537.2008年11月1日(土) 航空自衛隊幕僚長の勇み足

 案の定昨日更迭された田母神・航空幕僚長の論文事件が問題になってきた。今のところ中国政府は冷静を装っているが、韓国政府は厳しく非難している。それはそうだろう。個人的見解の発露にしても、立場を考えたら政府見解に反し、今までの経緯から周囲に相当な波紋を呼ぶであろうことは充分に予想できたにも拘らず、田母神幕僚長の取った行動は、とても大人の対応とは思えない。これまで幾度か日本の要人の発言が、戦禍をもたらしたアジアの人々の気持ちを逆撫でにしてきた。その都度反省し謝罪し、ことを収めてきた経緯がある。それに基本的に誰が何と言おうと日本軍が相手の国へ土足で乗り込み、相手国へ迷惑をかけたことは紛れもない事実であり、その事実を認めないわけにはいかない。それが、植民地支配と侵略で、「アジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた」という1995年の村山首相談話となった。これがほぼ日本政府の公式見解といっていいものである。田母神氏は「わが国が侵略国家だったというのは濡れ衣」と書いている。更に日中戦争について「中国政府から『日本の侵略』を執拗に追及されるが、わが国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」とまで主張している。日本の安全保障政策についても「集団的自衛権も行使できない。武器使用も制約が多く、攻撃的兵器の保有も禁止されている。(東京裁判)のマインドコントロールから解放されない限りわが国を自らの力で守る体制が完成しない」と独自の論理で国の防衛政策の転換まで求めている。 

 日中戦争をはじめとする、大東亜戦争に関する見解については事実誤認もあるらしく、著書を引用された現代史家の秦郁彦氏は盧溝橋事件の最初の発砲について、表現が誤解され不愉快だと憤慨している。田母神氏は日本のおかげでアジア諸国は植民地の立場から独立を勝ち取ったプラス面もあるとも書いているようだが、将校、士官、一兵卒を含め多くの元軍人と知り合い、話をした経験では元軍人の人たちは、結果的にそう受け取られる側面はあるが、そんなことは絶対ないし、また口に出していうべきことではないと毅然として言っていた。アジアの国々で日本軍が戦禍をもたらしたことは間違いない。残念だが、われわれはその負の遺産を心に刻み、せめて戦争に加担することだけは止めようと誓ったのではなかったか。それを戦争の「セ」の字も知らない極右の防衛省制服組が、個人的な考えとは言え、立場を考えずにむしろその地位を利用して外部に発表するなど、その強気の言動は言語道断である。他にも同じように投書した自衛官がいたようだが、防衛省内にはこのように好戦的で、右翼的な言動に走る空気を抑制する動きがまったくなかったのか疑問に思う。そうだとしたら、一度省内で思い切って喧々諤々の議論、ディベートを行い、それを国民に公開して防衛省の進むべき道に指針を与えることも考えてみてはどうか。

2008年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

536.2008年10月31日(金) 日米プロ野球も最後の決戦場

 明日からプロ野球日本シリーズがセ・リーグの覇者・読売ジャイアンツと、パ・リークの覇者・埼玉西武ライオンズの間で行われる。両チームともそれぞれリーグのペナントレースを制覇し、クライマックス・シリーズを勝ち上って、リーグの代表になったことにほっとした。去年のようにセ・リーグ3位の中日ドラゴンズがクライマックス・シリーズを勝ちあがり、日本シリーズにも勝ってプロ野球界の覇者となったことに釈然としない感じを持ち、ペナントレースのあり方に不審を抱き、疑問を感じたからである。今年はどちらが勝っても、リーグの優勝チーム同士の戦いであり、日本一決定戦である日本シリーズの勝者として、名実ともに日本プロ野球界の覇者であるといって問題ない。

 一方、アメリカのワールド・シリーズでは、ナショナル・リーグのチャンピォン、フィラデルフィア・フィリーズがアメリカン・リーグの覇者タンパ・ベイ・レイズを4勝1敗で破り、ワールドチャンピォンとなった。フィリーズについては、小さなことではあるが縁を感じることがある。フィラデルフィアがワールドシリーズで優勝したのは28年ぶりだそうだが、私がフィラデルフィアでフィリーズの試合を観たのは、ちょうどその頃だった。地元球場のレフト外野席で観戦したが、当時シンシナチ・レッズからやってきた3,000本安打のピート・ローズが人気絶頂で、打席に立ったり、ヘッドスライディングするたびに「ピ~!ピ~!」とファンが熱狂的に騒いでいたのが強く印象に残っている。そのピート・ローズもその後麻薬使用で心身ともにぼろぼろになり、石持て追われるが如く野球界を去り、英雄転じて犯罪人となったことが衝撃的であり、ひとつのドラマだった。

