3798.2017年10月6日(金) 日系イギリス人カズオ・イシグロ氏にノーベル文学賞

 昨夕今年のノーベル文学賞受賞者が発表された。それが何と日系イギリス人カズオ・イシグロ氏(石黒一雄)と聞いて驚いた。イシグロ氏の名前は、オッズ賭けの候補リストにも挙がっていなかった。リストには、今年は1位がケニア人作家で、2位は今や万年候補の村上春樹氏が挙がっていたようだ。今年62歳のイシグロ氏は、長崎生まれで5歳の時海洋学者である父と母とともにイギリスに渡り、29歳の時イギリス国籍を取得した。

 私が氏の名前を知らなかったのは迂闊だったようで、すでに日本でもベストセラーとなった著作を出されている。その作品、特に「わたしを離さないで」は日本でテレビ撮影され、映画ファンの間でも多くの人に知られている。1989年「日の名残り」によりイギリスで最も権威あるブッカー賞を受賞して、イギリスでは確たる地位を得た著名な作家であると知って些かお恥ずかしい。因みに知人のひとりで書斎にイシグロ氏の著書を5冊も所有している読書家もいることを知った。イシグロ氏はあまり日本語が得意でないようだが、それでも幼児体験として感覚的に日本に対する想いは強いようで、それが作品に表れているということだから、これがきっかけとなって著書も爆発的に売れるのではないだろうか。氏は川端康成、大江健三郎に次いで日本人として生まれて3人目のノーベル文学賞を受賞したことを誇りにしていると語った。先輩である村上春樹氏に対して罪悪感のようなものを感じると話されていたのは、思いやりだろうが随分気遣いのある人のようだ。私もいずれ彼らしい日本の情景に触れる作品を読んでみたいと思っている。それにしても毎年期待されながら期待を裏切った形になっている村上春樹氏が気の毒でならない。

 今日は、先日訪れ深く考えさせられたアウシュビッツ収容所と杉原千畝のビザ発給について雑文を書こうとイメージを掻き立てるために、映画「戦場のメリークリスマス」を偶々昨年NHKが放映した際録画しておいたビデオを観た。見損なった映画「シンドラーのリスト」DVDも今日アマゾンに申し込んだところである。アウシュビッツに関する書籍はアマゾンを通してすでに2冊購入した。

 「戦場のクリスマス」は、ジャワ島における戦時中の俘虜収容所の様子を描いたものであるが、今から30年以上も前に公開された映画で、日、英、豪、ニュージーランドの合作でデビッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけしらが出演し、テーマ音楽は坂本龍一、監督は大島渚氏で話題になった映画である。主に捕虜に対する虐待を描写したもので、アウシュビッツに相通じるものがある。自分自身の過去の戦跡地訪問を重ね合わせて構想を練り、アウシュビッツ見学を何とか読んでもらえる雑文にまとめてみたいと考えている。

 今日は妻が孫娘の運動会参観のため、長男一家が住む奈良・生駒市へ出かけた。中三の上の孫娘が明日の運動会で全校生徒を前に全体体操のリーダーを演じるようだ。彼女はハンドボールで全国大会に出場したり、ジュニア・オリンピック候補選手に選ばれたり、ハンドボール雑誌に取り上げられたりして全校生徒の間でも有名になってしまったらしい。本人も張り切っているようで、妻も彼女からしきりにお誘いを受けていて、横浜に住んでいる二男の孫娘の幼稚園運動会とバッティングしてこちらには出かけられなかったが、奈良の運動会を楽しみに出かけた。心配なのは怪しい空模様である。

2017年10月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com