6752.2025年11月7日(金) トランプ関税に翻弄される自動車産業

 最近東証株価は5千円台の大台に達したまま推移している。景気の良さをアピールするひとつの証左でもある。

 近年電機業界があまりパッとしない中で、つい最近まで自動車メーカーが売り手市場で国内経済界を引っ張って来た印象が強い。その自動車業界にも世界経済の影響によりプラスとマイナス面で影響が現れて来た。

 トップ・メーカーのトヨタの今年度中間決算によると売上高は、前年同期比5.8%増で何と24兆6千億円で過去最高を更新した。ところが、営業利益は▲18.6%の2兆56億円だった。その大きな要因は、アメリカのトランプ関税による営業利益9千億円の減少と、この期間の平均為替レートが前年より7円も円高だったことが響いている。この他に黒字を計上したメーカーは、ホンダが、売上高5兆3千億円(前年同期比は僅かながら▲1.2%)であるが、営業利益、当期利益ともに前年同期比で半減し、当期利益は2千億円弱である。四輪車の減少を二輪車事業の頑張りでかなり補完したようである。この他にはスズキが、売上高、営業利益ともに前年同期比でマイナスではあるが、何とか当期利益1千億円(前年同期比▲10.7%)を計上した。スバルも苦しいながらも営業利益763億円(前年同期比▲16.2%)、当期利益548億円(▲34.7%)を計上した。三菱自動車は、売上高は6千億円(前年同期比▲2.9%)だったが、当期利益大幅に減らし何とか7億円(▲97.5%)を計上することが出来た。

 他方、他の大手メーカーの中でも経営再建中で注目されている日産自動車が、前年同期には1,160億円の黒字を計上していたが、今期は779億円の赤字に転落した。ただ、4~6月の第1四半期が前年の第2四半期以降最悪の売り上げ、収益を計上したが、今年の第2四半期は大分成績が回復し伸びたので、今年度下半期以降はそう悲観したものではないかも知れない。現在国内工場を対象に今期は数百台減産する計画であり、今期中に横浜の本社ビルを台湾の企業に970億円で売却し、今後テナントとして入居する予定である。トヨタ同様にトランプ関税による影響が大きく、来年3月までに最大で3千億円に上がると見られている。再建は中々厳しいようである。

 マツダも追加関税や為替の影響で、営業損益461億円、純損益421億円の赤字となっている。

 こうして大手メーカー7社の決算を見てみると、決して自動車業界としては喜ぶべき経営状態ではない。黒字企業は、トヨタとホンダ、スバル、スズキ、三菱であり、他の日産とマツダが赤字を背負った。ただ、マツダは販売の3割がアメリカ市場であり、現状から推察すれば、来年3月までの通年では黒字を取り戻すことが可能と見られている。今は日産がドン底に落ち込み、あの手この手を打っているようだが、どうやってこの赤字地獄から抜け出ることが出来るだろうか注目される

2025年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6751.2025年11月6日(木) ニューヨーク市長に反トランプ氏選出

 昨日行われたニューヨーク市長選で、トランプ大統領が所属する共和党の政敵、民主党のゾーラン・マムダニ氏が当選した。今日大統領は、悔しさまぎれにビジネスフォーラムで民主党はアメリカの最大都市に共産主義者を据えたと述べ、マムダニ氏を徹底的に批判した。更に発言をエスカレートさせ、「今や社会主義者を飛ばして共産主義者だ」とナンセンスな嫌がらせを言って非難している。はっきり言って、トランプ大統領には、社会主義者と共産主義者の違いがあまり分かっていないと思う。大統領、自分と異なる社会政策を富裕層から庶民に向ける政策を主唱する人物を社会主義者と呼び、それが自分とは手の届かないほど極端に外れ、庶民のために行動する人物を共産主義者と呼んでいるだけである。

 今回の市長選では、共和党推薦のカーティス・スリワ氏と、もうひとり事前の選挙でマムダニ氏に敗れて、市長選では無所属で出馬した民主党員、前NY州知事だったアンドリュー・クオモ氏を相手にマムダニ氏は勝利を収めた。選挙直前になって大統領は、事もあろうに政敵・民主党員のクオモ氏を推したが、マムダニ氏に兜を脱ぐことになった。よほど悔しかったのか、トランプ大統領がホワイトハウスにいる限り、アメリカは共産主義化することはないと、自らの信念を貫く決意を語った。

