4399.2019年5月29日(水) 日米首脳会談の中身は何だ?

 トランプ大統領はご機嫌のうちに昨日午後羽田空港から帰米した。滞在2日目にゴルフをプレイ、大相撲を観戦、夕食には炉端焼きを堪能してアメリカでは観光旅行を楽しんだと皮肉られているようだが、3日目は安倍首相と首脳会談を行った。気になるのは、トランプ大統領がその後の記者会見で懸案の日米貿易交渉について一言も触れず、ただ8月にいい話があるだろうと気を持たせるようなことをつぶやいたことである。

 首相も会談内容については敢えて公表しない。結局7月の参議院選挙を意識しているのだ。下手なことを話すと参院選に響くと気にしているようだ。特に日本車の対米輸出と米農産品の輸入が懸案事項である。中でも、アメリカの農業製品に対する対日輸入関税が下げられたら、とても日本の農業は太刀打ち出来ないだろう。北海道の専業農家辺りは、耐えられず破綻する農家が出ることは間違いない。そうなれば、当然自民党は今後農民票を大量に失う。従って参院選前に足を引っ張りそうなアイテムには触れたくない。

 ところが、トランプ大統領は、得意のツィッターでついこの間の事情をばらしてしまった。‘after elections in July ’とやってしまった。7月に行われる選挙と言えば、参院選を指していることは明白である。気になったのは、選挙が複数で表現されていることである。勘ぐると2つの選挙、ダブル選挙を意味していることである。つまり自民党がしきりに否定している衆参同時選挙を行うと受け取られかねない。

 それはともかく8月に日米貿易交渉の内容を発表出来るのだろうか。そして、仮に自動車と農業製品の貿易についてアメリカ有利に扱われるなら、ステルス戦闘機F35、空対空イージス・アショア、地対空ミサイル弾などの米防衛設備品の購入についても同じ視点で検討してくれなければ、アメリカにとって有利過ぎると思う。それに、7月に安倍首相がイランを訪れ、アメリカとイランが険悪な関係に陥っている間に立ってイランの対米印象を好転させる役割も担うことになるようなので、その点も日米貿易交渉の日本側のポイントに加えてくれても好いのではないか。

 それにしても安倍首相は首脳会談の中身については未だに何もしゃべらない。

2019年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com