6742.2025年10月28日(火) 高市首相、トランプ大統領と初の首脳会談

 アメリカのトランプ大統領が大統領専用機で昨日午後羽田空港へ到着した。6年ぶり4回目の訪日である。都庁建物の壁面や、東京スカイツリーにプロジェクト・マッピングで星条旗をライトアップするなど日本側の歓迎ぶりも派手だったが、その反面警視庁は18,000人の警官を特別警戒に当たらせるなど、その警備ぶりも異常なほど念入りだった。早速夕刻には皇居で天皇陛下に面会して、今日高市首相と会談する予定などを話したそうだ。意外で珍しかったことは、大谷選手の活躍を大統領が評価する発言をしたことに天皇が感謝したことである。異色なケースとして、日本選手の活躍ぶりをお2人で話し合われたそうである。

 そして今日、予定通り迎賓館で高市首相とトランプ大統領の初めての日米首脳会談が行われた。高市首相が「日米は世界で最も偉大な同盟国」と語って会談が始まった。日米関税協議を巡り合意内容の実施を確認する合意文書や、レアアースなど重要鉱物に関する覚書などの合意書の署名を行った。ただ、ちょっと如何かと思ったのは、会談の場で高市首相が大統領にノーベル平和賞の推薦状を手渡したことである。大統領がガザ地区を巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意に尽力したことや、タイとカンボジアの紛争解決へ積極的に関わったことなどを評価したというが、ガザ地区の空気は怪しくなった。ここまで大統領に忖度する必要があるのだろうか。

 会談後、2人は迎賓館で北朝鮮の拉致被害者家族と面会した。歴代の首相は最大の責任感を持って拉致問題の解決に当たると語っていたが、実際にはその効果は上がっていない。その点でトランプ大統領は少しは前向きな言葉を述べた。家族はどの程度期待しているのだろうか。

 午後には高市首相は、トランプ大統領とともに大統領専用ヘリコプターに乗り込み、横須賀米海軍基地へ飛来して、米原子力空母「ジョージ・ワシントン」を見学しながら、在日アメリカ軍の諸々について講釈を受けたようだ。これも理解に苦しむところだが、これまで日本の首相が米大統領とともに米軍基地内を訪れたことはないと思う。高市首相が敢えてトランプ大統領とともに米軍施設を見学したのは、軍隊とか、米軍基地、実動部隊、軍隊の実態などを知って防衛力強化の予算増額に参考にしようと考えたからではないか。

 それにしてもトランプ大統領は、生前親しかった安倍元首相の後継者という触れ込みに乗せられ、また、高市首相も自らそう売り込み、大統領に公私入り混じったお土産をいくつも準備してご機嫌を取っていた。ここまでゴマヲスル必要もないと思うが、この辺りも意識して徹底していた。

 大統領は、前記の通り天皇に会われた際にドジャースの大谷選手ら日本人選手の活躍について話したが、その大谷選手が、今日のワールド・シリーズ第3戦で9打席4打数4安打、本塁打2本、二塁打2本、打点3、9打席9出塁(内申告敬遠連続4回)が大活躍したせいもあり、ドジャースが延長18回に主軸のフリーマン選手のサヨナラ本塁打により、6ⅹ-5でサヨナラ勝ちした。試合時間が6時間39分というWS上2番目に長い試合だった。今日ばかりは行きがかり上試合にのめり込み、テレビで8回から最後まで観てしまった。こんなことも珍しい。トランプさんは、この試合の結果を知っただろうか。

2025年10月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6741.2025年10月27日(月) 高市効果? 日経平均株価・初の5万円台に

 最近全国の自治体の首長の言動が物議を醸して目立っている。それは特にスキャンダル面で注目されている。昨年は兵庫県斎藤知事によるパワハラで県職員が自死したり、今年に入ってからは福井県杉本知事のセクハラ、沖縄の古謝・南城市長のセクハラ、田久保・伊東市長の学歴詐称、小川・前橋市長の市職員とのラブホテル密会など、不祥事が公に晒されて世間を騒がせている。本人の性格もあると思うが、首長としての自覚に欠けるところがあり情けない。

 このように地方自治体にさざ波が立っている時に、昨日全国各地で自治体の首長選が行われた。市長選挙が実施されたのは比較的大都市である。結果的に川崎市長に現職福田氏が4選、神戸市長に現職の久元氏が同じく4選となり、長野市では現職で元スキー選手の荻原氏が市長に再選され、山口市で現職伊藤市長が同じく再選された。いずれも次点以下に大差をつけて当選した。評価が安定していたことと選挙の争点がなかったせいだろうか、軒並み投票率は前回を下回るものだった。

