3745.2017年8月14日(月) 水落敏栄・文部科学副大臣から電話をいただく。

 夏の午後のひととき、妻が訪れていた二男家族と買い物に出かけている間に突然電話のベルが鳴った。どなたからかなと耳を澄ますと、何と水落敏栄・文部科学副大臣からだった。

 去る8日甲子園の高校野球開会式で、水落さんが林芳正・文部科学大臣に代わって挨拶されたのを偶々テレビで観てびっくりするとともに、懐かしさのあまり直ぐに手紙を認め、拙著「南太平洋の剛腕投手」と一緒に郵送したところだった。拙著には水落さんらとともに厚生省の戦没者遺骨収集事業に関わった当時のことを綴ったが、水落さんもこの事業がご自分の原点だと言っておられ、殊更拘りがあるようだった。私自身にとってもひとつの大きな転機となった事業である。水落さんは現在日本遺族会会長も兼ねておられるので、この原爆投下や終戦記念日を挟んだこの時期は特別忙しいと仰っていた。明日の終戦記念日記念式典に出席の後、サハリンの北緯50度線に20年以上も前に建立したサハリン地区の戦没者慰霊塔へ参拝に出かけられるという。

 大変懐かしがっていただき、後日連絡するのでぜひお会いしたいとお話いただいたが、私も何年振りかでお会いすることを楽しみにしている。

 さて、まったく偶然な話で驚いたが、水落さんとサハリンの話をした後の今夕のNHK特集「知られざる地上戦」と題する番組で、戦争直後のサハリンにおける厳しかった地上戦の実態を伝える番組が放映された。これを観て終戦直後のサハリン(樺太)で争われた日ソ地上戦の残酷な事実を知った。8月15日以降7日間もソ連軍と日本軍との間で戦闘が継続され、圧倒的なソ連軍の戦力に追い詰められ日本人一般市民を含む5千人もの犠牲者を出した悲惨な状況を証言していた。

 どうして天皇の終戦玉音放送があったにも拘わらず、当時の樺太で終戦、武装解除という当然の処置がなされなかったのかという疑問を、生存者の証言や日ロの公式資料を基に分析していた。最大の原因は、運悪く終戦前日に樺太最大都市の豊原(現ホルムスク)で停電があり、終戦の詔勅が日本人住民に伝えられなかったことと、札幌第5方面軍が樺太第88師団にソ連軍の北海道侵略を恐れて、意図的に「樺太死守」を伝えて樺太部隊に戦斗継続と玉砕を求めた経緯があったようだ。

 それより何より日本が全面降伏した直後にソ連が樺太や北方領土を侵略して、今日まで領土を占領している横暴ぶりがこの厳しい現実の背景にある。その内北方四島でも同じように日本人に乱暴した旧ソ連軍の残虐行為が焙りだされるのではないだろうか。

 サハリンには、1992年に訪れ北緯50度線の旧樺太南北国境線を訪れたことがある。その時豊原を訪れ小高い丘から日本人避難民が船出したとされる港へ降りて行ったことがある。

 あまりサハリンについてご存じの人はおられないが、豊原の日本人電話交換手が「ソ連兵がやって来ました。皆さん、さようなら」と涙ながらに電話を切った悲劇はよく伝えられている。

 水落さんも慰霊碑建立のため、何度も豊原へ出かけたと言っておられた。今度お会いしたらサハリンの話もしてみたい。

2017年8月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3744.2017年8月13日(日) 世界陸上で日本有終の美

 今月4日からロンドンで開かれていた世界陸上選手権は今日閉会式を迎える。昨晩と今朝の2種目で銀メダル1つと銅メダル2つを獲得した。まず、今日早暁400mリレーで日本チームが3位に入り銅メダルを獲得した。今大会初のメダルである。昨年のリオ・オリンピックでも400mリレーで、堂々銀メダルを獲得して実力をつけてきたが、今大会は若干幸運も手伝った。

