297.2008年3月6日(木) ヒラリー・クリントン氏の粘り腰

 アメリカ大統領選挙も、共和党はマケイン上院議員が代議員数の過半数を獲得して共和党の大統領候補に決定した。他方で民主党は益々先行きが分からなくなった。4日の大票田、テキサス州、オハイオ州を含む4州で予備選挙が行われ、クリントン氏は全敗なら候補撤退かと噂されていたが、大口テキサス、オハイオとロードアイランドで勝ち、極少バーモント州を失っただけだった。3勝1敗である。このところオバマ氏に対して9連敗だったが、愁眉を開いたとも言える。獲得代議員数では、オバマ氏1,451人に対してクリントン氏は1,365人で、まだまだ86名の差がある。しかし、このミニ・チューズディではクリントン氏が辛うじて持ち直したように見える。それでもアメリカの専門家筋は、流れは依然としてオバマ氏に傾いており、よほど効果的な逆転打がなければ、オバマ氏優位の流れのままゴールへ走るのではないかと予想している。この大接戦からすると、最終決定は、8月末の民主党全国大会まで持ち越されそうだ。

 われわれ外国人が羨ましく思うのは、各候補が大統領になったら自分ならこういう政策を実行するということを、具体的に、熱心に、真剣に国民に語りかけることである。しかも長い期間に亘り、マス・メディアを通して国民が判断する材料をふんだんに提供してくれる。各候補の熱意といい、ビジョンといい、話し方といい、まったく敬服するくらい説得力があり、国を託してもよいと思えるほどグラマラスである。演説の迫力と熱気、スピーチの巧さと雄弁さ、具体的なスピーチ内容、すべてがすべてとは言わないが、理想的だとすら思わされてしまう。

 それに引き換え、日本の首相ら政治家トップの迫力に欠ける言動はどうだろうか。国家、国民のための政治というより自己の利益と政治活動のための政治だけに没頭し、国民のことは完全に頭の中から消えている。政治体制の違いもあり、選挙制度が違うが、それにしても国政政治家というのは、理念と志をもって国家と国民のためにどれだけ奉仕することが出来るかにかかっているのである。

 少なくともアメリカの選挙には民主政治の匂いを嗅ぐことが出来る。わが国の政治家には失望しているが、アメリカの選挙を見ていると少しは救われる気がする。

2008年3月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

296.2008年3月5日(水) 東京湾アクアライン川崎側出口表示の不親切

 暖かい南房総の海岸沿いは可憐な春の花が有名で、最近ではTVの旅番組でもしばしば取り上げられている。昨年も南房総を訪れたが、時期的に可憐な花を見られなかったので、残念ながらベストシーズンとはいかなかった。1度お花が満開の季節に訪れてみたいと思い、今日妻と観光がてら車で出かけた。

 川崎から東京湾アクアラインを通り、房総半島の館山自動車道を南下して千倉町へ行くプランだったが、カーナビがヘソを曲げて言うことを聞かず、道路標識も分かりにくく、結果的に回り道をして漸く千倉町白津間のお花畑へ辿り着いた。流石にお花畑に植えられた、ポピー、キンギョソウ、菜の花等々が彩りも鮮やかに花盛りで、時期的にグッドタイミングだった。団体さんも観光バスでやってきていた。早速お花畑に入り、いくつか花束を買い、まずはドライブと花のページェントを楽しんできた。

 ところが、問題がひとつ見つかった。往路同様に帰路もアクアラインの「海ホタル」から海底トンネルを通って、川崎側の出口分岐点の看板表示が分かりにくく最悪であることに気づいた。実は昨年もトンネルを出る辺りから、分かりずらくて進路を見間違え往生した。今日は昨年の轍を踏むまいと心して道路標識を注視しながらドライブした。なぜ昨年あれほど迷ったのかと反省しながら現場に差し掛かった。そこで初歩的な看板の表示ミスに気づいた。

