5759.2023年2月18日(土) 論客・寺島実郎氏の説得力ある論旨

 あと1週間足らずでロシア軍によるウクライナ侵略から1年が経つ。そんな折某紙に日本総合研究所・寺島実郎会長の大変興味深い提言を紹介した記事が載っていた。あまり他のメディアでは拝見しない論旨である。それは、「いま世界は『全員参加型秩序』に向かっている」と言い切り、アジア諸国から期待されている日本は、その中で「アジアで戦争を起こさせない戦略構想力を求められている」そうである。歴史を振り返ってみると第2次世界大戦前まであった4つの帝国はすべて消滅した。ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー帝国、オスマン帝国、そしてロシア帝国である。それまでは力による正義だったが、第2次大戦後は、国連構想による世界平和の理念によりアメリカが主導する世界となった。しかし、そのアメリカも今や超大国ではなくなった。世界のリーダー役の力を失いつつある。一方、中国は国外に住んで今まで中国の経済発展を支えてきた華僑らが、強権化する習近平体制に距離を置きつつあり、いずれ中国は成長軌道を見失い、ピークアウトするであろう。アメリカ、ロシア、そして中国も世界のリーダーたる構想力や理念がない。世界は、二極ではなく、多極を通り越して「全員参加型秩序」に向かっていくというのが、寺島会長の論旨である。

 そのような世界情勢の中で、注目されるのは、これからのキーワードは「グローバルサウス」と言う言葉で表されるアフリカ、中南米、アジア、中東などの国々が台頭し、存在感が高まってくると考えられる。懸念されるのは、日本政府やメディアは米中2極の対立という見方から、ウクライナの次は台湾と決めつけ、その視点から防衛力強化に走っていることである。寺島会長が心配しているのは、台湾には米軍基地が一つもないことであり、台湾をめぐる衝突が起きれば、米軍は沖縄から出撃する。政府は「敵基地攻撃能力を持つ」と言っているが、それは取りも直さず、相手にとっての「敵地」は、当然米軍が出撃する沖縄も含まれることになり、戦争を自ら沖縄に招き込むことになる。

 そこで寺島会長の提言は、日本としては軍縮を軸とする「国連アジア太平洋本部」を設立し、それを沖縄に誘致して沖縄を戦争に巻き込んではいけないという空気を醸成すべきであると主張されている。これは、アメリカには快く思われないことであるが、アジア諸国が日本に期待しているのは、対米過剰依存から脱皮し、アジアをどうしたいのか、その構想を示し国際社会における役割を日本が果たすことではないかと主張されている。

 寺島会長のお考えは至言であり、なるほどと頷けるものである。かつて私自身「知的生産の技術研究会」(知研)で活動していたころ、度々寺島会長にお会いして、会長と知研の仲間と共著も出したことがある。当時よりその発想、構想力、行動力、啓発力などには、敬服していたが、今もこのように政府にとってはややうるさ型とも思える活動をメディアから啓発していることに脱帽するばかりである。及ばずながらも、少しでも寺島会長の卓見と言動を見習いと思っている。

2023年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5758.2023年2月17日(金) 友人夫人の和織展示会を見学

 グラフィック・デザイナーであり織物と染色専門の芸術家である、市川学園中の同級生Kさんの奥さんが銀座で開いた和織展示会の案内をKさんからいただき、今日会場でKさんと落ち合い他の関係者らともいろいろ話をして、この分野の奥深い文化を知ったところである。銀座の一等地の会場で、このように地味な展示会、販売促進会を開いてペイできるのだろうかとお節介な心配をしていたが、結構商売になるようだ。

