6627.2025年7月5日(土) ダライ・ラマの生まれ変わり「輪廻転生」?

 中国の迫害を恐れて母国チベットを逃れ、インドの北部ダラムサラにチベット亡命政権を樹立したチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世が、一昨日後継者選びに関する声明を発表した。自分の死去後に自分の生まれ変わりを探して決める「輪廻転生」の制度に則るというものだった。「輪廻転生」とは、仏教用語だと信じていたが、現実にこの言葉をチベットで最高指導者自らが今まで通り実践しようということに納得させられた次第である。従ってラマ14世は自分の後継者が誰になるのか、生前には自分には分からないということになる。

 ただ、ラマ14世をチベットから追放した形となった中国政府としては、ダライ・ラマの影響は極力避けたいために、輪廻転生による後継者は中国政府が承認する人物でなければならないとラマ14世の言葉に反発している。ラマ14世が即位したのは1940年で、14世がまだ幼かった4歳の時だった。こんな幼少児に指導者としての先導はとてもできるものではないと思うが、爾来14世は90年近くに亘りチベット仏教界の指導者、牽引者として崇められてきた。中国共産党軍がチベット自治区へ進駐したことによって、1959年チベット動乱が発生した際に、ラマ14世はチベットから脱出しインドへ逃れ、インド国内にチベット亡命政権を樹立した。その後ラマ14世は、チベット解放運動で非暴力を貫いたとして国際的に高く評価され、ノーベル平和賞を授与された。このノーベル平和賞受賞についても中国政府は、内政干渉と非難する有様で、中国とラマ14世、チベット亡命政府の間には、わだかまりは解けず、このままでは亡命政府はそのままインドに留まることになるだろう。ただ、ラマ14世は明日6日には90歳の誕生日を迎えるので、残りの人生もそう長くはない。中国政府が現在のチベット自治区や新疆ウィグル自治区、香港で行ってきた非民主的行動、高圧的な支配及び管理などを考えると、仮にラマ15世が誕生しても、チベット人のチベット人によるチベット人のための国造りは、見果てぬ夢になりかねない。

 現在中国国内に住むチベット族は、6~7百万人と推定される。その内子どもの数は、約百万人とされ、彼らは中国が管理する寄宿学校で学習しているが、中国語による授業がほとんどで、チベット語による言語や文化を学ぶ機会は大分減っている。

 2006年にチベットを訪れたことがあるが、その折チベット自治区の首都ラサの大昭寺境内で大勢の信心深いチベット人が五体投地という地面に臥してお祈りをしている姿を珍しく感じたものだ。ポタラ宮殿内の質素なラマ14世執務室などの見学を終えて、宮殿前広場へ出てくるとチベット人の五体投地の近くに、突然大勢の中国軍兵士が姿を現したのを知りびっくりしたことがある。何やら落ち着かない空気が流れていたが、その3か月後の07年3月にまたもやチベット動乱が勃発した。中国政府は、今後も引き続き、チベット民族の住むチベット自治区を強圧的に管理して一切統治、支配を手放そうとはしないだろう。ラマ14世の管理、指導するチベット自治政府が復活することは、難しくなったのではないかと残念に思っている。

 さて、昨日の本ブログでアメリカ独立記念日に際してトランプ政権へ最後っ屁を放ってやったが、そのトランプ自慢の「一つの大きく美しい法案」に対して、下院で反対演説を9時間近くぶった民主党のジェフリーズ氏はこう言っていた。「一つの大きく醜悪な法案」だと。

2025年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6626.2025年7月4日(金) 地震頻発のトカラ列島とわが健康問題

 先月21日以来鹿児島県南方沖合のトカラ列島方面で地震が頻発している。今日までの2週間に震度1以上の地震発生が1,200回を超えたというから驚く。昨晩には、震度6弱の大きな地震が発生した。最大の影響を受けている悪石島では、住民80人の内、102歳までの希望者を鹿児島市内へ避難させた。地震と言えば、最近では近畿地方を中心とする西日本一帯に「南海トラフ」地震が発生すると予想した警報が何度か伝えられたことがある。それが今や現実的な焦点が南方の洋上トカラ列島方面へ移ってしまった。幸い今のところ死傷者はいないようだし、津波も襲来していない。今後沈静化することをひたすら願うばかりである。