 ただ、マムダニ氏が解決したいと公約に掲げたNYの物価は全米でも異常な高騰をして、例えば、約100万戸50㎡の賃貸住宅の家賃が他の都市では1カ月分約25万円程度だが、NYでは図抜けて高く約62万円といわれている。マムダニ氏は家賃上昇を抑えると公約したことが、庶民層の支持を高めた根拠でもある。

 しかし、若くしてはっきりした物言いは、必ずしも誰からも支持されるというほど甘くはない。実際民主党内でもマムダニ氏と距離を置く党員も目立つようだ。それでも反トランプの影響か、4日ニュージャージー州とバージニア州の2州において、知事選が行われ、いずれも民主党女性候補者が当選した。これら一連の地方選挙の結果を追ってみると、アメリカ国内においていよいよ流れが変わり分断が表れ、それが徐々に大きくなっていくような気がしてならない。来年実施される中間選挙の結果で反トランプ現象がどれほど現れるか気になり、同時に楽しみでもある。

 ところで、日本の高市政権の施政方針はどうだろうか。所信表明では、特に気になったのは、給与を上げるためと人出不足解決の手段として、自らに鞭を打つように「働いて働いて働いて・・・」と絶叫して労働時間の規制緩和を打ち出したことと、現役世代の社会保険料の負担軽減を述べたが、前者については経団連などは歓迎しているようだが、労働団体や過労死自殺をした遺族らからは労働強化につながるとして反発が出ている。またその撥ね返りで70歳以上の基準以上の高齢所得者の医療費の内原則2割負担を3割負担にしたことである。高齢者の医療費はかなり嵩むものである。現役世代の負担軽減は当然検討する必要があるが、そのために同じ福利厚生の予算の中から高齢者のための手当をやりくりするというのは、強引過ぎるのではないだろうか。まるで防衛費の増額を国会の決議もなく、アメリカへの忖度のために国民の考えや、負担を考えずに簡単に決めてしまうのと同じで、あまりにも安易で結論を急ぎ過ぎているように思える。

2025年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6750.2025年11月5日(水) 日本維新の会・藤田代表の不見識

 大阪を地盤とする日本維新の会が、このほど自民党と連携することになって新しい与党の在り方が注目されているが、党創立後まだ日も浅く、充分な基盤が整備されているようには思えない。その維新の会で、仮にも代表のひとりたる藤田文武代表が、公設秘書を通して政党助成金、調査研究広報滞在費など約2千万円を、その公設秘書が代表を務める会社にビラ印刷費などとして発注し、その見返りに会社から秘書が給与として毎年720万円を受け取っていたと共産党の機関紙「しんぶん赤旗日曜版」にすっぱ抜かれた。この公設秘書は当然ながら国から秘書給与として年に6~800万円を受領していた。公設秘書の兼職は原則禁止されている。ある自民党員の公設秘書ですら彼らがやっていることは公金を使っての秘書への「利益供与」だと断じているほどである。この行為について当の藤田代表は、今後は慎むと心からの反省を述べるのではなく、この違法的事実が報道されたことから、共産党への恨みつらみを述べている有様である。そのうえ理不尽にも今後共産党や、赤旗の質問状には一切返答しないと公の党の代表として不見識なわがままを述べたり、取材した赤旗記者の名刺の画像をXで公開したり、心からの反省はしていないどころか悪質な仕返しをしている。それでももうひとりの党代表・吉村洋文大阪府知事は、この事態を厳粛に受け止め内規を改定すると述べた。同時に党創立者である橋下徹・弁護士は、むしろ赤旗の取材記事を大金星と褒めちぎっている。政党の上層部や関係者の間でこれほど考えが違うのは一体どういうことだろうか。

 藤田代表のように致命的な行為を冒し、そのうえ事実が明かされると居直ったりする軽薄な人物が与党で重要な役割を果たしていることが、今後高市内閣で新たな問題を引き起こすのではないかと懸念される。そのせいか今日は、ハイテク株が売られたこともあるが、これまで上がり続けていた高市相場の日経平均株価5万円台を何とか維持したが、一時5万円を割った。最終的に前日比1,284円も値下がりした。

