257.2008年1月26日(土) 新風舎倒産にショック!

 新風舎が倒産して少々がっかりしている。一旦は民事再生法を申請して再建を模索していたが、結局申請を取り下げ再建は叶わなくなった。拙著「現代・海外武者修行のすすめ」は、知人の紹介で新風舎にお願いした経緯もあるが、幸い増刷して次に第三刷をしようというところまで来ていた。次の作品「停年オヤジの海外武者修行」にしても、前著とセットでシリーズ物として共同の販促を考えていた。前著は、手前味噌だが内容的に割合高い評価をいただき、帯表紙には小中陽太郎氏の推薦文をいただいた。新宿三省堂書店では長い間平積み2段にして、著者紹介まで表に出して販売に協力してくれた。冒険作家・椎名誠氏はわざわざ丁重な書簡をくれ、「・・・いやはや本当に面白い!! ものすごい冒険家ですね。映画を見ているようですっかり没入しました。いまの日本の若者すべてに読ませたいと思いました。私もハップンしております」とまで言っていただいた。新風舎でも次回作品を期待してくれていただけに残念で、無念やるかたない気持ちである。

 そもそも今回の倒産劇は、自費出版した人とのトラブルによる裁判沙汰が大きく報道され、信用を失墜し急激に営業不振に陥ったのが最大の原因である。しかし、経営者側もただ漫然としているだけで他に落ち度はなかったか。経営面でせっかく発売した売れ筋の良書の販促に全力を傾けなかった、営業会社としての怠惰な体質があったように思う。絵本や、詩集等で数々の良書を出版していただけに、実に惜しまれてならない。特に、力を入れて協力してくれた詩人の谷川俊太郎氏や、江川紹子氏は失望していると思う。

 残念だが、次の拙著上梓のために、改めて別の出版社に当たらなければならない。前著は絶版となるので、若干手元にキープしておきたいと考えていたところ、過日新風舎から連絡があり、在庫処分のため、定価の四掛けで販売するという。これが、民事再生法を申請していたころの話である。在庫は残り199冊しかないとのことだったので、全部引き取ることにした。そして、数日後民事再生法を取り下げた時点で破産となり、新風舎では四掛けから二掛けへプライスダウンしたと連絡をもらった。結局定価1,600円(税別)を、320円で引き取ることで合意した。そして、今日199冊を送り届けてきた。安く引き取れたのは有難いが、自著の価値も下がったような気がして、いささか複雑な気持ちである。

 今朝の日経紙の最終頁「文化」欄に、日経文化部多田明記者の「自費出版拡大のひずみ」-大手相次ぎ破綻、問われる信用-と題して、書籍販売数減少下にも関わらず自費出版ブームは過熱気味で、今後も同種のトラブル発生に注意するよう警告を発している。

 今回の破産騒ぎで私自身に物質的な損害は一切ない。しかし、気持ちよく新風舎とコミュニケーションを保持していただけに、降って沸いたようなハップニングはショックだった。気持ちを切り替えてそろそろ次の上梓に向けて動こうと思っている。

2008年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

256.2008年1月25日(金) 深海のロマン

 不思議なことが起こるものだなあと感じた。今日新聞やテレビでも好感を持って伝えられたニュースである。今から15年前に川崎市内の小学校開校120周年記念として全校児童1,000名が手紙を風船につけて空へ飛ばした。そのうち1通の手紙が、驚いたことに海底1,000mから見つかった。しかも千葉県銚子市の漁船が底引き網で体調50cmほどのサメガレイを引き上げた時に、その背に針と糸が引っかかって付着していたというから手が込んでいる。

 まれに見る珍事で、釣り上げた漁師も、手紙を書いた当時1年生だった女児も驚いていた。女児は今や大学生に成長していて、自分の手紙がこういう形で戻ってきたことに感激していた。ちょっと好いニュースで各テレビ局でも再三繰り返して報道していた。

 それにしても15年前の手紙がほとんど劣化することもなく、文字もはっきり判読出来て書き手の元へ戻ってくるような奇跡が起きるとは想像出来ない。いろいろ想像するとイメージは止め処もなく広がっていく。専門家が解説していたが、獲れた魚の種類がよかったそうだ。鱗が粘着質であることが幸いしたらしい。見つかった場所が何と川崎市から遥かに離れた、銚子市の犬吠埼南東45km沖の水深1,000mというのだから、幸運に幸運が重なったとしか思えない。中々好い話である。

