5769.2023年2月28日(火) 政治家も千差万別、いろいろ

 今日もやや風はあったが、暖かい4月の陽気だという。都内の気温が午後3時時点で19.4℃もあったそうだから外套も要らないだろう。我が家の白梅も満開の花を咲き誇っている。残念なことに未だに鶯が来ない。早くホーホケキョと春を告げてもらいたいものだ。

 さて、一般的に政治家志向が強い人が多く、彼らの最終目的は国会議員だろうが、今年4月行われる統一地方選挙では地方議会で議員志望者が不足の地域がかなり増えているようだ。地方議会で無投票の市町村が目立って多くなってきた。直近の選挙が無投票だった地方議会は、全国で271もあり全体の15.2%になる。結局なり手が不足し選挙の都度その割合が増している。そのほとんどは小さな町村であるが、岐阜県飛騨市のように多少名の通った市でも立候補者が足りない。その最大の理由は、議員報酬が少ないということである。他には仕事との両立が難しいことと有権者の関心が低いことが挙げられている。

 翻って、国会議員に限れば、機会さえ得られれば立候補したい、議員になりたいとの声が上がる。知名度も上がって名士となり、報酬も実績に関わらず相当な額をいただける。副収入もバカにならない。一旦国会議員になったら味を占め何としても噛り付いていたいという議員が多い。勇退とか、引退はよほどの場合でない限り国会議員は辞めようとはしない。中には昨年の参議院選比例代表制で当選はしたが、海外に滞在して1日たりとも国会に出席しない変てこりんな名の参議院議員・ガーシーのような怠け者もいる。ついに参議院懲罰委員会が「議場での陳謝」という処分を申し付けたところ、当初はこれでも出席する気持ちはなかったようだが、このまま放任すれば「除名」処分を受けそうだと察知したのか、いつとは言わないが参議院本会議に出席して陳謝すると回答してきた。しかし、ガーシー議員の場合は、国会に出席しなくても一般国民に比べて大幅に上回る給与は支給される。所属する「NHKから国民を守る党」(略称:NHK党)も党首以下の足並みが揃わず、毅然とした対応が行われていない。

 国会議員の地位もメンツもあったものではない。度々指摘しているように世襲議員という特殊な議員が存在することが国会議員のイメージダウンになっている。世襲議員は概して評判が悪いが、ある調査によると最も評判の悪い世襲議員は、麻生太郎元首相である。これは充分納得がいく。次いで2位が岸田現首相である。3位が小沢氏、4位世耕氏、5位小泉進次郎氏だそうだか、この辺りは他にもっと評判の悪い茂木幹事長や、高石早苗氏、河野太郎氏など候補者はいくらでもる。

 国会議員のレベルが上がらないと国家自体が沈んでいくことになる。もう少し毅然とした政治家としての存在感を見せて欲しいものである。

2023年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5768.2023年2月27日(月) カナリア諸島先住民のミイラに対する思い

 今日は随分暖かい。都内の気温は14℃であるが、ウォーキングに出かけたら汗をかくほどだった。明日以降もしばらく暖かい日が続きそうで、久しぶりに講演をする明後日は、19℃だというから4月の気候である。どんな衣服を着ていったら良いのか考えてしまう。

 ついては、「NATIONAL GEOGRAPHIC」2月号に「知られざる千のミイラの洞窟」という特集が組まれていて、昔の死者の遺体がこれほどまでにきれいに保存されているのかと写真とイラストを見て驚いている。スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島の洞窟内に保存されていた先住民のミイラである。1772年の文献に「素晴らしい神殿が発見された。1,000体ものミイラで埋め尽くされている」と紹介されている。写真を見ても18世紀に発見された多くのミイラが、これほど完全な形で発見されるとは極めて珍しいと思う。ロシア・モスクワ市内の「赤の広場」にあるレーニン廟には、ロシア革命を主導したレーニン本人の防腐保存された遺体が大切に保存され、連日多くの参拝者が訪れている。20余年ばかり前に私自身レーニン廟を訪れ、レーニンの遺体と対面したことがあるが、まるでレーニンが眠っているように見てとれた。但し、この保存方法は、かなりの費用がかかるようで、今ロシア国内ではこのまま将来に亘って保存すべきか、或いは遠からず埋葬すべきか、議論が分かれていると聞いている。