 その幸運とは、優勝候補筆頭のジャマイカ・チームの途中棄権である。ジャマイカは4人のランナーが揃いも揃って100m9秒台である。しかもアンカーはこのレースを最後に陸上界から引退を宣言していたオリンピック100m3連覇の英雄ウサイン・ボルト選手である。だが、そのボルト選手がバトンを受けて走り出してまもなく脚に痙攣を感じたように走れなくなり、コース上に倒れ込んでしまった。ジャマイカは途中棄権とされ、4番手にいた日本チームは運良く3着でゴールへ駆け込んだ。リオ・オリンピックの銀メダルに続く栄誉である。

 金メダルは地元イギリス、銀はアメリカが獲得したが、優勝を狙っていたであろうジャマイカにとっては不運だったという以外にない。同時に有終の美を飾ることが出来なかったボルト選手にとっても、不運に付きまとわれたロンドン大会だった。10年以上に亘って世界陸上界に君臨していたボルト選手は、今大会では100mで銀メダルに終わり、200mは不出場だったので結局金メダルを得ることなく、世界の陸上界から退場することになった。

 もうひとつメダリストを生んだ競技は、男子50㎞競歩でリオ・オリンピック銅メダリストの荒井広宇選手が銀メダルを、小林快選手が銅メダルを獲得した他にも、もう1人の丸尾知司選手が5位に入賞した。

 今回の2つの種目の3つのメダルはそれぞれ殊勲甲と言えよう。

 それにしても日本はかつてのお家芸だった男女マラソンは惨敗したが、反面短距離と競歩が強くなったものである。400mリレーは、予選出場選手が2人も入れ替わる中で、決勝では日頃の実力を発揮してメダルを獲得出来たことは素晴らしい。また、競歩は近年急速に力をつけてきたが、これからもその活躍を期待したいものである。

 今回の世界陸上は真夏の炎天下で行われ、暑さを避けるために夜間と明け方に開催の競技が多かったようだ。3年後の今ごろ開催される東京オリンピックの気温を考えるとぞっとする。すでに暑さ対策を検討しているようだが、高温に加えて湿度の高い日本の気象条件の中で、欲深いIOC(国際オリンピック委員会)は、何を考えているのか、FIFA(国際サッカー連盟)に横車を押されてよくもスポーツの祭典をこんな最悪の時期に行うものだと思う。

2017年8月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3743.2017年8月12日(土) 変わりつつある日本語の解釈

 思想史家で堅実な評論を書かれる渡辺京二氏が、今朝の朝日新聞紙上に女優酒井若菜さんから先週寄せられた質問に応える形で回答している。

 渡辺氏は10年前にNPO「知的生産の技術研究会」が東洋経済新報社から「知の現場」を上梓した際、当初取材対象のひとりとして候補に挙がった。生憎渡辺氏の都合がつかず沙汰止みになった経緯があり、氏への取材が出来なくなったことを共著者のひとりとして残念に思ったものである。

 その渡辺氏が酒井さんの質問に応えた内容で、「三下り半」という言葉の解釈が一般に間違って使われていると書いている。これまで「三下り半」とは夫からの一方的な離婚を示す言葉と理解されていた。それ故離婚は我儘勝手に夫がやっても好いと解釈されていた。ところが、それは完全な間違いであると渡辺氏は応えている。三下り半による離婚は夫の一方的な我儘のせいで、離婚される妻に落ち度があるわけでははないと言っており、離縁する妻への再婚許可状で妻の側から夫に交付が請求されたものだという。この辺りの解釈はやや分かり難いが・・・。

 渡辺氏は、近代歴史学には江戸時代を悪者にせねばならぬ動機があったからであると指摘している。その理由として明治以来歴史学を支配してきたのは、市民主義でありマルクス主義であり、その市民主義が江戸時代の言葉の解釈が悪かったと考えたというのである。恰も「三下り半」の意味が誤解されるようになったのは、マルクス主義であるかのような軽薄なお説には、いかに渡辺氏であろうと素直には納得し難い。

