4617.2020年1月3日(金) レバノンにいるゴーン氏は?

 大晦日に日本から不法出国したカルロス・ゴーン前日産自動車会長がレバノンにいることが、情報として伝えられている。保釈中の身でありながら、大胆不敵にもプライベート機で法律を無視して日本から脱出した。

 今回の事件は、まるで探偵小説染みている。どうやって監視社会の中を抜け出し遥か中東のレバノンまで逃げおおすことが出来たのか、今のところ謎だらけである。レバノンはかつて私が訪れた第3次、第4次中東戦争前後はパレスチナ問題の渦中にあったが、今では存在感がやや失われている。保釈中とは言え、ある程度監視された状態で、しかも旅券まで検察に抑えられていた。驚いたことには、その旅券が4冊もあり、その内3冊は日本の検察に抑えられ、残る1冊は鍵をかけたケースに収められ本人が所持していた。それを出国の際使ったようだ。そのこと自体理解出来ない。それにしてもその鍵付き旅券で公的な出入国管理事務所を通過することが出来るのだろうか。仮にチェックされたら、その時点でゴーン氏だと判ってしまうのではないか。フライトも普通には理解し難い方法で飛行したことになる。現在経由地のトルコでは、パイロットとセキュリティ業者を含む関係者7名が身柄拘束されているというが、それにしてもどういうやり方で関門を潜り抜けたのか、今以て分からない。

 明らかに密出入国事件であり大きな国際問題であるが、逃げ帰った自宅のあるレバノンはゴーン氏から過去に支援を受けていた恩義があり、ゴーン氏を支援する意向のようである。2通の旅券を発行したフランス政府ももともとフランス・ルノーと日産の関係からゴーン氏の立場に理解を示していたこともあり、いずれも中立的な立場とは言えない。ただ、おかしいと感じるのは、いかに不満があろうともゴーン氏は日本国内では保釈中の容疑者であり、裁判で自らの正当性と意見を主張すると言っていたが、それを無視して密出国という大胆な法を犯す行動に出たことは許されざることである。また、法治社会において社会的影響力のある人物が、国際社会においてその掟を破ったことであり、これとてとても容認出来ることではない。

 そして昨日レバノンの一部の弁護士グループが、ゴーン氏を起訴するようレバノン検察当局に書類を提出した。しかし、それは今回の密出国とは無関係のイスラエル入国罪に関するものである。ゴーン氏が過去にイスラエルで開かれた経済関係のイベントに出席したことが、「イスラエルのボイコット」を義務付けたレバノンの法律に違反した理由だという。レバノン政府は、彼が裁判中の保釈の身柄であり、当然海外脱出は認められないことを認めて日本から身柄引き渡しの要求があったら、直ちにその要求に応じるべきであると思う。

 日本の捜査当局は、保釈条件に違反して海外逃亡した事件として国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配を要請したが、当局自身も裁判所の保釈許可決定は緩すぎたのではないかと捉えているのではないだろうか。当分ゴーン氏周辺の動静から目が離せない。

2020年1月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4616.2020年1月2日(木) 新年一般参賀と恒例のスポーツ

 今日は一日中快晴だった。お正月晴れである。

 令和初の新年一般参賀が今日恒例通り皇居で行われた。天皇、皇后両陛下は上皇、上皇后や、秋篠宮ご夫妻ら皇族方と並んで、宮殿・長和殿のベランダに立ち、参賀者に手を振って応えられた。宮内庁によると、6万8千人が訪れたという。昨年台風や大雨で被災した人々の生活を案じて、本年が災害のない、安らかで良い年となるよう願っておりますと述べられた。参賀された人たちのコメントを聞いていると、新天皇への評判はすこぶる良いようだ。

