5135.2021年6月3日(木) 不誠実で身勝手な中国の行動

 明日は中華人民共和国が生れてから最も共産党体制が危機に晒された天安門事件が起きてから32年目に当たる。近年覇権国家ぶりを強めている中国政府、及び中国共産党にとっては、触れられたくない事件である。ここにも中国政府の暗黒の一面を垣間見ることが出来る。きっかけは改革派だった胡耀邦元総書記の死であるが、市民の間から自発的に盛り上がった民主化を求めるデモだった。犠牲者の数は中国は千人程度と公表しているが、イギリスの公的機関では約1万人が出たと報道している。中国政府は、この忌むべき天安門事件の記録を展示している香港の記念館施設を今日付で閉館すると締め付けを強めたのだ。民主化弾圧、人権蹂躙を躊躇なく行っている中国は、その他にも今世界各地で問題を引き起こしている。

 昨日マレーシア政府は、中国空軍機16機がマレーシア領空に侵入したとして中国政府に抗議した。東、南シナ海における中国軍の海上進出は留まるところを知らない。ミヤンマーのクーデターを起こした国軍を背後で支援しているのも中国である。その中国は、呆れたことに新型コロナウィルスでも国際社会を煩わせている。感染者数を国際機関に正しく報告しないから困ったものである。アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学から毎日公表される世界の感染者数と死者数が、中国については感染者数103,069人、死者4,846人と公表されてからもう長い間この数字に変動がないのだ。他国の人数は日々刻々増え続けているが、中国だけは変わらない。これは世界の医学界、保健学界に対する裏切り行為であり虚偽の報告と変わらない。世界中の人びとを騙し、彼らの健康を損ねていると言っても好い。愚かにも大国だから我が儘は許されると考えているとしたら、中国という国は世界の邪魔者としか思えない。

 ことほど左様に昨今の中国の自由奔放な欺瞞的言動は、世界中に迷惑風を吹き散らしていると言っても好い。この我が儘放題で、常に正義は我にありと言わんばかりでやりたい放題の三等国家・中国に何かお灸をすえることは出来ないものだろうか。

 さて、新型コロナウィルス感染拡大が収束しそうもない中で、東京オリンピック開催まで残り50日間となった。医療崩壊が叫ばれる中で、昨日対策分科会の尾身茂会長は、しびれを切らしたかのように衆議院厚生労働委員会において「このパンデミックの状況の中で普通なら開催はあり得ない」として、もし開催するなら規模を最小化して管理態勢を厳格化すべきであると要望した。更に付け加えて「そもそもオリンピックをこういう状況の中で、何のためにやるのか、それがないと一般の人は協力しようとは思わない」と強調し、今日も参議院で同じ主旨の発言をした。開催について国民の間から不安が高まっているが、菅首相は常套句のように「安全安心な大会を成功させるために準備を進めている」と応えるに留まっている。山下泰裕JOC会長も、大会は安全安心に開催出来ると信じているとまるで他人事のような発言である。政府は、菅首相の在職中の功績として五輪を開催したいのだ。ボランティアの辞退者が1万人となり、医療関係者の間でも消極的な声が聞かれる。まだ、ワクチンの接種は行き渡っておらず、本当にオリンピックは開催出来るのだろうか。

 長崎県島原市の雲仙・普賢岳で火山噴火による火砕流の発生で43人の犠牲者以外にも甚大な被害を出してから、今日でちょうど30年になった。噴火直後に現地を訪れ、生々しい惨状を前に言葉もなかった当時を思い出す。この教訓を得て自然災害に見舞われる機会の多い日本の避難対策は、果たして大丈夫だろうかとふと不安が頭をもたげる。

2021年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com