 その一方で意外に激しい選挙戦となったケースもある。それは宮城県知事選である。現職で6選を狙った村井嘉浩氏が大苦戦したのである。結果的に県政史上最多となる6選を果たした。村井知事は、東日本大震災の発生時から自衛隊出身らしく被災現場で陣頭指揮を執って復興へ向けて主導した功労者でもある。過去5回の選挙では順当に勝利を収めたが、今回は思いも寄らず多選批判が厳しかった。そして今流行りのSNSによる誹謗中傷が酷かった。その他に苦戦の大きな原因になったのは、保守派陣営内に内部分裂があったことである。対立者は自民党前参議院議員の和田政宗氏である。和田氏は、7月参院選で落選した。知事選に立候補を表明したものの自民党は村井知事を推薦したため支持を得られず、参政党から推薦を得た。参政党から神谷代表が応援にやって来るなど強力な支持を得ていた。首を傾げるのは、高市首相が同じ松下政経塾の先輩であることから、村井知事に応援メッセージを送ったのは理解出来るが、意外にも高市首相が敬愛する安倍元首相の昭恵夫人が対抗馬の和田氏を推薦したのである。最終的に村井知事が34万票を獲得したのに対して、和田氏は32万4千票で僅かに知事の座に手が届かなかった。

 いろいろ地方には、地方の事情があるだろうが、首長たるものは、まず人間的に信頼されることが最低条件である。そのうえで業績をどう積み上げるかが評価の基準となる。前段のスキャンダルのように地域の仕事もせず、人望もなければ早くその職を去るしかない。このことは国の代表者である国会議員には当たり前のことであり、常に心しなければいけない。

 さて、昨日から高市首相は、クアラルンプールで開催のASEAN関連首脳会議に出席していて今朝帰国した。スマイルが受けスピーチも英語でにこやかに喋ったので、割合好評のようだ。マレーシア首相は、「男性を押しのけて日本の首相に初めて就任した女性首相」と紹介した。保守的でトランプ大統領とも良い関係が築けると期待されたのか、首相就任直後から円安と東証株価の株価上昇が見られたが、今日平均株価が対前週末1,212円高の50,512円を記録した。日経平均株価が5千円台に到達したのは、東証史上初めてである。物価上昇が激しいが、この株価高騰が経済発展に結びついて欲しいものである。

2025年10月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6740.2025年10月26日(日) 首相は憲法改正・自衛隊の軍隊化を進めるのか。

 いま世界各地で人間同士の争いが続いている。古今東西いつまでも変わらない現象で、人間社会には人の生命を尊ぶ意識が薄れているというのが実感である。戦争により多くの生命が失われているが、愚かな人間は一向に人間同士の殺し合いを止めようとしない。古来地球上の国家同士、民族同士が戦いを継続した結果、今では戦争を職業とする軍隊が組織され、その軍隊同士の争いとなって。

 各地で戦争が行われた結果、命を落とす兵士の数も増えた。そのため各国の軍隊で兵士の数が不足する事態になってきた。軍隊については兵士の徴兵制、男女平等、兵役免除などいろいろ難問がある。

 実は、お隣の韓国では、人口は日本の1億2千万人の半分にも満たない5千2百万人であるが、兵士を50万人も抱えていて、日本の自衛隊員24万7千人の2倍もいる。韓国なりの事情もあり、それだけの軍人を抱えているのだが、近年難しい問題が明かされた。それは、韓国の人口が大分減りつつあることで、いずれ軍隊は定員不足になる。現状は徴兵制度を布いているために軍人が足りないという声は聞かれない。しかし、北朝鮮との対立関係から、膨大な軍事力を維持しなければならない。2023年には出生率が過去最低で、翌24年に生まれた新生児は高々25万人にも満たず、超少子化傾向がはっきりしてきた。人口とともに軍人の不足も懸念されている。徴兵制があっても完全に補充できるわけではなく、最近では「老人軍」という民間団体が、起ち上げられたほどである。

 少々複雑なのは、いま戦争の真っ只中にいるイスラエル軍の兵役免除問題である。イスラエルもご多分に漏れず、ガザ地区攻撃の陰で多くの兵士を失っている。それにも拘らず、1948年国家独立以来徴兵制度が布かれているイスラエルで、ユダヤ教超正統派の信徒が徴兵制を免除されていることに、他の宗派から不満や厳しい声が出ている。難しい問題を孕んでおり、一気に解決するのは難しいようだ。