 近年になって以前に頻繁に使用された正しい言葉でも近年になって間違いが判明し、訂正されている例は他にもある。その典型は「士農工商」である。かつての江戸時代の身分制度を表すこの言葉には、実際には武士の下に農工商の序列はなく、彼らの身分は平等であったという。それ故士農工商という言葉は、今では死語となった。これは言われてみれば理解出来る。今では教科書にもこの言葉は表記されていないので、教科書で士農工商を習った我々の世代は戸惑うこと夥しい。今後第2、第3の「士農工商」「三下り半」が現れ出ないとも限らない。

 渡辺氏の解説には何となくこじつけのようなものを感じて、残念ながらどうもすんなりとは受け入れ難い。

2017年8月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3742.2017年8月11日(金) 「山の日」に北アルプスと高校野球を思う。

 今日8月11日が「山の日」として、昨年国民の祝日に制定された。近年国民の祝日が増えて、今では6月だけ祝日がない。当初「山の日」は明日12日に決まることになっていたらしいが、12日は32年前日航機が御巣鷹山に墜落した厄日であり、あまりにも生々しい記憶を呼び起こすということから前日に繰り上げられたという。

 テレビを観ていると全国各地で山に関する行事が行われているようだが、絵画的に言えば、上高地から奥穂岳をバックにした河童橋のアングルが何と言っても一番である。

 実は、今夕NHK「北アルプス・ドローン大縦走」で、双六岳、三俣蓮華岳から西鎌尾根を通り槍ヶ岳頂上へ至り、更に北穂高から涸沢、上高地へとドローンで空中写真を使いじっくり見せてくれた。昔何度か歩いた登山道である。最後に上高地から穂高を望むシーンでジ・エンドとなり、新たに上空という視点から改めてアルプス銀座を楽しませてもらった。

 大学生となって初めて北アルプス西鎌尾根を縦走した時、松本駅から眠い中をバスから一歩足を踏み降ろした途端目前に見せつけられた上高地の美しく壮大なスケールの景色に圧倒されたものである。それはその後訪れたスイス・アルプスの雄大さに優るとも劣らないものだった。

 その後膝を痛めたために後ろ髪を引かれつつ登山は諦めざるを得なくなってしまったが、心の中にはいつも上高地が若かりし頃の登山の忘れられない思い出として生き続けている。

 さて、熱戦たけなわの高校野球だが、優勝2回の強豪校・横浜高校があっけなく1回戦で敗退してしまった。昨日も名門中京大中京高校が1回戦で姿を消した。この中京高校は、大分以前に校名が変わった。試合をしばらく観ていて気が付くことがあった。昔に比べて選手の着ているユニフォームが大分変ったことである。ユニフォームの首周りに付いていた中京ならではの独特の襟がなくなり、かつて中京商業高校と言われてユニフォームの胸にも‘CHUSHO’と大文字で書かれていたが、今では‘CHUKYO’と筆記体で書かれ、両袖口には赤と青のラインが縫いつけられて若干派手になった。時代のすう勢でこれもある程度時代の流れなのだろう。

 しかし、中京と言えば、想い出すことがある。かつて母校湘南高校と中京商高とは毎年4月交互に相手校のグランドで定期戦を行っていた。高校へ入学した昭和29年両校とも春の選抜高校野球大会に出場した。母校は1回戦で高知商高に1-0で敗れた。母校で行われた定期戦では同スコアで中京に敗れた。だが、その2年後母校グランドでの定期戦では中京は選抜優勝校として王者らしい試合を行った。結果は3-0のスコアで母校は選抜優勝校に勝ちを譲った。いつまでも懐かしく誇らしく思える高校時代の想い出である。

 その後大学では登山クラブに入り、親しくなった山仲間と数々の山に登り山ほどの素晴らしい経験と思い出を得ることが出来た。いつまでも山への郷愁と想い出は消えることはないだろう。

2017年8月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3741.2017年8月10日(木) 友人、滝鼻卓雄・元読売新聞社長の近著

 4月に早川書房から出版された滝鼻卓雄・元読売新聞社東京本社社長の著書「記者と権力」をさらっと読んだ。滝鼻氏は大学ゼミの友人であり、お互いに多忙の中にあっても細い糸のような交流を続けていた。亡き恩師のお孫さんの就職活動でも相談に乗ってもらったり、私が編集責任者を務めた恩師追悼文集発行に際しても原稿を寄せてもらった。

