6415.2024年12月5日(木) 「非常戒厳」尹大統領の命運やいかに?

 一昨日夜お隣韓国で国家を揺るがすような政治的大混乱があった。尹錫悦大統領が突然「非常戒厳」を宣布したのである。それにより軍の戒厳司令官が一切の政治活動を禁じる布告令を出した。尹政権は2022年に発足して以来、支持率は20%前後を推移し、今年4月の総選挙で与党「国民の力」は大敗を喫した。国会は「共に民主党」を主とする野党が過半数を占めたことにより、多数の政府官僚が弾劾訴追されるなどして行政が麻痺し、予算も政争に利用され通過しないと尹大統領は批判していた。

 しかし、非常厳戒下だったにも拘わらず、国会は昨日未明に採決に参加した190人全員が賛成して「非常戒厳」解除要求決議案を緊急可決した。これを受け、尹大統領は止むを得ず宣布から6時間後に「非常戒厳」解除を宣言した。このドタバタに対して与党「国民の力」内でも批判が出ている。韓国メディアでも、何の利点があるのか、韓国史上最も不可解な出来事だとの声が出ている。野党は、「非常戒厳」を違法、違憲であり、内乱行為として完璧な弾劾事由に当たるとして、尹大統領の辞任を要求し、辞任しなければ弾劾手続きに入るとの批判的な声が高まっている。1980年に起きた光州事件に引き続き、1987年の民主化以降44年ぶりの戒厳令発令である。

 その後今朝1時前に尹大統領の弾劾を求める議案が国会に報告され、明日にも採決が行われることになりそうである。採決で可決されるには国会議員の2/3以上の賛成が必要であり、現状では与党内から8名以上の賛成者が出れば、大統領の弾劾が決まる。

 韓国国内では尹大統領の支持率は依然として低く、この事態の動きに対して与党内でも批判が出ており、軍を総括する金龍顕・国防相は「非常戒厳に関連して任務を遂行したすべての将兵は、私の指示に従ったものであり、すべての責任は私にある」として、自身辞意を表明した。すでに最大野党「共に民主党」は、尹大統領に違法な内乱罪に当たるとして強く辞任を要求した。これから一両日の間に大きな動きがあることだろう。懸念されるのは、こうした韓国内の政治的対立と混乱が、北朝鮮に利用され周辺海域などで治安が悪化することである。

 同じような国会の激変が昨日フランスにも見られた。フランス議会は、内閣不信任案の採決を行い、574人の議員の内、331人が賛成票を投じ可決された。これによりバルニエ首相はマクロン大統領に辞表を提出し、内閣が総辞職することになった。第5共和制のド・ゴール大統領時代以前に遡り、実に62年ぶりの稀有な政治的現象である。近年フランス国内では極右勢力の「国民連合」が力を伸ばし、今や保守化の中心にいる。

 韓国もフランスも政治が綱渡りをしている。尹大統領は、どちらかと言えば親日的で、それまでの韓国首脳がやや反日的な態度だったのに対して、日本への対応は常識的で対日強硬論をぶつことはなかった。今隠れたり、現れたりしている戦前の日韓関係の恥部を、尹大統領が辞任するようなことがあれば、再び問題となり、これからの日韓関係に多くの影響が現れることだろう。

 宮沢賢治の「雨ニモマケズ~」を想い出していると、「東ニ病気ノ子供アレバ 行ッテ看病シテヤリ 西ニ疲レタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ束ヲ負イ~」とあるが、韓国が病気の子に、フランスが病気の母に思えてくる。

2024年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6414.2024年12月4日(水) 生ぬるさが溢れている政治家の体質

 昨夕になって小中陽太郎さんのご遺族と小中さんを知る仲間から、小中さんの葬儀の詳細について連絡があり、小中さんを知ってはいるが会ったことがない友人らにメールで連絡をした。葬儀は明後日目黒区の日本基督教団中目黒教会で行われる。小中さんとは生前親しかった同志や仲間らと一緒にお参りし、最後のお別れをすることになった。

 さて、昨日今年2024年の「新語・流行語大賞」なるものが決まった。今年ほど馬鹿々々しい名称はないと言える駄作である。「ふてほど」というのだそうである。こんな新語・言葉はまったく知らなかった。まったく意味不明である。よくぞこんな意味不明の言葉を今年の「流行語」に選んだものである。