 一方日本では、軍隊とか、徴兵制度を云々する以前に現行平和憲法の下では、軍隊はないことになっている。それが自衛隊という隠れ蓑を被った実働軍人が25万人近くもいる。だが、あまり知られていないことだが、自衛隊も近年深刻な定員不足に悩んでいる。自衛官の採用は23年度には51%しか確保出来ず、定年年齢を引き上げているほどである。

 高石首相は自衛隊に対する政策や希望などについてまだはっきり考えを述べていないが、これまでの発言で軍備増強を推し進める意向ははっきりしており、防衛費増額を主張している点からも当然自衛隊を増強する考えであると思う。気になるのは、人口も減少し、自衛隊入隊希望者も減少している時に戦争というものの実態をよく知らずに、「防衛」を実際の戦線ではなく頭の中だけで理解しようとする傾向が見られる。あまりにも身勝手に「防衛」政策を考えている。この先、自衛隊の定員不足のために徴兵制度を採用し、それも男女の区別なく女性隊員を徴兵するようになっても軍隊拡張政策を止める意図はないのだろうか。これでは防衛設備に投資しようとしても、多くの国民が振り向かず、心から賛同されることにはならないと思う。

2025年10月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6739.2025年10月25日(土) 首相の所信表明演説で気がかりなこと

 加齢のせいもあり、最近高齢の知人の間で霊界へ旅立つ仲間が増えてきた。私も同じような年齢層なので、次は俺の番かなとつい後ろ向きのことを考えてしまうことがある。そうでなくても体調が優れないという友人が多くなった。昨日は、元テレビ局に勤めていた知人が今夏自宅の階段で転倒して腰椎圧迫骨折で全治3カ月の後に、奥さんまで子宮がんの全摘手術を受けたというダブル不幸のメールをいただいた。私自身も12月に心筋血流を調べるためにアイソトープによる検査を受ける。普段から予防医学の見地から、毎日朝晩に血圧、脈拍、体温、体重を測定して異常な現象をチェックしている。同時に毎日5千歩以上の歩行(今日は雨の中5,726歩)をノルマにしている。それら数値のグラフを作成して、通いつけの医師には、毎度ご相談するようにしてアドバイスをいただいている。この他に年に1度人間ドック検査をしてもらい、5日前には、新型コロナと高齢者用インフルエンザの予防接種を受けて予防的措置を講じている。

 従ってこの隙を突いて忍び込む病にはお手上げである。医師にはここまでやれば、普通では充分だとの評価をいただいている。とても病院のテストの段階までは無理であり、現状では今実行している日常の数値の測定を継続的に欠かさないことが大事だと思っている。

 それにつけても今月から後期高齢者の医療費の自己負担2割制度が終了し、元の1割負担へ戻った。この医療費増の影響を受ける後期高齢者の対象者は、全国に310万人もいる。私もその対象者である。

 高市首相はこの点については、所信表明の中では全く言及しなかったが、気になったのは、「ワーク・ライフ・バランス」と言って自身が自ら「働く」ことを強調するあまり、右へ習えと言わんばかりに労働時間規制の緩和を検討するよう指示したことであり、過重労働・長時間労働で自死した遺族から苦情が出ている。

 また、所信表明の締めくくりで触れた憲法改正である。改正議論の高まりと同時に、安定的な皇位継承に繋がるとして皇室典範の改正について述べた。流石に憲法の中身まではコメントしなかったが、改正を主張するからには、現憲法の戦争につながる軍備放棄に逆らい、自衛隊の軍隊化、軍備の増強を目論んでいることである。戦争の怖さを実感として知らない戦後生まれの首相らしい。これまで連立を組んでいた公明党は現平和憲法擁護だったが、今度のパートナー・日本維新の会は軍備拡張に賛成であり、正に自民党にとっては改正に好都合である。

 防衛費増額については、抜本的に強化する方針だと述べ、財源不足分を補正予算からやりくりして実施に前向きである。軍国化へ前向きな日本維新の会と手を結んだことにより、保守派首相は歳出の原資を考えずに予算措置も何とか出来ると考えているようだ。

