充実したホームページに仕上げていこうと、毎日目を凝らしながら取り組んでおります。淡々と書き続けてきただけで、10年2月に初めて4桁の大台1000回を、そして奇しくも74歳の誕生日に当たる2012年「文化の日」に連続2000回を、15年7月31日に3000回、18年4月26日に4000回、21年1月19日に5000回を数えました。ここでは、出来るだけポジティブな意見や、気軽な独言、時には戯言や想い出を書き込んで、自分自身の気持ちを素直に表わしながら楽しく読んでいただけるよう心がけたいと思っております。意見の主張というより、感じたままを日記風に書き綴って参ります。身勝手な意見や、独断的な表現も見られると存じますが、どうぞご理解下さいますようお願い致します。皆さまの忌憚のないご意見をお寄せいただければ有難く存じます。
ブログ・ご意見番の意見
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6549.2025年4月18日(金) ホテルの話し合いは、違反のカルテルか?
昨晩のテレビでホテル業界の宿泊代値上げが、カルテルにつながり独禁法違反に当たるとして公正取引委員会が近く警告を出すとの方針にはちょっと驚いている。これに都内でも有数の有名ホテルが名指しされた。それらはホテルオークラ、ホテルニューオータニ、帝国ホテル、第一ホテル、京王プラザホテルなど15ホテルであるが、中には新宿のハイアットリージェンシー東京のように、かつて勤務していた小田急の傍系ホテルであり、従業員の中には知人も多い。パーティや宴会の都度利用し、これまで開いた3度の出版記念会でも毎度利用したそのホテルが、その中に含まれていたのはショックだった。
ただ、今回の「カルテル」と見做した警告は、一般的にいわれる「カルテル」のような強い協定ではなかったように思う。というのは、「カルテル」については、かつて学校で学んだ「複数の企業が商品の価格や生産数量などを共同で取り決める行為」だと理解している。今度のホテルのケースは、各ホテルの営業担当者が毎月の会合で客室の稼働率や、平均単価などを報告し話してお互いにゲストの志向、傾向などの情報を共有していた。それによって各ホテルが独自に宿泊料を決めていたようだが、これは独禁法が禁止するホテル間で統一価格を決めるような話とは筋が違うように思う。この種の会合が各社持ち回りで数十年間も実施されてきたことに加えて、公正取引委員会には実際に宿泊料金を一斉に引き上げることを決めたなどの行為は、確認されなかったようなので、結論としてはいわゆる正式な警告とはならないのではないかと思っている。実際にホテルマンはどう思ったのか、かつてハイアットに務めていた友人に訊ねてみようと思う。
しかし、これも昨日当ブログで取り上げたインバウンド業の伸展の陰であった事実であり、今後も繁栄するインバウンド業界には、新たな問題が発生する可能性はあり得ると思う。
さて、期待と不安の中で注視していた日本を代表する赤澤亮正・経済再生相と、トランプ大統領以下ベッセント財務長官、ラトニック商務長官らの政権幹部との関税交渉は、アメリカ側には、トランプ大統領が大きな進展だと言うように、まずまず優位に話を進めたとの感触があるようだが、日本にとってはあまりすっきりした結果ではなかったようだ。国同士の外交交渉では、お互いが対等の立場の筈である。にも拘わらず赤澤大臣にとって相手が剛腕トランプ大統領のせいか、最初からへりくだり過ぎて自分は明らかに格下も格下なのでなどと言うようでは代表団の資格がない。元々強気のアメリカに対して腰が引けていた日本政府は、トランプ大統領が不意に交渉に出席すると言い出す心変わりに石破首相は出し抜かれた感があった。赤澤大臣は、一応日本の意向を伝えただけである。反面アメリカでは交渉はうまく行ったとの評価のようだが、日本の対応は各国からはあまり良く思われていない。中でもメディアは、日米交渉は日本が実験用のモルモットだとか、洞窟の中のカナリアだと、皮肉たっぷりに冷やかされる有様である。政府は一応まずまずと理解しているようだが、自民党関係者の間でも赤澤大臣の対応は、終始下手に回っていてアメリカのペースだったとの声が強い。東大出の財務官僚を経て衆議院議員となって、これまで散々交渉には手慣れていた筈であるが、相手が名うてのトランプとなると説得力のある発言も出来なかったようで、情けなくなる。また、これからの日米関係を考えると駐留米軍への支出が増え続けるのではないかと気になってならない。
6548.2025年4月17日(木) 活気を取り戻したインバウンド業界