 今改めて日本維新の会を見てみると、大阪府では衆議院議員に自民党からは比例復活議員が1名いるだけだが、維新議員は19名もいる。他党も合わせて5名いるだけで、大阪府内は維新が圧倒的な勢力を誇っている。しかし、それだけに議員も皆若く、藤田代表も45歳で今年党幹事長から共同代表に就いたばかりで、世間知らずで経験不足は否めない。これから党運営を期待に応えて行えるかどうか、心配な点がある

 日本維新の会としても、誰が聞いてもこういう税金還流を平気で冒したような党代表議員に何らの制裁も課さないというのでは、党としてのモラルと見識を疑われるのではないだろうか。

 さて、今日は海外で、それもニューヨークでトランプ政権を揺さぶりかねない選挙結果が出た。民主社会主義者で民主党のまだ34歳のゾーラン・マムダニ氏が、ニューヨーク市長選で元ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ氏を破り当選の見通しとなった。トランプ大統領は、マヌダニ氏を共産主義者と嘲笑していたが、大きな選挙で思い通りにならなかったことは初めてで、早速嫌がらせを始めてNY市に連邦資金の拠出を制限するとほざいている。マヌダニ氏の勝利は、現在全米各地で起きている反トランプ・デモを一層鼓舞することになるだろう。自分勝手な行動でとかく批判されているトランプ旋風にパンチを食わせたと思えば、痛快である。

2025年11月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6749.2025年11月4日(火) オーバーツーリズムは山の麓にまで

 近年世界各地の人気のある観光地でオーバーツーリズム現象が広がり、メディアでも大分伝えられるようになった。それが地元住民の日常生活にも深刻な影響を及ぼしている。イタリアのベネチアでは、観光客の増加に伴い、狭い路地や橋が観光客で溢れ、またクルーズ船の寄港により一時的な人口増加となり狭い都市のインフラに大きな負担となっている。実際にベネチアは小さな町である。ここへ万人単位で外から観光客が訪れたら町がパンクしてしまうだろう。市では入島税を課して訪問客を抑えようとしているが、訪問客がある程度減少しなければ抜本的解決策とはならない。

 日本でも京都や、奈良、鎌倉など昔からの観光地に国内外を問わず多くの人が訪れているが、それほど効果的な対策は講じられていない。京都市内では、「日本人離れ」の現象が見られ、2024年の紅葉の美しいシーズンに京都を訪れた日本人は前年に比べて平均約15%も減った一方で、外国人は約30%増えたという。これまで寺社や、祇園嵐山など市内の主たる観光箇所から、これまであまり訪れなかった京北や山科などを訪れる日本人が増えた半面、今では外国人が以前は日本人観光客が訪れていた観光スポットを訪れるケースが増えた。また、市内の主要ホテルには外国人の宿泊客が多くなり、櫻開花の24年4月には、初めて外国人の宿泊比率が、70%を超えた。京都市では市内の高級ホテルの宿泊料金に課せられている「京都市宿泊税」を、更に来年3月から大幅に引き上げる。例えば、宿泊費が6千円未満の場合は、現在200円の宿泊税に変更はないものの、これ以上の高額宿泊費には段階別に宿泊税を引き上げる。特に、10万円以上の宿泊費には宿泊税はこれまでの千円から一気に1万円に引き上げる幾分強引な値上げを計画している。それでもこれも広義的にはオーバーツーリズム対策の一環と言えるのかも知れない。

 こうした観光都市でのオーバーツーリズムの実態の中で、今朝テレビを観ていて驚いたのは、都市部だけではなく山岳登山の聖地とも言える上高地にまでそのラッシュが押し寄せて来ていることである。私自身大学や会社で山岳クラブに所属していて、冬季以外は、毎年のように上高地から北アルプス、特に槍・穂高連峰へ登ったので、上高地周辺の心静まるあの景色と雰囲気はよく覚えている。あの河童橋の周囲に大勢の観光客が訪れ、今年は珍しく穂高連峰の雪景色と麓の紅葉を同時に楽しめ、写真を撮っている彼らの楽しそうな表情や、橋の下をアルプスの水が流れる梓川の水際にまで人々が群がっている光景は、かつてはとても考えられなかったことである。当時は何の問題もなかったが、今では松本から上高地までは、途中の沢渡までしか車では来られず、沢渡からその先の河童橋までのシャトルバスに乗るのは長蛇の列である。静かで情緒のある上高地周辺に少々人が多すぎるように感じた。