 夫婦はそれぞれ別の美大出身ではあるが、2人はそこで知識と技術を磨いた。一品が158万円もするような作品をはじめ高級織物ばかりで、普通には折角作った製品を販売するのは難しいのではないかと考えるのだが、これが結構さばけるというから、日本では和服への愛着が根強いのだろうと推察する。その後Kさんにご馳走になったレストランで、いろいろ美大の一般大学との相違を聞いた。とにかく学生数が少ないこともあるが、卒業後美大では同窓会とか、クラス会のような同じ釜の飯を食った仲間と会う機会がないということは意外だった。数少ない仲間と卒業後会うこともないというのは、学生生活の楽しい思い出を消し去ってしまうのではないかと懸念するが、それが美大の実態だと言っていた。

 夫婦揃って芸術方面で活躍していることは羨ましいことであり、今後一層の活躍を祈っている。

 さて、プロ野球もキャンプに入り1か月後にはシーズン開幕となるが、今年はその前に世界野球選手権(WBC)が開催され、日本代表チーム(侍ジャパン)は過去最強チームを編成して優勝を狙っている。昨年ワールドカップで盛り上がったサッカーも今年30周年を迎えるJリーグが開幕した。春到来とともにスポーツ・シーズンも花盛りである。

 日本ではバスケットボールは、世界のレベルからやや取り残されて、割合地味なスポーツではあるが、一昨年女子代表チームが東京オリンピックで銀メダルを獲得したこともあり、少しずつ人気も上がってきた。日曜日には天皇杯全日本バスケットボール選手権決勝戦が行われる。その本場アメリカのNBAで日本人の八村塁選手が活躍しているが、今シーズン途中にウィザースから名門ロサンゼルス・レーカーズに移籍した。バスケにはあまり関心はないが、レーカーズというチームと、そこに所属していたNBA歴代最多得点記録を持っていたジャバ―選手にはかなり以前から興味を持っていた。それは、1977年10月に文部省教員海外使節団にお供してオクラホマ・シティに滞在した折に、ジャバ―選手が活躍したレーカーズの試合を観て、同じホテルに宿泊していたジャバ―選手に廊下で出会い声をかけ、その数年後にレーカーズが来日した際には、地下鉄新宿駅で電車に乗ろうとしたところ、長身のジャバ―選手が頭を下げて降りてきてばったり出会った奇遇に少々縁を感じていた。そのジャバ―選手が活躍していたレーカーズに、八村選手が移籍して活躍しているとは嬉しい限りである。近年日本選手が海外の本場で活躍する姿が少しずつ増えているが、絶対的にアメリカ選手の独壇場だったバスケの世界で日本選手が活躍するとは、誇らしいことだと思うとともに、随分世界のスポーツ界も変わったものだと思う。

2023年2月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5757.2023年2月16日(木) トルコ地震大被害は政治家と建築業者の責任

 トルコ南部とシリア北西部に跨るこの度の大地震は、今世紀でも最大と言える被害を出しており、今なお救援、支援活動が続けられ、親子3人が228時間ぶりに救出されたというニュースまで聞かれる。エルドアン大統領も災害復興を唱えているが、今の違法建築による脆弱な建造物が倒壊したことに、これらの建物の内約90%は、建築基準法が施行された1999年のイズミット大地震前に建設されたもので、法令違反ではないというようなニュアンスの説明をしたために責任逃れと非難されている。私は偶々1999年イズミット大地震(M7.4、死者17,262人)にチャナッカレで遭遇してしまった。大きな揺れはもちろんであるが、翌日チャナッカレの町で見聞した被災地の姿は生々しく瞼に鮮烈に残っている。その時今回の地震と同じように、高層建築物はパンケーキ・クラッシュ崩壊した。バス車内から外の被災状況を見て昔のイスラム・モスクが揺るぎない中で、新しいビルが軒並み倒れていたことが、強く印象に残っている。イスラム建築物は頑丈に建築され、今日にまでその形を残した。あの時、降雨によりテント内に敷かれた立派な絨毯の端が外に出て雨の中で汚れていたが、トルコ人は製品に自信を持っていて気にはしていなかったことも頭に焼き付いている。