 川崎側出口の上部にランプで掲示された行き先表示と、その大分手前の2車線の路面に白色のペンキで書かれた表示が異なっているのだ。こんなお粗末なことがあるだろうか。分岐点のランプは、右は川崎方面、左は横浜・東京方面となっている。しかし、その手前路面上の表記では右車線は東京、左車線が横浜と大きく書かれている。「海ホタル」から進行してきた車は、まず道路上のサインに従い東京方面へ行く車は当然右車線を走る。ところが、分岐点へ来ると標識では左車線を走れと指示される。出口の分岐点で予定外のランプ表示を見てアレッと思っても咄嗟に左車線へ変更出来ず、また川崎から東京へ行けると思い込んだ車は、そのまま流れに乗って右車線から川崎市内へ出てしまうことも考えられる。

 しかし、最初から路面上にも右車線を川崎方面、左車線を横浜・東京と表記してくれれば混乱と間違いは起こらないのに、どうしてドライバーを悩ませる、こういう複雑怪奇な案内になるのだろうか。そして、これまで面食らったドライバーは相当数に上ると想像される。にも関わらず、この初歩的ミスが10年間も放置されているのだ。私自身は昨年の失敗を繰り返さないために、東京方面の路面表示を敢えて無視して左車線を走り、分岐点で予定通り「東京」方面の指示に従い、今回はスムーズに自宅へ戻ることが出来た。

 こんな初歩的な表示間違いを、開通10年にもなるというのに、なぜ未だに利用者を悩ませる表示のまま放置しているのか。初めて運転したドライバーを道に迷わせるためだけの不親切な表示を、早く訂正することは出来ないのか。

 一度管理会社になぜ高い利用料金を徴収していながら、こんな不親切な案内をいまも平気で続けている理由を尋ねてみたい。

2008年3月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

295.2008年3月4日(火) 三浦和義容疑者の裁判の行方は?

 先日ロス疑惑事件の三浦和義容疑者がサイパンで逮捕されたが、すでに日本では無罪が確定しており、同じ容疑で2度逮捕、訴追されることがあるのかと、昨日あたりマス・メディアが克明に報じていた。結審後に2度と同じ事件で訴追することはない「一事不再理」という社会通念が普遍的に通用するし、その方か筋が通っているというのがわれわれの解釈である。

 そもそもサイパンがアメリカの自治領であることを知らないで、今まで度々サイパンに行っていたとは、三浦の迂闊さと不注意さが信じられない。まさにこれまで世間を舐めきっていた三浦の「不徳の致すところ」だろう。このような三浦自身の軽率で無知な行動が騒ぎの発端であるが、ロス市警は確信を持って三浦をお縄頂戴としたようだ。確かに日本では無罪だが、属地主義を採っているアメリカにしてみると、国内法として充分立件出来ると踏んだようである。しかも、ロス市警が活動するカリフォルニア州法では、2004年にこの「一事不再理」を認めなくなった。この点でロス市警側と三浦側の解釈と言い分が対立する。ロス市警側はアメリカ国内で発生した事件であり、「一事不再理」なる法則もカリフォルニア州法にはいまはないと主張している。証拠は充分ありとして、三浦をサイパンからロスへ移送することを要求している。

 しかし、日本で無罪が確定したのが2003年であり、その後に採用されなくなった「一事不再理」だが、このケースでは一般的には有効であると考えられると思う。しかるに、「刑法では新法が優先する」との意見を述べる日本の専門家もいて、専門家の間でも法解釈が分かれるところである。つまり遡って裁判によって一旦下された無罪は有罪に、有罪は無罪に変えられる可能性があるという解釈も成り立つということだ。

 それにしてもロス疑惑事件の真相もよく分からないし、今度のサイパンにおける逮捕もなおよく分からない。この三浦先生もよく宿題を出してくれて、不勉強になったわれわれの尻を叩いてくれる。

