明日からプロ野球日本シリーズがセ・リーグの覇者・読売ジャイアンツと、パ・リークの覇者・埼玉西武ライオンズの間で行われる。両チームともそれぞれリーグのペナントレースを制覇し、クライマックス・シリーズを勝ち上って、リーグの代表になったことにほっとした。去年のようにセ・リーグ3位の中日ドラゴンズがクライマックス・シリーズを勝ちあがり、日本シリーズにも勝ってプロ野球界の覇者となったことに釈然としない感じを持ち、ペナントレースのあり方に不審を抱き、疑問を感じたからである。今年はどちらが勝っても、リーグの優勝チーム同士の戦いであり、日本一決定戦である日本シリーズの勝者として、名実ともに日本プロ野球界の覇者であるといって問題ない。
一方、アメリカのワールド・シリーズでは、ナショナル・リーグのチャンピォン、フィラデルフィア・フィリーズがアメリカン・リーグの覇者タンパ・ベイ・レイズを4勝1敗で破り、ワールドチャンピォンとなった。フィリーズについては、小さなことではあるが縁を感じることがある。フィラデルフィアがワールドシリーズで優勝したのは28年ぶりだそうだが、私がフィラデルフィアでフィリーズの試合を観たのは、ちょうどその頃だった。地元球場のレフト外野席で観戦したが、当時シンシナチ・レッズからやってきた3,000本安打のピート・ローズが人気絶頂で、打席に立ったり、ヘッドスライディングするたびに「ピ~!ピ~!」とファンが熱狂的に騒いでいたのが強く印象に残っている。そのピート・ローズもその後麻薬使用で心身ともにぼろぼろになり、石持て追われるが如く野球界を去り、英雄転じて犯罪人となったことが衝撃的であり、ひとつのドラマだった。
もうひとつは、フィリーズを優勝に導いたチャーリー・マニエル監督である。日本ではホームラン打者として活躍したが、話題の多い選手でチームワークより、個人行動に走る選手との認識があった。そのマニエル監督が日本の練習方法、選手とのコミュニケーションの取り方、野球への取り組み方を日本で学んだことが今回の優勝につながったと言っている。野球といえば当然アメリカが手本と考えられがちだが、どんな形であれ、基本的なことややるべきことはやはり評価されるべきだということを教えてくれているような気がする。
そのマニエル監督と横浜球場の試合後に、桜木町駅前でばったり会い、長男と一緒に写真に納まってもらった思い出がある。取るに足りないことだが、長男にとっても私にとっても不思議で愉快な思い出である。
今日は後々まで話題を呼びそうなことが2つもあった。ひとつは、日銀が金利を0.2%下げたことであり、実に7年半ぶりのことである。これで景気が何とか立ち直ればよいが・・・。
もうひとつは、田母神俊雄・航空自衛隊幕僚長が、政府の見解に反する論文を民間企業の懸賞論文に応募して公に発表し、今日付で更迭されたことである。航空自衛隊の制服組トップが卑しくも、先の大戦の責任は日本にはなく、濡れ衣であると喝破した。またも、今更との感がある。確信犯であり、開き直って持論を述べたようだが、こういう人物を今まで放って置いて最高位にまで昇進させる組織もおかしい。これから国内外各方面で非難の炎が上がるだろう。