 「ふてほど」とは、TBS連続テレビの「不適切にもほどがある!」の略語のようだが、年間の流行語大賞にこんな言葉を選んだこと自体が「ふてほど」だと思う。早速国会質問で野党が石破首相にこの言葉を使って質問していた。他にもっとまともな言葉が候補に挙がっていた。例えば、大谷翔平選手の「50-50」、政治の悪を暴露した「裏金問題」、今年40年ぶりに発行された「新紙幣」などの方が余程分かり易くスッキリする。なんか暗い世相を反映するような言葉が多いようだが、もう少し明るい話題がないものだろうか。

 パッとしない話と言えば、今日国民民主党が開いた両院議員総会で代表の玉木氏について、政治倫理に反する行為として本日より向う3カ月間役職停止処分を課した。先月週刊誌で女性との不倫関係を明らかにされ、玉木代表は即座にその事実を素直に認め、謝罪した。それが潔しとでも思われたのか、その当時は停職や、解職の話は一切出なかった。得てしてこういうスキャンダルが明かになると、開き直るケースが多いが、直ぐ事実と認め謝罪したことが潔しと見られたのだろうか。その後代表は、自党の選挙公約実現のために自民党に掛け合い、「103万円の壁」の引き上げを実現させようとしている。国民民主党としては、代表の言動が功を奏したと評価したのか、スキャンダルに対する党内からの批判の声はあまり聞かれなかった。しかし、ことは唾棄すべき行為である。事実が明かされてから一呼吸置いて党内に難問がないと見込んだのか、今になって代表を形式的に処分することになった。実に政治家らの考えることらしい。

 国民民主党では、両院議員総会の決定に対して党内から異論は出ず、全会一致でスムーズに受け入れたようだ。女性議員辺りから疑問が出なかったのだろうか。玉木代表の発言は論理的で、筋が通っているが、少数野党の代表だった総選挙前は存在感が薄かった。それが総選挙で議席数を大幅に伸ばし、主張にあまりブレがなく自党の主張を貫き通したことにより、急速に存在感が高まった。しかし、好事魔多しの諺通り、足元をよく見なかったせいであろう、つまらない下卑た罠にハマってしまった。それを許す体質が、国民民主党内にはあるようだ。

 ここは国民民主党としては、役職停止を3カ月などと甘い処分ではなく、無期停止とでもすべきではなかっただろうか。

2024年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6413.2024年12月3日(火) ショック! べ平連で活動された小中陽太郎氏永眠

 急に悪くなった前歯の状態を診てもらおうと今朝歯科に伺ったところ、入れ歯との間で大分ぐらついているので、様子を見るが、抜歯することも考慮に入れておいてもらいたいとちょっとがっかりする話だった。

 ところが、午後帰宅してメールを見てみるとその中に小中陽太郎さんが今朝方お亡くなりになったという愕然とするメールを見て、大きなショックを受けた。取り急ぎ小中さんの奥様にお電話したところ今朝安らかな表情で旅立たれたと伺った。実にショックである。現在葬儀次第について打ち合わせ中であるので、決まったら娘さんからご連絡をいただくということになっている。

 実は昨晩お歳暮品をお贈りしたことに対して奥様からお礼のお電話をいただいたが、生憎入浴中だったので、今日その後のお加減をお聞きしようと思っていた矢先に、メールでご他界を知り、慌てた次第である。

 小中さんから親しくご厚誼を賜るようになったのは、四半世紀ほど以前である。ベトナム反戦運動で関わってべ平連との関係もあったが、「知的生産の技術研究会」の講演に来られて、その後の懇親会で親しくお話するようになり、幸いご自宅も近くだったことから度々お宅へお邪魔するようになった。小中さんの卓越した行動力の中でも、特に敬服しているのは、時間が経ちやや不正確かも知れないが、横須賀港に入港中のベトナム戦線へ向かう米艦艇乗組員の米海軍兵4人が基地から無断脱走した事件で、小中さんはその内のひとりをご自宅に約1年間匿い、普通の生活を送らせ、その後スウエーデンへ逃亡させたことである。ベトナム戦争中は、ニューヨーク市立大学教授として勤めておられたが、アメリカ国内で積極的にベトナム反戦運動に注力されておられた。とても私などが真似のできることではない。

