5133.2021年6月1日(火) ミヤンマー・クーデターから4か月

 昨日のブログに書いたばかりだったが、テニスの大坂なおみ選手は結局全仏オープンを棄権することになった。理由のひとつに、2018年全米オープンで優勝して以来「うつ病」になっていたことを挙げている。これから各大会主催者とよく話し合って円満に解決してもらいたいと願っている。

 新型コロナウィルス感染防止の緊急事態宣言が、9つの自治体では今日から20日まで延長されることになった。そんな中を今朝オーストラリアから同国女子ソフトボール選手団が来日した。予定通り東京オリンピック出場前に群馬県太田市内で事前強化合宿をするためである。東京オリンピックに向けた海外選手団の入国は初めてである。このところ同じような合宿計画が日本側のホスト自治体の中止要請や、外国選手団側の都合で中止になったケースが105件もあり、受け入れ自治体にとっては姉妹都市の交流が途絶えるという懸念もある。小中学校で歓迎行事を予定していた自治体も多かっただけに中止が惜しまれている。今日来日したオーストラリア選手団にしても当初は地元の人たちとの交流計画があり、お互いにそれを楽しみにしていた。交流計画はすべて中止となり、選手団はホテルとグランドの往復以外は外部に出かけられない。缶詰状態の中で合宿してどれほどの効果が表れるのか、何とも言えない。

 ところで、コロナ関連でこんな呆れたニュースも入って来た。南米のペルーのコロナ関連死者数が大幅に訂正されたのである。これまでに公表された死者数は69,342人だったが、実は180,764人だったというのである。実際の死者数は、実に3倍も多かったのだ。これは人口百万人当たり5,484人になり世界でも最多である。世界的にコロナが感染拡大してパンデミック状態の中で、正確な感染者数、死者数を世界保健機関(WHO)に伝えるのは、国家としても国際保健上の責務である筈である。一方で、インドのガンジス川中流で100体の遺体が漂流しているのが見つかった。コロナで亡くなった人たちの火葬が追い付かず、親族らが川に流したのではないかと言われているそうだが、何ともやりきれない哀れな話である。

 さて、去る2月1日にミヤンマーで軍事クーデターが起きてから今日で4か月になる。日本政府とミヤンマー国軍との間には、不透明な関係があることが暴露された。

 今日郵送されてきた月刊誌「選択」6月号に、「ミヤンマー国軍と『日本財団』の蜜月」なる記事が掲載されている。日本政府の国軍寄りの姿勢が読み取れる。これまで茂木外相は、欧米諸国と同じようにクーデター自体を非難すれども、ミヤンマーへの経済制裁には積極的な声を上げなかった。日本政府が国軍と強い関係にあったからである。その背景には日本がヤンゴン特区地区における開発にからむ利権確保に関わった日本ミヤンマー協会と日本財団・笹川陽平会長が関与していたことだ。笹川会長は、先般国軍に身柄拘束された北角裕樹氏の解放を交渉して実現した。外務省は笹川会長に頭が上がらない。国軍としては日本人の解放は日本側の要請に応じた「貸し」と考えており、今後何らかの見返りを求めて来る可能性がある。どうも理解に苦しむのは、今から8年前に外務省は笹川会長に公的なものか不透明だが、「ミヤンマー国民和解担当日本政府代表」という仰々しい肩書を与えたことである。昨年11月実施の総選挙を国軍は不正をクーデターの根拠と説明したが、笹川氏はこれを公正だったと自信満々に語って以降何の発言もない。それでいて相も変わらず国軍との関係維持には拘っていることである。日本人とミヤンマー人の友好関係に力を注いだと思われる笹川氏だが、自らの利権に拘り過ぎた行動が、日本を世界から信頼感を失わせることになる。日本の公益財団法人の会長にこんな私利私欲のからむ行動を許して、外務省がおかしな肩書まで与えていたのは、奇妙奇天烈ではないか。

 それにしても最近国軍に対する反対運動が都市ではやや影を細めた感がある。国軍の無法な市民の拘束や、銃乱射を恐れたからでもある。しかし、鳴りを潜めている市民や政府職員が職場を放棄して抵抗する「不服従運動」が、このまま消えてしまうとは考えられない。日本政府は笹川会長に忖度することなく、欧米諸国とともに国際社会へ向けてミヤンマー国軍への経済制裁を訴えるべきではないだろうか。

2021年6月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com