4670.2020年2月24日(月) マイナス金利のマイナス面

 4年前にアベノミクス「3本の矢」のひとつとして導入された大胆な金融政策、つまり日銀のマイナス金利政策がサービス低下という深刻な問題をもたらすようになって来た。市中銀行が日限へ預金しても金利どころか、逆に金利を支払わなければならなくなって、銀行は預金を企業への貸付金に回すようになった。政府は日銀への国債利払いが減少してニタリとしているし、企業はこれによって助かった。結果的にマイナス金利政策は政府と企業を勝ち組にし、金融機関と家計を負け組にしていると皮肉られている。

 長引く低金利政策によって金融機関の収益は徐々に悪化し、顧客にも負担を求める動きが広がりつつある。サービスも低下した。現実に一昨年辺りから銀行窓口で不便を感じることが多くなった。例えば、現金引き出しの場合、金種に制限があり自由にならなくなったことであり、新札も枚数制限があったり、不便を感じている。それでも銀行サイドとしては、経費削減に一層務めるようで、現状で検討されているのは、口座維持費として口座維持管理料を収受するようだが、すでに始めている銀行もある。民間銀行が金利低下で収入が減少する一方で、企業への融資が緩和されて企業の負担は軽減され、政府にとっては何といっても毎年多額の利払いの減少につながっている。

 世界で最初にマイナス金利を始めたスゥエーデンでは、ローン金利低下で住宅需要が高まって不動産価格が10年間で2倍に高騰したという。結局昨年解除を決定した。ドイツの銀行では、一部で預金者との間で法廷闘争まで起きている。現状では簡単には元のような便利なサービスを回復して欲しいと願えども、銀行の苦しい経営状況もありそうそう期待は出来そうもない。

 政府はアベノミクスの成果と言いたいのだろうが、外国の例を見ると手放しではいられない。このままの状態で良いのだろうか。或いは、これからどうするのか。考えてみるべき時ではないだろうか。

 ところで、懐が軽くなった筈の政府だが、この恩恵を借金の返済に充てる気持ちはなく、財政事情は改善されない。軽くなった分はどう使われるのだろうか。

 その最大の目的は、防衛費である。2020年度の概算要求に防衛省は、過去最大の軍事費として5.3兆円を要求したのである。今年度比で648億円、1.2%増額である。これは第2次安倍政権発足以来、8年連続で前年度を上回り、6年連続で過去最大を更新している。

 なぜこれほど高額になるのだろうか。偏に安倍首相がアメリカのトランプ大統領のご機嫌を取っているからで、高額なアメリカ製軍事物資を購入しているのである。例えば、最新鋭ステルス戦闘機F35Bは、1機141億円でこれを42機購入予定である。更に116億円のF35Aを105機も購入しトランプ大統領に対する大判振る舞いである。これではいくらお金があっても足りるわけがない。

 さて、今日は暖かい。沖縄・与那国島では25℃だったという。我が家の庭の白梅も今や盛りと満開で、今日はつがいの鶯が飛んできた。残念ながら♪ホーホケキョ♪とは啼いてくれなかった。先日糖尿病と診断されてから最小でも1日5千歩を実行する覚悟を決め、今日も駒澤公園までウォーキングしたが、公園の隅に1本だけ植えてある河津桜が見事に満開で写真を撮りに訪れる人もいるくらいである。もうすぐ本格的な春がやってくるようだ。

2020年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com