 大統領は、違法建築により甚大な被害を出したことに違法とは言えないと主張して、自らへの批判を避けようとしている節がある。そして、建物の崩壊について、責任の所在を調査するとして、すでに100人以上を逮捕している。しかし、そんなことを今更やっている場合ではないと思う。国が違法建築を見逃す環境の中で、建築業者が甘い汁を吸っていただけのことである。「大勢の命を奪ったのは地震ではない。『都市変容』という名のもとに街を共同墓地に替えてしまった人々、そしてあらゆる建築許可証に署名した人々だ」と厳しい声がある。

 わが身を振り返ってトルコと同じ地震国である日本には、このような違法建築はないと思いたいが、真面目と見られている日本人にも、政治家などの言動を見ているととても安心できない。常に襟を正す気持ちが必要ではないかと思う。

 さて、円安とウクライナ戦争による原料費の値上げにより、日本経済も苦しい立場に追い込まれているが、今日財務省が公表した先月の貿易収支は、実に3兆5千億円の大赤字で18か月連続の赤字である。何と単月の赤字としては、1979年以降で最大だという。これは何といってもエネルギー関連の輸入が大幅に伸びたことが大きい。輸入額の増加は、量的にはさほど伸びていないが、金額ベースでは円安が影響して石炭が93%増、液化天然ガスが57%増、原油が35%増だったことが効いている。ウクライナ戦争が続く限りいばらの道はまだ続くことだろう。

2023年2月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5756.2023年2月15日(水) トルコ地震犠牲者4万1千人、日本の島嶼数14,125

 トルコ大地震は、その後も犠牲者の数が増え続けてついに4万人を超え、イラク国内の犠牲者と合わせ4万1千人となった。相変わらずテレビ・ニュースでは現場の救出場面を放映しているが、今後どの程度まで犠牲者が出るのだろうか。気になって仕方がない。ほぼ半年後の今年9月には関東大震災発生80年を迎えるが、この時の犠牲者は約10万5千人と言われている。当時の建物はほとんど木造建築だったので、崩壊し易かったことと火災の発生もあり、被害が増大したが、今回のトルコ地震は違反建築によりその犠牲になった人々が多かっただけに残念な気がしている。一段落したら真剣に建築基準を守る対策を練るべきであろう。

 さて、今朝の新聞にこんな記事が載っていた。島国といわれる日本だが、4つの本土に加えて多くの島々から構成されている。その島々の数を国が35年ぶりに数え直したところ、合計で14,125島だということが分かった。35年前の調査では、6,852島だったというから倍増である。

 技術が発達した中でこれほど数字が変わるというのは、数え方の基準が変わったとしか言いようがない。島というものについて国連海洋法条約では「自然にできた陸地で、水に囲まれ、満潮時でも水面上にあるもの」と規定されている。中国が国際法を無視して公海上に埋め立て工事により作った人工島なんて、島と呼べるものではないことは明瞭である。35年前の日本では、外周が100m以上の島を海図など紙の地図を使用して手作業で数えたという。それが今では、電子化した地図を基にコンピューターで計算したので、大分精度が高まった。尤もこれらの島々すべてに島民が生活しているわけではなく、無人島も数多くある。今や無人島が中国人に買い取られ、政治問題化しかねない有様である。国は国の領土であることを確認したなら、例え島民が住んでいまいが、きちんと管理する責任があると思う。

 それにつけても、2013年10月に世界最大の島嶼国のインドネシアが、同国の島数は13,466と公表し、すべての島々に島名をつけたと発表したことがある。今回の日本の島嶼数は、これを抑えて一応世界一になったと言える。2位だったフィリピンの島数は、7,109だった。3位だった日本が、コンピューター化しただけで、1位になったと思っていた。