 正月恒例の関東大学箱根駅伝が今日、明日の2日間行われている。今日は青山学院大が往路を制して明日の復路で3年ぶりの優勝と、往復路の完全優勝を狙う。途中まで実況中継をテレビ観戦していたが、昼過ぎから恒例のラグビー全国大学選手権の準決勝2試合に切り替えた。そこへ横浜に住んでいる次男家族4人がやって来て賑やかな昼食会となってしまった。孫は小3年生の男子と幼稚園年長組の女子だが、特に孫娘はおしゃべりのうえに声が甲高くて気が散るので、テレビの音声がよく聴こえない。この2人の孫は横浜ラグビー・スクールに入っていて、実況にも少し興味があるようだ。しかし、部屋内には落ち着いた雰囲気はなく中途半端にラグビーを観ていたが、第1試合は早稲田対天理、第2試合は明治対東海ともに実力が拮抗している割に大差がついて、11日の決勝戦は23年ぶりに早明決戦ということになった。2試合の合間に、昨日会ったばかりの豊原NHKアナがワールドカップのレフェリーにインタビューしてペナルティについて尋ねていた。

 さて、まだ屠蘇気分だが、今年は昨日のブログに書いたようにドキュメント作品を上梓したいと考えている。過去にメディアの取材の方法とそのやり方に疑問を持っていたが、この数年間実際にメディア各社に照会、質問した限りでは、メディアの対応があまりにも傲慢で上から目線であることをこのままにしておくわけには行かないと思った。ある友人にこのメディアの不遜な対応について話したところ、彼もその通りだと思ってくれたが、いくら言っても彼らは馬耳東風で聞く耳を持たないので話にならないから、放っておくと言っていた。多くの人が現在のメディアに対して意見は大いにあるが、質問しても取り合ってくれないと諦めている節がある。これではメディアはのぼせ上るばかりで、いつまで経っても彼らの傲慢な上から目線の態度は変わらないと思う。取材姿勢も変化ないと思う。私の新著は、主題は自分自身の海外体験であるが、これに合わせてメディア批判とメディアへ反省を促すものである。

2020年1月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4615.2020年1月1日(水) 母校のラグビー祭に参加

 いよいよ2020年オリンピック・イヤーの元旦を迎えた。今年はどんな年になるか、夫婦ともども健康であることを願っている。そして今取り組んでいるドキュメント作品を何とかまとめて上梓したいと考えている。大筋はほぼ書き上げて全体的な見直しをしているところである。自分の体験をまとめているので、それほど作文に悩むことはない筈だが、同じ内容を繰り返して書いている箇所があるので、注意しなければいけないと思っている。

 さて、今日元旦は恒例の湘南高ラグビー祭である。毎年車で出かけていたが、その車を昨年処分し運転免許証も返納したので、電車で行くことになった。母校グランドまで片道1時間弱だったが、今日は1時間半ほど費やした。やはり車は便利だと痛感した次第である。

 グランドではいつも通り高校の現役チームとOBチームが練習試合をやっていた。その後グランドで集合写真を撮ってから、校内の湘南会館へ場所を移してOB会役員会を開いた。いつもと同じように昨年の事業報告と予決算報告があったが、今年の特筆事項は母校ラグビー部が創部されて70周年に当たることから、その記念事業の一環として3月にニュージーランド遠征計画について説明された。サッカー部ではこれまで隔年にヨーロッパへ遠征していたが、ラグビー部としては初めての海外遠征なので問題点をクリアしたうえで、何とか実現させてあげたい。

 役員会後のOB・現役部員一体となった懇親会で、今年81歳の最年長となったOBとして乾杯の挨拶をしたが、今年は出席者が溢れんばかりで今までで最多の参加者数ではないかと思う。お母さん方のお手製のカレーライスをいただきながら、和気あいあいとした大変楽しいムードになった。その場でラグビー部顧問の原田教諭から役員会で話し合われたニュージーランド遠征について話されると、生徒たちの間から一瞬どよめきが上がり興奮していた。やはり嬉しいのだ。

