5135.2021年6月4日(金) 安易な高齢者医療費・倍額値上げ

 今日参議院で高齢者医療費を自己負担1割から2割へ引き上げる改正法案が可決された。値上げはかねてから現役世代の負担軽減が狙いと言ってはいたが、それにしても安易に高齢者へ過重な負担を負わせることに疑問を抱いていた。他に財源がないのか充分検討した様子も見られない。少しは心苦しいと感じたのか、来年以降に実施される改正法案適用に際して、向う3年間は1か月内の診療費が3千円以内で済むよう工夫するという。

 そもそも高齢者の医療費補助は、国の福祉政策構想の重要な一環として取り入れられ、整備されたものである。その福祉政策を単に社会保障関係費が不足するからとの理由で、その途中でないがしろにするが如きは今後の社会福祉政策へ暗い影を投げかけるものである。増え続ける高齢者の医療費の約4割を若い世代が補っているという表現もおかしいと思う。社会保障費の範疇内で考えれば、そう考えられないこともない。しかし、これは全国民的に考えたうえで決定した政策であり、それなら全財政支出の中で総合的に考えられるべきことではないかと思う。私自身高齢者負担1割の恩恵を受けている立場上、正論を述べることに憚られることもある。だが、社会福祉政策で不足する財源を他の無駄な支出の中に見出すことは出来ないだろうか。いくらでも可能性はあると思う。

 例えば、過日問題になった防衛省が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代わりに、イージス艦2隻を導入する計画では総費用が約1.5倍の約7千億円に膨らむ。更に部品転用などに数千億円が必要とされるという。これらの購入については国会でまったく議論されることもなく、防衛省がアメリカとの話し合いの中で話し合われたものである。支出に厳しい一方で、アメリカから購入する防衛機材については泥縄式に決めるようであまりにも甘い。もう少し社会福祉政策への温かい視点と対応策が必要ではないか。不信感が募って我慢し難い。

 法案には自民、公明両党の他に日本維新の会と国民民主党が賛成したようだが、日ごろ高齢者に配慮していると広言していた公明党や国民民主党の裏切りにはがっかりさせられる。

 さて、イスラエルの独裁者と見られていたネタニヤフ首相が退陣することになった。パレスチナとの対立と複雑な国内事情の中で、歴代最長の約15年間に亘って政権を維持してきたネタニヤフ首相であるが、案外政権の基盤は脆弱だった。3月に行われた総選挙でも与党「リクード」は過半数を獲得できなかった。これから複雑な国内事情を抱えて対立するパレスチナ自治政府とどう向き合って国家を支えて行くのか。極右派からアラブ系政党まで参加するかつて前例がない連立政権で堅実な政治が行えるのか疑問である。下手をすると政権内部で対立が表面化して争いが絶えない政権運営となる懸念がある。取り敢えず、ネタニヤフ首相以上に極右的な極右政党「ヤミナ」党首ベネット氏が首相に就任する見込みであるが、2年後には、連立交渉を続けていた中道野党「イェシュ」党首のラピド氏が後継首相となる予定だとも伝えられている。パレスチナと融和、或いは対抗するために、イスラエル政界が盤石な基盤にあるとは思えない。これから中東地区でイスラエルがどれほどの存在感を示すことが出来るだろうか。その最大の脅威である敵対国のイランでも、今月18日に大統領選が行われるが、ここも新大統領選出に多難が予想される。相変わらず中東から目が離せない。

2021年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5134.2021年6月3日(木) 不誠実で身勝手な中国の行動

 明日は中華人民共和国が生れてから最も共産党体制が危機に晒された天安門事件が起きてから32年目に当たる。近年覇権国家ぶりを強めている中国政府、及び中国共産党にとっては、触れられたくない事件である。ここにも中国政府の暗黒の一面を垣間見ることが出来る。きっかけは改革派だった胡耀邦元総書記の死であるが、市民の間から自発的に盛り上がった民主化を求めるデモだった。犠牲者の数は中国は千人程度と公表しているが、イギリスの公的機関では約1万人が出たと報道している。中国政府は、この忌むべき天安門事件の記録を展示している香港の記念館施設を今日付で閉館すると締め付けを強めたのだ。民主化弾圧、人権蹂躙を躊躇なく行っている中国は、その他にも今世界各地で問題を引き起こしている。