 ところが、出典を今年1月の「雑学サークル」に拾ってみると、別の国別島嶼数ランキングが掲載され、トップ3はすべて北欧で、アジア各国の数とは桁違いに多い。因みに1位スウェーデの島嶼数は221,800、2位フィンランド188,000、3位ノルウェー55,000、4位カナダ52,455、5位インドネシア13,466、6位オーストラリア8,222、7位フィリピン7,641、8位日本6,853、9位イギリス6,289、10位ギリシャ6.000だそうである。アジアの3か国は5位以下に落ちてしまった。日本は新しい島数が公表されたが、これによれば、8位ではなく、5位にランクされる。また基準が変われば順位の移動は考えられる。それにしても地球上には、随分多くの島々があるものだと思う。

2023年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5755.2023年2月14日(火) 「チャットGPT」の怖さ

 今日2月14日は、ヴァレンタイン・デーである。近くのケーキ店さんには、数日前から店の前にケーキを購入しようというお客さんが並んでいた。ところが、我々が小中学校生のころは、そんな日があるなんてまるで知らなかったし、むしろ父親から旧日本軍がイギリス軍を攻略し、シンガポールを陥落させた戦勝記念日だと散々教えられた。末弟などはこの日に生まれて新嘉坡(シンガポール)の「嘉」の文字を組み込んで「嘉正」と命名されたくらいである。ところが、シンガポールは「嘉」の外にも「加」など数文字が使用されているし、一番驚いたのは、実際に陥落したのはその翌日の15日であると、その当時シンガポールの現場にいた陸軍航空隊の元機長さんから聞いた時である。その後、よく調べてみると確かに15日であると分かった。弟にその話はしていないが、聞いたらどう思うだろうか。

 さて、つい最近になって「チャットGPT」という流行語のようなAI言葉を知った。昨年11月マイクロソフト社がチャットGPTのAI機能を搭載した検索エンジンを披露したのである。チャットGPTの技術は、膨大な情報をもとに訓練した言語モデルを人間が評価を加えて修正し、更に精度を高めた。このAIの性能向上の背景には、言語モデルとデータ量の巨大化と、その計算処理を担う半導体の高性能化があるという。分かり易く言えば、文章作成などで、言葉を単語としてすべて書き込むことによって、単語の集団が1つの文章に仕上がるようだ。アメリカでは昨年11月末から僅か2か月で利用者が1億人に達したと言われている。とにかく質問を入力すれば、恰も人間同士の会話のように自然な回答が返ってくるという。アメリカでは学生が、チャットGPTに宿題をさせるということが問題になっているようだ。ニューヨークの市立学校や、フランスの名門大学でも利用を禁止するところまで制限を広げている。卒業論文もすべてこのチャットGPTが代行したら、学生たちの本分はなくなってしまうのではないか。

 機械や、AIは人間の手を省くことがその基本であるが、考えることまで代行するようになっては、学ぶことにはならないと思う。学問の分野で学ばなければいけない学生らが、「手抜き」をして考えることを止めるということは、本来の目的とは乖離しているのではないだろうか。これでは、学生は皆考えなくなってしまう。手抜きを助長するようなAIは、文化の発展のためには、むしろマイナスではないだろうか。

 それにしても人間の開発する技術はどこまで発展し続けるのだろうか。そして開発が進めば進むほど手を抜き、結論ありきの学問を育てることになる。その過程で、質問されても答えられなくなるのではないだろうか。こうして見かけとは別に人間の知識は、少しずつ退化していくことにならなければ好いがと思う。

2023年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5754.2023年2月13日(月) トルコ地震被害益々深刻に

