは、テドロス・アダノムWHO事務局長が過大に中国の内情に忖度して、直前に中国を訪問し、習近平・国家主席や王毅外相らに会って中国の対応を称賛する猿芝居を演じていたからだとも伝えられている。

 それにしてもどうしてこれほどWHOは中国に気を遣わなければならないのか。そもそもテドロス氏がWHO事務局長に推薦されたのも、中国から強く推されたからだと噂されている。加えて中国がアフリカ諸国の社会的基盤のインフラ整備に多額の援助をしているが、エチオピアの高速鉄道建設は中国の多額の投資によって完成した。そのエチオピアの外相がテドロス局長だった。しかし、疾風のように荒れたウィルス旋風をそのままにしておけず、やっとテドロス局長は背中で中国へ詫びつつ、国際的には今やこの宣言を受けて対策に注力して欲しいと面従腹背しているようでもあった。

 この宣言が出たのが、やや遅きに失したとの声が各国から出て来るであろう。WHOの対応の遅れで更に被害が拡大するなら、WHO存在の意味を問われるだろうし、その責任も追及されるだろう。その点ではテドロス局長も責任を免れまい。かつてWHOはエボラ出血熱の際にも緊急事態宣言の判断が遅れて国際的批判を浴びた過去がある。中国側のこの騒動が経済活動の影響を及ぼすとの考えから、中国の意を汲み取ったWHOがぎりぎりまで判断を待ったとの印象が拭えない。人間の生命に関わる事象に忖度が過ぎて犠牲者が膨らんだということにでもならなければ良いのだが・・・。

2020年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4645.2020年1月31日(金) イギリス、ついにEUから離脱

 早くも月末を迎えた。今日31日は、イギリスとヨーロッパにとって運命の1日となる日であるかもしれない。昨年来すったもんだの末に漸く今日を期してイギリスはヨーロッパ連合から脱退することになった。

 しかし、今年末まで「移行期間」としてこれまでと同じようにヨーロッパ単一市場や、関税同盟には残留するので、取り敢えず市民生活には大きな影響はない。元々イギリスは、他のEU諸国とはやや異なるアプローチの仕方だった。EU加盟国がいずこも通貨「ユーロ」を使用するのに、イギリスだけは自国通貨「ポンド」に拘り現在もイギリス国内ではボンドが流通している。また、イギリスがEUを離脱するにも拘わらず、かつての大英帝国の中で、アイルランドは唯一EUに留まることになった。イギリスがEUから離脱する大きな理由は、トランプ大統領と同じように保護主義の「自国第一主義」と、流入する移民や難民の存在による。移民に奪われていた雇用を取り戻すことが出来るが、反ってこれは人手不足を加速させることになる。そもそも大英帝国時代に旧植民地から搾れるだけ搾り取って甘い汁を吸っていたしっぺ返しのようなものである。それにしても戦後イギリスの力の衰えと存在感の薄さは哀れなくらいである。今ロヒンギャ難民問題でミヤンマー政府が国際世論の非難に遭ったり、香港の1国2制度が物議を醸しているが、いずれもイギリスの無責任と対応能力の劣化がその原因である。これから年末まで長いスパーンでイギリスの動向を見て行きたいと思う。

 さて、今日も寒い1日だった。実は近年アルコールを飲む機会を意識して減らして自宅ではほとんど飲まなくなったせいもあり、今月は正月2日に次男と自宅で飲んだ1回きりだった。1か月内にたった1度しか酒を飲まなかったのは、わが飲酒経歴上ほとんど記憶にない。アルコール解禁の20歳になっても浪人中の身では酒どころではなかったので、大学に入学して登山クラブに入部してから仲間と夜間山中で飲むようになって以来、今日までそれほど多くはないが、飲み続けてきた。従ってこれまで60年に亘って毎月2回以上はアルコールに浸かっていたと思う。これからは年齢的に健康面を考慮して、無理にアルコールを止めるというのではなく、精々月に数回程度に抑えられたら良いと思っている。

2020年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4644.2020年1月30日(木) イスラエル寄りのアメリカの中東和平案