 首相が敬愛しリスペクトするサッチャー元イギリス首相の言葉にこんな文言が残っているそうだ。

 「国家が支出を増やすなら、国民の蓄えから借りるか、増税しかない。『公のお金』などはなく、あるのは『納税者のお金』だけだ」。

 トランプ大統領と会談する前から、日本に対して防衛費についてGDP比3.5%を求めている大統領の意向を忖度して防衛費の増強まで考えている。取り敢えず今年度は、GDPの2%まで増額し、その後の防衛予算では中期計画を何と1年前倒しで改定する方針をちらつかせている。これでは、所得税や法人税の増税を行うより方策は思い当たらない。アメリカの圧力による防衛費の増額が、日本国民に重くのしかかってくる。こんな思考回路では、サッチャー首相も呆れ果てるのではないだろうか。

2025年10月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6738.2025年10月24日(金) 高市首相、所信表明演説

 今日午後衆参両議院で高市首相が初めて所信表明演説を行った。スピーチ以前に数日前から自分が話したい、やってみたい政策についてある程度演説の骨子はメディアにより伝えられていた。

 冒頭に日本の底力を信じて日本の未来を切り拓く責任を担い、日本列島を強く豊かにして世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す。絶対にあきらめない決意をもって、国家国民のため、果敢に働くという主旨を述べた。これほど自身の信念と考えを思い切って所信の中で述べた首相は珍しいと思う。

 かなり言動に懸念を抱かれている反面、期待をしている人もそこそこいるのではないかと思う。ただ、まだスタートしたばかりで今後どういう風に政権を主導するのか分からない。半年後にある程度の評価をすべきだろう。首相自身も物価対策を第一のハードルとするようだが、最近の物価上昇にどういう対策で対応するだろうか。お手並み拝見というところだ。

 ついては、アメリカのトランプ大統領が、主役となって関わっている所謂ディールの中で2つスッキリしない事象がある。ひとつは、停戦の仲介者というより主導者として関与したパレスチナ・ガザ地区の和平問題である。戦闘開始以来満2年が経過して、先日いくつかの重い条件付きながら何とか停戦を成立させた。一旦戦火は止んだ。だが、停戦期間中にも拘らず、イスラエル軍は密かに攻撃を再開し、ガザ地区に多くの犠牲者を生んだ。トランプ大統領は、ノーベル平和賞欲しさにあちこちのもめごとに介入しようとしているが、所詮名誉欲だけで火中の栗を拾っているようなものである。

 もうひとつは、ロシア軍によるウクライナ侵攻である。この戦争では、トランプ大統領が当事国のウクライナか、ロシアのどちらかのサイドに立ち位置を変えて、糸を引いている。ウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ氏に供与を希望していたミサイル「トマホーク」を提供すると語ったが、その後ロシアのプーチン大統領が、それをやれば米ロ間関係が危険な関係になると発言するや、トランプ大統領はウクライナへの供与を中止すると語った。同時に経済的制裁を課すと語った。プーチン氏とのよりを戻そうと考えたトランプ氏は、近々ハンガリーでプーチン氏と会って会談すると話していた。それが昨日突然その計画はないと公表した。2人の仲が上手くいっていないことを示した。

 トランプ大統領の独善的な手法に関係者は振り回されている状態である。加えて大統領はアメリカ国内でもトラブルを引き起こしている。その原因にアメリカ憲法の修正1条で保障している表現の自由を邪魔しているのだ。アメリカ大統領がアメリカ憲法に従って行動しないという理不尽な実態が、最近度々起きている。学問の自由が認められている大学構内に立ち入り、反トランプ的言動を取り締まったり、剰え取り締まったり、遂には数日前に全米で反トランプのデモが発生し、拡散する有様である。視聴率の高いテレビ番組の司会者で人気コメディアンの発言に怒って番組自体を中止に追い込むなど乱暴な処分を行っている。これほど言論の自由を蔑ろにした歴代大統領は史上いないそうで、トランプ大統領は自由、民主主義の敵とも受け取られている。

 このわがままな大統領と今後円滑な日米関係を築いていくことを求められている高市首相にとっては、苦労が絶えないと思うが、今日の所信表明の勢いで論破し交渉して欲しいものである。気がかりなのは、今日は触れなかったが、右翼思想である。

2025年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6737.2025年10月23日(木) 新首相のこれからの国政が気がかり

 一昨日就任した高市早苗首相に関する公私取り交ぜた評判をメディアが取り上げるので、テレビでは朝から高市首相の映像を観ないことは稀である。読売新聞が歴代首相の就任時の支持率を挙げていた。