 ところで、私自身の病魔はどうだろうか。予防医学を念頭に定期的に広範に医院で診察してもらっているが、昨日慶應病院循環器内科で3カ月ぶりに心電図を取り心臓の不整脈の診断をしてもらった。その際担当していただいている医師に、いくつか質問をしてみた。ひとつは、先月9日の未明に右背中が痛み出し、それがしばらくしてお腹の上部に移転し、その痛みが激しく中々収まらず、1時間半ばかり痛みに耐えていたが、その内眠ってしまったことと、もうひとつは、朝一番にかかりつけの内科医院で相談したところ、採血しましょうとのことで血液検査をしてもらった。血液中に蛋白質が溜まるCRP数値が、いつもよりぐ~んと跳ね上がったことと、血液の中に少し濁りが見られるとの診察の結果、そして毎朝晩測っている血圧・脈拍数値の脈拍が6月9日以降大きく下がったことが気になっていることをお話した。すると心電図検査の結果も合わせて、心臓に問題がある可能性があるので、CTスキャンで検査しますと仰り、大分先の10月にCTスキャン検査をすることになった。まだとても気を許せない体調のようだ。しばらく無理が出来ないと観念している。

 そして、昨日は暑い中ではあったが、午前中だったので、自由が丘駅まで歩いて出かけた。帰路も駅から歩いた。そして病院内でも随分あっちへ、こっちへ行ったり来たりしながら歩いたせいか、万歩計を見て驚いた。何と1万歩を超えていた。それこそ昨年のいつごろからか、とにかく1年以上も1日1万歩を歩くことはなかった。一方で体調に気を遣い、最近はほぼ毎日ウォーキングで平均して1日5千歩は歩いている。今日も5126歩を記録した。健康上無理がないよう毎日定期的にウォーキングの習慣は欠かさないように心掛けている。

 さて、今日7月4日はアメリカの独立記念日であるので、トランプ大統領についても一言言ってやりたい。3日アメリカ下院議会で、大型減税を盛り込んだ法案が賛成218、反対214の僅差で辛うじて可決した。大型減税を盛り込んだ法案であるが、減税と言いつつ企業や富裕層に恩恵がある一方で、低所得層には厳しい法案である。いずれ彼らから不満が噴出してくるだろう。しかも、この法案により今後10年間に財政赤字が約490兆円も拡大すると見られている。これに対して、トランプ大統領は、大型減税を盛り込んだ「一つの大きく美しい法案」が可決されたと得意がっているようだ。何が美しい法案か。全体的視点や、貧困層を見る目がまったくないようだ。独立時のジョージ・ワシントン大統領に比べ、何と全体像が分からないお粗末な大統領であることか。

2025年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6625.2025年7月3日(木) 参院選でなぜ防衛費増額を議論しないのか。

 参議院議員選挙が今日公示され、今月20日が投開票日と決まった。昨夕与野党8党の党首討論会が日本プレスセンターで開かれ、テレビで生中継された。残念ながら観ていなかったが、与党自民、公明党は物価高騰に際し、ひとり2万円の給付金を交付すると述べた。一方、野党6党の党首は、物価高対策として消費減税や、所得減税を訴えた。与党の2万円給付については、野党から選挙対策のための「バラマキ」と批判されている。しかし、われわれ安保世代が一番気になっていることが、今回どこの政党もアピールしなかった。それは防衛費の増額について、どの党からも何ひとつ反対の意見が出なかったことである。せめて共産党は党の公約として断固反対を主張すべきである。

 そこで今年度の防衛予算は、国内総生産(GDP)の1.8%、8兆5千億円である。これを27年度までに2%に増額しようと考えているが、現状では実現しそうである。かつて1976年三木武夫内閣は防衛予算増額の要求に応じてGDPの1%以内を約束した。それが大した論議を重ねないまま徐々に増え、今では1.8%となった。以前にはGDP1%だった防衛費をほぼ2倍にまで膨れ上げてしまったことになる。ところが、現在アメリカは日本に対して日本の防衛費は少なすぎるとして極力3.5%に引き上げることを求めている。つい先日アメリカの要求によって29年度までにNATO各加盟国は5%を約束させられたばかりである。

 防衛費のような国家予算の巨大な支出に対して、共産党、社民党を除きどの党からも強い反対の声が出て来ないのは、全国会議員が社会保障などより戦争のための備えをしていると受け取られても仕方がない。そして、戦後80年が経過してこの軍事費支出に不感症になった今の国民、特に若者たちは戦争についてどう考えているのだろうか心配でならない。臨場感で戦争の厳しさ、残酷さを知れば、戦争がいかに恐ろしいものであるかということが分かるのだが、如何にせむ戦争の臨場感は戦争の現場でなければ分からない。軍事費は増え、いつの間にか気が付いたら戦争が目の前にやって来るだろう。その時「怖い」、「何とかして」と言っても最早遅い。手遅れであることを覚悟しておく必要がある。防衛予算に関する論議が期待出来ない参院選挙は、はっきり言ってそれほど関心がなくなった。