 ご自宅が近かったせいもあり、度々ご自宅を訪ねてはご家族とも親しくお話させていただいたことが、今も懐かしく思い出の一端として頭の中にある。ジャーナリストとしての心得や日常生活上の決まりなどでもよくアドバイスをいただいた。また、このホームページのタイトル「知の狩人 知の旅人」も小中さんからいただいたものである。これまで拙著を上梓した際に、出版記念会を新宿のハイアット・ホテルで3度開いたが、いつもご出席下さり、冒頭にご挨拶をいただいたり、処女出版書「現代海外武者修行のすすめ」には、表紙帯に推薦文を書いていただいた。

 日本ペンクラブ入会に際しては、阿刀田高氏とともに推薦人になっていただき、7年前には私も理事の一員として、媚びない小中さんらとともに体制派と戦った。ペンクラブ会合の後には一緒に仲間たちとともによく飲み歩いたものである。妙に気持ちが通じたのは、接点として60年安保闘争で全学連書記長として反対勢力を仕切っていた東大生清水丈夫さんが、私の高校ラグビー部の1年先輩でお互いによく知っていたこともあった。

 2年前の11月にご自宅の階段で転倒され、頭部を強打して以来人事不省の状態で、奥様や娘さんの看護の元で、ついに回復に戻ることはなかった。まだまだお話したいこともいっぱいあったし、教えを乞うことも山ほどあった。ただ、年齢的にも満90歳になられてあまり悔いを残されるようなことはなかったのではないかと思う。それがせめてもの救いである。それにしても敬愛する小中様が冥界へ旅立たれたのは、悲しいことである。小中様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

2024年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6412.2024年12月2日(月) やれやれ! 修正が終わりホッとした。

 取るに足らないことかも知れないが、大分悩んだうえに無駄な時間を費やしてしまった。本ブログの日付の積算番号№(本日:6412)であるが、ある時から間違えて追番で間違えたまま昨日まで引きずってきてしまった。ブログは2007年5月から6千回以上も書き続けているので、いつ間違えたのかを調べるのが一苦労だった。日時を遡って番号を訂正しようにもあまりにも時間が経過したので、過去に戻りすべて正しいの番号に修正するのは、相当な手間と時間がかかる。他人様に迷惑をかけるわけでもなく、このまま書き続けても分からないかも知れない。だが、やはり間違いをそのままにしておくことでは許されないし、性分が許さない。

 そもそも間違えたと分かったのは、今年元旦に連続で6千回近い5976回(実際には6076だった)に達したので、間もなく6千回になり7千回への意欲も添えて今年の年賀状に記した。そのまま気づかなかったが、10月ごろになって年末には番号が6千4百番台に達しそうな様子に、はて?と首を傾げた。これでは1年が4百日を超えてしまうではないか。そこで番号が間違っていることに初めて気づいた。このまま放っておくわけにもいかず、若い番号から順番に慎重に調べてみると2019年1月に桁違いの過ちを冒したことが分かった。それからその日を起点に1日1日丹念に調べて追番で修正したが、他にも2,3か所間違えていたこともあり、延々たる単純な作業に大分うんざりした。1か月近く掛かって漸く今日の正しい番号に修正し終えたところである。17年半に亘り毎日コツコツと書き続けた苦労も、こんな些細なミステークによって無駄な時間を使うことになった。それでも何とか時間をかけて正しく修正することが出来た。やれやれという感じである。

 ケアレスミスは、誰でもつい冒しがちだが、年齢を重ねる度ごとにその可能性と危険性が高まってくる。私も老境に入り、その可能性が高まって来たということであるのかも知れないし、人生の回り道であるのかも知れない。6412回と修正された今日を新たなスタートとして今後も出来る限り書き続けて行きたいと思っている。

 さて、先月17日に行われた兵庫県知事選挙は、史上最多の7人が立候補したが、県議会において全会一致で不信任案決議を受け、失職した斎藤元彦前知事が驚いたことに再選されたのである。選挙では兵庫県西宮市のPR会社代表が、「斎藤氏の陣営から広報戦略を任された」とするインターネット記事を公開し、これが公職選挙法違反の疑いがあると指摘されている。知事サイドは、公選法に違反するような認識はないと述べていたが、今日元検事の弁護士・郷原信郎氏と神戸学院大の上脇博之教授が、PR会社の代表が、戦略の立案を行ったなどとウェブサイトに投稿した記事の内容について、斎藤知事が会社に支払った報酬はインターネットによる選挙運動の対価であり、公職選挙法違反の買収にあたる疑いがあるとして斎藤知事とPR会社代表を神戸地検と兵庫県警に刑事告発した。告発者によると斎藤知事は知事選でPR会社の代表に「戦略的広報業務」を委託し、代表はSNSによる広報全般を企画・立案する「選挙運動者」だったとし、その報酬として斎藤氏の陣営が対価を支払ったと主張している。上脇教授と言えば、国会議員の裏金問題を最初に暴いて告発した人物である。今回は地元の不明瞭な知事選について、我慢ならず法に訴えたのであろう。