 今年も昨年のワールドカップで実況中継をしたNHKスポーツ・アナの豊原謙二郎さんが来られたので、彼にも話してもらった。中々ユニークな話をしてくれた。

 私にとっては今年の参加が最後のつもりで仲間にそのように話したが、来年もぜひ参加するよう誘われるのを断固断わるのも中々難しい。来年どこまで意思を貫けるか。

2020年1月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4614.2019年12月31日(火) 大晦日に保釈中のゴーン氏の逃亡判明

 令和最初の大晦日となった今日、驚くべきニュースが入って来た。何と仮保釈中だったあのカルロス・ゴーン元日産自動車会長が、日本から無断で密かに出国したというのだ。どうも子どものころ10年間を過ごして国籍のあるレバノンに居るとの情報が伝えられた。2018年11月、日産の有価証券報告書に自らの役員報酬を過少記載したかどで金融商品取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕された。その後も日産の資金を不正に還流させ、会社に損害を与えたとして会社法違反容疑などで再逮捕された。
 これまで検察側と弁護側が「身柄拘束」を巡って、攻防が繰り返されてきた。弁護側は保釈請求を繰り返し、検察側は反対の意見を提出する。海外からの長期勾留批判も影響したのか、裁判所は今年3月、一旦保釈を許可した。この保釈許可決定に対し、検察側は「保釈条件に実効性がない」とする異例のコメントを出していた。
 そして、特捜部は保釈中のゴーン元会長に対して4度目の逮捕をしたが、その後裁判所は4月に再び保釈許可決定を出した。その保釈を自らの身勝手な理由をつけ悪用して逃走し次回公判に出る可能性もなくなった。恐らく出国管理事務所に出国の記録がない点から偽名を使って出国したか、船で第三国へ出てそこからプライベートフライトででも逃走したのかも知れない。この醜態は日本の司法と警察にとっても赤っ恥であり、どうしてこれほどの著名人を瀬戸際で止められなかったのか、極めて疑問である。それにしてもあれほどの世界的な経済人だったゴーン元会長は、見栄も外聞もなく日本の司法を裏切ったのである。弁護団には「無罪請負人」として知られる弘中惇一郎弁護士が加わっていた。その弘中弁護士にとっても寝耳に水の逃走劇だったらしい。ベテラン弁護士も好い面の皮である。今回の「海外逃亡」に最もショックを受けているのは弁護団だろうと推察する。

 実現するかどうかは別にして、検察は海外へ指名手配するであろう。どうも日本の司法にとって割り切れない、後味の悪い年度末になってしまった。令和2年初からゴーン元会長の追跡劇が始まるだろうか。

 さて、昨日東京証券取引場は、最終日の取引である大納会を迎えた。前年末に比して18%アップの23,656円で終えて、年末の株価としては1990年以来29年ぶりの高値だったと、新聞・テレビは大見出しで伝えた。私自身が所有する僅かな株式も当然上がったと考えたが、そうは問屋が卸さなかった。前日に対して大きく下がっている。では、日経平均株価はどうかと見てみたところ、何とまぁこれも下落している。どうしてこういう意外な表現になったかと考えてみたところ、誤解しやすい表現だったと判った。株価は対前年末としては大きく上昇したが、対前日では181円下落したという話である。前者についてあまりにも大げさにアップしたことを強調し、後者の下落については触れなかったために、前日に比べて昨日の株価も当然上がっただろうとの期待感が強すぎた反動から対前日値を素直に受け取れなかっただけの話である。ただ、メディアもそのあたりはあまり期待を膨らませないよう冷静に報道してもらいたいものである。

 令和元年もいよいよ今日で幕を下ろす。今年は我々夫婦は金婚式を迎えることが出来たが、箱根へ出かけた以外は、これという記念となる旅行をしなかった。夫婦揃って元気であることを佳しとして健康に留意しつつ、また来年1年も楽しく過ごしたいと考えている。