 もうひとつは、フィリーズを優勝に導いたチャーリー・マニエル監督である。日本ではホームラン打者として活躍したが、話題の多い選手でチームワークより、個人行動に走る選手との認識があった。そのマニエル監督が日本の練習方法、選手とのコミュニケーションの取り方、野球への取り組み方を日本で学んだことが今回の優勝につながったと言っている。野球といえば当然アメリカが手本と考えられがちだが、どんな形であれ、基本的なことややるべきことはやはり評価されるべきだということを教えてくれているような気がする。

 そのマニエル監督と横浜球場の試合後に、桜木町駅前でばったり会い、長男と一緒に写真に納まってもらった思い出がある。取るに足りないことだが、長男にとっても私にとっても不思議で愉快な思い出である。

 今日は後々まで話題を呼びそうなことが2つもあった。ひとつは、日銀が金利を0.2%下げたことであり、実に7年半ぶりのことである。これで景気が何とか立ち直ればよいが・・・。

 もうひとつは、田母神俊雄・航空自衛隊幕僚長が、政府の見解に反する論文を民間企業の懸賞論文に応募して公に発表し、今日付で更迭されたことである。航空自衛隊の制服組トップが卑しくも、先の大戦の責任は日本にはなく、濡れ衣であると喝破した。またも、今更との感がある。確信犯であり、開き直って持論を述べたようだが、こういう人物を今まで放って置いて最高位にまで昇進させる組織もおかしい。これから国内外各方面で非難の炎が上がるだろう。

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535.2008年10月30日(木) 麻生首相の景気対策とは?

 連日値動きの激しい株価がこのところ上昇トレンドを描いてきた。2日前には一時的に日経平均6,000円台にまで落ちたが、今日は21日以来の9,000円台に戻した。終値は日経平均9,029円である。円高も大分解消され輸出関連企業にとって、安心はできないが、この傾向が維持されるならほっとするところだろう。

 今日麻生首相が新総合経済対策を発表した。タイミングがよいのか悪いのか分らないが、今年度の見通しとして税収が5兆円も減収といわれている。その中でこの追加経済対策にほぼ5兆円規模を追加する。

 消費刺激策として、定額減税と言って実際には現金を満遍なくばら撒くのだ。しかし、日本は小泉政権以来赤字国債を減らすことに努めてきたのではなかったのか。いま赤字国債発行額が累計でいくらになっていると思っているのか。550兆円もある。これを毎年少しずつでも返していかなければならない。今年度の一般会計は当初見積もりでは税収が53.5兆円のはずだった。それが5兆円もの減収が見込まれている。そこへ新たに5兆円をばら撒くという。一般会計から出すのではなく、特別会計、つまり言うところの埋蔵金から支出するという。それにしても懐が2つあるだけであって元は同じサイフである。首相は話した言葉の端から、3年後には消費税を上げるという。いわゆるマッチポンプではないだろうか。

 この国の総理大臣には、全体的なバランス感覚に疎いところがある。どれだけ有効で、国民が喜ぶ対策を実行しようとしているのか。話題になっている2件を見てみよう。

 ひとつは、給付金を全世帯に支給する定額減税といわれるものである。その金額も1人当たり15,000円だそうだ。2点目は高速道路料金の大幅値下げである。

 前者は、まだ現金支給か、クーポン配布か決めかねている。いずれにしろこれだけで2兆円を注ぎ込む。9年前に同じようにクーポン券を配布したが、9千億円のうち2千億円しか経済効果はなかったという。今回のアイディアも前回同様公明党の入れ知恵だろう。個人的には、確かにひとり15,000円のボーナスは嬉しいだろう。しかし、国の財政が苦しい中で個人的に恩恵を受けたところで、いずれ遅かれ早かれ新たな税金を背負わされるのは目に見えている。どうして、こんな目くらましのようなことを政府は国民に負託させるのか。