 それによると近年の内閣発足時の支持率では、高市首相は5番目に高いそうである。何がそんなに高市氏の支持を押し上げたのだろうか。因みに人気の1番は小泉純一郎首相だった。この人の場合は分かる。だが、この支持率リストが信用出来ないのは、2位鳩山由紀夫、3位菅義偉のような前評判はともかく、何らの実績を残さなかったからである。鳩山首相の如きは、沖縄から米軍を撤収させるかの如き沖縄県民を裏切るような大法螺まで吹いていた。菅首相にしても、どのような実績を残したのか、まったく思い当たるような目立った事実がない。こういう地味な首相が3番目の高支持率を得ていたとはとても信じられない。この種のアンケートが全面的に信用出来ない理由である。

 高市首相には、これまでの政権とは違う何か新しいことをやってくれそうな期待感があり、支持率が71%という実力以上の人気を得たと思えるが、これはご祝儀相場で時間の経過に連れ、これという実績も残せなくなった折には、このまま留まっているとはとても思えない。

 女性として憲政史上初めての総理大臣就任という大向こうを唸らせるような背景を打ち出した。しかし、実績、成果は今後に残された課題であり、少々右寄りの信念と姿勢が下手をするとマイナス効果を演出しかねない。

 明日国会で最初の所信表明演説を行うと見られている高市首相の腹案は、1)安全保障3文書を来年中に改定する。2)社会保障制度の給付と負担について、国民会議を設置し、給付付き税額控除の制度設計を議論する。3)先端産業で日本経済の強い成長を実現するために「日本成長戦略会議」を創設する。以上3点を中心に語る予定である。最大の課題は、1)安全保障3文書に基づく防衛費増額では、今年度当初予算では対前年1.8%増となっているが、怪しいのがこの所信表明では、補正予算を合わせて対GDP比2%の水準に引き上げることである。来週訪日するトランプ大統領との初の首脳会談でもいろいろ噂が聞かれるが、大統領と気脈を通じていた安倍元首相の教えを受けていた高市首相としては、トランプ大統領と友好的な首脳同士となるべく訪日土産として、少しでも防衛費を増やし、防衛機材をアメリカから購入することによって、ご機嫌を取ろうと試みるだろう。石破前首相は首相就任前から日米安保条約は日本が主権国家とは言えないと漏らし、日米地位協定の改定によって対等な関係を築こうと言っていたが、時間が足りず実現出来なかった。高市首相はそこまでは考えていないようで、日本にとってプラス、マイナスとは無関係にアメリカにとって好い子になろうと努めるだろう。

 高石氏の強い個性は、外国人政策にも表れている。排外主義とは異なるとは言え、公に一部の外国人による違法行為に対し、毅然として対応すると広言する辺りが保守主義者の典型だと思う。今のところははみ出す様な言動は、警戒しているだろうが、いつ本音が出ないとも限らない。極右の国粋主義者・高市首相の怖いところである。

2025年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6736.2025年10月22日(水) ひとり旅の楽しさとその効用

 若いころにベトナム戦争中のベトナムを知りたいとの望みだけで、取り立ててこれという目的もなくひとりで海外へ飛び出し、自由奔放に見知らぬ土地で旅を楽しんだ。半世紀以上も続けた。これがその後私の性格、及び言動、更に言えば行動力と持続力、好奇心に大きな影響を及ぼし、自称「海外武者修行男」になってしまった。鉄道会社から新たに発足した旅行会社へ出向することになり、当時会社内には海外へ出かけた社員がひとりもおらず、結局私が初代海外旅行課長を拝命することになった。それでも公私に関わらずひとりで未知の外国の地を歩き、多くの体験を重ねることによって新たなひとり旅の味わいを知った。今では気力、及び体力的にひとり旅は、昔に比べてやや難しくなったが、その貴重な経験は良き想い出とともに全身に沁み込んでいる。

 19日の朝日朝刊「フォーラム」欄全面に特集「若者のひとり旅」と題して、若者の海外への旅に対する見解を取り上げていた。内容的にはそれほど深く分析したわけではなく、さほど関心を呼ぶものでもないが、アンケート調査に興味深い質問と回答があった。昔を振り返っているので、高齢者の回答もかなり多い。意外だったのは、海外へのひとり旅なのに、男性より女性が多いことだった。女性の方が前向きでアクティブ志向が強いということだと思う。ひとりで世界一周をしたという50代の女性や、タイへ初めてひとりで出かけ、行先不明のボロバスに乗りおじさんにチャイをご馳走になって優しさを知ったという女子大学生もいた。