2019年12月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4613.2019年12月30日(月) いよいよ今年も残り少なくなった。

 今年も明日1日を残すだけになってしまった。新聞でもテレビでも今年のニュースを振り返ったり、冥界へ逝かれた著名人の名を挙げその死を悔やんでいる。

 事象としては、何といっても平成から令和と元号が変わり、新たに天皇・皇后が即位されたことだろう。社会的には地球温暖化の影響により、地球上の気温が上がり、そのせいで日本でも東日本を中心に9月に台風15号、10月に19号のような大きな自然界の大きな被害を被ったことであろう。嬉しいニュースとしては、吉野彰博士がノーベル化学賞を受賞されたことと、ラグビー日本代表チームがワールドカップ史上初めてベスト8に入ったことだ。今日もラグビー関係のビデオが放映され、その合言葉「ONE TEAM」が今年の流行語大賞に選ばれたほど話題になった。高校時代にラグビーをプレイしたひとりとして、嬉しくもあり誇らしくもある。

 残念ながら悲しいニュースもあった。その最悪のニュースは、アフガニスタンで難民や貧しい農民のために、自ら用水路を作り枯れた砂漠を緑の農地に変えて収穫物と、それを得る喜びを土地の人びとに教えていた医師の中村哲氏が、テロリストに殺害されたことである。これまでもしばしばその個人的な活動ぶりは伝えられていたが、凶弾に倒れたことは返す返すも惜しまれてならない。現地アフガニスタンでは土地の人びとの中に入って率先活動し、尊敬と信頼を得ていた。アフガニスタンの名誉市民でもある。アフガニスタンでも多くの人びとからその死を惜しまれている。日本でも死後旭日小受章、及び内閣総理大臣感謝状を授与されている。母親が作家火野葦平の妹で、中村医師にとっては伯父に当たる。

 個人的には、1月に日本旅行作家協会名誉会長だった兼高かおるさんが、90歳で亡くなられたが、同じ協会会員として残念に思っている。兼高さんには初めてお会いした際、拙著「南太平洋の剛腕投手」の主人公ススム・アイザワのトラック島におけるエピソードを伺ったことがあり、それを同書上でも紹介した。もうひとり惜しまれて他界された人に、2月96歳で亡くなられたドナルド・キーン氏がおられる。日本の文学を世界に紹介した方だが、小田実の葬儀でも弔事を述べられ、何度か講演を聞いて人間的にも、学問的にも尊敬出来る人だと思っていた。

 国内外に政治的にも社会的にも大きな動きが見え隠れした2019年だったが、来年は米中間の対立がどうなるか。近年やや影が薄くなったロシアの動きから目が離せなくなり、ロシアはどう存在感を見せつけるか。香港問題はどうなるのか、地球温暖化の影響、等々についてそれぞれどんなアイディアを打ち出せるのか、難題山積みである。国内では長期政権記録を作った安倍首相が、これまでウソをついたり、証拠隠滅を図ったり、夫人ともども追及された公私混同にしらばっくれたり、国民を欺いてピンチを切り抜け首相在任最長日数だけは更新したが、一国の首相たる人物がこのようなヤクザまがいのことまでして許されるのだろうか。史上最長ではあっても史上最悪首相のひとりと呼んでも良い。

2019年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4612.2019年12月29日(日) 年賀状を虚礼廃止例に挙げるとは?