 トルコ南部で発生した地震は、想像以上の被害を与えている。発生後昨日で1週間が経過したが、隣国シリアの被災者を合わせて犠牲者の数は3万3千人を超えた。今後もその数は増えると予想されている。何を今更と言う気がするが、今回の地震を受けてトルコのエルドアン大統領は、倒壊した建物を巡り建設業者に対し法的措置に乗り出すと述べた。これまで再三地震が起きるたびに建物の耐震性が問題になり、建設業者の手抜き工事による結果であることははっきりしていた。それをこれまで黙認し、今になって問題視する指導者の感覚は、少々ずれているのではないだろうか。今回は、あまりにも甚大な被害と、建造物の耐震性の関係を各国が問題視し始めたことにトルコとしても放置できなくなっただけのことであり、外交的に取り繕っているだけのような気がしている。やるならもっと早く出来た筈である。その点では、いつも強気な対応をしているエルドアン大統領としては、自分の気持ちというより対外的な対応を優先させたと言える。これから復興という大きな問題が、エルドアン大統領とトルコ国民の双肩にかかっている。

 さて、去る4日中国製飛行物体がアメリカ空軍機によってアメリカ大西洋上で撃墜され、現在その残骸を回収しそれらの機器から如何なる目的のために飛行させたのかを解明しようとしている。中国外務省は、しきりに民間が飛ばしたものだと中国政府としては責任がないという非常識な発言を繰り返している。そもそも民間が飛ばしたにしても他国の領空を飛行すること自体が国際法違反であり、もし事前に知っていたとするなら民間会社に注意を与えるべきだったと思う。知らぬ存ぜぬの一辺倒で、政府の責任を回避しようというのはいかにも中国らしいが、世間的には通用しない理屈である。ところが、その後も立て続けに飛行体を南米やカナダにも飛ばした。10日にはアラスカ上空にも侵入し、空軍機が撃墜した。それに続き、11日、12日にも飛行物体がアメリカで撃ち落とされた。3日間に飛ばされた物体は、中国製であるかどうかは判明していない。だが、いずれ飛行機体が回収されれば、すべては明らかになることだろう。

 現時点で推測するに、中国政府が他国へそのような飛行物体を飛ばせば、明らかに他国領土侵害であり、その飛行目的を追求されることは当然であり、そのような単純な過ちを行うとは思えない。アメリカとしては、気球の運用に関わった中国の航空、宇宙、ITなどの業者のアメリカ国内への輸出を禁じる処置を取ると公表した。しかし、現在対立状態にある米中関係が、一層きな臭く、今後厳しいものになることは明確である。

 この件に関して、松野官房長官は、中国側が十分な説明責任を果たすことが重要と話した。更に、仮に日本に飛行物体が侵入した場合の対応について、他国の気球が日本の領空内に許可なく侵入した場合は、アメリカ軍に要請することなく自衛隊法に基づき、必要であれば撃墜することもあり得ると述べた。そんなケースはあっては困るが、現在航空自衛隊が所有する戦闘機能力では、2万㎞以上の高空を飛行したら、お手上げだそうだから、もう少し事実に裏打ちされた説明をしてもらいたい。

2023年2月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5753.2023年2月12日(日) 小学校のクラスメートにお別れ

 先日小学校の女子同級生が亡くなったと連絡をもらい、今日クラスメートともども彼女の自宅にご焼香に伺った。眺望の良い千葉市内のタワーマンション20階でご主人と悠々自適に暮らしていた。ご主人とお手伝い役の妹さんが出迎えてくれた。お線香を上げてからご主人と妹さんから、お邪魔した6人の同級生が生前のご当人の話をいろいろ伺ったが、彼女は旅行好きだったと異口同音に話された。しばしば旅に出かけられ、海外にも何度か行かれたし、クルージングがお気に入りだったらしい。幹事役を支えながら、クラス会の融和を図るためにいつも前向きな行動を取っていた。聞けば、亡くなられたのは1月24日だったという。体調は入院を繰り返したりして、必ずしも良くはなかったようだが、同じ年のご主人としては、自分が先に逝く筈だったので、今は寂しい時期のようだ。今日6人が伺ったが、もう1人来る予定だった。電話をしてみると体調が悪いから来られないという。どうも全員揃って元気ということが、少なくなってきた。これからお互いに健康面で気を付けるだろうが、1年1年年齢を重ねると、いつまでも皆が集まって昔話をする機会を持つことも難しくなっていくことだろう。