 後者については、誰がこんな姑息で不公平な値下げを考え出したのか首を傾げたくなる。値下げはETC装置の乗用車だけに限定し、首都圏を除くという。しかも利用料金はポッキリ1,000円という破格である。これには運送業界もトラックの運転手も怒り心頭である。差別ではないかと怒っている。その通りである。乗用車より商業車を優遇した方が、むしろ景気対策には有効ではないだろうか。

 その上で、麻生首相は3年後には消費税を上げさせてくれとためらいもなく述べた。それでいて、解散と総選挙は当分行わないという。麻生首相は今日本を一体どうしようと考えているのか。だから、マンガばかり読んでいる奴はダメだ。

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534.2008年10月29日(水) 景気対策はうまくいくのか?

 ウクライナも今回の金融危機により財政破綻の危機に瀕している。通貨‘グリブナ’の価値がドルに対して20%も下がっている。ウクライナは過去7年間の経済成長率が7%を超えている。それにも拘らず、抜き差しならない事態に追い込まれている。一方では、パキスタン経済も危ない。パキスタンは政治的にも不安定である。原子力核を保有しているので、国の破綻を各国も指を銜えているわけにはいかない。したたかなパキスタン政府はそのことを承知しているのだ。核保有がこんなメリットもあるのかと思わせてくれる。

 今日はニューヨーク株式の上昇により、東証も2日連続して値を上げている。昨日一時的に7,000円を割った日経平均が、早くも反発して今日は8,211円にまで回復した。

 自民党は景気対策が重要だと言って解散、総選挙をずっと先伸ばししようとしている。そして、庶民の消費性向を刺激して景気を庶民レベルから支えてもらうために、今自民党から出かかっているのが定額減税である。大体党内でも考えがまとまってきて、例外なしに一律減税を考えているようだが、いつか公明党のアイディアでクーポン券のようなものが配られたことがあるが、また同じようなことになるのだろうか。もうひとつの景気対策は、金子一義・国土交通大臣が言い出したが、土日だけ首都圏を除く高速道路をETC装備車に限って、すべて一律1,000円の料金にする。いずれも選挙対策用のバラマキでなければいいが・・・。

 昨日NHK夜のニュースで伝えていた「google」の地図というものがどんなものかインターネットで見てみた。まあ驚いた。自宅の住所を記入して検索すると、自宅周辺から自宅前の道路をカメラが左右前後を写しながら自宅、隣家、上空写真を覗くことができる。いつ撮ったのか、幸い我が家では恥ずかしいような、或いは他人に見られては困るような様子は映っていなかったが、隣家の洗濯物がはっきり映っていて、昨日のニュースでも話していたようにプライバシーにも触れるのではないかと思った。それにしてもこんな特殊機材が開発されて、悪用されるのではないかと心配である。

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533.2008年10月28日(火) 日経平均は一時7,000円を割る。

 今日もまたニュースの最初は株式市場の動きである。昨日に引き続き前場開始早々から下がり始めた東証株価は、一時日経平均7,000円を割った。しかし、対ドル円相場が安くなり多少明るい前途を好感したのか次第に株価トレンドにも効果として表れ株価は上昇に向かい、終値は前日に比べ459円も上げ、7,621円となった。専門家はまだあまり口にしないが、一般の人の中にはそろそろ底値ではないかと買い時を狙っている人もいたようだ。私自身もう底値に近いと考え、6月に損失を出して売却した同じ株の前回売却分を、また買い戻す時ではないかと考えて思い切って購入した。

 さて、先日来アイスランドの金融不安が新聞にも大きく取り上げられているが、今日のテレビ朝日「報道ステーション」でその現実の一端を報道していた。一時はGDPでも日本を上回っていた豊かな国が、手段を間違えてあっという間に奈落の底へ落ちてしまった。国がつぶれるなんて最近のジンバブエのようなケースしか考えられなかった。日本円建ての「サムライ債」も債務不履行でパンクしてしまった。アイスランド破滅の原因は水産立国から金融立国へ転換して、それが世界的な金融危機に巻き込まれたことにある。世界中から資金を集め、それを国が先頭に立って金融業をやっていたような印象もあり、国家の存在すら危ぶまれ国家破綻の窮地に追い込まれてしまった。今日アイスランドはIMFから2,000億円の緊急融資を受けた。これまでIMFがヨーロッパの国へ金融不安で融資をしたことはないそうで、このことひとつとってもアイスランド経済行き詰まりの衝撃がいかに大きいかが分る。