 そのレーニンの遺体とは比べようがないが、数百年も昔の多くの遺体がテネリフェ島山中の洞窟内に手つかずで保存されていたとは信じがたいことである。中でもひとつの遺体は、肉が乾燥したまま骨に固まっていて骸骨という感じではない。その人のものかどうかまでは分かっていないが、頭蓋骨には髪の毛まで付いている。手足の指先には爪も残っている。時代的には12~13世紀のものと考えられている。古い時代のものであるが、遥か古代のエジプトのミイラとは保存の仕方が異なるようで、死後の世界へ送るに当たり、4段階を踏んで保存された。第1段階では、遺体を水と薬草で汚れを落とし、遺体を清めた。そして天日干しの効果を高めるため、全身に動物の脂を塗った。第2ステップでは、腐敗を防ぐために鉱物、薬草、樹皮を混ぜ合わせたものを身体の表面の隅々まで塗布した。第3ステップの脱水工程では、15日間を要して日中は十分日差しのあたる砂地の上に遺体を置いて寝かせ、夜間は焚火の煙で燻した。最後は乾燥の工程が終わると遺体をヤギの皮で包み、永遠の地である洞窟へ運んだそうである。ここまで故人への思慕と愛情を死後の世界にまで届けようというのは、世知辛い今の世では考えられないことである。昔この島では人が亡くなると親類縁者の人々は丁重に故人を来世に向けて送ったのだ。

 翻って昨今のウクライナ戦争の現場では、ロシア軍によって殺害された人々の遺体がそのまま戦場に放置されたり、無造作に掘られた穴の中へ埋められている。そこには故人への哀悼の気持ちなんかまるでない。昔のカナリア諸島では、亡くなられた先住民へ周囲の人々が恋しく慕う気持ちがよく現れたミイラだと思うと、何とも言えない気持ちに捉われる。

2023年2月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5767.2023年2月26日(日) 2.26事件発生の日に改憲スピーチ?

 2月26日と言えば、昭和11(1936)年に言わずと知れた「2.26事件」が起きた日である。あれからもう87年が経つ。次第に軍国色が強まってきた準戦時体制下において、陸軍参謀部に不満を持った青年将校らが起こした一種のクーデターである。事件後いくつかの反省点が出され同じような事件の発生を防止するため法整備も行われたが、時とともに次第に忘れられていく。それは現代においても数年前からこの事件についてメディアの報道が一切行われていないことからも明らかである。ということは、あの時代に戻りつつあるということをも暗示していると言える。

 今日都内で開かれた自民党大会で岸田首相は、「時代は憲法の早期改正を求めている」と述べ、憲法改正へ強い意欲を示したという。すでに違憲的行為が多い自民党政権下では、改憲へどういう道筋をつけるかが当面の課題であり、極力改憲への動きを強めたいとの気持ちが溢れている。自民党内には、改憲への動きはかなり前から強まっていた。2019年当時の自民党二階幹事長が、地元和歌山市内のホテルで行った憲法集会には、雨の降る夜にもかかわらず、1,000人もの県民が集まり「自衛隊の明記 憲法改正」とアピールしたという。そこへ今は亡き当時の安倍晋三首相の改憲に向け行動するとのビデオ・メッセージが映し出された。超保守派の安倍氏が改憲を打ち出すのは、いつものことであるが、このころ政調会長を務めていた岸田現首相も憲法をテーマとする政調会を全国各地で開いていた。岸田首相の今日の発言は、今に始まったことではない。

 ロシアのウクライナ侵略戦争の悲惨さが報じられる度に、早く停戦にならないかとの願いが強くなるばかりである。戦争体験がなく、戦争の真の恐ろしさを知らない岸田首相は、国防予算を増額し、アメリカの要望に沿って軍事態勢を固め、敵基地への攻撃も辞さないと戦争へ前向き姿勢である。こんな気持ちを憲法改正に入れ込まれては、憲法は戦争のための法律になりかねない。恐ろしいことである。