 ただ、この告発がどういう結果になるのか、あまり期待するわけにもいかない。というのは、去る7月に行われた東京都知事選で、小池百合子知事の学歴詐称について元側近が東京地検に告発した例がある。これは「文藝春秋」誌にも大きく報道され、学歴詐称に至った経緯も詳しく報道されたもので、小池知事の学歴詐称がついに法的に明らかにされるのではないかと幾分期待して見守っていたが、本件に関してはその後一切の報道がない。単なるジェスチャーに終わるのではないか。兵庫県知事の告発もひとつの流れとして伝えられたというだけとは思いたくない。

2024年12月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6411.2024年12月1日(日) ラグビー早明戦テレビ観戦を楽しむ。

 早くも今日師走に入った。早いもので今年も残り1か月となった。12月最初の日曜日といえば、毎年アマチュア・スポーツ恒例のビッグ・イベントが行われる。そのひとつは、福岡国際マラソンであり、もうひとつは、関東大学ラグビー対抗戦・早明戦である。福岡国際マラソンは、残念ながら後半はラグビーと時間帯がダブってしまったので、途中までしかテレビ観戦出来なかったが、吉田祐也選手(GMO)が、日本選手歴代3位の2時間5分16秒の好記録で来年9月に東京で開催される世界陸上の参加標準記録を見事に突破した。2位には西山雄介選手が2時間6分54秒で入った。

 ラグビー早明戦は、両大学とも高校ラグビー界で活躍した優秀な新人を加えて昨年以上に力を付け、関東大学対抗戦では早大無敗、明大1敗で優勝を争っている。今年は1923年第1回早明戦が行われてから戦時中の中止を挟んで、ちょうど100回目となった。それだけにこの対抗戦に賭ける両大の意気込みも相当熱い。両チームのメンバー表を見て、毎年のことながら、選抜メンバーにラグビー名門高校OBが多いのを知り、傾向は中々変わらないものだなぁと慨嘆するばかりである。特に、近年4度も全国優勝し、昨年度も全国制覇した強豪校の神奈川県桐蔭学園OB選手が早大には6人、明大には4人も出場したのにはびっくりである。特に、1,2年生が出場しているというのは、昨年の活躍ぶりから大学のスポーツ推薦で入学した選手たちだろう。それにしても早大には、15人の内6人もひとつの強豪高校から入学を受け入れたとは、ちょっと信じられない。そこで今日の結果はどうなったか?追いつ追われつの接戦の挙句に、早大が27-24の1PG差で勝ち、早大が関東大学対抗戦7戦全勝で優勝を飾った。久しぶりに早明戦テレビ観戦を楽しんだ。

 さて、新聞、雑誌、書籍などの販売不振が伝えられて大分時間が経つが、メディアとして民間テレビ会社もご多聞に漏れず例外ではないようだ。その一番端的な例は、スポンサーが減りテレビ会社の経営の母体を揺るがしかねない状況になったことである。以前は、大企業が1社でテレビ番組を買い取り、しかも連続で同番組を放映するケースがかなりあったが、今では大手企業はそれほど大々的な広告を打たなくなった。そのためひとつの番組を何社か協同でスポンサーになる。当然番組は複数のスポンサーになったため広告時間が多くなり、嫌気がさして観るのを止めてしまうケースが増える。

 そのためであろうか、つい最近テレビ会社同士の連携、経営統合が見られるようになった。直近では、日本テレビが系列の読売テレビ、札幌テレビ、中京テレビ、福岡テレビなど4社と共同で「読売中京FSホールディングス(略称:フィックスホールディングス)」を、来年4月に設立すると報じられた。具体的にはよく分からないが、そこには民間放送事業者を取り巻く経営環境が人口減少や、生活者のライフスタイルの変化等により、急激に厳しさを増しているからと言われている。ただ、このような地方をベースにするテレビ局が同じ土壌で営業活動をすると地域制が失われるのではないかと懸念の声が聞かれているようだ。