 北アルプスも遂にオーバーツーリズムの影響を受けるようになってしまったのかと考えると、寂しく残念な想いがする。

2025年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6748.2025年11月3日(月) 今日「文化の日」に87歳の誕生日を迎える。

 今日国民の祭日「文化の日」は、私にとって87歳の誕生日である。私の名前「節夫」も当時の「明治節」から一文字いただいたものである。この年までかなり自由に、好きなことに熱中し、これまでの人生にやり残したことや、反省、悔いなどほとんどない。幼少ではあったが、戦争の厳しさと怖さを実感として知ることが出来たことは、戦争反対を唱える立場上良かったと思っている。今でも自分の時間を執筆などに費やし、特に18年余り毎日ブログを書き続け、そのお陰で認知症から若干距離を置いていられる。それでも昨日辺りからお腹の具合がパッとしないが、8歳若い妹からお祝いのメールをもらった。妹からは亡父93歳で他界したので、それを乗り越えるよう励まされたが、どうだろうか。小学校入学以来高校卒業までの12年間を大きな病気に罹ることもなく、1日たりとて学校を休んだことがなかったので、つい最近まで健康優良児を自認していたが、やはり寄る年波で身体のあちこちに症状を覚えることが少しずつ出てきた。ここ数年間に亡くなった知人も増えた。親しい友人とのいくつかの定期的会合もちょっと先送りしている状態である

 同じ年の有名スポーツ人の中でも、オリンピックの水泳で4個の銀メダルを獲得した山中毅は78歳、大鵬とともに柏鵬時代という1時代を築いた横綱柏戸は58歳、プロレスで力道山の後継者ジャイアント馬場が61歳という具合に、皆早く亡くなられた。

 実は、今年3月にNPO[知的生産の技術研究会]の仲間と新しい雑誌「イコール」を起ち上げ、私自身は編集には加わらないが、毎号寄稿することにしている。中々ユニークな雑誌で、3人の編集長がいて、それぞれ別のテーマを掲げている。私はNPOの元理事長だった久恒啓一編集長が年齢を重ねても頑張ることを主唱する「アクティブ・シニア革命」グループに関わっているが、その表紙に「人生百年時代・新孔子の人生訓」という図が描かれている。それには80歳から95歳までは熟年期ということになっている。考えてみれば、私はいま人生の熟年期の真っ只中にいることになる。それを超えると110歳までは大人期、120歳までは仙人期であるが、とてもそこまでは辿り着けないだろう。精々父親の93歳まで頑張ってみようと思っている。

 ところで、「文化の日」には文化勲章や、他にそれぞれ個別に栄誉ある賞が授与される。昨年の受章者には、受賞者中唯一の女性で高校の同級生だった中西準子さんが授賞した。今年の文化勲章には、王貞治氏が野球人としては、2021年の長嶋茂雄氏以来2人目の受章者に選ばれた。秋の叙勲者として4,067人が栄誉に授かったその内民間受賞者は1,910人で48.2%と発表しているが、実は、最も権威ある桐花(2人)、旭日(6人)、瑞宝(3人)など3つの大綬章の中には民間人は1人しかいない。大綬章以下も圧倒的に政治家、裁判官、外交官、官吏、国立大学教授ら公的業務に就いていた人が多い。中でも驚いたのは、旭日大綬章受賞者の中に就任早々の高市首相の夫・山本拓元農水副大臣がリストアップされていたことである。これは高市首相に対する忖度であるとしか思えない。プライバシー優先ではないだろうか。首相もこれを由としているのだろうか。いずれにせよ、依然として日本社会には官尊民卑が常態化していることを図らずも露呈し

2025年11月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6747.2025年11月2日(日) ドジャースWS連覇、山本投手MVP獲得