 午前中韓国の桂さんから電話があり、現地2泊3日間の日程が分りにくい事情があるので、7日にソウル入りしてから話し合おうということになった。八木会長のアドバイスや私自身も考えるところがあり、講演のパワーポイントはできるだけ英語で表現しようと考え、そのスライド製作を始めた。しばらく英語を本格的に使っていないので、中々思うように訳せないし、良い表現が見つけられない。そんなことから、今週と来週は講演準備、特に資料作成のために外出を極力控えることにした。駒沢大と多摩大の公開講座を休むのは残念だが、背に腹は変えられない。

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532.2008年10月27日(月) 株価4日連続下落で26年ぶりの低水準

 やはり東証株価は朝から下がり出して、日経平均はバブル後の最安値(7,607円)を楽々割った。その後買い戻され一旦は先週末を上回ったが、終値はついに26年ぶりの水準という7,162円にまで落ちてしまった。円高も進行し、輸出関連企業の業績が心配だが、日本経済全体の先行きも懸念されている。G7が円高を牽制する緊急声明を発表したり、麻生首相も緊急市場対策を指示した。株価も大変だが、企業にとって円高は深刻な問題である。今日の対ドル円相場は92 円台となった。

 最近1ヶ月で日本株は31%も下落した。アメリカの危機が叫ばれ出して世界的な金融不安が始まり拡大したが、アメリカの下落率は25%程度で意外なくらいである。日本より株価が下がったのはロシアの55%を筆頭に、アルゼンチン、ブラジル、韓国、インド、シンガポールだけであり、ヨーロッパ勢は大騒ぎしている割には、日本ほど酷くない。やはり資本が蓄積された真の力があるかどうかが試された形である。

 11月の韓国行航空券を韓国側の要請により買い求めたが、早く金額を知らせて欲しいと今朝も桂さんから電話があった。円高が進む現状を心配して、早く円の手当てをしたいとのことだった。円高の影響がこんなところにも出てきている。

 午後早稲田出版へ最終校正原稿を届けながら、最終的な打ち合わせをした。現在のところ来月中旬に出版できるスケジュールだ。随分細かいところまでチェックするようになって、大塚編集長には面倒をかけることになるが、せっかく上梓するので、悔いは残したくない。

 イギリスのチャールズ皇太子がカミラ夫人を伴い来日した。実に18年ぶりだそうである。前回訪日の際は、あの美しきダイアナ妃が一緒で行く先々でダイアナ・フィーバーを引き起した。それが、地味なカミラ夫人となると因縁的スキャンダルのせいもあって、言葉は悪いがマス・メディアは鼻も引っかけない。それだけダイアナ妃には、華もあり若くて人気があった。

 ダイアナ妃が亡くなったのは1997年8月31日だったが、その時ちょうど添乗員としてバンクーバーに滞在していて時間的に彼女の死を30日の夜11時ごろにTVを通して知った。つまり時間的には時差の関係から「日本の皆さん」より、1日早くダイアナ妃の死を知ったことになる。旅の自慢話「マイ・ギネス」にも書き込んだところだ。

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531.2008年10月26日(日) 明日の株式市場はどうなるだろう?

 11月上梓の拙著については何とか254頁分の最終の推敲を終えた。明日早稲田出版へ届けようと思っている。それにしても今まで何度か推敲を重ねているのに、また新たな修正箇所が出てくる。今度はかなり念入りに目を通したので、もう気になる箇所は見つからないと思っている。

 先週の金融不安は株式市場を直撃したが、取り巻く声は悲観的なものばかり。バブル崩壊後の最安値は、日経平均7,607円(2003年4月28日)で、対ドル円相場は120円20銭、長期金利0.606%だったが、アメリカの原油先物価格は1バレル25.49$だった。安かった。失業率は5.5%だった。最近最も株価が下落したのは、10月24日マークした日経平均7,649円でもう少しでバブル後の最安値を下回るところだった。対ドル相場は95円14銭、長期金利は1.48%、石油は64.15$で、失業率(8月現在)は4.2%である。ざっと比べて日経平均は大きな差がないが、内容的には大分違うと思う。今の金融不安が実体経済までおかしくして、それが人々を疑心暗鬼に駆り立てているが、マス・メディアの過熱報道に惑わされないことが大事だと思う。それにしても今回の金融不安で世界の株式時価総額は半減したそうだ。先週末のニューヨーク株式は下がったが、明日の東京市場はやはりつられて下がるだろう。