 そんな時に一昨日元毎日新聞記者だった西山太吉氏が、北九州市内で亡くなられたと報道された。西山記者と言えば、忘れもしない沖縄返還に関わる日米密約文書を入手して公開した事件である。西山氏の論旨は実物を入手しているので、説得力があったが、入手のルートが外務省女性事務官からの機密文書遺漏というスキャンダルと見做され、焦点は密約自体より女性へのそそのかしと受け取られて報道され、論点がずらされてしまった。今から20年近く前に、有楽町で西山氏の講演を受講したことがあるが、右手のこぶしで左の手のひらを叩きながら悲憤慷慨して話していた熱っぽい姿を想い出す。今ではあのような真っ当な正義派ジャーナリストは少なくなった。西山氏は今の岸田内閣の改憲や、対米追従をどう思っていただろうか。きっとこぶしを振り回していたかもしれない。享年91歳だった。心よりご冥福をお祈りしたい。合掌

2023年2月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5766.2023年2月25日(土) 江戸時代と変わらない五公五民

 昨日の朝日夕刊「素粒子」欄に興味深い数字合わせが紹介されていた。第1次世界大戦の開戦日は1914年7月28日、第2次世界大戦は1939年9月1日、そしてウクライナ侵攻が始まったのは、2022年2月24日である。それぞれ年月日を1桁、或いは2桁数字にしてそれらを足してみると、第1次世界大戦は、19+14+7+28=68である。そして第2次世界大戦とウクライナ侵攻の数字も同じ「68」となるから不思議なものである。これらエポック・メークな1日は偶々一致したのだろうが、歴史を画する重大な事件勃発日の数字が同じとは奇縁だと言えないだろうか。因みに私自身の誕生日は71だった。一致しなくて良かった。

 さて、「国民負担率」という言葉がある。日本の数値は諸外国とは取り入れる綱目が異なるので、単純に比較は出来ないが、財務省のHPによれば「(日本の国民負担率は)租税負担率と社会保障負担率の合計」だそうである。それが、2022年度は47.5%になる見込みだそうである。国民の負担額が多く、世間には江戸時代の五公五民と変わらないと嘆きの声も聞こえるようだ。

 早速いつも突き刺さるような刺激的な発言で、しばしばメディアで話題になる泉房穂・兵庫県明石市長が、昨日のツィッターでこんなふうに嘆いていた。「『国民負担率‘47.5%’』って、相当に高い。子ども時代(1960年代、1970年代)は、‘20%’台で、今の半分程度。平成に入ってからも‘30%’台だったのに、いつのまにか‘50%’近くにまでなってしまった。まともな政治家を選んでこなかったツケが、今になって回ってきたということだろうか・・・」

 実際1965年代は23%だった。それが80年代に入ってから30%台となって、今では50%近くになっている。泉市長は、「~国民は諸外国並みにすでに十分過ぎるほど負担をしている。にも拘わらず、子育て支援も介護負担の軽減も一向に進まない。私たちのお金は、一体どこに消えているのだろう。江戸時代よりひどい時代に、私たちは生きているのかもしれない」と大分ご不満である。岸田政権が防衛費を倍増したら、五公五民どころか、六公四民、将来的には七公三民にまで国民の手元には、稼いだお金が残らないのではないかとの声も聞こえる。

 すべてが国会議員のせいであるとは言えないが、彼らに相当の責任があることは疑いようがない。国会議員になれる人がごく一部の階層の人たちに限られるようになったことが、国会議員の劣化を招いている。その最たるものは、世襲議員である。国会議員たる資質がなくても、知能が足りなくても、或いは勉強しなくても国会議員の子息や親族にとっては、他の立候補者よりも当選し易い選挙制度と環境になっていることである。彼らに言わせれば、誰でも自由に立候補できる権利が保証されている筈だと言うだろうが、票に結び付くコネなるものは、長年の世襲によって培われたものである。従って、この悪循環を排除するためには、厳しいかもしれないが、現職議員を辞めた次の選挙では、その子息や親族に一定期間立候補出来ない制約を設けることも一つの方法だと思う。平成に首相になった世襲議員は、16人中10人もいて、更に広義に捉えれば、12人にもなる。政界のトップである首相の75%以上が世襲首相ということだ。こんな組織は他にはないと思う。これはどう見てもおかしい。

