4330.2019年3月22日(金) マリナーズのイチロー選手現役引退

 昨夜東京ドームで開催されたMLBの開幕公式ゲーム、シアトル・マリナーズ対オークランド・アスレチックス戦終了後、マリナーズのイチロー選手が引退を発表した。45歳にして現役生活を終えてグランドを去ることになった。日本のプロ野球で9年、大リーグ生活19年で数々の記録を作り、偉大な実績を残した。野茂英雄投手に次いで日本人が大リーグで活躍する門戸を開いた選手である。当初メジャーリーガーから日本人選手がメジャーで活躍出来る筈がないし、舐めるなと言われた時代に、マリナーズへ入団して活躍し、早々に新人王とMVPを獲得した稀有な選手である。

 日本における活躍も群を抜いている。入団3年目にしてプロ野球史上初の年間200本安打を達成して首位打者を獲得し、以後7年間に亙って連続首位打者の偉業を達成した。そのシーズン閉幕と同時に、マリナーズへ入団して早速目を瞠る活躍をした。2004年には、大リーグ記録を塗り替えるシーズン262安打を放った。日本で9年、アメリカで19年プレイして日米通算4367本のヒットを打った。メジャー・デビュー以来10年連続で、200本以上の安打を打ち、ゴールデン・グローブ賞を獲得し、オールスター戦出場を果たした。2006年、09年のWBCでは日本代表チームの連覇にも貢献した。日本人選手としては初のアメリカ野球殿堂入りが期待されている。

 昨日、一昨日行われたメジャー公式戦にアメリカを含む大勢のファンが東京ドームに押しかけたが、イチローの最後の晴れ舞台と知ってか、一種異様な空気が漂っていたようだ。2試合に出場したイチロー選手の成績は芳しいものではなかったが、終了後グランドからスタンドへ向かって長い間手を振ってファンの声援に感謝の気持ちを伝えていた。その後引退記者会見を行ったイチローの語り口も興味深く中々魅力的なものだった。

 これまでのプロ野球選手の引退で印象深かったのは、長嶋茂雄氏の「わが巨人軍は永久に不滅です」の言葉であるが、イチロー選手のグランドの幕引きと1時間20分に亘る記者会見も印象的だった。

 まだあまり期待されていなかったメジャーへ乗り込んで、予想以上の活躍をしてアメリカ人ファンを驚かせて大きな足跡を残したイチロー選手には頭が下がる。今後これだけの選手はもう現れないだろう。イチローは明日も体を動かすことは止めないと言っていた。ありきたりだが、「本当にお疲れ様でした」「ありがとう」という言葉以外に浮かんで来ない。

 イチローの引退については、今日の朝夕刊にかなりのスペースで伝えられた。朝日なぞは、朝刊にトップページから3面を使い、夕刊も朝刊同様に3面に亘って大きく取り上げられている。よほど今日はビッグニュースがないのかと思いきや、気になる海外ニュースが2つもあった。

 ひとつは、トランプ大統領がイスラエルが占領しているシリアのゴラン高原をイスラエルの主権として認めるとツィッターに投稿したことである。ゴラン高原と言えば、1967年の第3次中東戦争の結果、ヨルダン川西岸や東エルサレムと同様イスラエルが奪い占領した地域で、その後一方的に併合を宣言した。しかし、国連安保理事会はイスラエルの撤退を決議要求している。これを認めたのはアメリカというより、トランプ大統領だけである。トランプ氏は一昨年エルサレムをイスラエルの首都と宣言して、昨年5月にはアメリカ大使館を現在の首都テルアビブからエルサレムへ移転している。アメリカはイスラエルとの関係は良くなってはいるが、ことイスラエル問題に関する限り世界との関係は益々遠くなっている。

 もうひとつは、今月29日が期限とされていたイギリスのEU離脱が4月12日までひとまず延期されたことである。EUでは首脳会議を開き、取り敢えず短期間の延期を認めたが、イギリスが求める6月30日までの離脱延期は認めず、最後通告を突きつけた形である。この行方はどうなるのか、注視して見守りたい。

2019年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4329.2019年3月21日(木) 東京、及び各地で桜開花宣言