 昨日マレーシア政府は、中国空軍機16機がマレーシア領空に侵入したとして中国政府に抗議した。東、南シナ海における中国軍の海上進出は留まるところを知らない。ミヤンマーのクーデターを起こした国軍を背後で支援しているのも中国である。その中国は、呆れたことに新型コロナウィルスでも国際社会を煩わせている。感染者数を国際機関に正しく報告しないから困ったものである。アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学から毎日公表される世界の感染者数と死者数が、中国については感染者数103,069人、死者4,846人と公表されてからもう長い間この数字に変動がないのだ。他国の人数は日々刻々増え続けているが、中国だけは変わらない。これは世界の医学界、保健学界に対する裏切り行為であり虚偽の報告と変わらない。世界中の人びとを騙し、彼らの健康を損ねていると言っても好い。愚かにも大国だから我が儘は許されると考えているとしたら、中国という国は世界の邪魔者としか思えない。

 ことほど左様に昨今の中国の自由奔放な欺瞞的言動は、世界中に迷惑風を吹き散らしていると言っても好い。この我が儘放題で、常に正義は我にありと言わんばかりでやりたい放題の三等国家・中国に何かお灸をすえることは出来ないものだろうか。

 さて、新型コロナウィルス感染拡大が収束しそうもない中で、東京オリンピック開催まで残り50日間となった。医療崩壊が叫ばれる中で、昨日対策分科会の尾身茂会長は、しびれを切らしたかのように衆議院厚生労働委員会において「このパンデミックの状況の中で普通なら開催はあり得ない」として、もし開催するなら規模を最小化して管理態勢を厳格化すべきであると要望した。更に付け加えて「そもそもオリンピックをこういう状況の中で、何のためにやるのか、それがないと一般の人は協力しようとは思わない」と強調し、今日も参議院で同じ主旨の発言をした。開催について国民の間から不安が高まっているが、菅首相は常套句のように「安全安心な大会を成功させるために準備を進めている」と応えるに留まっている。山下泰裕JOC会長も、大会は安全安心に開催出来ると信じているとまるで他人事のような発言である。政府は、菅首相の在職中の功績として五輪を開催したいのだ。ボランティアの辞退者が1万人となり、医療関係者の間でも消極的な声が聞かれる。まだ、ワクチンの接種は行き渡っておらず、本当にオリンピックは開催出来るのだろうか。

 長崎県島原市の雲仙・普賢岳で火山噴火による火砕流の発生で43人の犠牲者以外にも甚大な被害を出してから、今日でちょうど30年になった。噴火直後に現地を訪れ、生々しい惨状を前に言葉もなかった当時を思い出す。この教訓を得て自然災害に見舞われる機会の多い日本の避難対策は、果たして大丈夫だろうかとふと不安が頭をもたげる。

2021年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5133.2021年6月2日(水) 象の群れの北進から中国国歌作曲家を想う。

 東京医療センター膠原病内科の岡野医師に勧められて、それまで服用していたステロイド・プレドニン5㎎錠を3倍の3錠に増やしたが、そうなると糖尿病には逆効果なので先日糖尿病クリニックの山内医師に了解いただいたうえで、連日3錠を飲んでいる。やはり効果があるようで、両膝の痛みが消えて脱力感もなくなったので、椅子から立ち上がる時が楽になった。来週改めて糖尿病クリニックで診てもらうのだが、その時ヘモグロビンHbA1c数値が現在の6.9から極力上がらないことを願っている。膝の具合が多少楽になったので、運動不足を兼ねて自宅周辺を散策したが、膝には堪えないが、足の脹脛が張って普段の運動不足を痛感させられた。

 ひとつのんびりしたトビックスが中国から伝わってきた。中国南部の雲南省でインド象の集団が北へ向かって移動している。インド象の生息地はインドや東南アジアで中国南部は北限とされている。それがミヤンマー国境近くの自然保護区にいた象が謎の北進を続けて北限を超えた可能性がある。テレビの画像で観ると何頭かの象が畑の中で食べものを求めて彷徨っている姿がある。これまで街の中で象の姿を見せたことがなかった当地の人は、遠巻きに恐る恐る眺めているだけである。昨年の春に移動を始めて年末には400㎞も移動したと言われている。畑が踏み荒らされたり、トウモロコシを食べられたりして最近の40日間の被害額だけでも1億2千万円に上ると言われている。人が近づけば興奮のあまり人的被害につながる恐れもあり、地元の消防署などでは象を興奮させないよう街や集落の入口に障害物を置いて、人のいない方へ誘導しているという。