 今日カナダのトロントで、ワールド・シリーズ(WS)、ドジャース対ブルージェイズ第7戦が行われ、後半から夢中になってTV観戦したが、随分盛り上がり観ていて大分興奮した。試合は延長11回の末ドジャースが5-4で勝ち、シリーズを4勝3敗で制覇して、今年のWSチャンピオンとなった。ドジャース・ファンばかりでなく、アメリカ、日本を問わず野球ファンは興奮し、都内でも読売とスポーツニッポンは号外を出したほどの熱狂ぶりである。

 今年のドジャーズは大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手ら日本人選手の活躍チャンピオンになったような感じがあるが、そのために日本でも彼らの出場するTV中継は視聴率が高い。つい先日日本シリーズでソフトバンク・ホークスが優勝したが、双方の視聴率むしろWSの方が高かったくらいである。今日も朝からNHK・BSで生中継していたが、これが総合TVで放映されなかったために観られなかったと一部から大分不満が出ているようである。総合で放映なら視聴率のトップ争いに入ったほどだったらしい。

 このWSは逆転、延長戦などで熱戦が繰り返され、昨日までに3勝3敗で今日決着が付いた。今日の試合も大谷選手が先発で投げ、トップバッターだった。残念ながら3点を取られて交代した。その後ドジャースは徐々に盛り返し漸く追いつき、延長戦へ持ち込んだ。そして驚いたことに9回から昨日6回を投げ、勝ち投手となった山本投手が登板し、11回にドジャース選手が勝ち越し本塁打を放って勝負を付けた。結果として山本投手は今シリーズに3勝を挙げ、最優秀選手(MVP)に選出された。

 ドジャースにとってWSを制したのは9回目で、2年連続は初めてである。その一方で、ブルージェイスは32年ぶりのワールド・チャンピオンを逸した。また、山本投手のWS・MVP受賞は、松井秀喜選手がニューヨーク・ヤンキース時代に授賞して以来16年ぶりで、日本人選手としては2人目である。年々日本人選手の活躍が目立つようになったが、その先鞭をつけたのはドジャースの野茂英雄投手である。今年のWSでもロスアンゼルスの第3戦の始球式に登場した。野茂投手以降毎年日本人選手が活躍するようになり、今では日本のプロ野球界に入団しても最終的に目指すのは大リーグだという選手が増えてきた。

 今シーズンはWSを以て日米ともにオフに入る。以前に比べて私自身プロ野球への関心はやや薄れてきたが、MLBを含めて来年も楽しませてもらいたいと思っている。

 今年のWSでちょっと気になったのは、ひとつは、試合開催日である。これまで日米ともに最終の優勝チームを決めるシリーズ7戦の試合日は、決まって(休)(休)に行われ、月金は移動日、或いは休息日だった。それが、今年のWSは、敢えて最も集客にメリットのある日曜を外して、(休)(休)となった。調べてみると、この時期はアメリカでは野球以上に人気のあるアメリカン・フットボール他のスポーツ行事が大分行われるので、それとダブルのを避け、日曜を外したうえで、日曜日を含んだ7日間と含まない7日間の観客予想、売り上げ予想などを検討して今年の様なスケジュールにしたそうである。何でもアメリカのルールに右へ習えの日本ではあるが、今のところそのようなことはあるまい。

 もうひとつは、1999年11月にふらっとカナダをぶらついた時に、トロントで今日試合が行われたブルージェイズのホームグランドであるロジャーズ・センターのグランドに足を踏み入れて見学したことである。ここは、世界最初の可動式屋根付きドーム球場として知られている。そこでワール今年のド・シリーズが開催されたのも感慨深い。その時ちょっと山の麓へ足を延ばし、ブルージェイズ(青カケス)を見たことも懐かしい想い出である。

2025年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6746.2025年11月1日(土) 高市首相の言動に外国の見方は?