2024年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6410.2024年11月30日(土) 「アマゾン」発展の陰でカスハラ

 最近メディアで急激に話題になっている言葉がある。「ブラック・フライデー」である。言うまでもなく、これもアメリカから輸入された言葉である。アメリカではハロウィーンとクリスマスの間にある11月最後の木曜日を感謝祭りとしているが、その翌日の金曜日を「ブラック・フライデー」と呼んでいる。つまり昨日がその当日である。一般の知名度としてはそれほどではなく、大恐慌を来たした「ブラック・マンデー」に比べれば、ほとんど知られていない。いずれにしても「ブラック」という表現が良いイメージを与えないので、日本ではほとんど使用されなかった。それが、近年アメリカのみならずヨーロッパでも認知度が上がるにつれ、最近は日本でも商魂たくましいビジネス界が放っておかず、昨日辺りから「ブラック・フライデー」の恩恵を受けようと駅前商店街などでは歳末景気へ向けて賑やかな営業活動を始めたようだ。

 その「ブラック・フライデー」を上手に利用しているネット通販にアマゾンがある。「ブラック・フライデー」の前に先行セールとして、ちゃっかり商売しているのである。ところが、そのネット通販大手のアマゾンに、「ブラック・フライデー」とは別件で、去る26日に公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで、立ち入り検査を行ったというから穏やかではない。発展著しいと感じていたアマゾンではあるが、反面かなり強引な商法で関係者を泣かせているとの噂はかねがね耳に入っていた。アマゾンのネットを見ると、「カートボックス」と称する優先販売商品を目につくように掲示している。ここにアマゾンの「カートボックス」の選定条件として「ライバル社と比べて競争力のある価格設定」とか、「アマゾンの物流・配送サービスの利用」と言い、その裏では出品者に対して無理難題を押し付けている。そのお陰で今ではアマゾンのネット通販市場シェアは28.2%で業界トップに君臨している 公取が懸念しているのは、出品者が「設定価格を下げないとカートボックスから外す」と圧力をかけられアマゾンから彼らの要望を押し付けられている点である。アマゾンが公取の立ち入り検査を受けたのは、これで3度目である。アマゾンに次ぐネット通販大手の「楽天」もやはり4年前に立ち入り検査を受けている。特に悪質なのは、「一定額以上を購入した利用者の送料を無料とするプランが出品者に負担を強いた疑い」とされたことである。

 近年書店、出版社が販売低迷で経営が行き詰まるケースをよく聞くが、そのひとつに読者がアマゾン・ネット通販から、書籍を購入した際の郵送料の免除が、その負担を出版社に振り替えられているのではないかという懸念である。アマゾンの書籍販売が増えるに従い、そのしわ寄せが出版社の送料負担となり、出版社の経営を苦しめている。指定価格まで値下げを要求された物品メーカーは、「アマゾンににらまれたら商売が出来なくなる」と無理やり値下げを強要され、販売価格を引き下げざるを得なかったという。今流行りのカスハラのような理不尽な値下げ要求が明かされるにつれて、最近になって欧米では独占が進む巨大プラットフォーマーへの監視や、規制を求める動きが現れている。この機会に、そろそろ日本でも弱者の声を受け入れて、カスハラを監視しつつゴリ押しに対して警告することも検討すべき時になったのではないかと思う。

2024年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6409.2024年11月29日(金) 同盟関係をぶち壊すトランプ外交

 このところ慶応病院通いが続いている。実は、昨日も循環器内科で診察を受けた。昨年来の心臓の不整脈のためのホールター心電図を撮った。今少し気がかりなのは、毎日服用している血液サラサラのリクシアナCD30㎎について、他の糖尿病クリニックで処方された血液サラサラ錠キャプビリン配合錠とダブリ服用になるというので、2週間前からリクシアナ30㎎を15㎎錠剤に代えたことと、キャプビリンの服用を中止したことである。糖尿病クリニックでも提供したキャプビリン錠がリクシアナと二重に血液サラサラを服用することを気にされていたし、最近はヘモグロビン(HbA1c)が下がっているので、キャプビリンの服用を止めることについては、反ってリクシアナ15㎎だけになってすっきりした。血液サラサラの薬は、症状に微妙な影響を与えるようで、昨日の診断の際にもこのまま進み、心臓部が詰まったりするとそのために穴を開ける手術をする必要についてまで担当医から話があった。当分の間身体に負担をかけるようなことがないよう気を付ける必要があると思っている。