 何となく童話チックな話題だが、当面被害を避けるにしてもこのまま徘徊した象の集団をどうやって元の鞘へ納めることが出来るだろうか。専門家の間では、環境の変化で保護区内の餌が少なくなり、引っ越し先を探しているとの説や、群れのリーダーが経験不足で道に迷ったかも知れないとの説がある。雲南省の省都・昆明市には2度訪れたことがあるが、今では大都市となっている。こんな都市に大きな象の群れが彷徨ったら昆明の人びとも仰天するだろう。いずれ収まることだろうが、その結末を知りたいと思う。

 閑話休題。大分以前に知った隠れたエピソードがある。現在の中国国歌「義勇軍行進曲」を作曲した作曲家・聶耳(ニエアール)が生れたのは、この省都・昆明市である。1935年にこの曲を作曲してから友人とともに神奈川県藤沢市鵠沼海岸を訪れ、遊泳中に23歳の若さで帰らぬ人となった。実は、山地にある昆明市とリゾート海岸の藤沢市が姉妹都市の協定を結んだことに若干違和感を覚えたので、調べてみたところ聶耳の水死が2つの都市を結ぶキッカケとなったことが判った。鵠沼海岸は若いころに毎夏海水浴を楽しんだ想い出のビーチである。聶耳が作曲した「義勇軍行進曲」は、1949年中華人民共和国の国家に制定された。54年水難に遭った鵠沼海岸に記念碑が建てられ中国赤十字会会長・李徳全女史を迎えて除幕式が行われ、この聶耳記念碑は多くの中国人の知るところとなったというストーリーである。

2021年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5132.2021年6月1日(火) ミヤンマー・クーデターから4か月

 昨日のブログに書いたばかりだったが、テニスの大坂なおみ選手は結局全仏オープンを棄権することになった。理由のひとつに、2018年全米オープンで優勝して以来「うつ病」になっていたことを挙げている。これから各大会主催者とよく話し合って円満に解決してもらいたいと願っている。

 新型コロナウィルス感染防止の緊急事態宣言が、9つの自治体では今日から20日まで延長されることになった。そんな中を今朝オーストラリアから同国女子ソフトボール選手団が来日した。予定通り東京オリンピック出場前に群馬県太田市内で事前強化合宿をするためである。東京オリンピックに向けた海外選手団の入国は初めてである。このところ同じような合宿計画が日本側のホスト自治体の中止要請や、外国選手団側の都合で中止になったケースが105件もあり、受け入れ自治体にとっては姉妹都市の交流が途絶えるという懸念もある。小中学校で歓迎行事を予定していた自治体も多かっただけに中止が惜しまれている。今日来日したオーストラリア選手団にしても当初は地元の人たちとの交流計画があり、お互いにそれを楽しみにしていた。交流計画はすべて中止となり、選手団はホテルとグランドの往復以外は外部に出かけられない。缶詰状態の中で合宿してどれほどの効果が表れるのか、何とも言えない。

 ところで、コロナ関連でこんな呆れたニュースも入って来た。南米のペルーのコロナ関連死者数が大幅に訂正されたのである。これまでに公表された死者数は69,342人だったが、実は180,764人だったというのである。実際の死者数は、実に3倍も多かったのだ。これは人口百万人当たり5,484人になり世界でも最多である。世界的にコロナが感染拡大してパンデミック状態の中で、正確な感染者数、死者数を世界保健機関(WHO)に伝えるのは、国家としても国際保健上の責務である筈である。一方で、インドのガンジス川中流で100体の遺体が漂流しているのが見つかった。コロナで亡くなった人たちの火葬が追い付かず、親族らが川に流したのではないかと言われているそうだが、何ともやりきれない哀れな話である。