このところ観光ブームが回復してきたが、中でも近年増え続け目立っているのがインバウンドである。テレビで紹介される市街風景を観ていると、歩行者の中にはほとんど外国人が写っている。実際インバウンドはコロナ渦以前以上の勢いで増え続け、先日観た場面ではこんな苦情もあった。一種のオーバーツーリズム現象である。
外国人に人気がある隠れた観光地として近年知られるようになった、山梨県富士吉田市の新倉山浅間公園である。富士山と五重塔が並んで眺められ、そこに櫻が満開になると正に絶景となる。絵葉書の構図として文句なしの風景である。そこへ最近あまりにも多くの観光客が押し寄せ、近隣住民から苦情が出ているほどである。というのは、トイレは備わっているようだが、とても足りず、観光客の中には近くの民家でトイレを借りるケースがあり、ある住民の場合は1日に10人の観光客にトイレを使用させ、車で外出しようとしても自宅前の渋滞を抜け出るのに30分もかかったとぼやいていた。その住民は、観光客にこれ以上来てもらいたくないと言っていた。これもその土地に住む人たちにとって好まざるオーバーツーリズム現象である。
事実インバウンド客が増加して嬉しい反面、オーバーツーリズムによる弊害が各地の観光都市で起きている。自然に起きるオーバーツーリズムと異なり、意図的に物価の高騰の中でホテル宿泊料金が値上げされ、その裏に都内の一流ホテル15社がカルテルとみられる価格協定を結んでいた疑いがある。遂には独禁法違反で公正取引委員会が警告を発したほどである。
近年の訪日外国人数は観光庁の報告によると累進的に増え、コロナ前の2018年には3,188万人にまで伸びた。しかし、コロナが流行り出した翌19年には412万人にまで落ち込み、その後は3桁が続いていたが、漸く2023年に2,507万人にまで回復した。そして昨年は一気に3,687万人と過去最多になった。今年の数字は、すでに3月までの3カ月で1千万人を超えている。中でも3月の訪日外国人数は350万人で、昨年3月に比べて13.5%も増えている。このまま行けば、今年は4千万人を超える観光客が訪れるものとみられている。いま開催されている大阪・関西万博の影響もあって、外国人がとりわけ増えている。現状のまま伸長し続けるとオーバーツーリズムが、全国的に拡大する可能性がある。
どうしてこれほど外国人にとって日本が魅力的なのだろうか。ひとつの資料がある。それは、欧米人とは異なる台湾人の見方である。15日に日本台湾交流協会台北事務所が公表した世論調査の結果である。それによると「最も好きな国・地域」として日本を選んだ人は76%もいた。「台湾に最も影響を与えている国・地域」は、国の立場上当然ながらアメリカであるが、ここでも日本は2位だった。「今後最も親しくすべき国・地域」でも、日本は70%で断然トップで、2位のアメリカですら僅か13%だが、今後関税問題が台湾にとって厳しくなるならこの数字は更に低下することだろう。3位の中国は11%だった。やはり中国は台湾とは先祖様を同じとする国でもあり、国家としては独立性を保ちながらも等間隔で交流を望んでいることが窺い知れる。
いずれにせよこの結果は日本人としては嬉しい。今後益々多くのインバウンド客から歓迎され、多くのインバウンド客が訪日されることを期待している。
6547.2025年4月16日(水) フェイクマン・トランプのやりたい放題
アメリカのトランプ大統領の言動が、政治、外交、経済、教育面等で世界中に複雑な問題を拡散させ、今や「トランプの行くところトラブルあり」の状態である。日本もその煽りを食い関税、防衛、日本に対する浅薄な知識において、とんでもないとばっちりを食っている。
そのトランプ旋風が、アメリカの教育界にも吹き荒れたが、先月政府機能縮小の一環として連邦教育省の廃止に向けた大統領令に署名した。今後は各州が管轄する教育担当部門が独自に指導すべきであると考えたようだ。しかし、広いアメリカ国土、多種多様な民族がいるアメリカを統一化し、一つにまとめる最も効果的な普遍的一貫教育を止めるというのはどういう意図だろうか。単に経費節減の対策とも思えない。
奇しくも昨日バイデン前大統領がシカゴで退任後初めて演説を行い、トランプ政権が社会保障局の職員を大量に削減したことを大きな損害と破壊をもたらし、国家がこんなに分断されたことはかつてなかったと厳しく非難した。