 桜の季節が近づいているとあって桜の開花宣言が注視されている。春分の日の今日東京でソメイヨシノの開花が発表された。昨日から今か、今かと靖国神社内の標本木の周囲にはメディアを始め、大勢の人が寄って来た。東京管区気象台の職員が標本木の桜を観察しながら、昨日は4輪の開花が見られたが、1輪足りずに開花とはならなかった。あと1輪の花が開いて5輪以上が開花すれば正式に開花宣言がなされると今日こそはとばかりテレビ各局取材班が訪れ、実況中継を行うほどの有様である。期待通り午前中気象台職員が訪れて開花を宣言した。平年より5日早く、昨年より4日遅い開花だそうである。それにしても全国的に桜の開花のような植物の季節的なうつろいを大騒ぎして中継するのは、恐らく日本だけの特殊な現象ではないかと思う。

 今日徳島県美馬では夏日を超える27.3℃を記録して、全国的に夏に近い気温を記録したようだ。これから桜の開花により一気に春爛漫となるだろう。

 さて、イギリスのEU離脱問題がイギリス国内でもめて混沌として一向に愁眉を開くことが出来ない。EU離脱の期限は今月29日である。イギリスはなお離脱期限を延長してもらい次の手を打とうとしてEUに再交渉する予定であるが、EU首脳会議で認められなければ、「合意なき離脱」の可能性が強まる。イギリスの問題解決の手法が、かつての大英帝国時代から徐々に劣化している。今ミヤンマーで問題となっているロヒンギャ難民問題も、原因はと言えば、イギリスの「分割統治」という身勝手な支配によって戦時中に行われたロヒンギャの強制移住のせいである。

 そんなヨーロッパの動きも気になるところだが、アジアの中でも来る24日にタイで総選挙が行われる。このタイの首班選出方法が分かり難い。2006年に当時のタクシン首相が海外滞在中にクーデターにより失脚して以来、軍部、民政と政権がくるくる変わり、現在はプラユット陸軍司令官が暫定首相を務めている。今回は民政移管に向けた総選挙と言われているが、憲法裁判所がタクシン派政党を度々解党させている。だが、依然としてタクシン派の人気は高く、過半数に達しないが第1党の座を占めると見られている。今年に入ってから現国王の姉王妃がタクシン派の首相候補として名乗りを上げたが、王室は政治に中立であるべきとして国王から立候補を取りやめるよう要請された王妃が辞退した経緯もある。

 タイは日本とも深い付き合いのある国であるだけに、何とか安定した民主的な政権を確立して欲しいものである。

 因みに昨20日の国際幸福デーに当たり、国連が「2019年世界幸福度ランキング」を発表した。それによれば、156か国中でタイは52位、日本は昨年の54位から順位を4つ落として58位でタイの方が日本を上回った。この種のランクは、GDPや平均余命のように実態を数値化出来るものなら良いが、統計数値に換算出来ない「社会への寛大さ」「自由度」「社会的支援」などが組み込まれているので、必ずしも実態を表しているとは言い難い。また、世界一幸福な国と言われているブータンが100位にも入っていない点も首を傾げるところである。それでもいつも通り上位国はほとんどヨーロッパ諸国で、1位フィンランド、2位デンマーク、3位ノルウェイで、アジアでは25位の台湾がトップで、次いで34位のシンガポールだった。韓国は54位、ロシアは68位、中国は93位だったが、凡そそんなところだろうと思う。

2019年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4328.2019年3月20日(水) 習近平・中国国家主席の強い権力志向

 先日中国の全国人民代表大会(全人代)で、習近平・国家主席が権力集中をスピードアップ化して権力基盤を益々強化していることを知った。特にメディアを通して「学習強国」なんていう陳腐な言葉を強調して習主席を尊敬、敬服させるような動きが見られたのには呆気に取られた。習主席を学んで国を発展、強化する「学習強国」というプロパガンダを通して、周囲は習主席を歩一歩と神格化させている。

 そこへ一昨日習主席は小中高大学で社会主義理論や道徳などを教える教師らを集めた集会で、学校での思想政治教育を強化するよう指示を出した。教育の押しつけである。習主席自身が提唱した政治理念「新時代の中国の特色ある社会主義思想」を通して中国の各学校で愛国心を教える愛国教育に拍車がかかりそうで何やら背筋が寒くなるようだ。具体的には、青少年が愛国心や強国の志、国に報いる行為などを社会主義の発展に生かせるようにし、習主席が今世紀半ばまでの実現を目指す「社会主義現代化強国」建設に役立たせていく考えのようだ。しかし、その反面現代の中国の愛国教育が、他国を誹謗、中傷、非難、批判する教育になっていないか。モラルに欠けるところがありやしないか。