 さて、去る2月1日にミヤンマーで軍事クーデターが起きてから今日で4か月になる。日本政府とミヤンマー国軍との間には、不透明な関係があることが暴露された。

 今日郵送されてきた月刊誌「選択」6月号に、「ミヤンマー国軍と『日本財団』の蜜月」なる記事が掲載されている。日本政府の国軍寄りの姿勢が読み取れる。これまで茂木外相は、欧米諸国と同じようにクーデター自体を非難すれども、ミヤンマーへの経済制裁には積極的な声を上げなかった。日本政府が国軍と強い関係にあったからである。その背景には日本がヤンゴン特区地区における開発にからむ利権確保に関わった日本ミヤンマー協会と日本財団・笹川陽平会長が関与していたことだ。笹川会長は、先般国軍に身柄拘束された北角裕樹氏の解放を交渉して実現した。外務省は笹川会長に頭が上がらない。国軍としては日本人の解放は日本側の要請に応じた「貸し」と考えており、今後何らかの見返りを求めて来る可能性がある。どうも理解に苦しむのは、今から8年前に外務省は笹川会長に公的なものか不透明だが、「ミヤンマー国民和解担当日本政府代表」という仰々しい肩書を与えたことである。昨年11月実施の総選挙を国軍は不正をクーデターの根拠と説明したが、笹川氏はこれを公正だったと自信満々に語って以降何の発言もない。それでいて相も変わらず国軍との関係維持には拘っていることである。日本人とミヤンマー人の友好関係に力を注いだと思われる笹川氏だが、自らの利権に拘り過ぎた行動が、日本を世界から信頼感を失わせることになる。日本の公益財団法人の会長にこんな私利私欲のからむ行動を許して、外務省がおかしな肩書まで与えていたのは、奇妙奇天烈ではないか。

 それにしても最近国軍に対する反対運動が都市ではやや影を細めた感がある。国軍の無法な市民の拘束や、銃乱射を恐れたからでもある。しかし、鳴りを潜めている市民や政府職員が職場を放棄して抵抗する「不服従運動」が、このまま消えてしまうとは考えられない。日本政府は笹川会長に忖度することなく、欧米諸国とともに国際社会へ向けてミヤンマー国軍への経済制裁を訴えるべきではないだろうか。

2021年6月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5131.2021年5月31日(月) テニスの大坂選手、記者会見拒否で罰金

 現在パリで行われているテニスの4大トーナメントのひとつ・全仏オープンで、物議を醸し注目の話題になっていることがある。すでに全米2度、全豪オープンを制覇して、昨年度世界の全女子スポーツ選手の中で最も稼いだ選手とされた大坂なおみ選手の言動である。全仏オープン戦前に試合後の記者会見を行うことを拒否すると述べていたが、実際昨日1回戦を勝った後の記者会見を行わなかった。しかし、大会主催者から記者会見に出席しないことは大会規定に違反するとして、約165万円の罰金を科せられることになった。

 これまで大坂選手は、感情的になりやすく、コート内でラケットを叩きつけるようないらついた行動をして顰蹙を買ったことがしばしばあったが、昨年アメリカ国内で黒人差別反対運動が起きた際には、反対運動を力づける衝撃的な発言をして広く共感を得たこともあった。

 翻って今回の記者会見拒否はどうだろうか。同じプロ選手の中には、部分的に共鳴する選手もいるが、概して賛同の声は少ないようだ。ツィッターで、「これまで記者会見に参加したり見たりし、アスリートの心の健康状態が無視されていると感じた。自分を疑うような人の前には出たくない」と一方的な言い分を述べている。主に負けた試合の後の記者会見における落ち込んだ状態で聴かれたくない気持ちにも拘わらず、心の中にまでずかずか入り込んでくる意地悪な質問が許せないとの心情のようだ。

 元来わがままで感情の起伏が激しい性格であるが故に、彼女は試合後の記者会見ではテニスファンが知りたい質問を避けようとすることが問題であり、主催者はそのため試合後の記者会見を義務付けている。大坂選手は若くして世界的一流選手になって有頂天になっているせいもあり、その言動は理解出来ないこともないが、少し身勝手過ぎるように思う。大会関係者は、もしこのまま次の試合でも記者会見を拒否した場合は、違反行為として大会から出場停止を命じられ、4大大会への出場も認められない可能性もあるという。