 さて、昨日テレビ報道でお粗末な事件を知った。静岡県伊東市の田久保真紀市長が市会議員2期の末、今年5月に行われた市長選で初当選したが、経歴に学歴詐称があったと市議会で追求され、伊東市議会では近日市長解任決議案を提出するそうである。政治家というのは、選挙民のためにひと肌も二肌も脱ぐ覚悟で真摯に政治にまい進しなければならないのに、褒められるような行動はあまり伝えられない。

 伊東市長のケースは、学歴蘭に東洋大学卆と明記されていたが、いろいろ追求された挙句に、本意かどうか市長本人が大学へ出向いて卒業証明を求めたところ、大学から除籍処分なのでそれは出来ないと言われたようだ。これもまったくおかしな話である。どうも話に説得力がない。こんな姿勢ではとても市民の疑念を晴らすことは出来まい。卒業と言えば、卒業証書、或いは卒業証明書、また場合によっては卒業アルバム、指導教授の証明、などいくらでも卒業を証明する材料はあると思う。ところが、田久保市長にはいずれも証拠がないようだ。卒業式にも出なかったし、卒業写真の撮影の場にもいなかったと、あまり信用出来ない話ばかりである。テレビ・ニュースを観ていると市長は悪びれもせず、開き直らんばかりの姿勢だった。市議会各会派の代表は、地方自治法100条に基づく百条委員会の設置と、市長の辞職勧告決議案を議会に提出するようだ。それにしてもこの学歴詐称については、これまで市長が市議に立候補した当時の2度の市議選では問題にならなかったのだろうか。また支持者らはこのことをどこまで承知していたのだろうか。とは言え、随分レベルの低い地方自治の実情である。

2025年7月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6624.2025年7月2日(水) トランプよ 驕ることなかれ!

 もういい加減にしてくれというのが、トランプ大統領に対する強い不満である。今春以来ハーバード大に対して補助金の支払いを拒否するなど、学問の自由に踏み込んで大学にお仕置きをしていた。しかし、その後ハーバード大とは関係を修復しつつあった。そこへ30日政権は大学がユダヤ系の学生や、教職員に対するハラスメントに対応せず、公民権法に違反したとの調査結果をまとめ、大学がこれを是正しない場合は政府から大学への補助金をすべて停止するとまた嫌がらせの通告をした。どうも心変わりの激しい大統領だが、事態の捉え方も表面的な言葉だけですべてを判断する浅薄さがある。

 核開発問題を抱えてイランを抑え込みたいトランプ氏は、イスラエルを利用してイラン核施設を攻撃し、イランに有無を言わせず停戦へ追い込み、戦争終戦を主導したのは、自分だと世界中に売り込んでいる始末である。

 そしてその悪癖は、対日貿易交渉でも表れた。25%という高額関税を唐突に課して、日本を苦悩させているが、日本も大きな経済的影響を受けるだけに、粘り強く交渉している最中に、昨日一方的に「日本は30%か35%の関税、もしくはわれわれが決定する関税を支払うことになる」と対日関税の引き上げを仄めかした。対日交渉が思い通りに進まないのに苛立ったのである。現在日本は一律10%の関税を課されていて、措置が一時停止されている相互関税の引き上げを含めて関税率は24%となっているが、これさえ大きく上回る水準であり、日本との間で進められている交渉内容がいたくお気に召さぬようだ。

 現在日米貿易は、1979年以来46年連続してアメリカが赤字である。アメリカが対日貿易上問題視しているのは「自動車」と「米」である。トランプ大統領は、1980年代から圧倒されている日本の自動車産業を敵対視する発言を繰り返している。彼の対応と発言の稚拙さは、ひとつには、これらの問題点をその都度、ひとつずつ徐々に話し合って解決するという当たり前の地道な手段を取らず、いきなり、しかも強引に上から目線で自己流を押し付けることである。もうひとつの問題は、アメリカの自動車が日本市場で販売が伸びない原因は、日本のマーケットに合致する対策を取らないからである。例えば、アメ車には、日本の道交法で決められた、全シートに安全シートを取り付ける義務があるが、アメ車には運転席にしか取り付けられていないことと、テールランプに白色が設置されておらず、これでは後続車が追突しかねない。これらを承知のうえであろうが、日本のマーケットに合わせようとしないアメリカ自動車産業に大きな欠陥があるといえよう。他にも修正点があると思うが、現状のままでは、トランプ氏の一方的な要求でアメ車が日本で売れるわけがない。これでは、アメリカの自動車産業が永久に日本市場で販売数を伸ばせないということである。

