294.2008年3月3日(月) 次期ロシア大統領はメドベージェフ副首相に

 プーチン現大統領の後ろ盾を得て、昨日の次期大統領選出選挙はやはりメドベージェフ氏の圧勝だった。得票率70%を上回るという化け物的数字だった。大国ロシアの大統領選挙とあって、さすがに今日は朝夕とも新聞紙上はトップ報道だった。しかし、どこかしらけた感じで、解説者は実に冷静に結果を分析していた。プーチン路線継承、有権者に選択の余地なし、「禅譲」追認の儀式、等々メドベージェフ氏の能力とか、可能性を評価するものでなく、プーチンの黒衣に徹する大統領とまで言われて、今後どれだけ独自色を出すことが出来るだろうか。選挙自体は完全に出来レースで、プーチンの一声で決まったと言ってもいい。プーチンとしては手なずけていた、後輩で何でも言うことを聴く可愛い奴だった。何だか、大学の体育会的組織に見えてしようがない。プーチンが部を仕切る親分肌のボスで、茶坊主のようにまつわりついているのが下級生メドベージェフという構図である。お手並み拝見であるが、世界の大国のトップ人事が、こんな体育会的な組織のような決め方でいいんでしょうかと聞いてみたい。これではロシアの民主化なんて遥か先の話だろう。そこに行き着くまでに何度ゆり戻しが来ることだろうか。

 それにしても、国内に多くの資源エネルギーが埋蔵されている国家は、自力で努力しなくても自然に懐に資金が入ってくるだけに、国家を統治するトップ政治家にとってはこんなにラッキーで恵まれていることはない。財政は安定するし、大胆な経済政策を思い切って実行出来る。それがすべて自分の実績になる。わが国の世襲代議士の幸運度とどこか似ていやしないか。

 こんな盛り上がらない最高権力者選出選挙は、好い加減にしてもらいたい。その点、アメリカの大統領選挙は分かりにくいが、国民が真剣にリーダーを観察し熟慮して選んでいるという気がする。国際社会でいま失点続きのアメリカではあるが、民主的という観点では、ロシアとは比較にならない。そのアメリカ大統領選挙の民主党候補の戦いは、いよいよ佳境に入ってきた。

 明日4日は、テキサス州とオハイオ州で予備選挙が行われるが、この結果次第では帰趨が決まりそうな雲行きになってきた。クリントンと出るか、オバマと出るか。

2008年3月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com