 その滝鼻氏の著書を「選択」7月号に紹介されているのを目にして、「本に遇う」欄で元朝日の河谷史夫氏の推奨文を読み、同じジャーナリストの河谷氏が記者の覚悟について触れた個所を褒めている。実際興味深くて読み易かったし、彼が社会部記者として苦労を重ねながらジャーナリストとしての実績を積んだ経緯がある程度理解出来た。面白いと思ったのは、わが自宅近くにかつて法務省高級官僚の官舎があり、最高裁長官や検事総長が就任前に住んでいたので、彼が取り上げたそれらの人たちの表札を見て名前だけは知ってもいた。思わずにんまりしてしまった。

 また、身近な例では、文中で採り上げたゼミの後輩と紹介した人物に思い当たる節があり、その人物とは先月に会ったばかりである。大学を中退し、長い間成田空港闘争に関わり、地域の社会運動でも忙しく活動していたゼミナリストである。当然仮名になっているが、いくつか相似点があるので、近い内に尋ねてみようと思っている。

 さて、北朝鮮のミサイル発射に関する昨日の北朝鮮側の挑発的な声明発表について、北朝鮮とアメリカの間で相手への非難口撃が、一層エスカレートしている。

 今日も北朝鮮軍の金絡謙・戦略軍司令官がとんでもないことを発表した。それによると中距離弾道弾ミサイル「火星12」号4発を、グアム島周辺海域30~40㎞に同時に着弾するよう発射する計画を検討しているという。ミサイルは日本の島根、広島、高知上空を通過するとも述べている。8月中旬までにその作戦計画を完成させ、金正恩・朝鮮労働党委員長に報告し、発射命令を待つという物騒な公式発表を行ったのである。グアム島30~40㎞は公海上であるが、仮に20㎞以内のアメリカ領内に誤着弾した場合は侵略戦争になりかねない。恐ろしいことである。

 これに対してアメリカのマティス国防長官は、金正恩政権の崩壊にまで言及し、挑発行為を止めない北朝鮮に対して「同盟国の軍事力はいまや地球上で最も正確で、訓練され、堅固な防衛・攻撃能力を保有していることに留意すべきだ」と軍事力行使を示唆した。

 どちらかが先制攻撃を仕掛ければ、北朝鮮が壊滅するのは分かり切っているが、それで日本も影響を受ける。アメリカの先制攻撃の可能性もなくはない。怖い世の中になってきたものだ。

2017年8月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3740.2017年8月9日(水) 被爆者に責められる安倍首相

 6日広島平和記念公園で原爆投下から72年目の式典が行われたが、長崎市でも今日原爆投下から同じく72年目の平和祈念式典が開かれた。田上富久市長が平和宣言の中で7月に国連が採択した核兵器禁止条約について触れ、条約は被爆者が長年積み上げて来た努力が形になったと評価しながらも、日本政府が条約交渉の会議にすら出席しない後ろ向きの姿勢を強く批判した。

 式典に出席した安倍首相は、「真に核兵器のない世界を実現するためには、核兵器保有国と非保有国双方の参画が必要で、わが国は非核三原則を堅持し、双方に働きかけを行うことを通じて国際社会を主導していく」と述べたが、具体的な施策について語らず、条約に署名、批准を行う考えはないとも語った。この後首相は被爆者と面会して要望書を手渡された際、代表の長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長から「あなたはどこの国の総理大臣ですか。私たちを見捨てるのですか」ときつい口調で問い詰められ、返す言葉もなかった。この場面は頑なな首相の表情が象徴的だった。

 果たしてこの式典出席者に首相の考えがどれほど届いただろうか。

 こんなぐだぐだしたことを言うより、唯一の被爆国として最も優位なメッセージを送れる日本が、核兵器という最も禁ずべき兵器の使用に正面から反対出来ない弱さを抱えていることが問題だと思う。アメリカに対しては言いたいことも言えず、属国的立場のまま黙っているが、いつまでこの蛇に睨まれたカエルでいるつもりなのか。