 他にもトランプ氏は、「アメリカ・ファースト」を言い触らし、アメリカ流儀押し付け外交を実践している。国防費の対GNP比を5%にするよう北大西洋条約機構(NATO)各国に要望し、各国はトランプ忖度のために渋々受け入れた。しかし、日本に対しても現状1.8%を目標に近づけるよう要求し、そのうえ、日本政府に、対して駐日米軍経費負担の増額を要求している。

 誤解を避ける意味でも、言っておきたいことがある。国防費、防衛費支出は日本では憲法で軍隊を持つことを禁じている点から違法である。しかもその日本憲法はアメリカ政府が主導して制定した。もう一点は、米軍駐留費用の負担は、米軍が戦後日本を占領し、その状態が引き継がれている。占領軍の必要経費を何故被占領国が支払わなければならないのか、この辺り日米両政府は口をつぐんで語らないが、奥歯に物が挟まったような会話が多いのは、その辺りの真意をお互いに誤解しているからである。

 ある雑誌に「トランプよ 驕るなかれ!」というトランプ大統領を皮肉り批判、非難する言葉があった。「尊大、傲慢、居丈高、驕慢、横柄、権高、高飛車、自分勝手、傍若無人、傲岸不遜と思いつく限り並べてみても、まだ言い足りないトランプという妖怪に、世界が引っ掻きまわされている」。正にその通りである。困ったものである。

2025年7月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6623.2025年7月1日(火) 小学校入学早々国語の授業で習った文章

 昨日梅雨が解消され、今日から真夏7月に入った。日本ばかりでなくヨーロッパでもかなり厳しい暑さのようで、フランスやスペイン、ポルトガルでは40℃前後だという。

 国内各地も異常な高温である。東京都心でも今朝7時半時点で29.4℃、湿度は77%だった。結局今日の最高気温は、真夏日の34℃だったが、全国の真夏日は663カ所もあった。それを上回る猛暑日は全国で120カ所だそうだから、これから先が思いやられる。このため熱中症も心配され、新聞やテレビ・ニュースでもしきりに警戒を呼び掛けている。現実に熱中症警報アラートが今日全国の20都市で発せられた。この百年間に東京の気温は平均2.5℃上昇したという。今日から庭の植木の剪定のためにいつものように植木屋さんが来られたが、この炎天下でご苦労さまだと思っている。

 ところで、昨日の当ブログに小学生が授業でタブレットを使って作文などを学んでいる違和感について取り上げたが、今の小学校1年生が検定教科書(光村図書版の例)で最初に読み書き習う文章が、

 「これは、なんのつぼみでしょう。これは、あさがおの つぼみです」で始まる文である。「読む」「書く」「話す」「聞く」の4つの柱を中心に言葉の基礎を学ぶようである。昭和10年代の戦時色が濃くなってきた当時の1年生の国定教科書は、「サイタ サイタ サクラ ガ サイタ」だったが、私が国民学校へ入学した終戦の年の初等科1年生時の国定教科書は、太平洋戦争末期で激しい空襲下でもあり、教科書も満足に入手出来ず、近所に住む上級生から譲り受けたものだった。上記ポイント4点というより、「暗記」に力を入れていたように思う。お陰で、今以て冒頭の文を空で言える。我々の時代はこういう出だしだった。

 「アカイ アカイ アサヒ アサヒ ハト コイ コイ コマイネサン アッ コマイヌサン ウン」だった。戦時中だったので、晴天旭日などを考えると出だしの「アカイ アカイ アサヒ アサヒ」は何となく察しがつく。平和の象徴とも言われる「ハト」が現れたのは意外な感がする。狛犬は、近くの神社を訪れると石像の首に縄や紙が掛けられているのを見たので、時代を反映しているのだろうと想像がつく。

 そして中学生になった時、初めて英語を必修科目として学ぶことになった。その出だしはあまりにも有名で今でも忘れることはない。曰く「I am a boy. You are a girl. I am  Jack Jones. You are Betty Smith.」だった。実に新鮮な感じがしたものだった。海外文化との個人的なつながりは、この時から始まったと言っても良いかも知れない。