 今朝の日経新聞「風見鶏」欄に面白い記事が掲載されていた。国に民主主義の年差というのがあるらしい。日韓の年差は、日本が終戦を民主主義のスタートとするなら、韓国は1987年のノ・テウ大統領の民主化宣言だという。従って日韓間の年差は42年と仮定できる。アメリカやフランスは市民革命から数えて200歳以上となる。日本は1945年を起点とすれば63歳で、米仏との年差は100年以上あるが、民主化年齢は40歳を過ぎれば成熟度の差は消える。つまり年差はゼロに近づく。ロシアは1991年のソ連崩壊を民主化の始まりと考えれば、17歳だ。しかし、ロシアは昔のソ連回帰の傾向があるので、いつまでも大人になれないとこれは韓国人記者の話だそうである。

 案外当っているかも知れない。

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530.2008年10月25日(土) 懐かしい仲間と旧交を温める。

 藤沢で高校の同窓会があり例年通り出席した。同期生401名のうち、70数名が集まった。物故者も相当いるからこれだけ昔の友が集まったのは、考えようによっては多い方かも知れない。ラグビー部の仲間でもすでに2人が亡くなっている。スタンドオフだった蓮池くんは愛知県で病床に臥している。健康を気にしていた轟くんが、口では調子が良くないとは言っていたが見たところそんなに悪そうにも思えなかった。まずほっとする。お母さんも91歳だそうだが、ちょっと具合が悪いと言っていた。ご健勝をお祈りするばかりである。

 ゲストとしてご出席いただいた雨宮先生は今年米寿だそうだが、とてもそのようには見えない。顔の色艶も良く、今年古希のわれわれに70歳から充実するよとヨイショして笑わしてくれた。顔を忘れた友もいるが、久しぶりに会うとやはり懐かしい話が多くなる。柔道部にいた狩野くんが南アフリカに勤務中、全南アフリカ・柔道チャンピォンになったとは初めて知った。それぞれ独自の分野で活躍している。その狩野くんはまだ社長としても頑張っている。みんな今日出席した仲間はそれぞれ元気そうで心強い。少しずつ同級生も亡くなっていくが、70歳はまだ若い。若く元気なうちは、せめて前向きに前進していきたいものである。

 今日文芸社から「新・現代海外武者修行のすすめ」50冊を送ってきた。12月に書店に並ぶ。ハードカバーなので、やはり書物としての重みが前著「現代・海外武者修行のすすめ」を上回る。だが、表紙帯文の「1967年」が「1969年」に間違って印刷されている。表紙帯文は自分自身で校正していないので、何ともしようがないが、「1967年」は私にとって大切な年次なので訂正し作り直してもらおうと思う。

 11月に上梓予定の「停年オヤジの海外武者修行」については、いま最後の推敲にかかっているところだが、やはり修正箇所が大分多い。しかし、明日中にはすべて終えたいと思っている。

2008年10月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

529.2008年10月24日(金) 株価急落で日経平均8,000円を割る。

 株価が下がり、円高が亢進した。朝刊、夕刊、テレビニュースがすべて世界的金融危機と関連づけて報道している。東証株価は対前日811円安で日経平均は7,649円となって、バブル期の底値にあと40円強にまで近づいた。ドルに対する円高の亢進も拍車がかかり一時91円となった。ドルに対して上がっているのは、世界広しといえども円だけで、これによりまた円買いが進行する。いつまでこの円高状態が続くのだろうか。日本は外需に頼っているので、円高により輸出力が落ち、輸出企業は益々苦しくなるが、それだけに近々発表される輸出関連企業の上期決算が注目される。まだまだ低落傾向は停まりそうもない。保有株式を売却して大きな損失を出したのが3月だったが、その後更に株価が低落して多少は鬱憤が晴れたが、まだとても買い戻す気にはならない。