 つい最近もオーストラリア海域で墜落した普天間基地発のオスプレイについても、素人?の江崎鉄磨・沖縄担当大臣が、つい口をすべらし、日米地位協定の見直しに触れた途端、政府関係者が一斉に嫌なことを言ったと言わんばかりの態度を示すなどあまりにもアメリアを意識し過ぎた対応ではないだろうか。

 この件については沖縄県が米軍にオスプレイ飛行の自粛願いをしてもまったく聞き入れてもらえず、沖縄駐留米軍司令官ニコルソン中将が、横柄な態度で日本人記者団を突きっ放すような会見をするなどまるで占領軍気取りである。オスプレイは相も変わらず今日も沖縄上空を飛び回っている。

 戦後72年にして、ついに日本はアメリカの属国になったのか。

 さて、今日株価がど~んと下がった。前日に比べて257円も下げ、日経平均株価が19,738円となった。原因はアメリカと北朝鮮が北朝鮮のミサイル発射に伴う言い争いで、戦火が開きかねない緊迫した空気に市場が過敏に反応した北朝鮮リスクのせいである。北朝鮮は新型中距離弾道ミサイル「火星12」がアメリカ軍基地のあるグアム周辺の包囲射撃を検討していると警告する声明を発表した。これに反応したトランプ大統領は直ちに挑発行為を続ける北朝鮮に対して、「世界が経験したことのないような炎と怒りを受けることになる」と牽制した。つい最近までは、アメリカにとってIS(イスラム国)が当面の厄介者だったが、今では誰に操つられているのか金正恩委員長が支配する北朝鮮が当面の敵となった。

 それにしても北朝鮮の凶器は、日本にとって株価下落どころではない脅威となってきたようだ。

2017年8月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3739.2017年8月8日(火) 世界陸上100mで王者ボルト敗れる。

 日本全国を暴れまわっている台風5号の影響で、1日延びた全国高校野球開会式が今日甲子園で行われた。その台風5号は日本近海に出没してから今日で18日目になり、遅いスピードでまだ北陸、東北周辺を彷徨っている有様である。

 その開会式で意外にも私のよく知る人物が登場したのである。着任後まだ間もない林芳正・文部科学大臣に代わって開会メッセージを代読した、文部科学副大臣の水落敏栄・参議院議員がその人である。

 水落さんとは20年近くに亘って、ともに旧厚生省援護局の太平洋戦争戦没者遺骨収集事業でマリアナ海域の収骨作業に関わった。その点では、毎年2月になると1ヶ月間サイパン島で寝食をともにした間柄だった。帰国すると箱根で慰労会をやったこともある。頼まれてサイパンから来日された高等弁務官ご夫妻を箱根へ案内したこともある。15年前父の葬儀の後兄弟親戚家族と箱根に泊まった翌朝、ばったり旅館内で出会ったこともある。いろいろ接点や交流があったが、とにかく水落さんは前向きで、業務に真摯で熱心な人で全国の遺族からの信頼も厚かった。新潟商高卒業後、民間会社に一旦勤めた後日本遺族会に奉職し、今では同会会長であり、参議院議員になられてからは主に文教族として日本の教育に積極的に提言しておられる。年齢的には、水落さんの方が4学年若いが、割合気持ちが通じる仲だったので、仕事以外でも何かと相談し合ったことが忘れられない。

 その水落さんが高校野球の開会式で大勢の関係者、選手、観客を前にあの広い甲子園球場でスピーチをされるとは、40年前の遺骨収集当時を思うと感慨を憶える。それでも久しぶりにお元気そうな姿を拝見して安堵した。益々のご活躍を祈っている。