 ところが、高校へ入学した際には、どの科目も何を最初に習ったのか、まったく記憶に残っていない。国民学校と中学校で新たに学習したことは、私の今日に至るまでの人生の中でもそれくらい目を見開かされるようなショッキングなことだったのではないかと思う。今後こういう新体験は、まずないと思うが、振り返って多くの珍しく危機一髪の体験を重ねてきたわが人生で、それは好奇心が強かったからだと思っている。未だに小学生の教科書を想い出すことが出来るのは、好奇心の強さにつながっていると思うし、海外で多くの国の人たちと交流を深めることが出来たのは、最初に学んだ英語がすんなりと私の脳を通して体内へ入り込んだせいであろう。

 他愛ないことを書いてしまったが、幸いにも海外へ出かける機会が多かったお陰で、良きにつけ悪しきにつけ、終生の宝物を手にすることが出来たと思っている。幸い執筆活動と講演活動でその一部は何とかお返しすることが出来ているのではないか。3月に仲間たちと創刊した雑誌「イコール」には、今後拙稿を書き続けるつもりである。また、講演についても9月に2度ほどお引き受けしているので、私自身が旅を通して体験したことに臨場感を交えてお話しようと考えている。

2025年7月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6622.2025年6月30日(月) メディア業界凋落の一因はスマホにあり

 今メディアの世界では、新聞、雑誌、テレビなどいずこも内包する難題を抱えているようだ。最近最も世間の話題となったのはフジテレビで、あるタレントが元女子アナに性的暴行を加えたことをテレビ局内部で無理に隠そうとした会社の隠蔽体質から、会社の陰湿な本性などがあぶり出され、公開の場で厳しい非難を浴びることになった。結果的にフジテレビはスポンサー企業から相当数のCMを解約され経営的にもピンチに陥っている。

 元々テレビ局が発足してから、歴史的にはそれほど長くはない。その割に営業自体が派手な一面があり、チヤホヤされた未熟なタレントや若い社員が番組の中心となって企画を計画するため、会社の管理が彼らに対して甘く、よほど厳しく人的管理を行わないと危うい側面はあった。

 近年SNSとインターネットの普及により、テレビ事業本体の経営が脅かされる傾向も見えた。かつて、安倍晋三元首相時代に、すべてネットにしたら好いという極端に乱暴な声が出たことがあった。これに対して新聞業界が反対したことがあった。視聴者もこれには反対したようだが、メディアへの不信感が広がっていて、今後同じようにテレビ廃止などの動きが再現しないとも限らない。

 テレビ業界自体は新しいのだが、その体質は古い。その第一は、常に男社会であることである。それを変えてこなかったのは、今回フジテレビの不祥事でその存在を明かされた、長年居座っていた陰の支配者、日枝久・元フジ・メディア・ホールディングスCEOが、長年に亘ってグループを独断的に支配していたことがあったからでもある。今日枝氏が退き、役員人事も一新し新体制へ移行して、再起を期しているが、一度失った顧客であるスポンサー企業を取り戻すのは容易ではあるまい。

 新聞界も定期購読者が減少したことにより、経営的にも危ない橋を渡りつつある。昨日もかつて購読していた某新聞がポストに入っていて、A4判の紙に丁寧な購読の依頼文が書かれていた。とても2紙まで読み目を配る時間的余裕がないし、上記のように情報はネットを合わせてかなり得ている。実際、定期購読者数は近年激減し、2000年には、日刊紙は5千4百万部が購読されていたが、それが昨2024年にはほぼ半減の2千7百万部にまで減少した。しかも朝夕刊セットで読んでいる人は、4百万部弱しかいない。新聞購読者の減少には、本を読まなくなった、手紙を書かなくなった人が増えたことが大いに影響していると思っているが、その原因を作ったひとつは、パソコンやスマホに頼り過ぎるようになった習性と時代性にある。新聞を読まず、ペンを握らずスマホで文書関係をすべて済ますという手抜きのせいで、新聞購読者が減ったと言っても決して過言ではない。

 近年このスマホを小中学生のころより親しむようになった大きな原因のひとつは、義務教育の過程でタブレットを使用する授業を文部科学省が必修として認可したことにあると思う。小中学生がタブレットを使用したことは、目の保護のためにも、また教育上も良い筈がない。メディアにとっても将来的には営業上マイナスとして跳ね返ってくるこういう公が認める教育に、なぜメディアは文科省に対して強く抗議しないのか不思議でならない。

 メディアが、やや信頼を失いつつあるのは他にも原因があるが、取り敢えずこのような上記の問題にしっかり対応すべきだと思う。

2025年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6621.2025年6月29日(日) JAXA、現方式ロケット最後の打ち上げ成功