 ともあれこの先の推移を注目しよう。

2008年3月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

294.2008年3月3日(月) 次期ロシア大統領はメドベージェフ副首相に

 プーチン現大統領の後ろ盾を得て、昨日の次期大統領選出選挙はやはりメドベージェフ氏の圧勝だった。得票率70%を上回るという化け物的数字だった。大国ロシアの大統領選挙とあって、さすがに今日は朝夕とも新聞紙上はトップ報道だった。しかし、どこかしらけた感じで、解説者は実に冷静に結果を分析していた。プーチン路線継承、有権者に選択の余地なし、「禅譲」追認の儀式、等々メドベージェフ氏の能力とか、可能性を評価するものでなく、プーチンの黒衣に徹する大統領とまで言われて、今後どれだけ独自色を出すことが出来るだろうか。選挙自体は完全に出来レースで、プーチンの一声で決まったと言ってもいい。プーチンとしては手なずけていた、後輩で何でも言うことを聴く可愛い奴だった。何だか、大学の体育会的組織に見えてしようがない。プーチンが部を仕切る親分肌のボスで、茶坊主のようにまつわりついているのが下級生メドベージェフという構図である。お手並み拝見であるが、世界の大国のトップ人事が、こんな体育会的な組織のような決め方でいいんでしょうかと聞いてみたい。これではロシアの民主化なんて遥か先の話だろう。そこに行き着くまでに何度ゆり戻しが来ることだろうか。

 それにしても、国内に多くの資源エネルギーが埋蔵されている国家は、自力で努力しなくても自然に懐に資金が入ってくるだけに、国家を統治するトップ政治家にとってはこんなにラッキーで恵まれていることはない。財政は安定するし、大胆な経済政策を思い切って実行出来る。それがすべて自分の実績になる。わが国の世襲代議士の幸運度とどこか似ていやしないか。

 こんな盛り上がらない最高権力者選出選挙は、好い加減にしてもらいたい。その点、アメリカの大統領選挙は分かりにくいが、国民が真剣にリーダーを観察し熟慮して選んでいるという気がする。国際社会でいま失点続きのアメリカではあるが、民主的という観点では、ロシアとは比較にならない。そのアメリカ大統領選挙の民主党候補の戦いは、いよいよ佳境に入ってきた。

 明日4日は、テキサス州とオハイオ州で予備選挙が行われるが、この結果次第では帰趨が決まりそうな雲行きになってきた。クリントンと出るか、オバマと出るか。

2008年3月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

293.2008年3月2日(日) ロシア大統領選挙は一体何のために?

 先日韓国の大統領選挙で李明博氏が当選した。新大統領は大阪生まれで戦後母国に帰り、苦労の末に現代自動車の社長を務め、その後ソウル市長となって市財政立て直しをやり遂げた立志伝中の人物と言われる。北朝鮮に対しても、北が核装置停止を実行したうえで、是々非々の立場をとるとの姿勢を示し、前ノ・ム・ヒョン大統領の南北融和政策とはかなり考え方や路線が異なるようである。

 アメリカはいま選挙戦の真っ最中で、民主党ではこれまで優勢と見られていたヒラリー・クリントン候補に対して、最近の9連勝によって逆にバラク・オバマ候補が一歩リードし、4日の大票田テキサス州の予備選挙の結果次第では、ある程度この先が読める流れになってきた。

 さて、問題はロシアである。ロシアでは今日が大統領選挙投票日であるが、国民の意向を長期間に亘り広く掬い上げるアメリカ大統領選挙とは大違いで、すでに人気磐石のプーチン大統領の後継者指名により、メドベージェフ副首相の圧勝が予想されている。メドベージェフ氏が大統領になってもプーチンが後見役として首相になるシナリオから、プーチン首相が背後で操る院政が当然予想される。権力強大化、独裁制の歯止めのためにアメリカ同様、大統領任期は2期8年までと憲法で規定されているにも関わらず、合法的にその裏をかき共和制から議院内閣制に形を変え、名前も「大統領」から「首相」に変えただけで、ロシアの支配体制は実質的には変わらない。これでは大統領選挙なんか行う必要がないではないか。よくもまあ、こんなえげつない仕組みを考え出すものだ。民主主義政治を施行するために作り上げた制度、法律を国家の最高責任者たる者が自分の権力欲でいとも簡単に骨抜きにしてしまう国家、それを許し有難がるような国民とは一体国家にいかなる理念を求め、どういう国家を希求して生きようとするのか。