 さて、今その発言が世界中を驚かせ落ち着きを失わせているのは、来年1月にアメリカ大統領就任が決まったトランプ氏のそれである。就任前であるにも拘らず、早々に組閣人事を公表して、具体的な政策を述べたり早くもトランプ外交が始まった。

 中でも、貿易相手国に対する一方的な関税強化宣言とも取れる強引な発言は、関係者を戸惑わせている。その第1は、対中国貿易である。中国からの輸入品には60%の関税をかけるという。そして、メキシコとカナダからの輸入品は25%の関税に引き上げるという。これは、合成麻薬や不法移民の流入が止まらないとして、問題が解決するまで続ける。また、トランプ氏はメキシコ、カナダともに解決出来る手があるにも拘らず、その手を拱いていると批判している。

 ただ、これで問題は収まるわけではない。アメリカの貿易国に対する高関税は、国内の物価を押し上げると同時に、相手国側からの報復を招くことにもなる。特に、メキシコ国内には日本をはじめ、いくつかの国々が自動車メーカーを抱え、その生産品をアメリカへ輸出しているからである。日本の自動車メーカー、トヨタ、日産、ホンダ、マツダなどは生産された自社製品の7~9割方をアメリカに輸出しており、トランプ氏はこれらに100%の関税を課すと息巻いている。新たな貿易戦争にならなければ良いがと考えてしまう。

 元々アメリカは、隣国メキシコとカナダの3か国で相互に無関税の協定(USMCA)を結ぶことによって、最大の貿易相手国中国をメキシコに追い抜かせた。しかし、このUSMCAこそは、トランプ第1次政権時代に結んだものである。それを自らが作ったアメリカのための協定を、今自らが壊そうとしているのである。それがトランプという人物の無節操なところであろう。

2024年11月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6408.2024年11月28日(木) 国会議員の親族への世襲に制限を!

 イスラエルとレバノン両国政府間で話し合われていた、イスラエル軍とイスラム教シーア派組織ヒズボラの停戦について、漸く合意に達した。とにかくこの両国の内情が複雑で、イスラエルはともかく、一方のレバノンは、レバノン政府が立場上交渉しているが、戦っているのはヒズボラ組織であり、この後政府が国内でヒズボラを抑えきれるだろうか、不安が残る。向う2カ月間の停戦ということで、今後侵略行為や、合意違反がなければ、停戦は延長される。それにしても昨年10月にパレスチナ・ガザ地区攻撃と同時に、イスラエルに対してヒズボラの攻撃が開始されたが、この間レバノン国内だけで3千8百人以上が死亡した。仲介役を務めたアメリカのバイデン大統領は、ヒズボラが合意を破った場合イスラエルは国際法上自衛の権利があると語ったように、相も変わらずイスラエル寄りの発言をしている。果たして、この停戦合意が終戦へ進むのか、まだ半信半疑である。

 ただ、この停戦合意はイスラエルにとっては、もっけの幸いである。今後ガザ地区への攻撃に集中することが出来、ハマスを孤立させた上で壊滅させて勝利へ進むことが出来る可能性があるからである。

 この数日間にレバノンの首都ベイルートの市街をテレビ映像で観ることが出来たが、私がひとりで第3次中東戦争直後の1967年末に訪れた当時とは、随分街の様子が変貌していて悲しい気持ちに捉われた。当時は戦後半年で戦争の残り火が中東諸国のあちらこちらに感じられたものだったが、それでも市内は落ち着いて宿泊した海辺のホテルの窓から見下ろすと「中東のパリ」の評判通り、海水浴や日光浴を楽しむ平和な多くの人びとの姿が見られたものである。それが今や殺伐とした空気が感じられる。これも寂しいことである。

 さて、今日臨時国会が開会され、明日石破首相は所信表明演説を行うようだが、まだまだ石破首相の政権担当後の行動、実績はお手並み拝見程度で、今は難題を避けて通っているような印象を受ける。議席数を大幅に減らした原因の「裏金問題」が、その後も尾を引いている。政治資金規正法改正に向けて、野党から政策活動費の廃止を要求されているが、廃止を受け入れながら、形を変えて生き残りを図るなど相変わらず、「裏金問題」の反省が見られない。他にも調査研究広報滞在費(旧文通費)の見直しに向け与野党が協議会を開いたが、あの手この手で各党の本音が現れるようだ。