 さて、今ロンドンでは世界陸上選手権が開催されている。去る5日男子100m決勝レースが行われ、オリンピック3連覇を成し遂げ今大会を最後に引退すると公言していた、世界記録保持者であるジャマイカのウサイン・ボルト選手が、アメリカのジャスティン・ガトリン選手に敗れた。3着のボルト選手までが9秒台のハイ・レベルのレースだったが、勝ったガトリン選手が敗れたボルト選手に頭を下げ敬意を示したところ、スタンドから一斉にブーイングを浴びた。ガトリンはこれまで何度競っても5歳若いボルトに勝てなかった。それが漸く念願がかなったのである。ガトリンが拍手喝采を受けても当然という場面で思いがけない事態が起きたのである。

 実は、ガトリン選手にはドーピング違反の前科が2度もあった。中でも2006年から4年間資格停止処分も受けていた。それを乗り越えて世界最速ランナーになった精神力と走力を保持した努力には、誰しも脱帽するところである。それがこともあろうにスタンドからガトリンに対してバッシングがあったのは、イギリスが伝統的にドーピングに厳しい姿勢で臨んできたことが大きい。だが、罪は罪として、それを贖ったガトリン選手の努力を思えば、勝利を祝福しても良さそうなものであるが、ロンドン市民はマスコミも含めてドーピングには厳しかった。偶々ネットを覗いてみたら元陸上選手だったタレントの武井壮が、2度もルールを犯したガトリンに対してクソミソである。彼の言い分は、いくら資格停止処分をクリアしたにせよ、その間練習は出来るし、ドーピングによって強い身体を造り上げた点を批判している。確かに禁止された薬物を飲用したことは、許されることではないが、これを罰として受け止め立ち直った選手をいつまでも厳しく立ち向かうというのも気の毒な気がする。日本人としてはどう考えるか。

 今大会にロシア選手団は出場していない。ウェイトリフティング選手らに国がらみのドーピング疑惑がかけられ、潔白が証明された選手以外のロシア全競技選手には国際大会出場資格が与えられていないからである。正々堂々戦うのがスポーツであると思われているが、その一方で何とか監視の目を掻い潜っても違反行為を犯して栄誉を得ようとする姑息な行為があるのも事実である。嘆かわしい。

 安倍政権の森友問題、加計学園獣医学部新設問題で、安倍首相の行為に意図的な疑惑隠しがあったのではないかとの疑念がどうも消えない。安倍政権の対応が、ロンドン市民にはどう映ることだろうか、興味のあるところである。

2017年8月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3738.2017年8月7日(月) 権力志向の強い人とやる気のない人

 安倍首相が改造内閣人事の発表に当り、新内閣を「仕事人内閣」と自信たっぷりに語ったが、その20人の閣僚のうち初入閣した江崎鉄磨・沖縄北方担当相が、北方領土問題については素人であると担当大臣らしからぬ謙虚?な発言をしたり、「国会では役所の答弁書を朗読する」と恥ずかしげもなく述べて、官房長官に注意され陳謝した。そもそもこの大臣は大臣職によほど自信がないのか、当初大臣要請を断っている。それを派閥の親分である二階幹事長に怒られ、説得されて大臣受諾を決意した変わり者であり、国民から見ればふざけているし、担当する旧北方領土住民のみならず、沖縄県民をも愚弄するものである。大臣心待ち組があまた控える中で、折角の大臣任命を固辞するとは、「俺が俺が」の国会議員の中では極めて珍しい御仁である。

 しかし、こんな仕事に自信を持てない議員を仕事人として大臣に登用する安倍首相が、任命責任を問われる事態に追い込まれることはないのだろうか。もっと意欲も向上心もある議員を大臣に選んで欲しいと思う。

 それに引き換え、今月下旬知事選が行われる茨城県では、現在6期目の橋本昌知事が7度目の出馬へ意欲を示している。橋本知事は元自治省官僚で、当選すれば、単独で全国最多の7選知事になる。流石に推薦母体の自民党県連も5選目には、対立候補を擁立して保守分裂選挙が行われたが、6選目の時には対立候補を立てなかった。だが、今度の7選目では元経産省官僚を対立候補として擁立させる。県民もそろそろ嫌気がさしたのか、投票率が極めて低い。直近の選挙では、総選挙と同日だったため、それほど低くはなかったが、2001年の知事選では、30%を割っている。権力志向の強い現職茨城県知事に比べて、江崎新大臣の何と無欲?なことよ。