 スポーツファンから強く期待された日本人選手がこのように場外で問題を引き起こし、退場するようなことはとても残念なことである。大坂選手の周囲には、社会的常識とか、モラル、行動規範のような社会人として世渡りをするうえで必要なことを教え諭すコーチがいないようだが、まだ若い折角の才能をこのまま散らしてしまうのは実に惜しい。何とか大会主催者と大坂選手の間を取りなすことによって、彼女が世界のテニス界から姿を消してしまうことのないよう願っている。

 さて、昨日新型コロナウィルス感染防止のためのワクチン接種1回目を受けたばかりだが、妻が今日皮膚科で腹と背中に腫れた炎症に関してワクチン接種の是非について尋ねたところ、医師から当分接種は控えた方が無難とのアドバイスをいただいたという。そこで残念だったが、妻は直ちに世田谷区に電話で予約をキャンセルした。折角予約をしながら止めて次の機会にトライすることになった。妻は次回の接種予約を現在の腫れものの様子を見ながら受けることになったわけだが、大分遅くなりそうだ。

2021年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5130.2021年5月30日(日) 1回目のワクチン接種を終える。

 新型コロナウィルス感染防止のための第1回ワクチン接種を指定された深沢区民センターで受けた。接種は2時の予定だったが、1時半には現場に着いた。所定の場所でしばらく待っていたところ準備が整ったのか、予定より早めに問診、接種が行われた。混雑を予想していたが、むしろ空いていた。接種を受ける人たちを見てみると私より年配の人が多く、手押し車でやって来た人など65歳以上となると受け入れも大変なように思う。接種自体はアッという間に終わったが、その後15分ばかり待機して解放された。そのままバスで帰ってきたが、自宅へ着いたのが何と2時半だった。想像以上に早く終わった。取り敢えず、第1回ワクチン接種を終えてホッとしている。第2回目は3週間後の6月20日である。

 ワクチン接種を受けたことにより、当面コロナ感染の不安は若干遠のいたと言える。現時点で2回分の接種を完了した人の割合は、世界ではイスラエルが1位で59.25%、次いで意外にもチリの41.32%、アメリカ39.93%、アラブ首長国連邦(UAE)38.79%、イギリス36.06%であるが、その次になると急激に降下してイタリアの19.01%となる。日本は、インドネシア、インド、バングラデッシュなど途上国の後塵を拝して僅か2.43%である。そして1回分だけ接種した人の割合上位5位となると、イギリス57.26%、カナダ55.46%、チリ54.01%、アメリカ49.75%、ドイツ42.79%である。ここでも日本の割合は低く6.41%である。ともかく今日接種を受けたことで日本人100人の中の6人に入ることが出来たということは言える。

 全国的には、1回目の接種を終えた人は、和歌山県17.47%が抜きんでている。以下山口、高知、鳥取、宮崎が上位5位にいる。概して地方自治体が上位を占めている。東京は何と6.6%で全国で中位の24番目である。最下位の愛媛県が3.15%である。東京都内では小金井市が、1回目の接種率が30%を超えるというから随分先を行っている。

 こうしてみると全国民が接種を終えるのは、7月末と言われていてピッチは上がっているが、本当に予定通り大丈夫だろうか。これでは、7月23日から始まる東京オリンピックまでに完了というわけには行かない。肝心のオリンピックを開催するかどうかについては、まだ最終的な結論は出ていない。

2021年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5129.2021年5月29日(土) ペンクラブ会長交代と昭和歌謡

 今日は2つの話題を取り上げてみたい。

 そのひとつは、ペンクラブ会長交代の話題である。昨日友人から電話で、日本ペンクラブ会長が交代したらしいと知らせてもらいHPで確認した。確かに25日に吉岡忍氏から、桐野夏生氏に代わったと告知されていた。ペンとしては初代島崎藤村以来18代目の会長に当たるが、女性会長は初めてである。桐野氏は、1999年の直木賞受賞前後から、泉鏡花賞、柴田錬三郎賞、谷崎潤一郎賞、紫式部文学賞、江戸川乱歩賞、読売文学賞等々の文学賞受賞の他に紫綬褒章も受賞している。海外でも評価が高く、英米で翻訳版が出版され、今では日本の文学界を代表する作家のひとりと見られている。