 それにしてもコロナ禍が恨めしい。この3年間は人生をその分奪われたような気がしてならない。コロナのせいですぐには、葬儀も焼骨も出来なかったという。亡き恩師の名に因んで名付けたクラス会「和会」は、70年に亘り続けられてきたが、今後いつまで続けることが出来るだろうか。私自身はまだまだ参加できると思う。頃合いを見計らい彼女のにこやかな遺影に別れを告げて、千葉市内の寿司屋で昼食を食べたら2時過ぎになり、そのまま解散ということになった。若いころなら久しぶりの逢瀬に盛り上がって、二次会、三次会と進むことだろうが、今やそうは行かなくなった。

 幸い今日は晴れて気温も比較的高く動き易かった。このような故人を送る会などは、しばらく行われないことを願っている。それでも今日故人にご焼香してホッとした。「和会」を今まで支えてくれた力強い功労者のひとりである彼女には、ゆっくり黄泉の国でお休みくださいと言ってあげたい。ご冥福をお祈りしている。

 さて、6日に発生したトルコ大地震の犠牲者が、11日現在東日本大震災の2万2千人を上回る2万8千人となった。これは21世紀に入って7番目?の規模になるという。地震発生後明朝で1週間となり、今後厳しい寒さの中や、建物やがれきの下敷きとなった人々が死へ追い込まれる恐れもあり、今後どの程度犠牲者が発生するのか、見当もつかない。BBCによれば、今回の地震で建物がホットケーキ・クラッシュ状態になったのは、建築基準違反によるもので、全体の建物の50%以上が違反だったというから、基準を決めても無駄だったということになる。ルールや規則はいくら決めても、それをきちんと守らなければ意味がない。今回トルコ地震ではその点がはっきりした。

2023年2月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5752.2023年2月11日(土) 今日は昔の紀元節、建国記念日

 昨夜セルビア大使館へ向かう途中で、転んでケガをしてしまった友人の奥さんの状態があまり良くないことを昨夜友人が知らせてくれた。顔面を傷つけたことや、両膝が痛むようで、先般膝に人工関節を埋める手術をしてもらった病院で直ぐにも検査をしてもらうということから、14日に夫妻も一緒に鎌倉・江の島へ旅行する予定をキャンセルしたいと知らせてきた。こればかりはやむを得ないことであり、ヴァイオリニストの豊嶋さんと2人で行くべきか、日程を変更してゼミの友人にも参加してもらうか次案を検討中である。

 それにしても積雪により都内でかなり多くの負傷者が出たと聞くが、とんだところで身近に犠牲者を出してしまった。やはり都会の雪は怖い。

 さて、今日は国の祝日「建国記念日」である。土曜日ということもあり、人によっては単に休日と思っている人も多いようだ。今日糖尿病クリニックで定期検査を受けた帰路、そのまま妻と自由が丘で、ランチと買い物をした帰りに駅前でバスに乗ろうと並んでいたところ警官がやって来て、今日は祭日だからバスストップは別の場所だとアドバイスされた。日曜、祭日は定位置ではなく、別の場所から出発する。言われてみて初めて気づいた。これではいつまで待ってもバスは来ない筈だ。

 それにしても今年は建国記念に関する行事などもテレビでは何も伝えられない。いままで比較的遠慮しながら報道していたが、今年はほとんどメディアでも報道されていない。何か意図的なものを感じる。防衛費倍増とか、敵基地攻撃とか、或いは憲法違反などと国民の間に反感があることを見越して、殊更報道を控えたのだろうか。日本の建国記念日は、戦前は紀元節と呼ばれ、昔からの言い伝えで紀元前660年に神武天皇が即位した日を明治政府によって紀元節と定められた。終戦翌年の紀元節には、学校で紀元節の歌♪雲に聳ゆる高千穂の~♪を講堂で歌ったことを覚えている。やや神がかったような故事であるが、今日偶々同じく建国記念日を迎えたイランでは、1971年建国2500年祭を祝ったが、1979年イスラム革命によりホメイニ師派が、パーレヴィ国王らを追放し王制が廃止された。今日のイラン・イスラム共和国が創建された1日とされている。