2023年2月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5765.2023年2月24日(金) ロシアのウクライナ侵攻から1年

 5日前に我が家の白梅がちらほら開花し始めたが、今日起きて外を見ると大分花が開いている様子を見て、漸く春がやってきたのだと実感させられる。

 今日の朝日朝刊都内版に自由が丘にバンクシーが出現?と出ていた。あのどこからともなく忽然と現れ壁に特異な絵を描いて立ち去る謎の覆面芸術家が描いたと思わせる絵が、自由が丘駅前の創業100年の書店の横壁に描かれているというのである。ちょうど銀行に所用があったので、書店へ寄ってみると壁の前に三々五々人が集まり写真を撮っていた。雲に乗った子どもが持つ釣りざおの先にハートが結ばれている図柄であるが、これはバンクシーではなく、日本人グラフィティ・アーチストに明日、明後日と開かれる自由が丘猫祭りのPRに書店店主が依頼して描いてもらったものだという。

 こうしたユーモラスな試みは、心を和ませるので、コロナ渦や、物価高騰、防衛費倍増、ウクライナ戦争などの嫌なニュースが溢れる中でホッと一息つくことが出来る。このバンクシー的画像はいつまでこのままにしておくのだろうか。

 さて、思い出すだけでも憂鬱になるロシア軍のウクライナ侵略が始まってから、今日でちょうどまる1年である。ウクライナ、ロシア双方にはそれぞれ言い分と強いこだわりがあるだろう。今日の新聞には、侵略が始まった原因や経緯、ロシアの狙い、欧米各国の支援態勢、避難民の行方、等々について多くのスペースが割かれている。

 昨日国連総会では、ロシア軍に無条件撤退を要求し、ウクライナの永続的な平和の必要性を強調する決議案を141か国の賛成で採択した。決議案は日本、アメリカなど50か国以上が共同提案国となったものだ。反対票を投じたのは、当事国のロシア、ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、マリ、ニカラグア、シリアの7か国だった。中国は、インドなど32か国は棄権票を投じた。残念なことにこの決議には、法的拘束力はないが、それでもロシアが国際社会の中で孤立している印象をアピールするには効果的だと思う。

 しかし、どう見てもロシアの殺人者的傍若無人ぶりの侵略に、これほどロシアへの支持国があるのが理解出来ない。それはロシア国内におけるプーチン大統領の支持率にも似たように首を傾げるところがある。昨年の侵攻開始以来多少下がったようだが、プーチン大統領支持率は、今ではほぼ80%前後を維持している。とても素直には受け取れない。プーチンの身勝手で自己本位の言動が正確に国民に伝えられていないからでもあると思う。偶々今朝の「天声人語」に「自由のない社会では、為政者の言動に沈黙で応じるばかりか、称賛の拍手を送らねば身の危うい時もある」と書かれていたが、今のロシアとロシア国民を象徴している。

 両国の死者も増え続けているが、ウクライナの発表したロシア軍の死者数は14万4千人、イギリスが発表した数は4~6万人で、ロシアが公表した死者は6千人である。ロシアが過少に公表していることは明らかである。

 日本にもこんな話もある。ウクライナ避難民を日本も受け入れていて、スポーツ選手に合宿の機会を提供している。1例として、新体操のウクライナ選手に対して群馬県高崎市がその機会を供与している。そこへ敢えて渡辺守成・国際体操連盟会長が訪れ、ウクライナ新体操選手と話をした時、彼女らからロシア選手とは同じカーペットの上では試合をしたくないと言うことを聞かされた。これに対して、心の痛みは理解出来るし共有すると話した後に、スポーツは友情と連帯、そして平和を求め続けるべきで、憎しみは新たな憎しみを生むだけだと話したところ、自分に向けるまなざしが希望から落胆、そして憎悪に変わっていくのが分かり辛かったと渡辺会長が語っていたそうである。それほど戦争の傷跡は若い選手の心の中にまで突き刺さっていると感じたようだ。