 昨日午後遅くなってから雨が降り出し、夜にはかなり激しく降っていたが、今朝起きると庭の木々は降雨がはっきりと分かるくらいしっぽりと濡れていた。

 ついては、28日にアメリカのトランプ大統領、30日には韓国に飛び李在明大統領、そして昨日は韓国慶州で中国の習近平国家主席と会談して大忙しの高市首相は、先の2首脳との首脳会談では、いつも通り笑顔だったが、昨日の習近平主席との首脳会談では、最初から米韓首脳とは異なり、重苦しい出会いで笑顔も小出しだった。国家の首脳が相手国の首脳と初めて会うのに、気難しい顔をして表情が冴えなかった。

 これには、中国国内でも前広に伝えられていた首相の歴史認識や靖国神社参拝を懸念し、右翼の女性首相との刷り込みがあったことも影響していると思う。表面的には、お互いに戦略的互恵関係を推進し、建設的かつ安定的な関係を構築することを確認した。ただ、習近平主席は、植民地支配と侵略を心から謝罪した村山談話に、高市首相が否定的な見解を示したことに対して批判した。一方で、首相も沖縄・尖閣諸島を含む東アジア海の問題や、新疆ウィグル自治区や香港などの人権問題について懸念を伝えた。同時に日本産牛肉や水産物輸入規制について中国の前向きの対応を求めた。

 お互いの気持ちを抑えながらも日ごろ思っている問題を相手に伝えたようである。高市首相が選任された際、友好国の首脳陣からはすぐ祝電が届けられたが、習近平主席からはお祝いのメッセージは届けられなかったことも、2人の関係は特友好的と言えるものではないような印象を与えた。

 ところで、高市首相が首相就任以来、株式市場は上り調子で、27日には東証史上初めて日経平均株価を5万円台に乗せ、翌28にはちょっと下がりはしたが、以後29日、30日と上がり続け、昨日は52,411円という最高値で終わった。これも名前が「市場を高める」意を含んでいるからだろうか。今後内に秘めた極右思想を外部へ出さないよう注意しながら、首相の職務を果たしてくれることを望んでいる。

 さて、国内では5月に現職市長を破り、初当選した伊東市の田久保真紀市長が学歴詐称問題により、昨日市長失職が決定した。当選以来僅か5カ月の間に、市議会の市長不信任案可決により、市長は辞職を求められたが、逆に市議会解散を通告し、市議選が行われた。そこで新たに選出された市議による2度目の不信任案可決が決まり、今度は市長職を失職することになった。そもそもは市長が卒業していない東洋大学を卒業したと偽りの経歴を市広報誌に掲載したことが騒ぎの発端である。市の行政はストップし、市議選を実施し、今改めて12月に市長選を行うことになったが、市行政の停滞の他に、時間の無駄、多額の選挙費用の無駄により観光都市「伊東市」も大きくイメージを落とした。

 愚かな首長が、犯した罪は重いと思う。他にも愚かな市長が話題になっているが、どうしてこのよう自治体の名誉を貶めるような人物を市長に選任するのか。選挙権を行使する成人は、よほど人物査定を盲目的でなく、細かく主張、人間性などをチェックする必要がある。

2025年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6745.2025年10月31日(金) ハロウィーンは日本人向きか?

 都市部の街の雰囲気も近年随分変わった。今日は日本人には少々異質な「ハロウィーン」の日である。毎年仮装した若者がJR渋谷駅近くのスクランブル交差点周辺に集まり派手に騒いで、通行人や近くの商店などに大分迷惑をかける行為が横行して、渋谷区や警察も頭を痛めていた。そこで騒ぎの中心「忠犬ハチ公像」周囲に人が溜まらないよう警戒を始めた。2年前からハチ公像が隠れるよう幕を張った。今年は「禁止だよ!迷惑ハロウィーン」と書かれた幕で囲ってハチ公像が目につかないようにした。同時に区条例を改正して、交通規制、夜間の路上飲酒禁止、ゴミ捨て禁止などの強硬手段を取った。この処置は明日の明け方まで続く。だが、残念ながら夕方から東京全域に雨が降り、渋谷も例年の賑わいは無理だった。

 ハロウィーンの発祥は、2000年も前にアイルランドに居住していたケルト人が夏の終わりに、秋の収穫を祝うとともに、悪霊を追い払う宗教的な行事として行われた。それが大西洋を渡りアメリカに伝わった。日本に伝わったのはそれほど古くはない。私がこの奇妙なハロウィーンを知ったのは、1976年10月に初めて文部省教員海外視察団のお伴でアメリカ・マサチューセッツ州ニューベッドフォード市内の小中学校を訪れ、同市に滞在した時だった。10月初めだったが、訪れた学校や、子どもを持つ家庭では、すでにそこかしこにカボチャをくり抜いたハロウィーン特有の飾りつけが見られ、視察団の先生方は初めて見て知るハロウィーンに随分興味を持たれたようだった。