 私が2017年に理事に選任された時に、新会員として入会されたが、その折の挨拶は、どうしてこれまで入会しなかったのですかとの問いに対して、誰も誘ってくれなかったからと応えたのがユニークだった。2年後私が理事を退任した時、彼女は理事に選任され、そしてその2年後に会長に選ばれたとはあまりにもハイスピードの会長就任であり、些か驚いている。今とかく男女の差別が話題になる時代でもあり、ジャーナリズムの主流でもあるペンクラブのトップに初めて女性会長が就任したというのは、時節柄大変意義のあることであり、今後は桐野会長が在野で広く積極的に発言してくれることを期待している。同時に今までの曲道をダラダラ進んでいたペンクラブも真っ当な道を歩むことを期待したい。

 さて、2つ目の話題とは、昭和歌謡である。昨晩テレビで昭和の歌謡番組を観ていて、戦前から戦中、戦後にかけて活躍した歌手の懐かしい歌を久しぶりにじっくり聴くことが出来た。終戦の年に南房総の小学校へ入学し、近所の空き地の隅で荒っぽいお兄さんたちがギターを手によく歌っていたのを聞き、口ずさんだことが今でも心に刻まれ馴染んだ。特に、男性歌手では、藤山一郎、灰田勝彦、岡春夫、女性では、淡谷のり子、二葉あき子、渡辺はま子の3人の歌が流行り好きだった。昨晩のテレビでは、二葉あき子、渡辺はま子、菊池章子3人の特集だった。最近の若い歌手の歌謡番組はほとんど観ないが、戦前から戦争直後まで流行った流行歌は大好きで放映されれば、出来る限り観ては懐メロを楽しんでいる。

 昨晩の番組の中で特に興味深かったのは、渡辺はま子のヒット曲だった。特に戦時中満州へ出征兵士の慰問に行っていたことから中国に関する、「支那の夜」「何日君再来」「蘇州夜曲」などを主に「愛国の花」「雨のオランダ坂」「桑港のチャイナタウン」「あゝモンテンルパの夜は更けて」など数えきれないほどの名曲がある。この中で、私自身長年旧厚生省の戦没者遺骨収集事業に携わっていたり、戦跡慰霊団に同行した折に旧日本軍の兵隊さんから教えてもらったり、歌う機会があり、「愛国の花」と「あゝモンテンルパの夜は更けて」には格別感銘を受けている。

 前者「愛国の花」については、近著「八十冒険爺の言いたい放題」の文中にも紹介したが、スカルノ・インドネシア大統領が訪日の折、テレビ出演して見事な日本語で歌ったのを観てびっくりしたが、その歌を実際にインドネシアの村人たちが合唱し、私もその中へ飛び込んで一緒に歌ったことが今でも心に焼き付いている。後者については、昨晩のエピソードで渡辺が戦後モンテンルパ収容所に抑留されていた108人の日本軍兵士らと交流して、現地へ赴き慰霊碑の前でこの歌を歌った話は涙ながらの物語だった。いずれも現代の歌の詞とは異なり、心に訴える詩情溢れる歌詞が多い。この感情がいつまでも心に残り印象深く、中々忘れ難くなった原因ではないかと思っている。

2021年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5128.2021年5月28日(金) シリアで独裁者アサド大統領4選

 9都道府県に出されている新型コロナウィルス拡大防止のための緊急事態宣言は、今月末が期限となる。大都市圏では少し感染者は減っているが、地方都市では一向に衰える気配がない。9つの自治体では、更に緊急事態宣言の延長を要請していたが、今日来月20日までの期限延長が決まった。まだ当分の間コロナには振り回されそうだ。

 さて、アラブでも内戦の絶えないシリアで大統領選が行われ、昨日独裁者パッシャール・アル・アサド大統領が圧勝した。クルド人が多く住み、宗教的にはイスラム教が浸透しているが、その中でクルド人武装勢力とイスラム過激派、更にトルコ人が入り込んで国内は複雑な様相を呈している。

 今回の選挙でも選挙前からアサド大統領の勝利は確実視されていた。すでに21年間に亘って大統領の地位にあるアサド氏は、父親のハーフィス・アル・アサド大統領が29年間大統領を務め、父が客死後1年間別人が大統領職にあったが、その後は息子が引き継いできたので、シリアの政治はアサド家によって支配されている構図となっている。