 アメリカのトランプ大統領が、一昨日ホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相同席の下に中東和平案を公表した。パレスチナ側の意向をまったく配慮しない、完全にイスラエル寄りの和平案である。パレスチナ自治政府が受け入れる筈もなく、アッバス議長は馬鹿げていると激しい口調でこの和平案を拒絶した。

 その中東和平案の骨子とは、①パレスチナ国家を樹立し、「2国家共存」を目指す。②ヨルダン渓谷やユダヤ人入植地をイスラエルの領土とする。③エルサレムはイスラエルの首都で、中心部から離れた東エルサレムの一部地域をパレスチナの首都とする。④パレスチナ難民のイスラエルへの帰還は認めない。⑤交渉中は新たな入植地建設を中止する。というものである。

 これだけイスラエルの言い分だけを汲み取ったイスラエルにとって有利な条項はない。イスラエル寄りのトランプ大統領の本音が窺える。

 パレスチナの領土は、ユダヤ人入植地の建設によって分断され、国連やパレスチナ自治政府が主張する1967年第3次中東戦争時の境界線から大きく後退している。

 1967年12月レバノン、ヨルダン、エジプト(当時アラブ連合)、イランなど中東諸国を訪れ、現地の生々しい戦災状況をつぶさに見たが、第3次中東戦争ではイスラエルは、エジプトからシナイ半島、ガザ地区を、ヨルダンから東エルサレムを含むヨルダン川西岸を、シリアからゴラン高原を占領した。シナイ半島とガザ地区はすでに返還されたが、他の占領地はイスラエルが占領したままであり、シナイ高原にはユダヤ人の入植地が建設されている。国連もこの状態を元に戻すことが、現実的な和平へのスタートであるとの立場を取りながら、アメリカの成すがままになっている。

 この和平案に対して従来パレスチナ側へ理解を示してきたアラブ諸国のうち、アメリカと対立しているイランを除いて和平案を評価する声が目立っている。アメリカへの忖度のあまり盟友であるべきパレスチナへ少々冷淡な対応を示している。

 この時期にトランプ大統領が、積極的にイスラエル向きの姿勢を見せたのは、今アメリカ議会で議論されている弾劾裁判や、来る11月に予定されている大統領選で支持者の基盤ともなっているキリスト教福音派へのアピールがあると考えられている。一方のネタニヤフ首相にとっても3月の議会選挙を前に汚職で訴追されており、和平案で逆転ホームランを打ちたいとの思惑があるだろう。

 いずれにせよ何を考えてこんな不公平な和平案を公表したのか理解に苦しむ。当分パレスチナ情勢は好転することはないだろう

2020年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4643.2020年1月29日(水) 世界遺産の天皇陵墓はなぜ一般公開されないのか。

 このところトップ・ニュースは中国・武漢市の新型コロナ・ウィルス感染の話題である。昨晩日本政府のチャーター機第1便が武漢へ飛び、今日206名の日本人とともに日本へ戻ってきた。その中に感染者がいるのかどうかはまだ分からないが、発熱症状のある12人が都内の病院へ入院した。今夜チャーター機第2便が武漢市へ向かった。

 中国当局が発表したところによると、本日現在死者は132人となった。感染者は5,974人となり、2003年に流行したSARSの5,327人をすでに上回っている。当初はあまり深刻視されていなかったが、連日の発症者に中国当局も慌てだした感がある。日本国内でも中国からやって来た4人の感染者がいたが、昨日初めて日本人の発症者が報告された。これまでに中国を訪れたことがない観光バスのドライバーである。今月中旬に2度に亘って武漢市からやって来た観光客を乗せて2泊3日間同一行動していたという。そして今日になって同じバスのガイドも感染と分かった。気の毒と言えば、気の毒である。不運だったとしか言いようがない。