 日本ではハロウィーンは誤解され、渋谷では浮かれた若者たちが禁止されている路上で酒を飲み、ゴミを捨て、大騒ぎをしているだけである。若者らもキリスト教の風習だと理解してもう少し行動を慎む方が賢明である。

 明日早朝には、幕が取り払われ、元の渋谷駅前に戻るようだが、アメリカから入って来たこのような子ども向きの行事が、日本で今後も広く流行するかどうかは分からない。あまり地方向きではないし、若者が酒を飲み、名のある繁華街で騒ぎたいだけのように思える。とても中年以上には関心を持たれないだろう。

 ついては、小中学校の生徒らに近年不登校児が増え続けていたが、昨年度は12年ぶりに不登校児数が減少に転じた。だが、それも一昨年度に比べて一時的に僅かに減った程度で、全体の傾向としては増え続けてこのまま放置できない問題である。学校へ行きたがらない子どもを抱えた親は、随分悩むことだろう。こればかりは首都東京も地方都市も同じような傾向であり、文科省も全国的な問題として対策を考える必要がある。他に留意しなければならないことは、これは公立小中校だけではなく、公立高校、特別支援学校、私立校も同様に普遍的な現象であることである。最大の原因に共通の「いじめ」があるというから厄介で、各教育委員会も頭を悩ませながらも効果的な処方箋を採り入れ対応せざるを得ない。

 実は、昨日妻が学生時代の友人に会った際、彼女の2人のお孫さん、小学生と中学生が不登校状態で悩んでいると聞いて、身近にも不登校を抱えた本人、家族がいるものだなぁとお気の毒に思っている。とても他人事とは思えない。当事者の悩みと苦しみは想像に絶するものがあると思う。これは学校をはじめ、教育委員会も真剣に長期的な視点から具体的な対策を考える必要があると思う。

2025年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6744.2025年10月30日(木) 立憲民主党の心変わり、安保関連法賛成

 2015年9月安全保障関連法が成立し、翌年から施行されている。自民党が日本維新の会と連携した際にも、維新はこの安保関連法3文書に同意した。この法律は自衛隊の戦斗行為について反対していない。中でも、憲法に反する集団的自衛権行使の一部、自衛隊の海外における活動範囲の拡大を容認しているほど先鋭的である。

 これには当時の中道左派政党を始め、リベラル団体などは強く反対した。成立後10年が経過した今年9月に、当初から同法に強く反対してきた日本弁護士連合会は、憲法9条の解釈を変更することは、立憲主義の基本理念、国民主義の基本原理に反するとして改めて違法を指摘した。同時に、後方支援の拡大や武器使用の立法も、自衛隊が海外で武力の行使に至る危険性を高め、憲法に違反することは明白であると主張している。世界中で戦争へ風向きが向いた近年、2022年2月ロシアのウクライナ侵攻、10月のガザ地区におけるハマスとイスラエルの紛争など、各地で武力紛争が生まれた。この状況下に弁護士会は安保法制の運用に反対することを改めて公表した。

 自民党政権が安保関連法を法制化したことにリベラル政党の母体だった当時の民主党が、当初断固反対した。時を経るとともに民主党から立憲民主党と国民民主党が時間を置いて民主党を離れた。これらの中道政党も徐々に保守化して、近年になって先ず国民民主党が安保関連法に賛同するようになった。強く反対していたのは、立憲民主党と日本共産党だった。

 ところが、本当かよ?と思うようなどんでん返しがあったことを知ったのは、つい昨日のことである。リベラル政党のリーダー格であり、自民党に次ぐ国会議員数を抱える立憲民主党が、何と安保法制を容認すると言い出したのである。立憲の腹の内まで分からないが、この変身について国民民主党や公明党との連携を進めたいとの考えのようだが、国民民主党からは歓迎する声がある反面、身内の党内、及び共産党からは立党の原点を自ら否定するものだと厳しく非難されている。

