4673.2020年2月27日(木) 東京高検検事長は職を辞すべき

 今日安倍首相は、新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため来月2日から春休みまで、全国の小中高と特別支援学校を臨時休校するよう要請すると表明した。自治体の反応は様々のようだ。突然のことでもあり共働き家庭では戸惑いが見られるようで、他にも難しい問題をはらんでいる。また、検査を受けたいが保健所で受け付けられなかったというような問題も出てきた。まだまだ新たな問題が生まれてきそうな感じである。

 新型コロナウィルス感染拡大と並んで、今大きな話題となっているのは、東京高検検事長の定年延長問題である。黒川弘務・検事長が63歳の検察庁法に基づく定年を迎える正に直前になって、国家公務員法による定年制を適用され、定年延長が認められるようになった。今夏定年を迎える検事総長の後釜に滑り込むことが可能となった。

 そもそも政府は検察官の定年延長は認められないとしてきた。その政府見解をミエミエの手法で急遽変更したのはまったく理解に苦しむ。政府閣議で決済したとの説明であるが、その記録文書がなく、弁護士の資格を有する森雅子法相は口頭で決めたと、まるで些細な決済であるとの言い方である。今日読者の投書欄を読んだところこの問題に2つの疑問を指摘した法学部出身の一般男性がいる。

 ひとつは、政府は法を解釈変更して検事長の定年延長を閣議決定したが、これは国の法秩序を根底から崩すことになる。これに対して法曹関係者や法律学者から抗議の声があまり上がっていないのはおかしいというものである。もうひとつは、法律は「特別法は一般法に優先する」という法律学の原則からいえば、国家公務員法は一般法であり、特別法である検察庁法が優先するとのセオリーからすれば、検事長の定年延長が認められていない特別法である検察庁法が適用されるべきだ。つまり定年延長はおかしいとの主張である。

 私は法学部出身ではないが、この原則は骨の髄まで叩き込まれていたので、同じような疑問を感じていた。更に言うなら、黒川検事長自身はどう思っているのだろうか。法曹界のみならず、政界、国民の間にこれだけ違法ともいえる問題を提起することになった、ご自身の胸に恥じる気持ちはないのだろうか。また、法律家としてきちんと自分の責任や、信念を説明する気持ちがないのだろうか。自ら取るべき責任としては職を辞することが最善の方法だと思う。定年引き伸ばしのうえ、安倍政権によって司法の最高権威である検事総長の座に就いたとしても、行動を非難され、人間性に疑問を持たれてこれからの人生を順調に歩んで行けるとは到底思えない。

 法解釈の変更などを行った森雅子法相への不信任案が、今日衆議院本会議で否決された。

 それにしても安倍政権というのは、アウトロー的行為を冒して秩序を壊すことばかりやっているが、もういい加減にして欲しいものである。

2020年2月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com