 令和最初の年もいよいよ押し詰まってきた。年賀状も郵送して今日は妻の暮れの買い物にお付き合いした。スーパーの売り場はやはり混雑している。しかし、これはこれで年末らしい絵になる。

 一昨日の朝日朝刊のコラム欄「経済気象台」に、年賀はがきと喪中はがきについて書かれていた。年賀はがきの発行枚数が15年前に比べてほぼ半減しているという。それを踏まえたうえで、コラムの筆者は「虚礼廃止がうたわれながら惰性もあって年賀はがきをやめられない」と書いている。筆者は少し誤解しているのではないだろうか。そもそも年賀はがきは虚礼でも何でもない。親しい人たちに日ごろのご無沙汰がてら新年を迎えるに当たって近況を知らせるために心を込めて書くものである。当然肉筆で書くべきものであり、私自身のこだわりとしてはボールペンではなく万年筆で書きたい。筆者はインターネット時代にアナログの慣行を続ける意味があるだろうかとまで問うている。それでいて「人工的な印刷だけで肉筆のメッセージがなければ、新年の晴れやかな気持ちを伝えるには程遠い感がある」と商売上の立場まで挙げて私見を主張し、言うことも矛盾しているように思う。どうも本音が読み取れない。

 年賀状は、本来親しい人にすべて肉筆で心を込めて書くものだと思う。ただ、枚数が多ければ多いほど書くのに手間暇がかかる。それを少しでもセーブするために一部を印刷することは許されると思う。そして、出来れば空欄に気持ちの通じる言葉を書けば一層情愛が通いあう。年賀状が個人的な付き合いではなく、仕事上のコミュニケーションならば筆者の懸念しているように、そろそろ他の手段を考える必要があるのかも知れない。

 筆者は喪中はがきについても、穿った理解をしている。喪中はがきを年賀状代わりにして、遠い縁戚の不幸まで対象にして毎年送って来る例があるという。私も今年喪中はがきを30通ほどいただいたが、その他にメールによる喪中の知らせが2通あった。本来の年賀状や喪中はがきの意味を知らず、手抜きを始めるとこういうことになる。これでは故人の気持ちは伝わらないし、メール送信者の気持ちも分からない。

 年賀状を虚礼廃止の観点から考えるから、奇妙な例が浮き上がってくる。「経済気象台」氏は分かっているだろうか。

2019年12月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4611.2019年12月28日(土) 自衛隊の中東海域派遣を閣議だけで決定

 政府は昨日唐突に海上自衛隊の護衛艦と哨戒機を中東海域へ派遣することを閣議で決定した。アラビア海域を航行する日本の船舶の安全を確保するためとの名目である。近年なし崩し的に行われている自衛隊の海外派遣の一環であり、有志連合の呼びかけを断った安倍首相のトランプ大統領への忖度がある。今回の派遣は、「調査・研究」が目的とされている。「調査・研究」が目的なら防衛大臣の命令だけで実施可能とされ、国会承認も必要ないとされている。しかし、目的の「調査・研究」とは何のための「調査・研究」なのか、きちんと説明してくれなくてはまったく分からない。派遣決定を国会承認なしに決定するための隠れ蓑ではないかと邪推したくなる。現状では審議を忌避するための「調査・研究」ではないかと首を傾げざるを得ない。

 去る7月にアメリカが有志連合への参加を同盟国に提唱し、日本にも参加を呼び掛けていたが、日本は友好関係にあるイランへの配慮や、有志連合加盟の法的根拠がないことからアメリカの誘いを断っていた。このアメリカの有志連合呼びかけは60カ国になされたが、僅かイギリスを含む6カ国しか応じなかった。

 つい1週間前に来日したイランのロウハニ大統領に対して、安倍首相が事前に日本の計画について耳にいれていたことと、自衛艦が展開するアラビア海域はイラン沿岸のペルシア湾やホルムズ海峡とも離れていることから、イランは日本に対して特に厳しい見方をしていない。

 一方、アメリカは、本音はともかく自衛隊の独自派遣について一応歓迎の姿勢を示している。

 問題は、前記のように国会の審議を経ないで自衛隊が海外へ派遣される大事を閣議決定のみで認めることが出来るという点である。しかし、「調査・研究」が目的であると曖昧な理由をつければ、いつでも自衛隊海外派遣が出来るということでもある。こんな好い加減な法律解釈で、戦争に最も近い行為が安易に行われるというのは、ちょっと危険ではないだろうか。考えるとぞっとする。