 習主席が、自信たっぷりに「社会主義現代化強国」建設をアピールするのは今に始まったことではない。ただ、その押し付けが過重にしてスピードを伴っていることが問題である。社会主義化をしきりに主張する習主席にしても、はっきり言えば、過去において中国革命実現のために行動し、何らかの貢献をしてきたわけではない。すべて先人が成し遂げたことである。取り敢えず革命を成就させるテーゼを国内に啓発し、革命を学ばせる手段として、中国には実在しない社会主義を学ばせることを標榜したに過ぎない。

 しかし、現代中国の政治、社会体制は真の社会主義体制と言えるだろうか。現実に中国が行っていることはマルクス主義からは遠い夢であり、理想でしかない。習近平主席は独裁体制の下に、成長著しい若手共産党員やライバルを遠ざけ左遷、失脚させて周囲をイエスマンが取り巻き権力基盤を固めている。現実の中国は、貧富の差が激しく、巷に失業者が増え、農業改革は中途半端で失敗し、農村は疲弊している。新疆ウィグル自治区の少数民族や、チベット民族に対する厳しい抑圧的監視状態等々、すべてマルクスが志向する社会主義とは大きな落差がある。思想や国民が感じる経済的実感などでも、発展途上国と考えられているキューバ社会主義国家にも及ばない。実態は、まやかしの経済大国なのである。中国が世界で勝っているのは、13億人と言われる人口だけである。国民の民主主義と、自由と言論の自由を抑圧した現状を愛国教育と称して青少年に押しつけ教育することは、後世国家の発展にとってプラスになるとはとても思えない。

 危険だと感じるのは、反対する常識人を抑圧していることである。実際改革派の学者などからは、行き過ぎた愛国主義や思想統制を懸念する声が出ているようだが、これをまた中国当局は押さえつけようとするのではないだろうか。

 第2の天安門事件が、少しずつ近づいているような気がしている。

2019年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4327.2019年3月19日(火) 竹田恒和JOC会長、辞任を表明

 竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が辞職を表明した。2020年東京オリンピック大会招致委員会理事長でもある竹田氏は、来年のオリンピックまで各役職を務めるつもりだった。JOC会長としては2001年以来現在10期目を迎えて定年70歳を超えたが、来年の東京オリンピックまで続投を希望しその意思を表明していた。しかし、JOC会長辞任と同時にIOC委員も辞任することになった。

 竹田氏が辞任に至った理由は、東京大会招致に際して買収疑惑がフランス司法当局の捜査対象になったからである。東京大会招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社に支払った2億円余のコンサルタント料が東京大会招致のための賄賂と疑われたが、そのことについて竹田氏は無実であると言い、事実直接関与していないように思える。IOC会員への贈賄ではなくコンサルタント料であることをきちんと説明出来ていないことが、疑惑を深めたと思う。こういう闇がらみの交渉に手慣れていない点が致命傷になった。竹田氏の潔白を信じるなら、竹田氏ひとりが送金出来るわけのものではなく、そこには当然コンサルタント料送金に関わったJOC関係者もいただろう。JOCも竹田会長ひとりに責任を負わせることなく、何らかの形でことの経緯と疑念がないことをしっかり説明する責任があると思う。フランス当局やIOCにも事実関係をきちんと話して説得すべきであると思う。

  いずれにせよあまりすっきりした辞め方ではない。立つ鳥後を濁すような辞任になってしまって気の毒である。泉下では曾祖父の明治天皇も名誉を汚され落胆しているのではないかと思う。

 おまけのような話だが、竹田会長辞任について問われた桜田義孝・五輪オリンピック担当大臣は、国会答弁と同じように受けた質問に対して付添人から次々と手渡されたペーパーを読んで応えていた。どうもオチが良くない。

2019年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4326.2019年3月18日(月) 2人のエンターテナー他界