 国産ロケット「H2A」の最終号機・50号機が、今朝早く種子島宇宙センターから打ち上げられ、政府の地球観測衛星を正常に分離して打ち上げは成功した。これで宇宙航空研究開発機構(JAXA)が三菱重工と共同開発してきた「H2A」は有終の美を飾って、今後は後継の「H3」号機に引き継ぐことになる。最近民間の衛星ロケットが打ち上げては度々失敗するので、打ち上げ前に少々気になっていた。ところが、国が開発に関わった「H2A」シリーズの打ち上げは、20年以上50回の打ち上げでたった1度しか失敗はなく、かなりその精度は高かった。ただ、経費が約100億円もかかり、今後「H3」計画では、JAXAと三菱重工が「H2A」の半額となる打ち上げ価格を目指して、世界的に拡大する衛星の打ち上げ需要の取り込みを狙うという。50号機は、今世界的な地球温暖化問題には、二酸化炭素などの濃度を地球の全表面で観測することが可能だそうだから、かなり科学的に貢献することが出来る。

 その科学的費用について、年間約5億円超(20年間で約100億円)の予算を投資してきた結果、それなりの成果を収めることが出来た。他方で、トランプ大統領が各国首脳に喚き散らしているGDPの5%を、国防費予算へ投資したところでこれほどの成果は期待出来まい。日本は2025年度予算で、前年度より防衛費を0.2%引き上げ、1.8%にして27年度には現在の1.8%から2%にまで上げる腹づもりである。日本のGDP0.2%とは、ほぼ1兆2千億円に該当する。年間これほどの巨額を無駄な防衛費に投資しようとすることを考慮すれば、効果的な宇宙ロケットの開発費用はそれほど高額ではない。無駄な投資、しかも憲法に違反する国防のための投資など対費用効果を考えれば、いずれ日本にもトランプ圧力による国防費の投資額増大を要求するだろうが、日本の将来にとって少しもプラスにはならない。況してや軍事費支出なんて憲法に違反している。政府はアメリカ政府にもこの点をよく説明し、日本なりの方針を考える必要があるのではないか。

 さて、卒業式などでよく歌われる「蛍の光」について、3日前の朝日新聞にその歌詞の歴史的背景と沖縄との関係についてエピソードが紹介されていた。今から140年以上も前に当時の文部省が唱歌として発表してから今日まで歌い継がれている「蛍の光」は、普段1番だけしか歌わないことが多く、歌っても精々2番までである。ところが、歌詞は4番まであり、その4番はまるで知らなかった。4番には、北方領土の千島とともに沖縄が歌われているのである。♪千島のおくも 沖縄も 八洲の「うち」の守りなり~♪であるが、この内作詞家は♪千島のおくも 沖縄も 八洲の「そと」の守りなり~♪とした。それを文部省が穏当ならずとして、「そと」を「うち」に修正させたという。国民感情を考慮したようだ。しかし、20世紀に入ると教科書では、♪台湾の果ても樺太も やしまのうちのまもりなり~♪と変わった。日本が千島、樺太、台湾、朝鮮などを植民地化して国土の拡大を図ったのに合わせて、小学校唱歌を通して国民に一致団結や国威高揚を訴えたのだ。

 優しいメロディにより世界中で愛唱歌にもなっているスコットランド民謡を、こんな戦意高揚なんかに使われていたと現地の人びとが知ったらさぞや悲しむことであろう。

2025年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6620.2025年6月28日(土) スポーツ界のトップに女性選任の流れ

 日本オリンピック委員会(JOC)会長だった柔道の金メダリスト山下泰裕氏の後任に橋本聖子・参議院議員が選任された。アイス・スケートと自転車競技で7度もオリンピックに参加し、東京オリンピックでは担当大臣を務めていた。時を同じくして日本陸上競技連盟でも女性会長にマラソンの有森裕子さんが選任された。女性会長はいずれも初めてである。有森新会長は、バルセロナで銀、アトランタで銅メダルを獲得した。時を同じくして国際オリンピック委員会(IOC)でもこのほどバッハ前会長が退き、後任に女性として初めてのカースティ・コベントリー会長が決まった。コベントリー新会長は、ジンバブエ人でアフリカ出身者としてもIOC会長は初めてである。新会長はアテネと北京大会の水泳で金メダルを獲得している。

 今後スポーツ界でもこれまで格差があった男女間の問題が取り上げられることだろう。女子スポーツも大きな組織の会長が女性となったことにより、その問題点や障害の除去に取り組まれるだろうし、徐々に差別の排除が脚光を浴びるようになることと思う。