 全国で最も知名度の低い県という芳しくないイメージを引きずってきた茨城県としては、幸いNHK朝のドラマ「ひょっこ」により、今人気が盛り上がってきたところだが、来る知事選の結果、「変わらない」「旧態依然」の県というマイナス・イメージを払拭出来るだろうか。

 同じく地方自治体の話題だが、青森県は相反する現実の数字とその評価に苦闘している。そのひとつは、青森県の平均寿命が全国最下位であることである。青森県民は、喫煙、飲酒、肥満など生活習慣関連の指標が軒並み全国ワースト・クラスのうえに、雪が多いので運動せず、頑固者が多く健康診断を受けず、病気になっても病院に行かないとの不名誉を返上すべく県内各地で改善へ取り組み始めた。

 その一方で、働くママが全国で一番多いのが青森県だという国勢調査に基づいた好ましい数値がある。それは労働力率をみると、例えば青森県の女性は25歳で85%だったものがその後は低下しても80%を底辺に再び上昇する。それを「M字カーブ」と呼ぶらしいが、青森県は子育て期に落ち込む「M字カーブ」が最少だった。その落差が約5%で全国平均の13%を大きく下回る。これは、3世帯同居が多いことや、待機児童が6年連続でゼロという主婦へのバックアップ体制が整っていることが大きい。

 いずれにせよ地方都市・県も悩みを抱えながらそれぞれ工夫して前向きな努力を積んでいるのだ。因みに青森県知事の多選は、最高で連続4期までである。

2017年8月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3737.2017年8月6日(日) 広島原爆投下から72年

 今日8月6日は、言うまでもなく72年前広島に世界で初めて原爆が投下された画期的な1日である。ところが、昨年の世論調査によるとその事実を知っている日本人は全国民の70%にしか過ぎないことが分かった。こんな日本にとって大事なことを知らないということ自体、不思議で許しがたいことだと思う。

 折も折韓国では初めての原爆資料館が今日「韓国のヒロシマ」と呼ばれている南部の 陜川(ハプチョン)にオープンした。

 残念ながら現在の安倍政権の沖縄における施策や、国連の核兵器禁止条約に棄権をした政府の行動を見ていると、原爆投下に無関心な国民が増えるのも何となく分かる。

 学校教育においてどの程度この悲惨な事実を教えているのだろうか。実は、以前旧文部省の教員海外視察団にお供して、欧米の学校を幾度となく訪れたが、現地の小学校の生徒たちが日本の都市の中で東京に次いで、広島と長崎の地名を知っている子どもたちが多いことに感銘を受けたことがある。それほど外国では原爆について教育現場で教えていることを痛感した。それに引き比べて日本の教育現場では、生徒にどれだけ教えているか、些か心許ないような気がしている。

 安倍内閣閣僚の年齢を考えても終戦時幼児だった最年長の麻生副総理が現在76歳、沖縄・北方担当大臣の江崎鉄磨大臣が73歳であるが、他の18名の閣僚はすべて原爆投下後に生まれている。戦争の怖さも、原爆の恐ろしさもみんな実体験として知らない人たちばかりである。保守的論理の構築も非論理的で説得力がないから、防衛問題について軽々に机上の空論を述べるわけである。その一例として、先月国連で採決された核兵器禁止条約を日本は棄権した。140カ国中122カ国が賛成した条約に、核による被害を被ったわが国が賛成しないことに賛成国は理解出来ず、その対応を強く非難している。確かにアメリカの核の傘の下で敵対国の核攻撃から守ってもらっている事実はある。それはアメリカに対する仁義でもあろう。だが、広島への原爆により30万人以上の犠牲者を出した日本としては、核禁止は絶対に譲れない一線ではないか。ここはアメリカを始め、核保有国に対して先頭に立って日本の立場を説明し彼らを説得し、声を上げて反対をアピールすべきではないか。こんなご都合主義の対応ばかりしていると、いずれ世界中の笑いものになるのではないだろうか。戦後生まれの苦労がない世襲議員ばかりの政府では、いくら話をしても効果はないのだろうか。