 偶々今NHK教育番組で、ドストイェフスキー著「カラマーゾフの兄弟」を新訳版でヒットした亀山郁夫・東京外国語大学学長が、ロシア人女流文学者に尋ねていた。彼女のコメントは90年代に自由を得たロシア人は、その後経済的に苦しんだ。今日資源エネルギーにより国家の経済的立場は回復し強固になったが、ロシア人は一旦自由を得て味わった苦衷の経験から、必ずしも民主主義的自由が良いとも思わず、反ってある程度の規制、国家管理の方に賛同するということであった。なるほどこういう考え方もあるのだと思い、帝政、革命、共産主義、ペレストロイカ、どん底自由経済を経て歴史の変遷に翻弄されたロシア人のニヒリズムを感じた。

 昨年のフランス大統領選挙、先日のパキスタン国民選挙が大分派手に報道されたのに引き比べて、今日一日中ロシア大統領選挙に関する速報がなかった。ニュースバリューがないのだろう。

2008年3月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

292.2008年3月1日(土) 国会議員選出について提言

 昨日の国会審議をしばらく見ていて呆れた。国会議員の程度の低いのは、いまに始まったことではないが、未だにこの程度かと思うと情けなくなる。いま議題になっているのは、新年度予算案、ガソリン税の暫定税率延長等の税制改正関連法案、そして予算委員会のイージス艦と漁船衝突事故に関わるドタバタ議論である。

 特にイージス艦事故に関する福岡県選出自民党M議員と石破防衛相のやりとりは、石破大臣はともかく、質問内容以前に質問するM議員の言語不明瞭、間合いの悪さ、繋ぎ言葉「え~」の多さ、等々あまりの不慣れと無様さには、これが代議士生活10年以上の議員の質問かと信じられない気持ちである。この程度でも地元では人気?があって当選するのだが、とても国政を委ねる能力も資格もない。国会も落ちたものである。

 そろそろ程度の低い国会議員が選ばれる現状のシステム改革を検討し、能力のない国会議員を排除することを真剣に考えるべき時である。迷惑を蒙るのは国民である。そのための私案としてさし当って、①世襲議員をなくす(減らす)こと、②いきなり国会議員ではなく、一定期間(4~8年)地方議員(県会、市町村議会議員)の経験を積んで国政の場へ進出すること、を提言したい。

 前出のM代議士と石破大臣の2人は、ともに世襲議員である。大臣は防衛に関しては国会議員の中で最も精通していると言われているが、父親の地盤をそっくり受け継いで国会議員になっただけに、苦労知らずで甘やかされてきた。その証拠に、少々気に入らない質問をされるとすぐ興奮しかっとなる。こんな性格では国防の責任者として、不適格ではないかと危惧する。一方のM代議士の如きは、やはり父の財産をそっくり継承したボンボンで、世間知らずで質問の要旨から推して平素勉強しているとはとても思えない。こういう人物が単に父親が偉かった?というだけで、簡単に代議士になれるカラクリがおかしい。世襲議員は、父乃至身内の地盤を世襲して、そのまま立候補することを4~8年間一時的に凍結することを提案したい。理由は、他候補と比べて最初から当選が期待出来る地盤をそっくり継承出来るのは、憲法が保障する国民すべてが「平等」に反することである。被選挙権を制限することが不平等という反論に対しては、世襲選挙区以外なら被選挙権を認めるので不平等とは言えまい。

