一昨日国連のビルマ担当特使として活動する、ガンバリ国連事務総長特別顧問が日本に立ち寄った。日本政府はガンバリ氏がビルマの貧困支援プロジェクト「ナショナル・エコノミック・フォーラム」をプロモートしようとするのを、何とか主役ではなく補佐役としてお手伝いしようとしている。表立って行動するのではなく、少々お手伝いしてプロジェクトに関わったという実績とグラフィティが欲しいのである。
昨日はNHKのインタビューに応じた、イランのアラグチ新駐日大使が日本に対して、アメリカへ日本独自の意見を述べてアメリカに助言して欲しい、日本にはそれが出来るはずだと注文をつけた。いままたイスラエルのオルメルト首相がこの時期に来日中である。どうも何らかの目的や意図を持って来ている筈である。自国が核を所有していながら、同じく核保有している北朝鮮を批判して拉致問題が行き詰まっている日本の賛意を得ようとの魂胆がミエミエである。みな自分の理念とか、哲学、信念、或いは利便のために独善的な行動をとる。当然国際外交はきれいごとではなく、打算的で功利的である。にも拘らず、そういう根源的で肝心なことが日本の政治家や外交官には分かっていない。日本のリーダーたるべき人たちの行動力学はどこかおかしい。なぜ日本人として独自の考えで、多少強引でもイニシアチブを握って行動しようとしないのか。あくの強いロシア、中国、北朝鮮のパフォーマンスを反面教師として少しは学んではどうか。
日本の周辺諸国を見てみると、将来が明るく見える国々は、自主的な外交を積極的に行っている。しかもトップがトップの考えで行動している。
一方日本政府はどうか。はっきり言えることは、自ら動こうとしないということである。センスも行動力も情熱もない。そのうえ、どこの組織もヒエラルキーが出来ていて突出した行動が出来ないような仕組みになっていてがんじがらめである。いつも他国の動きを見て、付和雷同するか、傷がつかない無難な意見に同調する。だから、主体性とか、独自の考えがその行動に反映されることはない。自然と国際社会における日本の存在感自体が薄くなる。
現状のままでいたら、日本の政治や外交はまったく力が出ないまま自滅し、内部崩壊してしまう。それは、政治が機能しなくなり、国内のすべての分野でしまりのないだらしのない状態、つまり法律はあるが無法社会のような社会になり、外交面では諸外国の言いなりで、国家間の話し合いはすべて相手国の言いなりになる恐れがある。
ではどうすればよいか。アイディアはいくらでも考えられる。ただ、いまの日本、政治家がまったく機能不全に陥っている社会では受け入れてもらえないだろう。残念だが・・・。