 ロックンロールの内田裕也が昨日肺炎で亡くなった。享年79歳だった。とかく話題の多い派手な人だったが、その中でも特に妻・樹木希林との40年以上に亘る夫婦生活はほとんど別居状態だったというからちょっと理解しがたいし、些か異常ではないかとも思う。その妻は昨年9月一足先に旅立った。妻の葬儀の場における内田の打ちひしがれた姿を見るとどうして別居していたのだろうかと首を傾げざるを得ない。今も樹木希林や娘家族の自宅とは別にマンションにひとりで暮らしていた。こう言っては失礼かも知れないが、世の中には風変わりな夫婦もいるものだとつくづく思う。

 そしてもうひとりの名物オジサンの訃報を知った。オリンピックが開催される都度観戦に出かけてスタンドから日の丸をつけた山高帽を被って、法被を着て日の丸を振って周囲の観客から明るい笑いを誘っていたオリンピック・オジサン、山田直稔さんが今月9日に心不全のため亡くなっていたことが分かった。享年92歳だった。

 こういう名物オジサンがテレビなどに姿を現し、明るい気分にさせてくれることは大いに結構なことだと思う。しかし、近年は有名人の間にスキャンダルなど嫌な話題が多い。著名人が薬物汚染による不祥事で世間を騒がせるのだけは、裏社会の闇を想像させ不愉快だから止めて欲しい。先日コカインを服用していたとして逮捕された芸人・ピエール滝や、やはり薬物所持の罪で逮捕された、かつてのスター選手だった元巨人軍の清原和博選手のような暗い話だけは願い下げにしてもらいたいものである。

 さて、米朝首脳会談が不調に終わった後、それ以前に比べてやや元気がないように見える金正恩・北朝鮮労働党委員長が、颯爽と高級外車に乗り込む姿から国連安全保障理事会では、対北朝鮮制裁の履行状況を監視する専門家パネルが、金委員長が利用するロールスロイスは、北朝鮮への贅沢品の輸出を禁じた制裁決議に違反していると断定した。

 これまでも北朝鮮が国連制裁を潜り抜けていた行為に、海上で行われる石油取引の「セドリ」がある。これは北朝鮮経済を救う国民にとって生死の瀬戸際の藁をも掴む救死の一手でこれがなければ、北朝鮮経済はどん底を這うことになる。一方、ロールスロイスのような高級車が密輸されたのは、北朝鮮政府が承知の上で敢えて高級車を輸入したことは間違いない。それほど制裁の効果は北朝鮮にとって深刻なものとなっている。これから国連はどんな処罰を北朝鮮に与えるのだろうか。

 また、金委員長は自分の乗る公用車が、国連制裁の網の目を潜り抜けた密輸品だと知ったらどんな反応を示すだろうか。まさか知らなかったとは言わないだろう。

2019年3月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4325.2019年3月17日(日) 銃乱射によりモスクで50人が犠牲に

 一昨日から奈良の長男一家5人が車でやって来ていたが、2日間泊まって今日午前中に帰って行った。長男が1年浪人の末国公立大は受からなかったが、私立の立命館大に進学することになったのと、次女が高校へ入学した祝いと気晴らしも兼ねて、昨日5人でお台場の娯楽施設へ遊びに出かけた。夕方には横浜の次男家族4人もやってきて、我々夫婦を含めて11人の大晩餐会になった。家族全員を合わせて下は4歳から80歳まで11人が揃った。取り寄せたお鮨に合わせて、妻がステーキを焼いたりしてとにかく賑やかで大変忙しないムードだった。5人の寝具も揃えて、妻はてんてこ舞いをしていた。私は早めに寝たが、妻は2晩とも床に就いたのは深夜2時だったそうだから疲れたことだろう。ホッとしたのか、長男たちが帰ってから気持ちよさそうに昼寝をしていた。

 さて、一昨日ニュージーランドのクライストチャーチのイスラム教礼拝堂でオーストラリア人の28歳の男が銃を乱射して、礼拝していた人たち50人が殺害され、重軽傷者も50人を数えた。他に2名容疑者がいるようだが、主役は白人至上主義のようで、事件前にメールやSNSで白人の土地が移民たち侵略者によって取って代わられるとの身勝手な考えを主張していたらしい。この男の異常な行動は事件の残虐さもさることながら、自らの銃乱射の一部始終をインターネットで生配信していたことである。世界のどこでも移民を多く受け入れる場所に安全な場所はないと一方的に考え、白人こそが国の支配者であるべきとの妄想に固執していた。日本人はこれまで移民問題には関心が薄かったが、来月から外国人労働者の受け入れ人数がかなり増える可能性があり、似たような事件が起きない保証はない。他人事ではない。