 その中で、目についたのが、立憲民主党と日本維新の会が唱える国会議員の「世襲制限」である。これは何とかやってもらいたいというのが、国民の総意であると思う。圧倒的に世襲議員の多い自民党としては、すんなり受け入れるとは思えないが、それでも石破首相は最近トーンダウンしたようだが、首相就任前に出版した自著の中に「世襲政治にも手を付けるべき」と触れている。かなり以前のことではっきりした年月は記憶にないが、自民党内にも世襲制限の動きはあった。世襲の問題となっている親の「地盤、看板、カバン」を受け継ぎ、選挙に圧倒的に有利とされている点にブレーキをかけようとしたことである。今回立憲や維新が主張する「引退する国会議員の政治団体による、配偶者と3親等以内の親族の寄付や、代表継承禁止」は、憲法による「職業選択の自由」により、立候補の禁止は困難とされている。だが、かつて自民党が考えた提案では、一定期間、例えば4年なり6年は、被継承者である親の地盤(選挙区)からの出馬を制限し、期間経過後に認めるという案があったように覚えている。その辺りを調整すれば、憲法違反を冒さずとも優位な世襲制度の形を変えて実施できるのではないかと考えられる。

 立憲、維新ばかりでなく、他の野党にとっても優位となるので、この「世襲制限」へ向け一歩進んで欲しいものである。もちろんこれには、メディアの側面的な支援が欠かせない。

2024年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6407.2024年11月27日(水) 外国で中止した教育を日本で始めたとは?

 10月1日に石破内閣がスタートして早くも2か月近くが経過したが、与党が過半数を確保出来ず、また石破政権自体も自民党内で盤石な体制ではないため、何かと外野からは厳しいコメントが浴びせられている。それでも国民民主党から選挙公約である「所得倍増計画の実現」のために強引にも「103万円の壁」の引き上げを迫られ、与党と国民民主党の間で何とか合意し、実現へ向けてスタートした。

 しかし、この「103万円の壁」問題は意外にも分かり易いようでいて案外理解し難い。そこへ国税と地方税の税負担の難問が入り込んできたために、全体像としては複雑化して一層理解しにくくなってしまった。これにはもちろん伝えるメディアの責任もある。更に、今検討が始められた問題として、働く高齢者の「在職老齢年金」が持ち上がってきた。これは、65歳以上で働く場合、賃金と基礎年金を除く厚生年金の合計が、50万円を超えると厚生年金が減額、または全額カットされる仕組みになっている。年々物価に倣い賃金・収入が増額される中で、この50万円を2つの案、62万円か71万円に引き上げるという提案が検討されている。当事者でないと詳しくは理解し兼ねるが、それでも石破政権はこれらの難しい問題に前向きに取り組もうとしている姿勢は、一応評価してやりたい。

 これらの分かり難い石破産物に比較して、分かり易いが、聊か問題だと首を傾げるようなことが小中校教育現場で今年度から実施されている。これは石破政権の産物ではないが、義務教育中の小中学校の教育の場で、今年4月からタブレットなどの電子端末が1人1台与えられる「デジタル教科書」を本格的に導入したことである。全国のほぼすべての自治体で端末の配布が完了している。幼い子どもの教育は、ハード器材よりソフトによる教師と子どもとの触れ合いがベースにあるべきだと思っているので、このような大金を投じてハードの端末を供与し、剰え子どもの視力を弱めるような器材を使用した教育は、真の意味で義務教育には不向きだと思う。

 実際、2006年から1人1台の端末器材を与える教育を実施してきたスウェーデンでは、児童の学力低下により教科書は紙に復活したという。教育大臣の「基本的な読み書きに最適なのはアナログツールだ。ペンと紙を使い、学校図書館を利用出来る環境が重要」と語り、今年7月から端末器材を止めて紙の教科書導入を法律で義務付けした。理のある措置だと思う。スウェーデン政府が義務教育の本質を理解して現行制度は子どもたちにとって必ずしも良いとは思えないと、方針を変更したことは賢明だと思う。この点で日本の義務教育は、間違っているのではないかと思う。日本の教育専門家は、現行のタブレット教科書採用には反対の声が強かったようだが、これを霞が関の文部行政が押し切って実現したそうだ。タブレット製造会社との間に、「裏金」でもあったのではないかと考えてしまう。