2019年12月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4610.2019年12月27日(金) かつての大英帝国の黄昏

 近年イギリスの国力と存在感が著しく低下したと思う。特にEUからの離脱に伴うお家騒動ぶりはみっともないと思うくらいである。国民投票の結果を棚に上げて政争に明け暮れ首相も交代して、再三EUに迷惑をかけた挙句にEUから離脱することが再確認された。

 25日イギリスは、エリザベス女王が毎年恒例のクリスマス公式ビデオ・メッセージを公表した。今年相次いた英王室のスキャンダルに触れて、女王ご自身イギリスがキリストの足跡を辿る道はデコボコだったと嘆かれた。辛かったお気持ちが想像出来る。そのひとつは、98歳になる夫のフィリップ殿下が運転する車を女性にぶつけその女性を骨折させたことであり、殿下は免許を返納された。もうひとつは、次男のアンドルー王子が未成年女性との性的関係を指摘されて公職を辞める羽目になったことである。

 近年主体性を失い存在感が薄れたイギリスが、ヨーロッパの、更に世界のリーダーとしてかつての偉大な存在感を改めて見せつけることはかなり難しくなった。今でも一部に海洋国家と見られているイギリスだが、その地盤沈下は大きい。

 この機に、中国と対立するアメリカが、インド洋と太平洋のつながりを強めるため戦略的に「開かれたインド太平洋」という地域概念を使って、中国をけん制し出した。一方でEU離脱後のイギリス経済にとって、中国の存在感と影響力は益々大きくなっている。イギリスは対中関係を強化して「一帯一路」を支援しようともしている。世界で主導権を失いつつあるイギリスは、同盟国であるアメリカの動きに合わせてこの地域に目を向けざるを得ないが、地理的にアジアから離れたイギリスがアジアの安全保障面でどの程度関われるのか、何とも言えない。

 それにしてもイギリスの政治力の脆弱さが、哀れに思えることがある。ジョンソン首相率いる保守党政権が、EU離脱により図らずも火を噴き出しかけている北アイルランド、及びスコットランド独立問題の火種を抑えることが出来るだろうか。また、イギリスのトランプと揶揄されるジョンソン首相が、EUや第三国との自由貿易協定締結交渉などを手際よく対処することが出来るだろうか。

2019年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4609.2019年12月26日(木) カジノ開業前に代議士逮捕の不祥事

 一昨日中国の成都で開かれていた日中韓首脳会談が終わって、昨日は日中及び日韓の首脳会談が行われた。特に日韓会談は1年3か月ぶりで、目下外交関係が戦後最悪となった両国関係をどう打開するのか両国メディアも固唾をのんで見守っていた。しかし、相変わらずお互いに自国の主張を繰り返すのみで、最終的には今後外交当局間で協議を続けることで一致したに過ぎなかった。最も関係悪化の原因となった元徴用工問題は、従来の双方の考えそのままに平行線となり、問題解決は先送りされた。両国の異常な関係がそのまま先延ばしされただけだった。

 その一方で国内では、現職代議士が10年ぶりに逮捕されるという異常な捕物帳があった。

 2016年12月衆議院内閣委員会でカジノ解禁法の採決が強行された。賭博罪に触れるカジノの合法化につながる法案が、短時間の審議で委員長により審議を打ち切られた。その委員長が昨日逮捕された自民党の秋元司元IR担当副大臣だった。そのカジノを認めた張本人がカジノ事業への参入を目指す中国企業の接待を受けていたのである。そのうえ本人は否定しているが、中国企業の日本人社員が、議員会館の秋元代議士の事務所内で300万円を手渡したと証言した。