 近年アフリカから難民がヨーロッパに押し寄せ、彼らが労働市場を奪っていると反移民を露骨に示す空気がヨーロッパに広がっている。アメリカのトランプ大統領もメキシコとの国境に移民の侵入を防ぐために壁を建設することに多額の予算支出を打ち出し、議会で反対の声が上がっている。この動きは、自国第一主義で世界的に保守主義へ走り出しているひとつの表れであり、こうした流れを止めるためにも、このような乱暴なテロ行為を抑止しなければならない。ニュージーランドのアーダーン首相は直ちに非難声明を出し、早速事件現場に黒いスカーフ姿で駆けつけイスラム教徒指導者を慰めたと言われている。そして「首相としての自分の役割はあなた方の安全と、文化と宗教の自由を保障することだ」と述べ、過激な白人至上主義に対抗する姿勢を示した。しっかりした人だと思う。この辺りがトランプ大統領とは大いに違う。トランプ大統領の言動にも充分注視して、アメリカ国内の白人至上主義者が無謀な行動を起こさないよう警戒する必要があるのではないだろうか。

2019年3月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4324.2019年3月16日(土) 駐留アメリカ軍への過重な経費負担

 このところ日本国内に駐留するアメリカ軍に関する難しい問題が、各地域に持ち上がって来て関係自治体を大いに悩ませているようだ。これはアメリカ軍だけの問題ではなく、当然日本政府がアメリカ政府、並びにアメリカ国防総省と話し合った末に持ち上がって来た問題である。

 第1の問題は、沖縄県住民投票の結果、投票者の7割以上が反対した辺野古移設地埋め立て工事が、その後の調査で軟弱地盤であることが判明し、そのため改良工事を更に海底の基盤を固め、そのうえ3年8カ月間工期が伸びるとされ、巨額の追加投資も強いられることが判明した。

 第2の問題は、防衛省が配備を計画している陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」について、配備が計画されている山口県萩市、及び秋田市で電波を発生させる実測調査を行った。集まった周辺住民から対空レーダーの電波の強さを心配して質問が出されたが、担当者からは答えられないと言われるばかりだったという。これでは住民が心配して不信感と疑念を持つばかりである。恐らく政府、防衛省はこのまま住民に誠実に応えることはないだろう。

 「民意に沿って」「民意を真摯に受け止める」と言いながら、辺野古移設問題でも県民投票の結果に反して、強引に「決めたことは進める」と民意を受け入れようとしない傲慢な姿勢と同じ対応を取り続けるだろう。

 第3の問題は、アメリカ軍駐留経費負担である。1978年に政府が在日米軍基地で働く日本人従業員の給与の一部を日本側が負担すると決めたことから、以後誤用された言葉「おもいやり予算」として当初62億円を負担したが、今やこれが1年に約2千億円と言われている。更に今日では在日米軍関係費用も負担して年間約6千億円の巨額の負担に上っている。これは他の同盟国に比べても突出したアメリカへの厚遇である。

 アメリカ国防総省が発表した古い記録(2002年)ではあるが、その当時日本が負担した米軍駐留経費は、他の同盟国のそれと比較しても圧倒的に多いことが分かる。例えば、日本は米軍駐留経費(74.5%)を負担してその経費は44億1,134万$だった。これに対して他の同盟国は、ドイツ(32.6%)の15億6,392万$、韓国(40.0%)の8億4,311万$、イタリア(41.0%)の3憶6,655万$である。いかに日本が突出して米軍駐留経費を負担させられているかが歴然としている。このほかしばしば問題となる日米地位協定の不利な協定がある。基地外の米軍兵による犯罪であっても日本には司法権、つまり裁判権も認められていない。以上の実情に鑑みて、苦しい財政状況と国民感情を考え、駐留米軍経費の改定、負担増についてアメリカに対してもう少し説明、説得して日本の言い分をアピールするべきではないか。

 いずれにせよ、安倍政権はトランプ大統領の言いなりである。これから日米貿易交渉が始まろうとしているが、それは赤字増大に悩むトランプ政権が、日本に有利な貿易市場をもう少しアメリカ有利に日本政府へ圧力をかけようとするもので、これに後ろ向きでは益々アメリカに譲歩する条件を与えることになる。