 1日1日感染者が増えているが、いつ終息に向かうのだろうか。当分の間メディアで話題になるだろう。

 さて、かねてより不審に思っていた歴代天皇陵墓の一般公開に関して、昨年12月大阪歴史博物館でその是非についてシンポジウム「文化財としての『陵墓』と世界遺産」が開かれていたことが分かった。公開が一部に限定して行われてから40年が経つが、全面的な公開には至っておらず、発掘調査も行われず学術的な研究も停滞している。陵墓を管理している宮内庁が、陵墓を「神話」扱いにして陵墓の発掘調査自体に否定的であることが、学術調査や一般公開が進まない大きな支障となっている。昨年世界遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」では、仁徳天皇陵の被葬者をめぐって複数の説がある。高校では国内最大の前方後円墳は仁徳陵と学んだが、疑念が出て確実な被葬者を特定するためには、発掘調査が欠かせない。しかし、宮内庁は神話の世界への立ち入りを認めず、果たしてこの世界遺産となっている古墳が本当に仁徳天皇陵であるとの結論が出せない状態である。そうなると誰の陵だか分からない。現状のままだといつまで経っても真実は解明されないだろう。

 世界各地の世界遺産を訪ねても、こんなに堅くガードして一般人の立ち入りを認めない世界遺産はない。世界遺産第1号となった、ナイル川に面したアブ・シンベル神殿には偉大なラムセス2世を祀った像があるが、足元まで近づくことができる。イエス・キリストが生まれた元厩だったベツレヘムの聖誕教会にも何の制限もなく近づける。宮内庁には、卑しくも平民どもが天皇のひざ元へ寄ることなぞ恐れ多いとの、戦前からの差別感と天皇絶対観のような思い上がりがあるのではないだろうか。僭越だが、敢えて言わせてもらえば、宮内庁には天皇、皇族らのお世話だけお任せすれば良いのではないだろうか。陵墓のような歴史的資産は宮内庁から、文化庁のような文化と縁のある官庁へ管理を移譲した方が、公平で国民にとって納得出来るものと思う。

 さすれば、陵墓の学術調査によってその真実も解析されるものと思う。仁徳天皇陵であるとの確実な証拠もないまま世界遺産として登録しているのは、国際的、かつ学術的観点から考えてもちょっとおかしいと思う。

2020年1月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4642.2020年1月28日(火) オリンピック後、外苑・青山地区が大変貌

 昨晩は東京、神奈川、山梨方面に降雪があったようだが、早朝からの雨に消されてしまった。微かにガレージ上の芝生と隣家の屋根瓦に残り雪があった。それだけに今日は寒さも一入だった。午前中は5℃にも届かず、最高は6.8℃だった。ところが大阪では最高温度が19.1℃でこの時期としては過去百年にないほど高く、街を歩く人の中にはYシャツ姿の人もいた。所変われば気温も変わる。とにかく変わりやすい陽気である。

 さて、東京オリンピックもあと半年内に迫ってきたが、使用される競技場や、室内体育館施設も新設、改築を含めてほぼ整備されたようだ。最近のオリンピックではメイン会場の完成が遅れるところもあったが、2020東京大会はほぼ完成し、計画性、工事技能、建築力などの面で日本らしく流石と思わせる段取りだった。

 ただ、ここへ来て別の面で首を傾げる事態に正直言って驚いている。それは外苑地区のスポーツ施設が全面的にイメージチェンジするからである。当然周辺住民から反対の声が上がった。この辺りは自然景観を維持する目的で日本初の風致地区に指定され、建物の高さも15m以下に制限されている。ところが、東京オリンピックに立候補して以来、その制限を取り払ってしまったのである。その結果、国立競技場の建て替えで数百本の木が伐採され、外苑地区が大分変ってしまったという。

 最も著しい変貌は、秩父宮ラグビー場と神宮野球場が場所を交換する形で取り潰し、新築されることである。しかも現在主に東都大学野球が使用している神宮第2球場は取り壊され、なくなってしまう。秩父宮ラグビー場はそれほど痛んでいないし、秩父宮殿下の名を戴いたラガーマン憧れのグランドである。一方で等価交換?される神宮野球場も学生野球のメッカであり、東京六大学野球連盟にとっては歴史が摺りこまれたノスタルジックな野球場である。それをどうして破壊、新設などと手間をかけ、資金を投じて場所を変えて作り直す必要があるのだろうか。地元の人は、「プロスポーツ優先でアマチュアスポーツが無視されている」と怒りすら覚えているらしい。15m以内だった周辺のビルも200m以内の高層ビルに建て替えられるだろう。