 出来れば、学校教育においてももう少し子どもたちに戦争、原爆や、核問題について考えさせるような知識を教えることに気を配るべきではないかと思う。

 さて、数日前から台風5号による北九州地方への影響が心配されていたが、昨日屋久島、種子島へ接近してきた。この5号は珍しく長い間日本近海に留まっていて、漸く日本をターゲットにしているようだ。実際6号から10号はとっくに消滅している。特別警戒が行われているのは、ちょうど1か月前に豪雨による大きな被害を受けた福岡県朝倉市、大分県日田市地区である。だが、九州南部海岸から四国方面へ向かったようだ。40名近い犠牲者を出し、道路上に流木が溢れ河川も決壊して新たな川が流れていた北九州方面は避けられたようだ。まずホッとした。

 72年前原爆が投下された時の広島は炎天下だったそうだが、今日も全国的に気温が高く、島根県益田市では今年最高の39.3℃を記録した。暑い!暑い!政治家の頭もボケていなければ好いが・・・。

2017年8月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3736.2017年8月5日(土) まだ思うような効果が表れない補聴器

 健康上気になった現象が一昨日あった。尾籠な話で恐縮だが、一時はちょっと深刻に考えたので報告しておきたい。その夜排便したところ驚いたことに便器内が出血で真っ赤になったのだ。こんなことは初めてなので些か慌ててしまった。昨朝も前夜ほどではないが、ある程度出血した。昨晩、及び今朝になって何とか出血は止まったが、気になって今朝森内科で診てもらった。森先生が言われるには、先月兆候が表れた憩室炎の影響があるかも知れないとのことだった。憩室炎が悪化すると出血が止まらなくなることがあるが、現時点で止めばそれほど心配することはないだろうとの診断で、再び出血するような場合はすぐ診察に伺うようアドバイスされて取り敢えずホッとして帰ってきたところである。こんなことがもう起こらないことを願うばかりである。

 午後になって補聴器の調整に出かけた。先日購入した補聴器を使用しながら、販売店で聴力効果の具合を矯正してもらっている。初めて補聴器を利用してから今日でちょうど2カ月になるが、まだ望んでいるような効果は必ずしも表れていない。元に近い聴力を回復しているとは言えない状態である。一番願っているのは、普通に会話している時の話声がそのまま聞き取れることだ。テストしてもらうのは今日で7度目であるが、まだ普通に会話した時の相手の話がよく聞き取れない。今日もこれまでの音声の大小(ヘルツ)と高低(デシベル)を微妙に調整しながら、またしばらくテストを続けることになった。

 上記2件について最近身辺に大きな変化がなかったかどうかを聞かれたが、いずれもそんなことはなかった。身体に衝撃を与えると健康上良くないことは明白だが、そのような外的原因でなく内的なもので聴力が完全ではないということだろう。

 さて、余計な話だが、わが家のお隣さん、奥様と中学生の男児、小学生の女児が今日ご主人の赴任地ロスアンゼルスへ旅立たれた。ご主人は昨年の今ごろ一足先にロスへ行かれたが、奥様と2人のお子さんが1年遅れて後を追って行かれた。ほんの1年ほど前に自宅を鉄筋耐震構造に大改造され、近所でも目に付く大邸宅となった。2年後に帰って来られる予定で、その1年後にご主人が帰国される予定だそうだが、奥様のお話では留守の間自宅を他人に貸すことはしないで、時折親戚の方が様子を見たり、室内の空気の入れ替えのために来られるとのことである。他人に貸与して家屋が汚されたり壊されることを気にしておられるようで、他人事ながら家の管理も大変なことだと思う。

 私自身は結婚以来2度の引っ越しの経験しかないが、父の転勤で子どもの頃は度々引っ越しをしたので、お隣さんのご苦労もある程度分かる。大きなお世話かも知れないが、転勤族、特に海外へ行かれるのは大変だなあと、お隣さんのお庭を眺めながらつい感慨に耽っていた次第である。

2017年8月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com