 一方、NHKの夜のニュースで、東京湾の深海の映像を見せてくれた。東京湾出入り口の深いところに約1,000mの深海があり、そこに生息する珍しい魚介類を紹介していた。偶々女子児童の手紙と関連づけて何となく海のどこまでも広がる青い海のイメージが甦ってくる。NHKは今日から新しい会長が就任したが、こういう海や、先日放送された月から見た地球の映像のような、夢を抱かせる素晴らしい番組を放映してくれるよう望みたい。

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255.2008年1月24日(木) 新聞連載小説は面白いか。

 新聞連載小説をある面で楽しみにしている。朝日と日経を購読しているので、朝夕刊を併せると毎日4つの連載を読んでいることになる。中には、興味津々で翌日の続きを期待して待つこともある。ところが、全然面白くもなくおかしくもなく、実にくだらないと思えるような連載もあって、根気強く毎日読み続けている内についにさじを投げ出してしまうものもあり、それぞれ千差万別、玉石混交である。

 朝日と日経の小説を読み比べてみると最近では、断然日経に軍配を上げたくなる。最近の朝日はどうしてこうもつまらない小説を、次から次へと連載するのか。選び出す眼力がなくなったのではないだろうか。選出する編集責任者の慧眼に衰えが見えるのだろうか。まだ読んでもいない作品を採用する根拠は何なのだろうか。つまらない小説は、一般にストーリー性がない。漫画的幼児的、荒唐無稽、面白くない、感動を呼ばない、話の筋に一貫性がない、深みがない、等々に大体途中でギブアップしてしまう。作者は割合今風の売れっ子なのに、どうしてこうもつまらないのだろう。作者の売り込みとか、最近のネームバリューに負けたのだろう。

 その点で日経の小説の方が面白い。ただ今朝刊に連載中で、明治時代に賭場の抗争の末に台湾に流れ落ち、故郷九州を想いながら働く主人公を、鉄火女の妻や周囲の人物像とともに描いた、北方謙三の「望郷の道」にしろ、或いは、亡くなった画家の絵をめぐり、未亡人と出版社のやりとりを画家の故郷を背景に情感を込めて描く、夕刊連載篠田節子の「薄暮」にしろ、話の設定もよく出来ていて骨太く、考えさせられ興味もそそられる。流石に大御所の作品である。

 一方、最近の朝日の連載小説は、何とか読んでいるという感じであるが、それでも今の朝夕刊の2つの作品は、つまらない。夕刊連載の長嶋有の「ねたあとに」は読むのを止めてしまった。朝刊島田雅彦の「徒然王子」も今のところあまり読みたいという意欲を掻き立ててくれない。先日連載を終えた夢枕獏の「宿神」が、前半の話の展開から後半に期待をさせてくれたのだが、「あっと驚く為五郎」式に一気に完結となってしまった。後半の重要ストーリーをカットしたからだ。平清盛と西行法師の友情という珍しい組み合わせや、清盛の成長過程で武士と僧侶、公家のからみがどんな展開になるか期待していたところ、あっという間に何十年の月日が流れ、西行は浄土寸前の年齢に達し、清盛はすでに死んだというあまりのスピーディな展開には、呆気にとられた。肝心要の箇所で、期待していた内容が欠け落ちていますよと言いたいところが、案の定今日の朝日夕刊によると作者は、この点を充分承知したうえで別途清盛編を書くという。「書ききれぬ部分が残ってしまった。それは、たとえば‘清盛編’とでも言うべき部分であり、もっとわかり表現するなら、世に言うところの『平家物語』まるまるひとつ分である。あの『平家物語』の中で、清盛と西行がどのように生きたのか。あらためて、これを朝日新聞社の雑誌『一冊の本』で、連載させていただけることになった」。冗談じゃない。これまで熱心に読んでくれた読者を愚弄しているようなものだ。最初から新聞社と作家がグルになって新刊本として売りつけようとしているのではないか。大朝日も大朝日なら、作家も何を考えているのか。えらくせこいご時勢になった。

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254.2008年1月23日(水) ガソリン暫定税率はどうなるのか?