 もう1点、国会議員へのステップとして地方議員としての経験、特に地方行政のあり方を一定期間学んだ後で、国政の場へ参画するルートが確立されることが望ましいと考えている。現状では、ちょっと名前が売れたり、小泉チルドレンのようにチャンスと運さえあれば、国政に熱意が薄くても国会議員になり、甘い汁を吸うことが出来る。やはり、国会議員選出のシステムを国民みんなで考えてみる必要があると思う。

 あまりにも程度の低い国会議員が多すぎ、彼らが国民を舐めて、真面目に国政に奉仕しようとの気持ちが薄過ぎることが、われわれ有権者にとっては我慢ならないのである。

2008年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

291.2008年2月29日(金) ホームページの一部変更プラン

 予定通り今日もパソコン(PC)の講習を受けに行った。毎週個人レッスンを受けるようになってからもう2年余が経った。PCに向かうことが日常業務となり、夢中になり過ぎて姿勢も悪くなり、健康にも良くないのではと妻は心配する。

 当初は自分が各種の講師を務めるに当り、何としてもパワーポイントのテクニックを学ぶ必要を痛感したのがきっかけだ。幸い近所に格好のPC教室を見つけ、約1年近くをパワーポイントの研修に充ててきた。ある程度出来るようになり、その後PC講師のアドバイスによってホームページ(HP)作りに取り組み出した。最初からいずれ自分の仕事を続けていくうえで、絶対自分のHPを持って上手に活用すべきだと考えていたが、HP作りなんか素人には無理で、いずれ外注して公開しようと思っていた。しかし、PC講師からHP作りはそれほど難しくないし、コンテンツが豊富だから自分の思うように個性的なHPを作った方がよいのではないかと励まされ、自前のHP作りをスタートさせることにした。

 昨年5月に、半製品ながらそのHPを何とか公開して友人や知人に見てもらっている。ほとんどお世辞だと思うが、結構誉めてくれる。つい猿も木に登る。当初目指した毎日書き込むブログ「ご意見番の意見」は、今日まで291日間書き続けている。大体ペースに慣れて、毎日自分の意見を公表出来ることに意欲と快感を憶えるようになった。ブログは、私なりに感じたことをいままで通り毎日書き続けていきたい。

 いま取りかかっているのは、「カメラ自分史」を作り直すことであるが、手元の記念的な写真を時系列的に並べて、自分自身プライバシーを含め、もっと広く分かってもらいたいと思っている。そのファイル作りで新しい技術的な方法が素人には難しく、一寸時間がかかりそうだ。ただ、自分の人生を写真で紹介することは文章だけでなく、外見を知ってもらえるので、何とか近いうちに友人たちに「ほうっ!」と感じてもらえるようなものにしたい。副題「ゆりかごから墓場まで」として、初節句から昨年12月に開眼法要した自分の生前墓や、祖父母あたりまで入れてみるつもりだ。どんなものになるか、自分でも楽しみになってきた。

2008年2月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

290.2008年2月28日(木) 壊れた日本の政治と外交

 一昨日国連のビルマ担当特使として活動する、ガンバリ国連事務総長特別顧問が日本に立ち寄った。日本政府はガンバリ氏がビルマの貧困支援プロジェクト「ナショナル・エコノミック・フォーラム」をプロモートしようとするのを、何とか主役ではなく補佐役としてお手伝いしようとしている。表立って行動するのではなく、少々お手伝いしてプロジェクトに関わったという実績とグラフィティが欲しいのである。