 ついては、昨日日本銀行次期総裁人事が公表された。新総裁は植田和男氏である。民間銀行のトップ人事とは異なり、政府の経済政策と一体となった行動を強いられるだけに、政府と通じ合う人物が就任すると見られていたが、その通りかつては日銀の審議委員を務め、日銀の政策運営に深く関わった経験が重視されたようだ。日銀総裁の交代は10年ぶりで、これまま黒田路線が歩んできた異次元の金融緩和路線を今後どのように捉え、歩むのかが問われることになりそうである。

 植田新総裁は、文系出身ではなく珍しく東京大学理学部卒業後、マサチューセッツ工科大学大学院で研究活動に取り組んだ典型的な理系である。それでも東大経済学部教授を務めたので、経済学の分野でも大分研究を積んだものと推察出来る。一旦は1㌦=140円前後まで円安相場が高騰したが、今は130円前後に落ち着いている。国の財政にも大きく影響するだけに、今後どう外国為替政策を進めるのか、新総裁の手腕が問われるところだろう。

2023年2月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5751.2023年2月10日(金) セルビア大使館でクラシックの夕べを鑑賞

 期待して待っていたセルビア大使館の「クラシックの夕」に出かけた。JR品川駅で待ち合わせたゼミの友人と大学後輩の友人夫妻と待ち合わせしていた。昨日来メディアでもしきりに都内の積雪を懸念していることを伝えていた。朝からボチボチ降っていた雪も、幸い午後には雨になった。外はかなり寒いのと、雪が凍って滑らないよう気を付けて歩いていた。思わぬトラブルがあった。友人の奥さんが大使館のごく手前の上り坂で転倒し、顔面を強く打ってしまった。立たせてもどうもふらついているような気がしたところ、夫が心配なのでこのまま帰ると言い、残念だが、諦めてUターンした。4人が2人になってしまったが、止むを得ない。

 大使館に着いたら、もう受付が始まっていてゼミの友人とそそくさとそれほど広くない演奏会場へ入った。多分普段は会議室用とか、イベント用に使用される部屋だろう。予定通り午後7時にアレクサンドル・コヴァチュ大使の挨拶に続いて、ヴァイオリニスト豊嶋めぐみさんとピアニスト今井美子さんの二重奏で始まった。大使席の真後ろに着席していたが、やはり生の楽器の音色はテレビで聴くのとは違って胸に迫るような感じである。演奏曲はすべて知らない曲ばかりだったが、生の演奏に触れられたということと、知り合いの豊嶋さんがずっと出ずっぱりで素晴らしい演奏をしてくれたことが、とにかく良かった。友人の奥さんの傷の具合と経過が少々気がかりである。

 さて、防衛費を自民党が一方的に大幅に増やすことを決めたことを議論せずに、国会では財源をどうするか、他の経費を充てるが、増税するかを議論しているが、本末転倒であることは誰しも分かっている。だが、いつの間にか防衛費の増額は中国の覇権主義を考えれば当然との論理から規定事実化されている。アメリカとの約束と言いつつ、日本は防衛力の強化を進めているが、これとて専守防衛どころか日本国憲法に違反するような強引さである。安保3文書で敵基地攻撃能力の保有を打ち出し、国家防衛戦略では自衛隊司令部などの地下化を進める方針のようだ。いつそんなことを、誰の了解を得て決めたのか。防衛省の先走りにも困ったものだが、いつの間にやら沖縄では自衛隊施設の地下化計画が進められようとしている。