 今週の天気予報で今日は「雪」が予想されていたが、案の定今朝起きたら外はしんしんと雪が降っていた。辺りは銀世界で最近では珍しい。やはり日本の風景は古来花鳥風月がよく馴染んでいると思う。その中でも雪景色は日本の雅とか、わび、寂びの表現にぴったりである。

 さて、今通常国会で議論される中心テーマは何が何だかさっぱり分からない。ガソリンの暫定税率か、年金、医療、景気なのか。

 ガソリンの暫定税率は奇妙なことに、すでに34年間に亘り「暫定」が継続されている。本来ガソリン収入は税率云々より、それ自体が道路特定財源になっていることが、むしろ問題になっていた筈である。なぜガソリンだけ特別扱いしたのか。この特定財源は、いまや5兆6千億円の巨額に達していながら、一般会計に対する財政投融資と同じように国民の目にそれほど触れられていない。国民の目を逃れながら、地方の道路財源を主に、要らない箱物を作る財源ともなっている。隠し玉みたいなものだ。いま急に表舞台に飛び出したガソリン減税を、どうしようとしているのか。ガソリン税暫定税率を延長しようというのか。これだけマス・メディアが報道するなら、敢えて他の税法と一緒にセットで法案を通すことも問題ではないだろうか。暫定税率廃止を声高に国民に訴えている民主党内も賛否両論で、中には政府案に賛成の民主党員もぞろぞろ現れてきた。同じ党内で喧々諤々の議論を戦わすのなら結構であるが、そういう過程を省略して一方的に国民の人気稼ぎに夢物語を発表されても困る。もうひとつ、政府も他野党もガソリン税に関して、分かりやすい説明をする責任があるのではないだろうか。

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253.2008年1月22日(火) どうなる株式市場の行方

 ここまで株安が進行するかと思うほど株式市場の低落傾向はひどい。昨日の東京株式市場の日経平均終値は、驚いたことに前週末比535.35円安の13,325.94円となり、2年3ヶ月ぶりの安値となった。それにも関わらず、今日も昨日に続き株価は下げ続け、対前日比752.89円のダウンで、日経平均は何と12,573.05円まで下がってしまった。私の経験上これまで1日でこれだけ下がったのを聞いたことがない。昨日と今日のたった2日間で1,288円も下げ、年初以来の値下げ幅は、実に2,700円を超えている。今日の夕刊各紙は申し合わせてように、東証13,000円割れをトップ記事で報道している。

 この惨状に対して、例によって福田首相の今日のコメントは「米経済の下ぶれリスクや金融資本市場の変動、原油価格の高騰などがわが国経済に与える影響を充分に注視していく必要がある」と、相変わらずノー天気で新たな金融政策を打ち出す気持ちはないようだ。もっとも昨日、この株安傾向に対して「福田政権になって具体的な金融政策が打ち出されないことが、原因のひとつではないかという専門家がいる」との質問を受けた首相は、「そういう専門家はいますか。いればお会いしたい」とまるで意に介していない。また、自民党伊吹幹事長も記者会見で「福田首相が経済・金融政策をよく分析していないとの声がありますが・・・」と同じような質問を受けて、「そういうあなたの分析がおかしい」と大物ぶり?を発揮している。また、担当の額賀財務相もいまは一喜一憂すべき時ではないとつれない応答である。

 いよいよこれでは日本の政治と金融政策はダメになるということを痛感する。いま咄嗟にどうすればよいかと聞かれれば考えあぐねてしまうが、大きな要因として、①米金融筋の信用不安、②外為市場の円高とドル安、があると言われている。そうだとするなら、当分この泥沼から抜け出ることは出来まい。多少株式を所有している身としては、これから先も気のもめることである。

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252.2008年1月21日(月) 心配な日本外交の将来

 「論座」2月号に中々秀逸な論文が載っている。戦後の日本外交が辿ったトレースと未来展望を分析したものだ。「日本外交を構想する」と題して、添谷芳秀慶大東アジア研究所長が寄稿したものである。論点は二つある。日本外交のスタンスに観念論が左右しているということと、日本の外交機軸は米中ロの谷間の存在ではなく、それらに捉われない、アセアン、豪州、韓国に軸足を置くべきであると提唱している。吉田外交の平和憲法による武力放棄を、何とか日米安保で下支えしてきた矛盾の経緯についても触れており、大筋で同感出来るもので内容的にも読み応えがある。