 昨日はNHKのインタビューに応じた、イランのアラグチ新駐日大使が日本に対して、アメリカへ日本独自の意見を述べてアメリカに助言して欲しい、日本にはそれが出来るはずだと注文をつけた。いままたイスラエルのオルメルト首相がこの時期に来日中である。どうも何らかの目的や意図を持って来ている筈である。自国が核を所有していながら、同じく核保有している北朝鮮を批判して拉致問題が行き詰まっている日本の賛意を得ようとの魂胆がミエミエである。みな自分の理念とか、哲学、信念、或いは利便のために独善的な行動をとる。当然国際外交はきれいごとではなく、打算的で功利的である。にも拘らず、そういう根源的で肝心なことが日本の政治家や外交官には分かっていない。日本のリーダーたるべき人たちの行動力学はどこかおかしい。なぜ日本人として独自の考えで、多少強引でもイニシアチブを握って行動しようとしないのか。あくの強いロシア、中国、北朝鮮のパフォーマンスを反面教師として少しは学んではどうか。

 日本の周辺諸国を見てみると、将来が明るく見える国々は、自主的な外交を積極的に行っている。しかもトップがトップの考えで行動している。

 一方日本政府はどうか。はっきり言えることは、自ら動こうとしないということである。センスも行動力も情熱もない。そのうえ、どこの組織もヒエラルキーが出来ていて突出した行動が出来ないような仕組みになっていてがんじがらめである。いつも他国の動きを見て、付和雷同するか、傷がつかない無難な意見に同調する。だから、主体性とか、独自の考えがその行動に反映されることはない。自然と国際社会における日本の存在感自体が薄くなる。

 現状のままでいたら、日本の政治や外交はまったく力が出ないまま自滅し、内部崩壊してしまう。それは、政治が機能しなくなり、国内のすべての分野でしまりのないだらしのない状態、つまり法律はあるが無法社会のような社会になり、外交面では諸外国の言いなりで、国家間の話し合いはすべて相手国の言いなりになる恐れがある。

 ではどうすればよいか。アイディアはいくらでも考えられる。ただ、いまの日本、政治家がまったく機能不全に陥っている社会では受け入れてもらえないだろう。残念だが・・・。

2008年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

289.2008年2月27日(水) 確定申告に相変わらずの不親切

 確定申告シーズンに入り、例年通り送付された書類と昨年の控えを手元に記入準備を始めたところ、どうも申告書類が違うようだ。よく見てみたら「書式B」が封入されている。来年からは個人事業主の申告をするので、その場合はそれでよいのだろうが、今年は例年通り「書式A」で申請する筈で、なぜ書類が間違って送付されてきたのか分からない。この書類では申告出来ない。所轄の玉川税務署へはいくら電話しても話し中で埒が明かず、止むを得ず国税庁税務相談室世田谷支所へかけてみるが、案の定ここもつながらない。いま最も多忙な時期の税務署だから分からないこともないが、何度トライしてもつながらない。これでは税務相談室の電話番号をPRする意味がない。何とか国税庁のHPから申告用紙「書式A」をダウンロードして下書きをしたが、このプリントを提出することが可能なのかどうかも聞けない。役所だからサービスの悪いのは、最初から諦めているが、電話回線を増やすなりして、簡単に問い合わせることは出来ないものか。山手線の電車の最前部と最後部に大きな4文字、「確定申告」と書き、車体にはe-Taxの広告を貼り付けて走っているが、もうちょっと納税意欲を喚起する気のきいた手段を考えたらどうか。お役人天国の国民無視、納税者軽視には文句を言う気にもならない。いつまで待っても役人につける薬は開発されないか。

 折も折今朝の日経紙は「なぜ日本は失敗し続けるのか」とのタイトルで「ニッポンの停滞・元凶は政治家」と糾弾し、「改正建築基準法による住宅着工大幅減など官僚の失敗」とも言及した英エコノミスト誌最新号を紹介した。政治家のお粗末さは百も承知ですよと言ってやりたいが、外国では日本の官僚のレベルダウンも気になるようで、外国の有力誌に批判的に書かれるとなるとお墨付きの「本物」だ。さも有りなむと思った。日本がいま成長出来ないのは、政治家と官僚(役人)が悪いことはいまや国際的にも認知されたわけだが、エコノミスト誌はさらに日本停滞の責任の一端は、増益を記録しながら賃金を引き上げない企業サイドにもあると厳しく指摘している。このようにニュートラルな立場から誰に対してもおもねることなく、何事にも遠慮せず報道する姿勢が大切で、その点日本のマス・メディアの身勝手、日和見的取材ではとてもエコノミスト誌には敵う筈もない。