 実際に現在スポーツ界において男女間の格差をなくすことが大きな課題となっている。元々スポーツは男のやるものという偏見が長い間定着していた。例えば、プロ・スポーツの場合、試合の賞金総額は男性スポーツが圧倒的に女性スポーツを上回っている。2023年8月に開催されたサッカーの女子ワールド・カップ(W杯)では、前大会の2019年より4倍近く増額されたにも拘らず、22年開催の男子W杯の賞金が女子のそれと比べて依然として4倍も多かった。これは、サッカー連盟だけの問題ではなく、大会を支援するスポンサー企業からのCM料にも左右されるので、放映権など他の問題も合わせて難しい問題を孕んでいると思う。

 しかし、近年は女子スポーツの人気度も向上しつつあることや、連盟や協会の女性選手への対応なども変わり、少しずつ格差是正へ修正されていくのではないかと思う。その点で組織のトップに女性が就任したことは意義深いことであると思う。実際、テニス界はすでに先取りして、現在4大大会の賞金に男女差はない。

 女子サッカーの「なでしこジャパン」が2011年ドイツ大会を制覇して以来、女子サッカーは国内でも注目度が高まり、10年後の21年には、女子のJリーグ「WEリーグ」が発足し、人気も益々高まり観客数が増え、年々活性化している。

 今スポーツ界では、トランスジェンダー問題が顕在化しつつある。陸上競技では以前は男子選手として参加していたジェンダー選手が、女子選手クラスのレースに出場することが疑問を投げかけている。体力的に男性としての能力があった選手が、女子部門に出場するケース自体が懸念されている。こればかりは、スポーツ界だけの問題に捉われることなく、広く考えられるべきであり、女性会長が就任したからと直ぐ解決出来るような生易しい問題ではない。ただ、どういう風にこの問題に対応をするのか、やはり新会長の手腕が注目される。

 終戦の年に国民学校へ入学したが、当時は体育の授業などは、2クラス一緒で、男子組と女子組に分かれて男子らしい運動と女子らしい運動を別々にやっていたものだ、それを考えると時代は大きく変わったと感慨に堪えない。いつの日にか国立競技場をファンが埋め尽くす女子サッカー大会が開催されるかもしれない。期して待ちたいと思う。

2025年6月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6619.2025年6月27日(金) 健康管理のために大切な予防医学

 このところ体調がやや優れない。今月8日の深夜に右背中に鈍痛を覚え、苦しんでいたところその痛みが腹部上部へ移り、1時間半ばかりその痛みに悩まされた。明けてすぐ通いつけの内科医院に行って診察してもらったが、はっきりした原因は分からなかった。それでも採血をしてもらったところ、血がやや濁っているという点と、もうひとついつも安定している蛋白質の含有量を示すCRPが随分上がっていたことである。いつも0.5以下だったのが、3.76にまで上昇した。更にその日から脈拍の数値が以前に比べ下がったまま続いているのが気になっていた。

 実は、今日毎月1度定期的に診てもらっている糖尿病医院で、内科も開業しているクリニックでご相談した。下がった脈拍を一覧表でご覧になって、ここで測ってみましょうと言い、時折おかしいと思うとのことでその場で心電図検査をしてもらった。平時は問題ないが、時折不安定になるというような診察だった。CRPとHbA1cを採決して測ったところCRPは0,20にまで下がり、HbA1cは5.8で、あまり問題視することはない。来月3、4日に慶應病院で心臓の不整脈をチェックするホールター心電図検査を受けることになっているので、担当医師とよく話し合ってみたいと考えている。

 今年1月に思いがけず体調を崩してから、一時的には元へ戻るが、高齢のせいもあり以前のようにはいつも健康優良児というわけにはいかなくなってしまった。小中高生時代は学校を1日も休んだことがなかった。そのくらい病気には強い健康体だった。それが今は衰えてきている。何といっても現在食欲があまりないのが、一番気になっているところである。朝はいつも通りパンに目玉焼きとコーヒーであるが、昼食と夕食は、その都度妻が何を食べたいかと尋ねるが、あまりこれとはっきり言えるようなものがない。毎日その場で消極的に食べたいものを言うだけだ。そして、お茶漬けとか、うどん、蕎麦、サンドウィッチというようにあまりお腹の足しになるようなものでもない。