そこへこのほどトランプ政権が、大学教育界の名門ハーバード大学に対して、露骨な圧力をかけていることが分かった。その発端は、トランプ政権が学内でイスラエルへの抗議デモを理由に「反ユダヤ主義」や、「行き過ぎたDEI(多様性、公平性、包摂性)」があるとして、約90億㌦(約1.3兆円)の助成金や契約を見直す方針を表明した。最近のハーバード大に対する書簡では、反ユダヤ主義を警戒してか、人種などを考慮しない実力主義による職員採用、入学者選考、DEI取り組みの中止などを求めていたが、ハーバード大ではいかなる私立大学も連邦政府に乗っ取られることがあってはならないと、連邦政府の要求を毅然として拒否した。しかし、「改革」要求を拒否したハーバード大に対して、政府は約23億㌦(3千3百億円)分の助成金と契約を凍結すると発表した。大学教育や学問の自由が深刻な脅威に晒されているとの危機感が広がっているという。
教育省は先月ユダヤ系学生の保護に関する調査対象として、60大学の名を挙げた。中でもトランプ大統領の母校、プリンストン大も「反ユダヤ主義」を理由に2.1億㌦(3百億円)の助成金を止められた。だが、イスラエル抗議デモの中心となったコロンビア大では約4億㌦(6百億円)の補助金の取り消しを示唆されるなど厳しい追及を受け、政権の要求を受け入れることになり、警備や中東関連の教育を見直すと発表して、反って学内外から批判も出ている。その点ではジョンズ・ホプキンズ大学など他のエリート大学に対しても同じような圧力をかけている。
このところ関税についてトランプ大統領の強引なプレッシャーに対する各国の反対や、抗議などもあり、その発言が大分揺らいでいるが、対米貿易にかなりの比重を懸けている日本としても一大事であり、今日関税交渉役として赤沢経済再生大臣が訪米した。アメリカとの交渉によってどこまで日本側の主張を受け入れてもらえるか、難しい問題である。
最近朝日新聞が、トランプ大統領の言行録につき、粗探しのように紙上に採りあげているが、中でも数字的に大統領は根拠なしに思い付きで日本にとって不利な数字を挙げる点を批判している。日米安保条約についてホワイトハウスの閣議で、「アメリカは日本を防衛するために多額を支払う協定を結んでいる。アメリカが全額を負担し、日本は一切負担しない」とデタラメを言い、不満を表明する有様である。これに対して朝日は、トランプ氏の主張は事実とは異なると反論した。在日米軍駐留経費の日本側負担額は、1978~2024年度予算累計で、約8兆5千億円計上したと事実を記した。うそつき大統領をどうやって黙らせるか、大変な作業になると思う。
毎度思うことだが、このような気分次第で自己主張ばかりして、世界中を困惑させるような人物を、よくぞアメリカ人は大統領に選んだものである。いずれ全アメリカ人がそのしっぺ返しを受けることだろう。
6546.2025年4月15日(火) アウシュビッツの反省と再発の懸念
昨晩NHKのドキュメンタリー番組「映像の世紀」(バタフライ・エフェクト)~アウシュビッツの生還者たち~を見て、身につまされ、つくづく考えさせられた。8年前の1917年バルト3国を訪れた後、ポーランドでこのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)と呼ばれるアウシュビッツ絶滅収容所を訪れた。それまでに度々写真や映像でその姿を見てはいたが、実際に収容所内へ入ってみるとやはり臨場感から身体が落ち着かず、寒気がするような緊張感を覚えたような気がした記憶がある。ここは負の世界遺産として登録されてもいる。ここで罪のない110万人以上の人びとがガス室などで殺害され、その内9割がユダヤ人だった。昨日のドキュメントは、戦後生還した一部の人たちを追って取材したものであるが、皆収容されていただけで心に大きな傷を負っていることが分かる。
中でもユダヤ人でありながら、チェコスロバキアに居住していた指揮者カレル・アンチェル(後にチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者)の人生は悲劇の連鎖だった。妻と息子はガス室で殺され、家族でアンチェルだけが生還することが出来た。1968年チェコへソ連軍が軍事介入した「プラハの春」事件でチェコは独立性を失いソ連の支配下に入った。この時アンチェルは偶々アメリカへ演奏旅行中だったために難を逃れて、そのまま亡命することになった。私も同年シベリア経由でチェコへ行く計画を立てていたが、この「プラハの春」事件により計画は白紙に戻されてしまった。
また、イタリアのトリノに居住していたユダヤ人の作家プリーモ・レーヴィの行動録も興味深いものだった。作家として知られているが、一方大学で化学を学び化学技術者であったことが、ナチに殺害されることなく、逆に強制収容所内の化学工場で技術者として働かされることになった。しかし、収容所内の非人間的な空気がありきたりになった光景が我慢ならず、収容所体験を記した「これが人間か」を著してこれが世界的なヒット作品となった。これは、アウシュビッツの古典記録文学として「アンネの日記」「夜と霧」と並ぶ評価を得ている。その後、ユダヤ人でありながら、自身の体験からイスラエルのパレスチナ占領政策に反対を唱え、イスラエル国内で物議を醸したこともある。
