249.2008年1月18日(金) 「選択」誌の訂正公告

 昨年12月以来、選択出版社との間で月刊誌「選択」12月号掲載の写真取り違いの件で小さな立ち回りを演じていた。こともあろうに次期ロシア大統領と目されているメドベージェフ氏の写真を、別人の写真を使用した大失態について同社に指摘し、正式に訂正すべきではないかと申し入れを行った件である。それに対して編集部の名無しの権兵衛氏から1月号に訂正すると言ってきたが、その文言が1月号にどうしても見つからないことに対する不審を問い質した。

 今日になって漸く同誌編集長惠志泰成氏より署名入りの回答書を受け取った。返答の催促を含め、当方4通の手紙に対してやっと責任ある立場の人物から回答を得たというところだ。私が手紙を宛てた人物は編集人と称していて、ついに返事はもらえなかった。その理由とは驚いたことに、業務の多忙もあるが、本職以外の大学の講義で返事を書く時間がなかった。また、3月一杯で退職する予定とのことだった。少々呆れている。こういう無駄なやりとりをしていると、会社の組織、人材、社員の能力、会社の責任感などが段々分かってくる。一応知りたいことの回答をもらったので、もうこれ以上当方の考えや、意見を言うつもりはない。1月号に訂正公告を掲載するとのことだった件については、掲載されていた。あまりの遠慮がちの訂正に私の方が見落としていたのだ。しかし、読者の指摘に対しては真摯に対応するような掲載の仕方にはまるでなっていない。掲載はこうなっていた。「●前号82ページの写真はメドベージェフ会長ではなくメドベージェフ副社長のものでした」とあった。随分簡単なものである。しかも私が3回ほど全ページを見返して見つけられなかったほど小さな文字(フォントは記事の半分の大きさ)で欄外の下部に認められていた。こういう表現の仕方を真摯に反省というのだろうか。私にはとても理解出来ない。まあこういう一般人の理解では図れないところが出版業界の「常識」なのだろう。いずれにしろ、論理的に正論を伝えても責任逃れをしようとの本音がどうしても透けて見える。これは、今や日本社会が重症に陥っていてどうしようもないところまで来てしまった現実を、出版業界が示してくれたひとつのサンプルではないか。読者(消費者)から指摘された誤りは、出来るだけ早い内に謙虚に誤りと認め訂正することが求められるのではないか。こんな商道徳上当たり前のことが出版業界には出来ない。嘆かわしいことである。

2008年1月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com