 やはりもうあまり無理出来ない健康体になってしまったのかも知れない。医師からは水分を極力摂取するように言われる。そう心掛けて無理強いしないようにして健康管理に努めたいと思っている。元々健康には一過言あって、出来るだけ予防医学を心得、1年に1度人間ドック検査を受診している。人間ドックによって、心臓の不整脈も他の病も事前に見つけ、治療に励むことが出来た。毎日血圧、体温、脈拍、体重、1日の歩数を測っている。これを1か月ごとに一覧表にして、かかりつけの医師にもお見せしている。そのお陰で自分自身異変を感じとることも出来る。正に予防医学である。医師からもこの習慣をいつまでも続けた方が良いと勧められている。

 これからも予防医学と日ごろの健康管理には十分気を付けて行きたいと思っている。

2025年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6618.2025年6月26日(木) 日本の3大怨霊と世界最悪の怨霊トランプ

 日本には3大怨霊と呼ばれ、各地で災いをもたらしたとされる3人の「偉人」がいた。ひとりは、落雷をもたらしたことから雷神として崇められ、「天神様」と呼ばれた菅原道真である。2人目は、日本の半分を新国家として樹立し、その後追討され斬首された「平将門の乱」の首謀者・平将門である。彼の斬首された首が落ちた大手町の「将門塚」では関東大震災後も奇怪な事件が度々起きている。3人目は、3歳で第75代天皇に即位し、10代で鳥羽上皇によって譲位させられた恨みから実権を取り返すために「保元の乱」へ戦火を拡大させた崇徳天皇である。歌人でもあり和歌は百人一首にも選ばれている。

 一般的に学問の神様とか、叛乱の立役者、百人一首歌人として、多くの日本人に尊敬されている3人が、「怨霊」とは考えもしなかった。偉人も見方によっては功罪相半ばと見られているということだろうか。

 そこで今世界中に不安と疑心を撒き散らし、私欲から一方のイスラエルに肩入れしたと思ったら、そのやり方に難癖をつけて相変わらず世界を呆れさせているトランプ大統領こそ怨霊ではないかと考えている。昨今のイスラエル・イラン戦争に関しては、そのしたたかな言動が、西欧首脳陣に気を遣わせ彼らに大統領をヨイショさせる原因となった。

 本来なら、イスラエルとイランの戦争の部外者であるアメリカのトランプ大統領が、米空軍機にイランの核施設破壊攻撃を命じて戦火を拡大させる国際法違反を冒したのである。それが翌日には両国に停戦案を押し付けて12日間戦争は終結した、それは広島、長崎への攻撃で戦争を終わらせたのと本質的に同じだと原爆被災者を憤慨させるようなトンデモナイことを言っている。すべて自らが関わったことを得意になって世界中に発信して悦に入っている有様である。イスラエルのネタニヤフ首相は、「ホワイトハウスにトランプ大統領ほど素晴らしい友人を、これまで持ったことがなかった」と持ち上げる始末である。この背景には数日前パキスタン政府がトランプ大統領を今年のノーベル平和賞候補者に推薦したとの情報がある。ノーベル平和賞欲しさに、戦争を仕掛け、終結に持ち込み平和に貢献したと自画自賛してアピールしているつもりなのではないだろうか。

 北大西洋条約機構(NATO)首脳会談に出席したトランプ大統領に対して、ルッテNATO事務局長から「あなたは何十年間もの間、どの米大統領も成し得なかったことを達成する」とたっぷりお世辞を言われた。首脳らは、調子づいたトランプ氏が以前から要求していた、NATO各加盟国に対する国家の国防費・防衛費を国内総生産(GDP)比で5%に引き上げる新目標を実施することで合意したようである。現在NATO加盟国の中で一番防衛費が多額なのは、ポーランドの4.07%で、次いでアメリカの3.19%であるが、他の加盟国はイギリスの2.33%から最も低いスペインの1.24%とかなり幅がある。とても5%は手が届くとは思えない。スペインなどは、5%は不合理と反発している。この新目標達成は現状では難しく、フランスのマクロン大統領も数字だけの議論は好まないと否定的である。NATO加盟国ではない日本に対してもトランプ氏は、非公式に3.5%を求めているようだが、日本は2025年度予算で前年より0.2%引き上げ、1.8%にして27年度には2%にまで上げる腹づもりである。だが、とても5%なんて絵に描いた餅である。石破首相も「日本の防衛費は日本が決める」と受け入れる言葉は述べない。

 こうして世界各国に無理難題を吹っかける世界の厄介者であるトランプ大統領こそ、今世紀世界最悪の怨霊である。何とかならないものだろうか。

2025年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com