 それにしてもかつては共産党とともに60年安保闘争をリードしてきた日本社会党の末裔たちが、メンツも何もかなぐり捨ててリベラル色を払拭するとはとても考えられないことである。21年に立憲は、基本政策に「安保法制の違憲部分を廃止」とはっきり明記している。衆議院自民党員196人に次いで147人を抱える立憲党員は、中道政党のリーダー格である。立憲の腹は、疑似自民党の国民と公明と手を結んで政権獲得を目指し、あわよくば立憲の野田党首が首相に返り咲くことを狙って、かくも不誠実な手を打ったのだろうか。こんな信念に欠ける低俗な言動では、立憲のシンパたちは党からどんどん離れていくだろう。次回の総選挙では立憲は大きく支持を失い、議席も失うだろう。これだから政治家というのは信じられないのだ。これからしばらく立憲の発言に注目してみたいと思う。

2025年10月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6743.2025年10月29日(水) トランプ大統領への忖度が財政難へ

 昨日の高市首相とトランプ大統領による日米首脳会談は、見かけ上は両者の信頼関係が構築され、外見上も親しさが見えてまずまずだったように思う。気難しいトランプ大統領の信頼感を、これまでの日本の首相にはないくらい高市首相は得られたようだ。それは日本人女性首相というアメリカ人大統領にとっては、珍しく明るい首相の性格と人懐っこさが受け入れられたように思う。首相就任後1週間でこれほどアメリカに自分を売り込んだ日本の首相は過去にはいないと思う。それは安倍元首相の後継者という名刺をトランプ氏に配り、友人「シンゾー」の後継者であるということを納得させ、その明るい性格をトランプ氏が気に入り首脳会談を予定通り順調に終わらせることが出来たからでもあると言えよう。

 両首脳が合意したディールの中で、気になったのは金銭面で予算を上回る防衛費の増額であり、関税合意で日本側が提案した約80兆円の対米投資である。後者は、まだ民間企業が主体的に関わる問題であるので、国にとってそれほど慌てることはないが、問題は前者の防衛費の増額である。これは政府が2027年度までに対GDP2%を実現する目標を繰り上げて、今年度中に前倒しして実施する方針を考えていることだ。実際今日アメリカのヘグセス国防長官と会談した小泉防衛相は、はっきりそう述べた。いずれこれも3.5%にまで増やす意向である。このままだと現憲法が決別した軍事国家の道を再び歩むことになる。しかし、トランプ大統領は更に上乗せしてEUと同じように5%に増やすことを求めているのである。

 執行中の予算額を一方的に増額することについては、国民はあまり知らされていない。国会でも議論されていない。そこまでしても首相はトランプ氏の要望に沿いたい腹なのであろう。

 普段から借金大国と言われ、世界の中でも図抜けて借金の多い日本では、民間からも借金を減らすよう要望は出ても消されて一向に減ることもなく増える一方である。実際国の借金である国債残高は、毎年増える一方で、今年度末には実に1,129兆円に達する見通しである。その借金が始まったのは、東京オリンピック直後の1965年からである。五輪後に景気が悪化して税収不足に陥ったころである。赤字国債発行は禁じられていたために、政府が特別措置法を成立させて、1,972億円の赤字国債発行に踏み切った。その後毎年不足がちの歳入に国際発行分を補填する悪習が今日まで続いている。時々有識者らからは財政健全化の声が出るが、政策実行にプラスにならない財源不足を補うためにその都度赤字国債を発行してきた。高市財政でもその財源不足を当然のように赤字国債を続けることだろう。そしてその尻ぬぐいは現役世代と将来世代に委ねられることになる。首相自身が責任を取ることは考えられない。一番の問題は、こういう財源不足の時代に、何の抵抗もなく防衛予算の拡大をどの政治家や、財務省幹部らも止めようとしないことである。

 高市首相のお祭り騒ぎに付き合わされて、いずれ国が財政面で傾き破綻したら、どう対応するのか。現状は少々無神経過ぎやしないだろうか。4日前の本ブログに取り上げた首相憧れのサッチャー元英首相の言葉をもう一度よく噛みしめて欲しい。

 「国家が支出を増やすなら、国民の蓄えから借りるか、増税しかない。『公のお金』などはなく、あるのは『納税者のお金』だけだ」。

2025年10月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com