 日本政府は日本国民に負担を押し付けることばかり考えずに、アメリカ政府に対してもっと主張すべきは主張するのが日本政府にとって喫緊の課題であり、責務である。

2019年3月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4323.2019年3月15日(金) 日本ペンクラブ内の理不尽な実態

 今日日本ペンクラブ理事会に出席して、今日まで1ヶ月間に亘って会員の投票により行われている理事選挙に関する疑問点について執行部に質問した。2年ごとに実施されている理事選挙に不明朗、かつ理不尽な点があり、理事会でその点について糺したところである。執行部内で実質的なリーダーの立場にある専務理事が、これからも自分の立場をより良くしたいがため、またペンを自らの運営手法で引っ張っていきたいために、会員に対してメールで推薦理事20名の名前を列記して投票をお願いしたのである。このコピーを理事会出席者に配布した。これは、現行の選挙制度上選出される理事が20名であることから、列記された候補者以外には投票するなという暗黙の圧力であり、明らかに選挙妨害に当たる。この点で専務理事の責任は重大であり、その点について責任を追及した。ところが、一向に本人から反省や謝罪の言葉は聞かれず、彼を擁護する理事もいて、厳しい結論は出なかった。これがペンの生温いところである。外部には厳しく、自らには優しい。これはこれまでにも度々露呈されたペンの本質と言っても良い。加えて公職選挙法には抵触しない、内々の選挙の杜撰さが現れたもので、これでは選挙を行う意味がないと主張したが、次回に改めて問題点を話し合うというペンクラブらしい先送りということで散会した。

 吉岡忍会長はこれを了承していたということであり、専務理事ともども同罪だと思う。

 選挙管理委員長が、度々「日本ペンクラブが理事選挙において特定の会員を理事に推薦することはございません」とのメッセージを送っていることも理解しがたい。メールとは明らかに矛盾している。これだけ不明瞭な点が明るみに出ていながら当事者は自らの罪を認めようとしない。

 私は責任上専務理事は職を辞するべきだと考えるが、他の理事からは専務を擁護する意見もあって、専務の行った行為が本質的に許しがたい行為であるにもかかわらず、不問に付すが如き結論はとても理解しがたい。民間の企業ではとても考えられない所業である。次回理事会で改めて理事選挙について問題点を洗い出し、検討することにはなったが、会長、専務理事らの認識と言動は理解しがたいものである。

 このように「言論の自由」「報道の自由」を声高に叫んでいながら、実態はこのようにペン内部で次元の低い議論を戦わせている状態である。

 4月理事会では、筋を通して健全にペンが運営されるようもう1度議論をぶつけるつもりである。

2019年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4322.2019年3月14日(木) 入学シーズンに有りがちな不正入学

 庭の白梅も散り始めて桜の季節近しを思わせる。今冬も鴬は2、3度飛来したが、ついぞかつてのように枝で「ホーホケキョ」と美声を披露してくれることはなかった。他にシジュウガラも今年はやって来なかった。近所に緑地が少なくなったせいもあり、野鳥がやってくること自体少なくなった。年々歳々自然が感じられなくなるようで何とも寂しい気持ちに捉われる。

 さて、今年の大学入試もそろそろ凡その結論が出たようだ。奈良にいる長男家の浪人生は、志望校の国立大がダメで私立大へ進学することになった。私自身2年間の浪人生活を送ったので、孫や受験生の気持ちはよく分かる。だが、藁をも掴もうとの気持ちが強いあまり受験生の気持ちを周囲が間違った形で引っ張っていくことが時に大きな社会話題となることがある。

 最近アメリカで受験斡旋を生業にして大儲けしていた男と、依頼した親、買収された大学関係者らが、マサチューセッツ州連邦地検に起訴された。買収総額は実に約28億円(2,500万$)になるという。有名な女優が裏金を支払った代償に娘を名門大学へ入学させてもらったことがトップ・ニュースで報じられている。エール大、ジョージ・タウン大学、スタンフォード大、南カリフォルニア大、UCLA、UCバークレイなどのエリート大学に裏で金をもらって子女を入学させたことが大きな社会問題化しているのだ。