 ひとり旅をした経験がある人への質問では、一番多かった回答は、ひとりの方が気楽だからとの平凡な応えだった。ひとりでしか出来ない経験や出会いを求めたからとか、現地の人たちとの触れ合いを大切にしたいから、旅を通して成長したいから、と積極的な意見の一方で、同行者との行先などを調整するのが面倒だから、日常から離れたい、同行者と休みを合わせるのが難しい、お金を節約したいから、などの本来のひとり旅の意にそぐわない意見も見られた。2010年ノーベル化学賞を受賞された高校の先輩・根岸英一博士が、若い時には、とにかく積極的に海外へ挑戦してみることが大切だと仰って意気投合したことがある。

 幸いにして拙著「八十冒険爺の言いたい放題」が、このほど英訳されて出版されることになり、光栄にもこれから外国人にも読まれる機会が増えることと思う。僭越だが、これには海外武者修行の集大成と言っても好いくらい、海外武者修行をPRし、武者修行の面白さ、意外性、などを書いているので割合読んでいただけるのではないかと期待している。翻訳書出版のきっかけも、日本語の分かる複数のアメリカ人が拙著をぜひ多くのアメリカ人にも読んでもらいたいという強い推薦の気持ちから、出版社へ持ち掛けて書籍、及び電子書籍出版の段取りとなった。

 さて、今日はかなり寒かった。都内の午後3時の気温が11.5℃である。大阪は14℃、福岡は19℃で、札幌の11℃と同じである。12月上旬の寒さで今年一番の寒さだそうである。雨も朝から小雨が降り続いていた。いつも通りのウォーキングを一瞬ためらったが、やはり豪雨ならともかくこの程度で中止するのも情けないので、傘をさして歩いた。少し濡れたが、案外雨の中を歩くのも悪くない。思いもよらずノルマの1日5千歩以上を上回る6千歩を歩いていた。

2025年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6735.2025年10月21日(火) 高市早苗・自民党総裁、初の女性首相に選任

 今日臨時国会が召集され、高石早苗・自民党総裁が首相指名選挙で日本の新しい顔、第104代総理大臣に選出された。憲政史上女性の首相は初めてのことである。首相指名選挙で衆議院では高市氏が過半数を獲得し決戦投票に持ち込まれることはなかった。しかし、参議院では僅か1票過半数に届かず、決戦投票の末に高市氏123票、立憲民主党野田代表44票で高市氏が首相に選任された。石破首相は退任したが、在任期間は1年余の386日だった。

 首相就任により高市政権は、参院戦後3カ月も政治が停滞しており内閣閣僚人事を急ぎ決める必要があった。すでに何人かの有力閣僚は決まっていたようだが、予想されていたように、総務相に林芳正前官房長官、外務相に茂木敏充元幹事長、財務相に片山さつき元地方創生相、防衛相に小泉進次郎農相ら馴染みの議員が、閣僚となった。最年長は77歳の平口洋法務相、最年少は42歳の小野田紀美経済安全保障相である。期待された女性閣僚は少なく、片山さつき財務相と小野田経済安全保障相の2人だけだった。全員揃ったところで今日皇居において総理大臣親任式と閣僚の認証式を終えた。来週中にはアメリカのトランプ大統領が来日するので、それなりの準備と対応をしなければならず、多忙な時期に入る。高市内閣としては、従来の公明党の協力を得て政権を引っ張って来たしきたりから、今度は公明党ではなく、日本維新の会との連立による内閣であり、従来より保守的というより右翼的志向が強まる政治を行うものと考えている。

 まず、何が何でも実行して欲しいことは、約束通り議員定数を削減することであり、現在より約1割の議員を削減することである。元々現在の議員数は先進国の中でも多すぎるほどである。すでに安倍内閣時代にこの約束を反故にした前科がある。2度とウソは止めてもらいたい。

 昨日ほどの盛り上がりではなかったが、東証も期待が高まった。証券取引所の新首相就任祝賀騒ぎも一時は、昨日の過去最高額を700円上回り、歴史的な日経平均5万円も見えていたが、後半になって下がり出し、日経平均株価は、一応過去最高額の49,316円に落ち着き取引を終えた。高市氏は、長期金利引き上げ論者でもあり、これから低金利に拘る日銀との間で駆け引きが演じられるだろう。