 まだ今年度スタートしたばかりで、それなりに予算を投入した新しい教育システムだが、冷静に見直し、非は非と認めて原点に返るべきではないか。私自身が受けた義務教育を振り返ってみても、先生と対話しつつ、怒られ教えられながら校外活動もエンジョイした素朴なソフト教育が今も忘れられない。

 石破首相には、ぜひとも子どもの基礎教育である真の義務教育の充実に手を差し伸べてもらいたいと考えている。

2024年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6406.2024年11月26日(火) 中国経済の低迷と外国人観光客過去最大の伸び

 このところ中国の経済停滞が各方面から伝わって来る。その端緒となったのは、不動産不況である。3年前に金融当局が資金調達の規制を始めたことにより、民営不動産開発事業者の資金繰りが悪化し、売り上げが減少した。都市の中心部に建設途中で工事を中止したビルがいくつもある。今まで不動産業は中国経済のけん引役として、住宅の売れ行きや開発の進行状況が家具や家電などの分野にまで影響を与えて来た。それが経済成長後に低迷期に入ってしまった。

 これが、上場企業の中でも製造業などにも大きく影響し、景気は減速している。因みに今年度上期に最終減益・赤字となった企業の割合は5割を超え、増益企業を上回った。

 企業の多くが給料未払い、年金停止状態となり、社会主義、共産主義も行き詰まった感があるが、中国経済に詳しい東京財団の柯隆氏は、テレビで質問に応えて中国は民主化、万民平等、財産平等を謳う社会主義でも、共産主義でもないと言い切っていた。昨年日本共産党もあまりの中国共産党による1党独裁の中国習近平政権に愛想を尽かして、中国共産党と長年の縁を切ったほどである。

 同時期の日本経済は、全業種の6割の企業の純利益が前年同期より増加した。特に、コロナ禍によってどん底にまで落ち込んだ観光業の回復が目覚ましく、それもインバウンド業界の発展が大きく寄与している。今年10月の訪日外国人数は、単月で過去最多の3千3百万人を超えた。前年同期比で、31.6%増であり、国家の懐も膨らむ。

 実はプライバシーに関わることにもなるが、このコロナ期間中に政府の観光支援策(GO TO トラベル)を悪用して大手旅行社HISが、国から不正に受け取った金額が7億円近いものだったという悪質な事件が、2021年12月25日付朝日紙にすっぱ抜かれて、その飛び火が私にも降りかかった。それを取り上げた私の拙いブログ21年12月29日付で「『GO TO トラベル』で旅行会社が不正受給」と書いた。HISは、かつて私がツアー企画で度々利用したヨーロッパの旅行手配会社を傘下に置いている。その子会社がその不正事件に大分絡んでいたようだ。いずれにせよ、許されない悪質な行為であり、ブログ上で厳しく非難した。ところが、偶々それを読んだHISと関連会社にはブログの内容が不本意だったらしく、彼らが私のブログの起ち上げに協力してくれたITコンサルタントへ、有り得ない事実を書いたとして名誉を棄損されたと抗議をIT社を通して、今年10月に伝えて来た。盗人猛々しいとはこのような行為を言うのだろう。当時の新聞記事のコピーをIT社へ送り、悪質な事実について新聞記事を裏打ちするように書いただけで名誉棄損に当たることは一切ないと突っぱねた。朝日紙の記事には、HISの澤田秀雄社長が事実を認め、ガバナンスを見直すと反省の弁まで述べている。その後IT社からは何の連絡もなく、先日電話でその後の経緯を尋ねてみたところ、一応弁護士を通して交渉しているが、相手からは何とも言ってきていないということだった。HIS関係社も、一旦は文句を言ってみたが万策尽きて罪を素直に認めたのか、勝ち目がないと思い諦めたのだろう。

 話が大分横道に逸れたが、観光業は世界的に再び登り調子にあるが、観光業者自体に資産があるわけでもないので、景気に左右されることが多い。コロナ禍が観光業界に厳しい試練を与えたが、今や観光業界には台風一過のような上昇ムードがある。年々発展著しいインバウンド業界は、数ある外貨獲得産業の中でも発展が目覚ましい。今後も発展の可能性と余地は充分あるので、些細な景気の変動に動揺することなく引き続き、日本経済の基盤作りに貢献して欲しいと願っている。

2024年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com