他に印象に残っているのは双子の妹とともに人体実験の材料にさせられたエヴァ・コーである。ホロコーストを強く非難していたが、後にナチを許す発言をしたことによってユダヤ人から多くの批判も浴びた。しかし、晩年になってアメリカに渡りアメリカ人と結婚し幸せな生活を送り同地で亡くなった。今では自宅建物の壁に、自身の好みの青色の衣装を着て笑っている姿がペンキで描かれ、話題になったほどである。
今年アウシュビッツ収容所が解放されて80年を迎え、数々の式典が行われた。1945年ソ連軍が収容所を解放した1月27日を記念してホロコースト「国際追悼デー」と呼んでいるが、犠牲者を悼む今年の式典には、イギリスからチャールズ国王も参列された。
私にとっても衝撃的だったアウシュビッツで感じたのは、やはりナチの血が流れるドイツ人にとっては、悔やまれる同胞の前科であり、ユダヤ人に対してどことなく遠慮がちな態度が見られることだった。ホロコーストを繰り返すまいということは誰でも言える。だが、実際に繰り返さないと確約出来るかと問われれば、自分はしないが、いつか誰かがやるだろうという幻想はある。それは広島の原爆記念碑の碑文に刻まれた「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」も主語は一体誰なのかと長い間論争が続いていることからも推測できる。こんな残虐な行為があっても時が経てば、その悲しみは忘れられてしまうのだ。
「これが人間か」
6545.2025年4月14日(月) 政権与党、油断すれば立場は直ぐ変わる。
昨年10月の総選挙で自由民主党・公明党の与党勢力が、衆議院の定数465議席の過半数に達せず、その後は政府の法案実施に野党の力を借りる四苦八苦の対応である。その割には何とか政策を実行しつつあるようだが、それでもこの先を考えるとあまり明るい展望が開けない。
そもそも自民党は前回の総選挙で過半数233議席を上回る247議席を獲得したが、昨年の総選挙でその内56議席を失って191議席に落ち、公明党も32議席から24議席に減らした。結果的に自民・公明の与党議席は279議席から215議席へと大幅に減少した。その一方で、野党1位の立憲民主党は98から148議席へ、国民民主党は7議席から28議席へ大きく票を伸ばした。これによって疑似自民党といわれる国民民主党は、自民党の方針に国民党の考えを強く主張し一部反映させることにもなった。
この総選挙の結果を分析してみると、自民党敗北の最大の原因は、派閥の裏金などの問題であり、自民党党首である石破首相の責任論がないわけではないが、就任後まだ間もないこともあり、責任を取って辞任するというまでには至っていない。立憲民主党野田佳彦代表は、特別国会に当たり野党間の連携を図ると言うが、予想外に票を伸ばした国民民主党の玉木雄一郎代表は、自民党との駆け引きによる戦法がより自党の存在感を高めるうえで効果的と考えたのか、野田氏の要望には応じる姿勢を見せていない。結果的に石破政権の政策には国民色が籠っている。
実は、野田代表の民主党政権退陣の要因となったのは、2012年12月に行われた総選挙で、野田代表があまり強く出られないのは、当時の野田民主党政権が安倍自民党に完敗を喫して退陣した悪夢が蘇ったからではないだろうか。
この時の民主党の負けっぷりも酷いものだった。責任を取った野田氏は首相を辞任するとともに党代表の座からも退いた。一方自民党は実に323議席を獲得し、大幅に単独で過半数241議席を上回ったのである。こんなにドラマチックなことがあるかと思えるような民主党の惨敗である。選挙の争点もなく、ただ原発ゼロに拘る民主党に対して、自民党が原発ゼロ見直しを迫っていた程度で総選挙自体も盛り上がりに欠け、投票率も59%で戦後最低の水準となるほどの有様だった。
その反面、これによって自民党はかつての勢いを取り戻し、第2次安倍内閣がその後安定政権を築くスタートとなった。因みに最近の自民党の凋落ぶりを知るうえでの参考上自民党の復活ぶりを取り上げてみる。民主党は230議席から57議席まで落とし、反対に自民党は118議席から175議席増やして、293議席となり、公明党も9議席増やして30議席となった。この結果により、自民・公明の与党が獲得したのは323議席となり、これにより定数の2/3を超えて、例え参議院で否決されても法案は衆議院で再可決できることになった。これによって懸念したのは、憲法改正論議に拍車がかかるのではないかということだった。幸い憲法改正は今も話題になるが、現状は難しい情勢である。