 これを読んでいると外交官は単なる職業外交官というわけではなく、政治力、先見性、教養、コミュニケーション力も持たなければ、国家の過ちに加担することになると示唆している。そのためには外交官は、平素から生きた正確な情報収集のために、現地の人と幅広く、ポジティブに接触する努力を怠ってはならない。

 どうも日本の外交官は、情報はパーティで入手するものだと思っている節がある。迫力も泥臭さもまるでない。特に地位が上がるにつれてそういう傾向がある。同誌上の「歴代の駐日英国公使1859-1972」書評欄にも書かれているが、「東京に駐在する外交官の中で日本の悪口ばかり言う人がいる。彼らはたいてい日本人の友人がいない」。これは、日本人外交官にとっても反面教師であって、引っ込み思案の日本人外交官には、プロトコールばかり気にして尊大なエリート意識が強い人が多く、現地の人たちとのコミュニケーションが少ない。その点では、賛否はあるが、ある面で外務ノンキャリア官僚の佐藤優氏のように、相手国の言葉を話せて酒も強く、どんな人とも対等に付き合い人脈を構築し、相手の懐に飛び込んで情報を手繰り寄せる、図太さがある面では必要である。場合によっては、「清濁合わせ呑む」度量も必要ではないか。

 日本の外交官は昇進の階段を昇るにつれて、自分の経歴に傷がつかないよう大胆な行動を慎む傾向がある。しかも、上に行くに従って赴任地における直近の勤務経験がない。情報を取るべき相手国の要人との間に緊密な人脈が構築されていない。自然に情報収集は部下任せになる。これでは自分の直感や判断力が鈍って、独自の構想もまとまらないし、まったく外交面で力を発揮することは出来ないだろう。日本では一番重要な外交と防衛が弱々しいひよこなのだ。とても、したたかな一等国の外交官と太刀打ち出来るわけがない。日本には、まだ鎖国時代のトラウマが残っている。

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251.2008年1月20日(日) 愚かな政治家を何とかして追放しよう。

 一昨日通常国会が開幕した。福田首相の所信表明演説の評判があまり良くない。ねじれ国会で中々思うように政治が機能せず、つい野党・民主党に遠慮する意見しか「言わず」、「出来ず」で、世論の支持率も就任当初に比べてぐんと下がった。所信表明演説でもやたらに「国民のために・・・」という表現が目立つばかりで、言葉だけが宙に浮き本当に国民のことを考えているという気持ちがメッセージとして伝わってこない。国民に伝える政治家の伝達力が完全に衰えている。これでは「もうこれ以上は出来ません」とばかり無能ぶりをさらけ出し、政権を放り出した「長州のバカ殿様」、安倍晋三前首相と大して変わらないではないか。

 先日衆議院で与党が三分の二条項を使って新テロ法を採決した際、肝心の採決直前になって野党第1党の民主党小沢一郎党首が一票を投じることなく議場を去り、大阪府知事選の応援に駆けつけ物議を醸した。これを見ていると、焚き火をしていて火事になると慌てて逃げる子どもみたいで、この小沢という人間の無責任さには呆れるばかりだ。当然他政党や良識派の同党議員の間から批判的な声が上がり、罪の意識を感じた鳩山民主党幹事長が謝罪する一幕があった。民主党内もバラバラで分裂寸前を思わせる。それでいてご本人の小沢党首は、非難をまったく意に介さず居直り会見をして、新テロ法は国民のためにも、民主党のためにもそれほど重要とは思っていないと、この期に及んですごんで見せる。仮にそうだとするなら、新法案を国会に提案するまでもないではないか。ならば、それまでの新テロ法案騒ぎは何だったのかと問いたい。小沢氏の政治感覚とバランス感覚は少し狂っているのではないか。

 こういう国民を舐めきった国会議員と称するアホな「地方大名」が、大きな顔をするから政治がだめになり、国家が崩壊し、いずれ国民が路頭に迷うことになる。早いうちに、政局に明け暮れるばかりで理念のない、福田、小沢、町村、石破、両中川、麻生ら政界を牛耳る世襲議員連中を、何とかして締め出す方策を考えないと国民が、彼らの食い物にされるだけだ。