 自然と景観を誇っていた青山界隈も、周辺住民の声よりもその近くに住まない建築家や、デザイナー、都市計画者の声が通るようになったということだ。

 ラグビー場の完成は2026年、野球場は31年で、再開発全体が終わるのは2035年というから、我々「高貴」高齢者は冥界から始球式を眺めることになるだろう。

2020年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4641.2020年1月27日(月) 中国の新型肺炎、益々猛威を振るう。

 中国・武漢市の新型肺炎が益々猛威を振るっている。感染者は3千人近くに及び、国内の死者は81人になった。李克強首相が今日武漢市を視察し、感染拡大の阻止を目指す姿勢をアピールした。

 中国政府は、現在その最中にある春節を3日間延長して2月2日までとした。中国政府が市外へ出るのを禁止した中で、約5百万人の人びとが武漢市を離れたという。これは武漢の人口約1千百万人を考えるとほぼその半分に匹敵する。中国が海外旅行を含む団体旅行を禁止したことを受けて、日本国内でもインバウンド需要が落ち込むとの悲観的見方から、今日の日経平均株価が一時500円を超え、終値は先週末に比べて483円も下がった。

 アメリカはチャーター機により武漢市在住のアメリカ人を本国へ輸送する計画があり、日本は昨日安倍首相が武漢在住の日本人希望者を全日空チャーター機により日本へ送還する準備を始めた。その他にもフランスやオーストラリアも個別に自国人退避を検討している。その中で南シナ海域進出で中国と対立しているフィリピンと、中国の「1国2制度」を信用しない台湾は、中国からの観光客を受け入れないことを決め、フィリピンは武漢から到着した中国人観光客を送還するという。

 日本では受け入れ拒否の厳しい対応は取らないが、昨日の報道番組で元経産省官僚が同じような主旨の中国人観光客追い返し発言をしていた。果たして日本の国益に寄与しないような中国人の受け入れを拒否することが、今後両国関係に影響しないと保証出来るだろうか。個人的な考えは理解出来ないこともないが、アメリカ、フランス、オーストラリアや日本政府のような対応の方が両国の関係を引き続きスムーズにするのではないだろうか。いつも窮屈そうな発言をしていた官僚も住処を離れると随分拙速で非友好的な考えを公に平気で言うものだ。

 さて、今夜NHK・TVで「ファミリー・ヒストリー」を観ていてちょっと興味を抱いた。ゲスト出演は落語家の春風亭昇太だったが、彼の父親が静岡県清水市の日本軽金属㈱清水工場研究所に勤めていて当時の社内報にも紹介されているうえに、たくさんのイラストまで描いて積極的に活動していたことである。実は、一緒に番組を観ていた妻の父親も同社に務めていた。生前義父から清水工場が終戦の年に空襲されたと聞き、また戦時中は工場内に青年学校を設けて国民学校高等科卒業社員を教育していたとも聞かされていたが、昇太の父は在職中に青年学校を卒えた研究所員だった。研究所では理系学卒社員に交じり研究に専念して、特許まで取り会社から表彰された模範社員だったと知った。義父は、清水工場ではなく、隣の蒲原工場長を務めたが、後に同社会長となり、顧問の時他界した。日軽金常務だったお仲人さんの紹介で見合い結婚したが、妻にとっても懐かしい話で、昇太師匠が急に身近な存在に感じられるようになった。

2020年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4640.2020年1月26日(日) 中国、中国人の海外団体旅行を中止

 中国・武漢市で新型コロナ・ウィルスによる多数の感染者が発症したことにより、国内外への影響は予測がつかないものになってきた。先日武漢市を封鎖して市内外への立ち入りを禁止したばかりだったが、移動禁止措置は武漢市のみならず湖北省全体に拡大した。昨日春節を迎えて多くの人びとが移動を開始した途端、国として海外団体旅行を中止する措置を発表した。これは日本の観光業界にとってもショッキングである。訪日外国人の中では中国人が断然トップで、昨年日本を訪れた中国人は959万人に上る。全体の訪日外国人の3割近くを占める。今年オリンピック景気を当て込んだ日本政府観光局の訪日外国人予測は、4千万人であり、その目標達成も極めて厳しいものとなりそうだ。昨年は春節のあった2月には約72万人が日本を訪れ、今年はデパートでも中国人客を見込んで中国語を話せるスタッフを揃えて準備していたところもあるようだ。