2008年2月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

288.2008年2月26日(火) 2.26事件は忘れられた。

 今日2月26日は、日本の近代史上忘れてはならない「2.26事件」発生の日である。昭和11年、昭和の暗い時代に軍部は中国大陸への侵略から大東亜戦争へ一直線に突き進んで行った。「2.26事件」は、そのひとつのきっかけともなった青年将校によるクーデターである。

 まだ30代の頃、松本清張の「昭和史発掘」シリーズを夢中になって読んだ。横浜のマンションに住んでいた時、同じフロアに事件当時の中国課長が年老いて住んでおられた。その後、陸軍航空隊の戦跡巡拝団をお世話する過程で多くの元軍人の方々と親交を深めさせてもらった。事件の主役だった安藤輝三陸軍大尉や栗原安秀同中尉らと士官学校で一緒に学んだ37期生山之口甫・元第134師団参謀長とも何度かお話をした。しかし、山之口さんはついぞ肝心な点について話してくれるようなことはなかった。それは山之口さんにとってはとても耐えられることではなかったであろう。同期生処刑班のリーダーとさせられ、同期生を死地へ送る命令役を務めたのだから。個人的には静かな方ではあったが、眼光鋭く気の許せない人だという印象があった。時折きっとにらんだ鋭い目つきには、怖いような感じさえ抱いた。言動や所作の中に、さすがは職業軍人だと思うこともあった。職務とは言え、友を処刑した罪悪感と後悔に苛まれて生きていても辛いんだろうなと思った。それが山之口さんの口を重くさせていた。

 結局この5年後に日本は大東亜戦争へ一本道で突っ込み、310万人もの多くの犠牲者を生むことになった。そして終戦である。この終戦と原爆投下だけは、毎年欠かさず式典が行われ、そのニュースは全国に伝えられている。終戦記念日に東京武道館で天皇・皇后両陛下ご臨席の下に全国戦没者追悼式が行われ、全国各地で慰霊祭も行われマス・メディアによって大々的に伝えられる。

 しかるに、昨年の大東亜戦争開戦記念日について、ほとんどのマス・メディアは報道しなかった。この点について、12月8日付本稿でも批判的に意見を述べた。いままた「2.26事件」について、新聞やテレビでは一向に報道しない。なぜだと問いたい。朝日夕刊のコラム「窓」―解説委員室から―というのがあるが、ここに「無言で語る是清碑」として関連記事が掲載されていた。だが、「2.26事件」について直截的に書かれた記事ではない。事件当日、高橋是清は自邸を襲撃され非業の死を遂げる。その邸宅を遺族が都に寄贈していまそれが公園となっている。そこに石碑があるが、「昭和11年2月、にわかにこの自邸で亡くなられた」という趣旨のことしか刻まれていないそうだ。今日のこの日の「2.26事件」の歴史や、真実と意味を伝えることをマス・メディアはサボタージュしているように見える。日ごろから自分たちに都合が悪くなると、言論に自由とか報道の自由の抑圧だと言っているが、関心が持たれないと報道しようとしない。いまのマス・メディアはぬくぬくとした環境の中で過保護になり、厳しい取材活動には顔を向けなくなった。情けない。

 とにかく近年史実をありのままに伝えることが少なくなった。理由はたくさんあるだろうが、マス・メディア側に研究心が足りずに書ききるだけの能力が欠如していること、真実を追究するというジャーナリズム魂が欠落していること、ジャーナリスト一人ひとりのレベル低下、その他諸々であるが、これではいずれ歴史が変わってくるのではないかと凡人は寂しく思う。

2008年2月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com