 これまで日本では女性政治家の活躍がないと見ていた海外のメディアも早速高市女性首相に関する報道を始めた。お隣の中国国営テレビでは、高市首相の選出を報じると同時に、高市首相は日本の右派政治家の代表格のひとりであり、積極的な財政政策の実施と防衛費の増額を主張していると警戒感を伝えた。イギリスのBBCは、高市首相がサッチャー元首相を尊敬している点を挙げ、「鉄の女」高市氏も長年の野望を達成したと紹介し、少子化と地政学的リスクを抱える国を率いる課題に直面するだろうと比較的好意を込めて紹介した。ニューヨーク・タイムズは、女性が影響力を持つことに長年苦しんできたこの国における画期的な出来事だと紹介し、これからアメリカとの軍事・経済同盟に関する新たな不確実性に対処する中で、これまでで最大の試練に直面すると論評した。同じようなコメントはアメリカのCNNが、強硬な保守主義者の高市氏が、日本初の女性リーダーに選出されたことは、政治と職場がともに高齢の男性によって支配されてきた国にとって画期的な瞬間であると前向きに観ている。そういうアメリカには歴代女性大統領は輩出されていない。

 高市首相も噂や中傷などに惑わされることなく、精一杯自分で良かれと思う政策を実行することが彼女の存在に光を当てることになる。尤も戦争知らずのくせに靖国神社へ頻繁に参拝したり、幼いころから教育勅語を学んでいたなどと口外するような、あまりにも右翼的な言動だけは慎んでもらいたい。

2025年10月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6734.2025年10月20日(月) 自民党・日本維新の会、連立政権に合意

 今日の自民・維新首脳会談で、自民党と日本維新の会の連立政権成立への合意が正式署名された。これで両党の衆議院議員数は231議席となり、あと2議席で過半数となった。自公連立政権より右翼化の傾向が窺えるので、極右の参政党3議席もこの連立政権に同意するものと思われる。これで明日の国会で高市総裁は首相に選出されることによって、初の女性首相として、今後日本の政治を主導していくことになる。この連携を好感したのか、日経平均株価がまたまた上昇し、先週末に比べて1,603円高の過去最高値49,185円となった。

 両党合意のポイントは、公明党の要望だった「企業・団体からの献金禁止」はなく、維新の3本柱「社会保障改革」、「大阪府副首都構想」、「国会議員定数1割削減」の受け入れである。すでに国会議員削減の話は、民進党の野田内閣時代辞職後に安倍首相が野田氏にはっきり約束した事項であり、今度こそ自民党は責任をもって約束を果たさなければなるまい。大阪府の念願である「副首都構想」については、はっきり言って、またか?との印象が強い。すでにこれまでにも何度も大阪維新の会がその実現へ向け画策して動いたが、結局実現しなかった。特に、大阪府民の住民投票を2度までも実施して、府民の賛否を質したが、2度とも否決されている。つまりこれは維新関係者は「副首都構想」実現に意欲的であるが、大阪府民にはあまり歓迎されていないことを示した。それでも懲りずに、今になって維新の会が政治力を引き合いにまた持ち出してきたのである。日本維新の会は、府民の気持ちがよく分かっていないことを証明しているようなものである。

 自民党としては、維新との政策合意に協力を得て国政を進めるのだろうが、これまで公明党には気兼ねしつつも自民ペースでことを進めてきたが、維新は大臣ポストを要求することもなく、閣外協力と言っている。だが、維新としては、与党内立場からかなり思い切ったことは言うつもりではないだろうか。

 さて、今夏話題になっていた伊東市長の学歴詐称問題は、辞任勧告を受けた田久保市長が、開き直って議会を解散したことにより昨日市議会議員選挙が実施された。結果的に田久保市長に反対する議員が20人中19人で、この後開かれる市議会で再び市長不信任案が可決され、市長は失職することになると見られている。最早市長としても抵抗する術もなく、散々伊東市の評判を落とし、市政を大幅に遅らせた挙句に市長は庁舎を去ると言う馬鹿げた芝居を演じたことになるだろう。

 一方、海外ではウクライナとガザ地区のトラブルが一向に解決の道へ踏み出せていない。前者については、一時はプーチン・ロシア大統領に歩み寄っていたトランプ大統領が、またプーチンの悪口を言ったかと思いきや、17日のゼレンスキー・ウクライナ大統領と会談した際、プーチンが要求しているウクライナ東部のドンパス地方をロシアに譲るようゼレンスキー大統領に圧力をかけた。他国の意向や国民感情をまったく考えない複数枚舌のトランプ氏には、呆れるばかりだが、アメリカ国内でも昨日漸く反トランプ・デモが本格化してきた。「王様は要らない」と言うトランプ王に対するデモが、アメリカ全土2,700か所以上で行われ、実に700万人以上が参加したというからすごい。第2次トランプ政権が発足してから最大規模である。トランプ氏もこれで少しは目が覚めるか、あまり期待できないが、もしそうなら大いに歓迎すべきことである。

2025年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6733.2025年10月19日(日) 想い出のある幕張が人工的未来都市とは?