 武漢空港が閉鎖されたせいで、アメリカは中国政府と話し合いのうえ本国からチャーター機を飛ばして武漢周辺にいる約1千人のアメリカ人をアメリカへ引き揚げさせるという。今日安倍首相も武漢市に住んでいる日本人で帰国希望者は全員帰国させたいとぶらさがり会見で語った。とにかく大変なことになっている。これから感染は更に広がるのか注視したい。

 今日大相撲初場所が千秋楽を迎えた。白鵬、鶴竜の両横綱が欠場し、豪栄道が大関陥落となって今一つ盛り上がりを欠いたが、結びの一番で11勝3敗の大関貴景勝を西前頭17枚目、つまり幕尻の徳勝龍が破り初優勝を飾るユニークな場所ともなった。先場所は十両力士だった33歳の徳勝龍は、初優勝を飾った関取としては史上3番目の高齢力士だった。奈良県出身の力士が優勝を飾ったのも98年ぶりという意外な話題に富んだ本場所となった。

 さて、夕方になってITコンサルタントの小糸さんが来宅され、具合の悪くなったPCを診てもらった。一番気にしていたのは、タイプしていて文字が飛んだり、センテンスが突然消えてしまうことで、現在執筆中の文章が自分で書いたものでありながら、意味不明となってしまうことがある。

 小糸さんの見方では、PC内のファンが不具合を生じているうえに、外へ雑音も流れ出て上記の支障も出ているので、ファンを取り換える必要があるとのことで新しいファンを手当てしてもらうことにした。後はホームページ上の表記について修正方を教えてもらったところである。いつもすぐ対応してくれて安心出来る。

2020年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4639.2020年1月25日(土) 益々加速する出版不況

 出版不況が言われて久しいが、昨日出版科学研究所が発表したところによると2019年の出版市場としてはプラス成長だった。半信半疑でよく記事を読んでみると電子出版が前年度に比較して0.2%の微増だった。どうも確信が持てないので、更に読んでいくと電子出版の約8割を占めるコミックが29.8%も増えたのが、全体を押し上げたという。それでいて紙の出版物は、対前年4.3%も減ったという。残念なことだが、書籍の出版が近年減少傾向にあることはよく知られている。出版関係では、旬間業界誌の「出版ニュース」を発行していた出版ニュース社が廃業すると同社社長から連絡があった。5年前拙著「南太平洋の剛腕投手」について小中陽太郎氏が同誌に2頁に亘って書評を書いていただいた。書籍の発行は今ではじり貧状態で、確実に減少に向かっている。

 出版科学研究所の報告では、昨年になって出版業界が盛り返してきたような印象を受けたが、結局のところ何の変わり映えもなかった。コミックの電子版の伸びにより出版市況が蘇ったような発表だが、もっと混乱しないすっきりした発表方法を考えてもらいたい。大体コミックなんて読んだところで読書とは言えないのではないだろうか。

 読書と言えば、3日前の朝日「時代の栞」という1/2頁を上回る読書欄に元陸軍報道班員だった高木俊朗著「陸軍特別攻撃隊」が紹介された。澤地久枝さんが戦争を知らない若い人が考えるきっかけになればと勧めているが、偶然私も読売新聞の従軍記者だった鈴木英治さんから、一緒にビルマへ行った時に鈴木さんがよく知る高木さんのこの本を勧められ一気に読んだことがある。読後に随分身につまされた書だった。特に北海道出身の佐々木友次陸軍伍長が陸軍特攻隊員としてフィリピンから9度も出撃しながら、目的を果たせず、その都度生還して部隊に居ずらくなったことである。今度こそ死んでこいと命を受けたが、またもや帰還して故郷の両親も近所の手前今度こそ名誉の戦死をして英雄になって欲しいと頼まれたという一節には残酷だとつくづく思った。ある意味では中々の反戦小説と言えるかも知れない。

2020年1月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com