 まだ、カジノ事業参入者は決定していないが、事業には確実にあぶく銭を得られるとアメリカや海外の有力事業者がすでに名乗りを上げている。秋元代議士は、その権利を得るためには、IR担当副大臣である自分を経由すれば有利だと動いていたらしい。カジノ開設の可能性のある沖縄や、北海道留寿都村に出かけてはPRしていたが、いずれも自治体が断念した。しかし、3か所開設とされ可能性のある他都市でも今後秋元代議士の手を煩わすような動きがあると予想されていた時に、秋元代議士は逮捕された。依存症に陥ると警戒され、暴力団の出入りが懸念され、カジノ自体のいかがわしい風評が付きまとっている。そこへカジノ開設認可に合わせた贈収賄事件が発生したわけである。他にも秋元代議士の同期生である現職、元職代議士が今東京地検から事情聴取されている。

 すでに怪しい金の受け取りが、IR法の施行とともに行われた。後ろめたい事業を国が行う流れに沿って汚職事件が発生している。賭博事業として了解したうえで住民の強い反対の中をカジノへ名乗りを上げた横浜市では、林文子市長が先頭に立ちカジノは市財政に寄与すると見えを切っていた。しかし、果たして開設前に汚職が発生するようないかがわしい事業を認めておいて、市長として自信を持って市民への責任を果たしていると言えるだろうか。

2019年12月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4608.2019年12月25日(水) 日本の人口が年々減少している。

 出生数が年々減少している。日本の人口動態は少子高齢化現象が、益々極端になっている。

 昨日厚労省が人口動態統計の年間推計を公表した。それによると国内で2019年(まだ終わっていないのに合計が示されるのはおかしい)に現時点?で生まれた日本人の子どもは86万4千人で、統計を取り始めた1899年以降初めて90万人を下回る見通しと公表した。新生児誕生は前年より5万4千人も減った。近年少子高齢化に歯止めがかからない。

 一方死亡者数は戦後最も多く137万6千人で、自然減は51万2千人となった。50万人もの人口が減ったのも初めてでこれは鳥取県の全人口に匹敵する。出生数が最多だったのは、第1次ベビーブームの1949年で269万人だった。このまま行けば、2015年に1億2710万人だった人口が、2053年には1億人を割ることになる。

 中高校生時代を振り返ってみると当時の人口はほぼ8千万人台で推移していた印象がある。それを考えれば心配することはないという考えも分からないわけではないが、問題は人口動態である。若者が減って高齢者が増え、稼ぎのない高齢者を若者が支えるとなれば、しわ寄せは若い人たちに圧し掛かってくる。そこが問題である。若者が安心して生活し、子どもを生み育てていくための各種の支援をしなければ、この傾向は加速化するだろう。30年後、40年後に果たして健全な社会、家庭が築かれているだろうか。

 現状は子どもへの政治や企業の関心が薄まり、子育て支援サービスの質と量が低下して少子化が進む悪循環があると指摘する専門家がいる。結局は、政治がしっかりこの問題に正面から向き合って長期的な支援策を考えていく必要があると思う。

 さて、今月11日付ブログに「中国共産党と袂を分かつ日本共産党」として取り上げたが、今朝の朝日新聞に来年1月の共産党大会で綱領を改定することについて、志位和夫・日本共産党委員長が語っている。2004年以来の改定で敢えて改定案の中で中国共産党に愛想尽かしをしたのは、「共通する政治的、思想的立場はなく、核兵器への態度や覇権主義の行動、人権侵害には『共産党』の名に値しない行動がある」と決めつけている。またこうも言っている。「中国は間違った方向に進んでいる。日本共産党と中国共産党は兄弟か親戚だと思っている人が多い。綱領改定できっぱりした対応をとることは、日本共産党は中国式の自由のない横暴な振る舞いを是とするのかという誤解を解く」。共産主義に関する現状認識と実行については日本共産党の方か遥かにまともだし、筋が通っていると思う。

2019年12月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com