 政局も憶測が飛び交い、明後日の臨時国会で首相選出を前に各党のやり手の幹部らがしたたかに暗躍しているようだ。

 一方、いよいよ秋も深まり、各種スポーツも活発に活動を続けている。プロ野球も終盤に入り、いよいよ大詰めで最後の決戦・日本シリーズ出場チームの決定も昨日セ・リーグは阪神タイガースに決まり、一方のパ・リーグは土壇場の戦いで福岡ソフトバンクと北海道日本ハムが激しい攻防を繰り広げている。ソフトバンクが2連勝して王手をかけていたが、その後日本ハムが勝ち、今日も勝って3連勝でソフトバンクを逆王手に追い込んだ。どちらが勝っても明日パ・リーグの日本シリーズ出場チームが決まる。

 そんな時に、海の彼方アメリカでもMLBがワールド・チャンピオンを決めるワールド・シリーズへの出場チーム、アメリカン及びナショナル両リーグの優勝チームを決定する最終試合が行われている。昨日ナ・リーグではドジャースが大谷翔平選手の大活躍で勝ち、昨年に引き続き、ワールド・シリーズへの出場が決定した。メディア、特にテレビはドジャースの大谷翔平選手の大活躍ぶりに大はしゃぎである。同時進行中の日本のプロ野球はそっちのけで、大谷選手はアメリカ人が舌を巻くほどの二刀流の活躍ぶりだったと報道している。その前の試合までは、やや精彩を欠いていた大谷選手は、昨日一気に力を爆発させたのである。

 とにかく大谷選手の活躍は、ポストシーズン優勝を決めた対ブルーワーズ戦で、先発投手として投げ、6回2安打、10奪三振で勝ち投手となり、打者としても先頭打者ホームランを放つなど3本のホームランを打ったのである。おまけにシリーズのMVPまで獲得した。スポーツ番組以外でも大谷選手の活躍は伝えられ、今日の夕刊、明日の朝刊は残念ながら休刊だが、明日の夕刊には間違いなく大きく報道されるだろう。それは、日本シリーズ出場チーム決定よりも大きく、そして次期首相決定前ではあるが、政界報道を凌ぐほどのスペースを占有するかも知れない。

 さて、昨日かつて住んでいた千葉市幕張町を紹介した「幕張新都心」なる幕張出身の写真家・早坂卓氏が、30年ほど前に撮影、編集した1冊の写真集を幕張小学校の同級生がわざわざ送ってくれた。総じてアルバムの写真からは70余年も昔の面影はまったく感じられない。幕張は、今や人工的未来都市と化してしまった。それは、小学生時代に遠浅海岸であさり取りや、海水浴を楽しんだ海岸が埋め立てられた結果、街の中心部が古い幕張町から埋め立てられた遠浅海岸の地域へ移転してしまい、新たに近代的な街づくりプロジェクトを計画したために昔の面影が消えてしまったのだ。写真をいくら見ても思い出は蘇ってこない。写真集に「幕張新都心」と紹介されているだけに、大手企業が入居した高層ビルや、ホテル、千葉マリーン・スタジアム、幕張メッセ・ホールなどが集中している。我々が住んでいたころは、国鉄総武線と京成電鉄がほぼ平行して走行していたが、今ではそれらの鉄道よりもずっと海側を新線・JR京葉線が設置され走っている。通っていた幕張小学校は、国内でも1,2を争うほど古い伝統校であり、2021年に創立150周年を迎えた。私も学校から記念誌への執筆を依頼され寄稿したが、その名誉ある小学校は紹介されず、近代的建物の新しい小学校や、かつては考えられもしなかった校舎・施設の立派な県立総合高校の写真が掲載されている。これでは想い出が戻ってくるわけがない。確かに私自身幕張にはこれまでも数えるほどしか訪れていない。

 皆クラスメートも高齢化して、交流を続けているのはほんの数人になってしまった。毎年開いていたクラス会も幹事の健康面の問題から、遠ざかってしまった。翻って思い出というものは案外こんなものかも知れない。幕張のように「新都心」と呼ばれるような変貌ぶりでは、かつての住民にとっては何の感慨もないのではないか。ちょっと昔の住民には寂しい感じがしている。

2025年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com