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250.2008年1月19日(土) 怖い高山病対策

 昨日の日経夕刊に「中国『秘境の旅』潜む危険」なる記事が掲載されていた。当初山深い奥地への旅のことではないかと思っていたら、副題に「高齢者らが高山病発症」と書かれていたので、ひょっとするとチベットを取り上げているのかも知れないと興味を持って目を通した。現地日本大使館の報告によれば、最近チベットを中心に高山病などで亡くなる日本人中高年旅行者が急増しているらしい。

 去年5月から10月までの僅か半年間に高山病などで死亡した日本人は、8人もいたというから驚いた。そのうち6人が60歳以上で、最高齢者は88歳だったというから怖い。やはり先日乗車した青藏鉄道が話題の中心になっている。この鉄道でチベットへ行く旅行者が増え続けている。チベット自治区は日本大使館に対して、旅行者が日程にもっと余裕を持つようにアドバイスしている。チベット旅行は基本的に高地旅行であり、高齢者の衰弱した肉体問題という以前に高山対策をないがしろにせず、予備知識を持たせることを求めているのだ。

 実際、先に参加したツアーでは毎日標高3,600m以上の土地を旅行したので、旅行会社では一人ひとりに毎日酸素缶1本とミネラルウォーター2本を配布して、それなりに旅行者に気を配っている。それでも19人の参加者のうち、6人が医者にかかったし、その中で5人が点滴を受けていた。添乗員に聞くと、今までのツアーでも参加者の約三分の一が医者にかかっていたというから、やはり普通のツアーとは大分違う。旅行会社としても、旅行者の健康問題を考慮すると、これまでのように健康管理は旅行者自身で気をつけるというだけでは済まないように思う。

 私自身体調を崩すということはなかったが、2つの点で今更ながら高地にいるということを再認識させられた。ひとつは、持参した血圧計で毎日計測していたが、血圧は若干高めという程度で特に問題になることはなかった。しかし、驚いたことに脈拍数が平常値の2倍に上がった。普段60前後の脈拍数が120近くにまで上がったのである。もうひとつは、外へ露出している肌の荒れ方が尋常ではなかったことだ。毎日ハンドクリームを塗っていたが、両手10本の指先がすべてひび割れ、あかぎれ状態になった。こんなことは今までなかった。いずれの異常な状態もチベットから北京へ到着した途端元へ戻った。滞在中は、酒と熱い湯は慎むように言われたが、賢明だったかも知れない。

 この計測した数値をグラフにして旅行会社に参考資料として提供して、今後のツアー手配と管理に役立ててもらいたいと思っている。それにしても、68~75歳の賢明な知人はツアーにお誘いした時、行ってみたいが高山病が気になるので遠慮したいと言った。もし、参加していれば健康を害したかも知れず、止めた理由が納得出来る。

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249.2008年1月18日(金) 「選択」誌の訂正公告

 昨年12月以来、選択出版社との間で月刊誌「選択」12月号掲載の写真取り違いの件で小さな立ち回りを演じていた。こともあろうに次期ロシア大統領と目されているメドベージェフ氏の写真を、別人の写真を使用した大失態について同社に指摘し、正式に訂正すべきではないかと申し入れを行った件である。それに対して編集部の名無しの権兵衛氏から1月号に訂正すると言ってきたが、その文言が1月号にどうしても見つからないことに対する不審を問い質した。

