3803.2017年10月11日(水) 外国通信社という企業とその存在

 駒沢大学ジャーナリズム・政策研究所の社会人公開講座をしばらく休んでいた。7月下旬に春季講座が終了し、夏休みを挟み秋季講座は9月20日に始まっていた。しかし、その日からヨーロッパへ出かけて講座を2回休み、帰って来た先週はキッコーマンとグリコの施設を見学したため、今日は実に3カ月ぶりの講座受講である。

 開講前にしばらくぶりに受講生仲間に旅行で訪れたポーランドのアウシュビッツ収容所と、リストニア・カウナスの旧日本領事館で杉原千畝氏が発行した命のビザについて諸々思いついたことを話した。

 今日の講座では、共同通信出身の山田克講師による外国通信社の話が興味深かった。実は、今アウシュビッツに関する書物を読んでいるが、ドイツ人が何事につけユダヤ人を目の敵にする史実を知ることになった。世界中で活動する彼らは、金儲けが上手く頭が良くてずる賢いというあまり好意的なイメージではないようだが、外国の通信社の中で1870年代には世界の3大通信社と言われた通信社のうち、ロンドンのロイターはユダヤ系ドイツ人、そしてパリのアバスはユダヤ系ハンガリー人が興した通信社だった。世界的に見てもユダヤ人の存在と影響力がいかに大きいかが分かる。

 山田講師は通信社の歴史と現在の勢力分布図などについて分かり易く解説してくれた。ただ、日本では通信社は、共同通信社と時事通信社しか知られていない。ほとんどのメディアが、外国のニュース・ソースを両社に頼っていたが、近年は地方メディアはともかく、読売新聞のような大新聞社は共同との契約を解除するなど経営的には中々難しくなってきたようだ。

 偶々共同通信社平壌支局の存在と活動に関する話題が、月刊「選択」10月号に4頁に亘り大きく採り上げられている。記事によれば、同支局は名ばかりの取材拠点で、北朝鮮のわがまま放題に上納金を収めさせられ、思うように取材出来ず、反って北朝鮮を潤すばかりと厳しい指摘である。このコピーを山田講師に差し上げたところ、噂はすでにご存じだった。お仲間の間では、すでに話題になっているそうだ。

 「通信社」とは面白い組織であり、それでいて中々得難い存在だと思う。

2017年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com