 それにしても安倍政権以来、野党の力不足から与党自民党はやりたい放題の有様で、事前に事象を国会や国民に提示し、その上で説明するという基本的な言動を行っていない。今沖縄で行われようとしている自衛隊施設の地下化は、防衛予算の増額、敵基地攻撃と続く、自民党の独り相撲であるが、いずれも国民にしわ寄せが来るにも拘わらず、国民や沖縄県人には説明しない。すでに2022~24年度に陸上自衛隊石垣駐屯地など10か所で地下化を進める計画であるが、24年度以降に海上自衛隊の施設の地下化を決めている。

 これらの計画によって施設周辺の安全が脅かされることになる。一旦敵が攻めてきたら自衛隊は、地下に逃げ込むことが出来るが、沖縄県人は逃げ場がないではないか。つまり、急場になれば政府、自衛隊は国民を見捨てるということになる。この地下化に対して公に反対を唱えているのは、共産党だけである。なぜ、他の野党やメディアはこの沖縄棄民政策に反対の声をあげないのか。戦争を知らない世代ばかりが、働き場所にいるからだろうか。

2023年2月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5750.2023年2月9日(木) トルコ地震の被害が急激に拡大

 トルコの地震が隣国シリアを含めて、生存率が急激に下がると言われる発生後72時間を過ぎ、すでに犠牲者の数は1万5千人を超えた。私も1999年8月17日に被災した、20世紀で最大級の犠牲者を出したイズミット地震が、死者17,262人、負傷者43,953人だったが、間もなくこれを追い越す勢いである。

 被災地の外は気温零下で雪も見られる。この厳しい寒さの中を、また崩落した石などの傍のテントの中で人々は助けを求めている。イズミット地震の際にも感じたことだが、建造物が随分簡単に倒壊している。これでは中にいた人は助からないだろうと想像される。こうも簡単にビルが崩壊するのはパンケーキクラッシュと呼ばれ、上部から地上1階まで真下に一気に崩れ落ちる形だが、トルコ人の建築基準が甘いのではないかとの指摘がある。実際には建築基準は日本とトルコは同じようだが、トルコ人はそれをきちんと守らない場合が多く、建築基準を満たしていない建物が多いようだ。これでは、地震の多いトルコでは危険極まりない。今後復旧するまでにどのくらいの時間と経費がかかるのだろうか。日本をはじめ、各国から救援物資が送られ救援隊が駆けつけている。

 さて、明日は南岸低気圧の影響で、関東甲信地方では山沿いを中心に大雪となる恐れがあり、国土交通省・気象庁は不要不急の外出は控えるよう呼び掛けている。東京23区でも3cmほどの積雪が見込まれている。雪に弱い東京のため、交通障害を警戒して鉄道会社では時間の余裕を持って出かけるようお願いしたり、高速道路の予防閉鎖を検討しているというから随分用心深いものだ。

 生憎と言うべきか、偶々明日は駐日セルビア大使館でクラシック音楽の夕べが開かれ、楽しみにしている。セルビア在住で知人のヴァイオリニスト豊嶋めぐみさんが、友人のピアニストとともに大使主催の演奏会を催してくれ、それに招かれたのである。友人3人と鑑賞に出かける予定であるが、明日の天候が雪と予報されてからやや気がかりである。それを心配されたのか豊嶋さんからメールを送ってこられた。それはそれとして、以前から楽しみにしていたことでもあり、ヴァイオリンとピアノの合奏を楽しみにしている。奇縁なことに女性大使のアレクサンドラ・コヴァチュ大使は、ベオグラードにいる友人山崎洋さんの奥さんがベオグラード大学で日本語を教えていた時の教え子だったこともあり、日本語が堪能で明日豊嶋さんの仲介で拙著「八十冒険爺の言いたい放題」に署名して差し上げる約束をしている。積雪は気になるが、音楽会は大いに楽しんできたい。

2023年2月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com