 今日になって漸く同誌編集長惠志泰成氏より署名入りの回答書を受け取った。返答の催促を含め、当方4通の手紙に対してやっと責任ある立場の人物から回答を得たというところだ。私が手紙を宛てた人物は編集人と称していて、ついに返事はもらえなかった。その理由とは驚いたことに、業務の多忙もあるが、本職以外の大学の講義で返事を書く時間がなかった。また、3月一杯で退職する予定とのことだった。少々呆れている。こういう無駄なやりとりをしていると、会社の組織、人材、社員の能力、会社の責任感などが段々分かってくる。一応知りたいことの回答をもらったので、もうこれ以上当方の考えや、意見を言うつもりはない。1月号に訂正公告を掲載するとのことだった件については、掲載されていた。あまりの遠慮がちの訂正に私の方が見落としていたのだ。しかし、読者の指摘に対しては真摯に対応するような掲載の仕方にはまるでなっていない。掲載はこうなっていた。「●前号82ページの写真はメドベージェフ会長ではなくメドベージェフ副社長のものでした」とあった。随分簡単なものである。しかも私が3回ほど全ページを見返して見つけられなかったほど小さな文字(フォントは記事の半分の大きさ)で欄外の下部に認められていた。こういう表現の仕方を真摯に反省というのだろうか。私にはとても理解出来ない。まあこういう一般人の理解では図れないところが出版業界の「常識」なのだろう。いずれにしろ、論理的に正論を伝えても責任逃れをしようとの本音がどうしても透けて見える。これは、今や日本社会が重症に陥っていてどうしようもないところまで来てしまった現実を、出版業界が示してくれたひとつのサンプルではないか。読者(消費者)から指摘された誤りは、出来るだけ早い内に謙虚に誤りと認め訂正することが求められるのではないか。こんな商道徳上当たり前のことが出版業界には出来ない。嘆かわしいことである。

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248.2008年1月17日(木) 阪神淡路大震災から13年

 早いもので阪神淡路大震災から今日で13年になる。神戸ではいろいろな行事が行われたようだ。テレビでも神戸の様子をいろんな角度から伝えていたが、私には実体験がないので恐怖の臨場感は分からない。しかし、1999年8月にトルコで大地震に遭遇した時は現場にいて、腰を抜かさんばかりにびっくりした。阪神大震災だって、朝起きた時テレビ画面から煙の立ち上がる光景を見た時の驚きは、忘れようにも忘れられない。その晩のことだった。突然地球の裏側の、リオ・デ・ジャネイロの友人、アリンド・フルタードさんから電話があった。「神戸の震災をニュースで知った。セツオの家族は東京だから大丈夫だと思うが、神戸の友人は大丈夫か?」と知り合いの中に震災による被害者がいないかどうかを心配してくれて、わざわざ国際電話で尋ねてくれたものだ。神戸に知り合いはいないので、被害者はいないと伝えたら、安心して直ぐ電話を切ったが、こういうところまで細かく気を遣ってくれる外国人の友情に感激したものだ。

 午後、池袋にある東京交通短期大学を訪ねた。会社勤めのころに、部下だった桑原賢二さんから外部特別講師として講義してもらえないかと先日電話があり、その打ち合わせに出かけた。私が会社を辞めてから、彼はリストラされ、随分苦労したがこの短大に就職関係の事務職ということで職を見つけ、現在では講義を持ち助教(准教授の一方手前)として堂々活躍してくれている。喜んで引き受けることにしたが、こういう形で元の部下が頑張っている様子を見るのは嬉しいものである。彼の元気溌剌とした顔色を見ていると、水を得た魚のようである。日時は短大に委ねてあるが、彼のためにも期待に応えてあげて良い講義をしてあげたいと思う。

 夕方には、渋谷で山崎洋さんと再び会った。いつも日本に帰ってくるとお互いに旧交を温めながら、情報交換をしているが、山崎さんとの話はリベラルな話が中心になって、いろんな意味で触発される。聞けば、先日父上の遺骨を戦火で見失った場所が判明したとのことだったが、その場所、世田谷キリスト教会庭園で土を採取し、翌日富士霊園の両親の墓へ納めたそうである。波乱万丈の生涯を送られたご両親も喜んでおられるのではないだろうか。

 また、山崎さんから小田実さんに関する個人的な話も聞いた。1990年以前にミロシェビッチ大統領に対する反対デモがあった頃、ベオグラードで彼は小田さんを諌めたそうである。小田さんは一丁やるかと勢い込んでいたそうだが、山崎さんは、その当時のデモは学生主体でアメリカやNATOに支援されたものだから、これに労働者でも合流すれば基盤が出来るが、学生だけの反対デモではいずれ終息すると小田さんを止めたそうである。これも面白い話だ。山崎さんも小田さんを説教するんだから大したものだ。夕食は3時間以上に亘って日本酒とウナギで大いに盛り上がった。

2008年1月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com