 剛腕ぶりと弾圧で、反対勢力を追放し、アサド大統領は今や国内では盤石の基盤が出来ている。一応総選挙によって民意を背景に統治の正統性を内外に示した形ではあるが、非民主的であることは予想通りで、今回の選挙でも当初51人が立候補を届け出た。しかし、認められたのはアサド氏と知名度の劣る2人だけで、反体制派は除外された。これに対して、英仏独伊の外相らは、共同声明を発表し、「自由でも公平でもない。詐欺的な選挙は内戦の政治的解決に向けたいかなる進歩も意味しない」と非難している。これに対してアサド政権を支持するロシアやイランは、内政干渉は受け入れられないと選挙の正当性を主張している。気に入らない候補者を締め出した選挙に何の正当性があるというのだろうか。ロシアももう少し真っ当な言動をしてはどうか。

 シリアでは、2011年にエジプトで起きた「アラブの春」に同調した反政府デモに対して徹底的に弾圧した。このことから内戦が始まった。政権にロシアが軍事介入し、政権側が失地を回復して軍事的優位を固め、ロシアの影響、介入も強まった。だが、内戦の結果市民生活は困窮を極め、内戦と外国からの経済制裁によって、人口は在外者も含めて約1,800万人の内、その6割が食料支援を必要としているのが実情である。こういう劣悪な生活環境と内戦、そして最近ではコロナに苦悩していながらシリア国民を救う手立てを示せないのが長期政権を築いてきたアサド大統領である。考え方によっては北朝鮮の金正恩・朝鮮共産党委員長より質が悪い。それでいながら、アサド氏の大統領選における得票率は、実に95.1%だという。7年前の得票率88.7%より更に6.4%上がったというから信じられない。今後7年間を再びアサド氏が政権を担うことによってシリアの人びとはどれだけ幸せになれるというのだろうか。欧米の批判に対してアサド大統領は、彼らの言い分の価値はゼロだと言い返したようだから、シリアという国には、民主主義、公平、言論の自由なんかはまったくない。これを支援しているロシアと中国、イランも同じ穴のむじなと言うべきだろうか。気の毒なのは、アサド大統領に国民を思う気持ちがないことを半世紀に亘って見せつけられてきたシリア国民である。

2021年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5128.2021年5月27日(木) 昨晩雲のため皆既月食見られず。

 昨晩は3年ぶりに皆既月食が見られるというので期待していたところ、いつも月の見える上空が真っ暗闇でこれは雲で隠れたのだなと諦めた。やはり期待して空を見上げていた人たちもがっかりされたようで、東京上空は雲が厚く張り巡らされて月食は見られなかった。北海道、東北、沖縄ではスーパームーンの月食を見ることが出来たようだ。テレビでは北海道釧路市でまん丸の見事な皆既月食を映像で伝えていた。今日は南方九州地方からやってきた豪雨の影響で、朝からかなりの雨が降っている。終日降り続いているので、かなり冷え込む。それが明日は夏日になるかも分からないくらい暑くなるそうだ。次回皆既月食を東京で見られるのは来年11月だそうだから、その時を楽しみにしようと思う。

 さて、19日に診察してもらった際の採血の結果を伺いに、今朝早く近くの東京医療センター膠原病内科へ妻と出かけた。両手指の痺れと浮腫みの真の原因を知りたかった。岡野医師の診断では、採血の結果からリューマチと膠原病の心配はないとのことだったが、随所に炎症が見られることからこれを収めるためには、ステロイド(プレドニン錠)を服用するのが効果的であるとのお話しだった。しかし、これまで毎朝プレドニン1錠を服用しているうえに、糖尿病の医師からステロイドは糖尿病には良くないと言われている。その点を岡野医師にお話ししたところ、糖尿病のヘモグロビン数値から考えて、むしろ今服用しているプレドニン1錠を3錠にまで増やすくらいにした方が炎症解消の効果は上るとのことで、服用する3種の薬のひとつは、プレドニンを毎朝3錠ということになった。ただ、こうなると糖尿病には良くないので、頭を抱えているところだ。思い切って明日にでも糖尿病の医師に相談してみようかとも考えている。