 受験競争の激しい日本でも同じような事件が起きるのではないかと思っていたところ、何と今日発売の「週刊文春」に青山学院理事長が付属小への入学斡旋をして、保護者から巨額のわいろを受け取ったことが暴露されている。かねがね私立の名門校と言われている青山学院の校風と、職員の姿勢と行動には、実のところ疑問を感じていたが、現実に学院トップの理事長にこのような嫌疑がかかること自体闇の根は相当深いようだ。これまでこの大学の関係者に不審と疑問を覚えて何度も手紙を書いて送ったが、1度たりとも返事をもらったことがない。それぞれ別の人に書留で回答をお願いしても返事を受け取ったことがない。ツイッターで「渋谷区内のおかしな大学」と書いて差しさわりのない程度に何度かアップしてみたが、それもあまり効果がない。端から外部からの質問には頑として応える気持ちがないのだ。弱みがあり墓穴を掘ることを恐れたのだろう。だが、果たしてこれで教育機関と言えるのか、不信感を抱いていた。堂々と受けて立ち自分たちが正しいと思うことをしっかり主張すれば良いと思うのだが、それが出来ない。

 こう言っては青山学院に厳しいかも知れないが、学校経営の根幹を忘れ、教育というものの本質を忘れて私利私欲、名誉欲だけで学校経営に当たっているように思えてならない。これではまともな学生が育つわけがない。もう少し謙虚になって学校経営の原点に立ち返るべきではないだろうか。

2019年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4321.2019年3月13日(水) どうなるのか? イギリスのEU離脱

 2016年以来課題となっているイギリスの  EU離脱について、昨日イギリス議会下院で採決の結果、離脱条件を定めたメイ首相苦心の協定案の修正は反対多数で否決された。1月に否決された当初案より差は小さくなったが、現状では「合意なき離脱」は思うように行かない。議会内にはEU残留派議員が抵抗を示しているということである。EU離脱の行方は依然として見通せない。メイ首相は前回1月の採決否決に続く、再度の否決にかなり衝撃を受けているようだ。離脱の日は今月29日と間近に迫っており、一日も早く結論を出さねば間に合わなくなる。現状では合意がないまま当初の予定通り29日に離脱すべきかどうかの是非を、昨日に続いて今日採決するというから慌ただしい。

 その「合意なき離脱」を今日採決して、可決の場合はそのまま「合意なき離脱」が実行される。仮に否決の場合は、「離脱の延期を採決」を採決して否決なら「合意なき離脱」となり、可決ならEUサミットで同意のうえで「離脱延期」となり、6月末に離脱することになるようだ。こうなると国内に根強くあるEU残留の意見、もう一度国民投票で是非を問うべきとの意見も無視出来ない。

 とにかくややこしい。ただ、イギリスの最終結論がまだ出ていないため、各地に影響がでているようで、その経済的損失は計り知れない。今話題となっているのは、ドーヴァー海峡の税関にからむ問題である。イギリス側とEU側にトラックが長蛇の列が出来ている。日産自動車のサンダーランド工場では高級車インフィニティの生産を中止するとのニュースが伝わってくる。イギリスの労働市場にとって大きな問題である。今日の採決は果たしてどう出るだろうか。

 一方国内では、このところ物議を醸す言動の目立つ二階俊博・自民党幹事長が、昨日安倍晋三首相の自民党総裁4選の可能性について言及した。それまで総裁任期が2期6年だったところ、一昨年総裁任期を3期9年まで延長する党則改正を行ったばかりである。しかも二階幹事長自らが主導した。それにも拘わらず、時を経ずしてまたもう1期3年を延長しようと言い出したからその節操のなさには、自民党内でも波紋が広がっているようだ。もともと政治家の発言と約束は、薄っぺらな紙切れのようなもので風が吹けば飛んでいくところがある。

 二階幹事長の思惑として、政権末期になるとレームダック化が避けられなくなるので、まだ末期ではないと思わせるためにもう1期あると思わせてレームダック化を防止する腹があるようだが、少々政治をもてあそんでいる気がする。これが政治、並びに自民党の現状である。もう国民のことを考えた発想が現れないものだろうか。それにしても二階氏は随分ジジくさく見えるが、私より3ヶ月ばかり遅い生まれである。あまり頑固老人づらを見せつけないでもらいたいものだ。

2019年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com