 さて、韓国の講演について、今日も桂さんから電話とFAX送信があった。航空券はもう購入して先方に知らせた。Invitation letterを送信いただいた。八木会長のサジェスチョンもあり、スピーチは日本語でやることに決めて同時通訳を桂さんにお願いする。パワーポイント画面は、極力英語表記にすることに決めた。

 定年退職後の再雇用について一つの参考例を要望されたので、ゼミの池田くんに彼が勤めている大日本印刷㈱の例を聞いてみたところ、快く教えてくれたので、それを発表したいと考えている。それにしても、大日本印刷の場合60歳から65歳まで毎年1年間の再雇用契約を締結するそうだから、労使間にも問題がないのだろう。しかも、かなり高給待遇だから外から見れば羨ましいと思われるかも知れない。韓国の退職者にもきっと羨ましがられるだろう。まあとにかく良い参考例となる。

2008年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

528.2008年10月23日(木) 元ロシア大使・都甲岳洋氏のロシア論

 多摩大学の現代世界解析講座で聴講を楽しみにしていた元ロシア特命全権大使・都甲岳洋氏の話を伺った。都甲氏は1934年生まれで、41年間外務省に勤めその間シンガポール、トルコ、ロシア等の大使を務めた後、三井物産戦略研究所に入り現在は名誉顧問を務めておられる。司会者も現在日本でロシア問題に精通する最右翼のひとりだと紹介された。今日は「ロシア新体制の政治経済展望」と題して、冷戦時代のロシアから、プーチンとメドベージェフ2頭体制のロシアについて長いロシア滞在経験から広範に分析された。

 しかし、辛辣に言わせてもらえば、やや期待外れだった。プーチンと4度も会って話したことがあり、大使時代を含め長いモスクワ生活体験から、さすがと思われる知識を披露された反面、気になったのは、1時間半近くに亘り延々と一本調子で話をされ、ジョークも少なく息を抜く間もなく、聞くのには疲れるスピーチだった。更に数字を述べてもAV機材を使用せず早口で話すのでメモする間もなく、話術もあまりお上手でなく時折口ごもることもあって、前方で席を占めた学生たちも居眠りする姿が見られた。

 ただ、ロシア問題の専門家であるだけに内容は豊富で話に淀みがない。ロシアはエネルギー大国として経済が安定し、消費が拡大し輸入が増大している。すしバーも含めると日本食店が1000軒もあり、日本車の販売も鰻登りに伸びてトヨタ、日産、三菱が工場を建設して進出する予定である。だが、最近になってアメリカに端を発した金融不安とグルジア紛争がロシア経済の先行きに不安を与え出した。IMFの観測でも当初のロシア経済成長予測を2008年は7.7%から7.0%へ、2009年では7.3%から5.5%へ下方修正したという。

 意外だったのは、日本でもしきりに騒がれたサハリン2の天然ガス・プロジェクトで、環境問題を強引に持ち出されてロシア流交渉に振り回された。結局ガスプロムが51%の持ち株比率で、残りをシェル、三井、三菱が保有することになったが、都甲氏はそれが結果的にはロシア政府が資金面で関わることにより、反って安心出来たと言っていたのが印象的だった。だが、本当にそうだろうか。本件に関して日本サイドから賛成論を聞いたのは都甲氏が初めてである。私はこのプロジェクトへのロシア政府の関わり方があまりにも利己的で、過去の努力や実績をないがしろにする卑劣なやり方だと憤慨したものである。

 また、都甲氏は質問に応える形で、北方領土問題で過去に訪ロした田中首相、小沢一郎氏、鈴木宗男氏らが関係した個々の返還問題に触れ、日本政府は終始一貫4島一括返還以外は、ロシアとの返還交渉に応じないと断言した。傍から見ると外務省の立場は、いつもロシアの朝令暮改に振り回されているような気がしてならないのだが・・・・・・。

 外務省の立場からではなく、もう少し本音を言ってもらえればと感じたのはひとりよがりに過ぎるだろうか。

 終って八木哲郎・知研会長ともども久恒啓一教授の研究室へお邪魔していろいろ話を伺う。天井が高く広々とした部屋である。現在久恒教授が取り組んでいるのは、多摩大学を関係機関、施設を含めた「学びの志塾」と捉え、その全体像の図解作成であり、その啓蒙であるが、そのお考えをじっくり伺った。明るい展望を生き生きと語られた。

2008年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com