 ついては、横浜市の西部にかつてアメリカ軍の広大な通信施設基地があった。それが日本に返還されてから地権者の横浜市が、東京ディズニーランド(TDL)と同じような広大なレジャー施設を考えていたとは知らなかった。その事業の運営を相鉄ホールディングに任せていたが、相鉄がアメリカの事業者との話し合いが不調で、プロジェクト自体を断念することになった。TDLやユニバーサルスタジオの柳の下のドジョウを狙ったのだろうが、新型コロナウィルスの打撃による相鉄の懐具合とアメリカの事業者の腹積もりがうまく嚙み合わなかったらしい。現在横浜市が計画中のカジノを含む統合型リゾートも、強い市民の反対の中でことを進めようとしているが、横浜市のプロジェクト計画には、常に疑念が付きまとっている。コロナで少しは冷静になっただろうか。ギャンブル大賛成の林文子市長には、コロナは厳しいパンチを見舞っている。

2021年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5126.2021年5月26日(水) アメリカで増える一方、解決出来ない銃撃殺人事件

 昨日はアメリカのミネアポリス近郊で黒人ジョージ・フロイドさんが白人警察官から首を圧迫されて死亡してからちょうど1年になった。テレビで現場の画像を観ていると不意にパンパンと銃撃の音がして、現場で生中継していたレポーターが慌てて逃げるシーンが映った。相も変わらない銃社会である。バイデン大統領は、「彼の殺害は1960年代の公民権運動以来の『抗議の夏』を生みだし、すべての人種と世代の人びとを平和的にひとつにした」との声明を発表した。大統領はフロイドさんの命日までに、警察改革などを実現させたいと語っていたが、昨日まで法案は未だ成立していない。

 警察改革法案が例え成立してもそう簡単にアメリカ社会に銃を規制することや、黒人を抑圧する空気がなくなるとは思えない。それは、アメリカ社会には世界的に珍しいほど自由な銃所持が認められていることである。銃さえ持ちその気になれば、気に入らない人を簡単に殺害出来る。実際に昨年以降アメリカでは銃による殺人事件が激増しているという。今年になってから銃乱射による大量殺害が全米各地で起きている。昨年の殺人事件の被害者は2万人を超えるそうで、一昨年の25%も増加している。殺人の9割以上は銃による射殺である。

 銃規制を厳しく行い、銃所持を国として認めない方針を決めさえすれば、残念な殺人事件は大幅に減少する。この点については、私自身もこれまで本欄で強く主張してきた。21世紀の近代社会になって今も西部開拓時代と同じように銃によって物事の決着をつけるとは、あまりにも時代錯誤的で世界の笑い者である。しかしながら、銃規制に反対するアメリカ・ライフル協会の政治力によって残念ながら銃規制には反対が強い。実際に現場では、銃の売買がうなぎ登りに増えている。アメリカ人の銃保有者はコロナ前で3億丁と言われていた。3億2千万人の全国民が、ひとり1丁は所有していることになる。それが、コロナ感染拡大後は1年足らずの間に15%も増えたという。これだけの個人所有の銃を一気に減らすのは、難しいと思う。だが、だからと言ってこのまま銃保有を放置したら銃による殺人事件がなくなる可能性は皆無である。トランプ前大統領には、銃規制の考えはまったくなかったが、オバマ元大統領やバイデン大統領のような民主党政治家の間では、何とか銃規制に手をつけようとしている。それでもまだ具体的な行動にはなっていない。民主主義の国と言われるアメリカには、情けないことに最も残虐な殺害事件を起こして、それを誰も止められない現実がある。怖いのは、昨年から少し様子が変わり、無差別殺人の矛先が「アジア系への暴力」とか、「ヘイトクライム」へ向けられるようになったことである。単なる殺人から差別へターゲットが変わりつつあることである。

 「選択」本年5月号によるとアメリカ国内の銃購入は、今年第1四半期は前年同期比で10%以上増えている。驚くのは、シアトル、ニューオーリンズ、アトランタ、シカゴ、ボストン、ポートランドの6都市では、昨年の殺人事件が前年比で50%以上増加したことである。世界最悪のコロナ死者数60万人を生んだことより銃犯罪の方がよほど怖いというアメリカ人が多い。他の世界の国々より巷に危険が転がっている現状をどうして解決へ向け前進させることが出来ないのだろうか。アメリカにとっては最も恥ずべき汚点である。

2021年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com