 戦争はやってはいけないし、絶対阻止すべきである。この単純なことが分からなくなるのが、戦争に向かっていく人たちの心の混乱なのだ。岸田首相も戦争を知らない世代で、防衛費を増額して、敵基地攻撃能力を備えるなど戯けたことを実行しようとしているが、いつの間にか戦争にのめり込んでいるのではないかととても気がかりである。

2023年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5764.2023年2月23日(木) ユダヤ人「命のビザ」に隠れた協力者

 今日は天皇陛下63歳の誕生日である。一般参賀は、新型コロナウィルスの影響から天皇即位後初めて行われた。昨年の今日のブログにも書き込んだが、大学2学年当時大学の山仲間とスキー・ツアーで新鹿沢温泉へ向かっていた時、仲間のひとりがラジオから当時の皇太子誕生のニュースを聞いた。あれから63年が経過したということになる。今や世界には皇室、王室が存在する国は少なくなった。その中でも最近はイギリスの王室内のトラブルが話題になって国民から広く敬愛される王室は減りつつある。その点では、日本の皇室は大きな問題もなく、国民からの信頼は強いものと思われる。宮内庁では今後広報活動を充実させ、皇室のありのままを国民にアピールし、更に信頼を勝ち得るよう努める意向のようである。

 さて、意外なことを知った。戦時中「命のビザ」を発行して大勢のユダヤ人を救ったリトアニア・カウナスの日本領事代理だった杉原千畝の行動は、ユダヤ人の母国イスラエルばかりでなく、世界中で人間愛の気持ちを抱く多くの人々に称賛されている。私も6年前に当地を訪れて杉原が勤務した領事館をはじめ、いくつかの関連施設を見学した。意外だったのは、杉原はユダヤ人に日本の通過ビザを発行したが、彼らの身分証明書上に同時に目的地のビザも並んで押印されていたことだった。これは杉原と同様に当時リトアニアに駐在していたズワルデンダイク・オランダ領事に依って発行されたものである。確かに目的地のビザがなければ、杉原が発給した通過ビザの効力も疑問である。そしてその目的地とは、カリブ海に浮かぶオランダ領のキュラソー島だった。ベネズエラまで60㎞ほどの小さな島である。

 ユダヤ人にとって幸運だったのは、ユダヤ人にとってはナチに侵略されて反ユダヤの空気が漲り厳しかったであろうヨーロッパにあってオランダはやや友好的だった。このような人間愛に溢れた外交官がリトアニアに2人もいて、ともに彼らの旅行に便宜を図ってくれた。オランダ領事による目的地ビザ発給の協力がなければ、杉原のビザ発給も意味を持たない可能性もあった。実際ユダヤ人たちは、必ずしもキュラソー島を最終目的としたわけではなく、途中でアメリカやその他の国へ入国した人が多かったと見られている。その意味で2人の外交官の連携があったからこそ、数千人と言われるユダヤ人の命も救われたと言えよう。キュラソー島は、今もオランダ王国の構成国で、当時はオランダ人総督の許可さえあれば、容易に入国出来たという。

 それにしても、これまで日本国内では杉原による緊急ビザ発給ばかりが伝えられ、隠れた協力者だったオランダ領事についてはほとんど知らされなかったが、事実は、2人の緊密な連携プレイにより多くのユダヤ人の命が救われたということに、新たな感動を覚えた。

2023年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5763.2023年2月22日(水) ロシア、一方的に米ロ核軍縮条約を停止

 昨日ロシアのプーチン大統領が年次教書演説を行い、ロシアの安全を確保するためと称して米ロ間の「新戦略兵器削減条約」(新START)の履行停止を表明した。同時に明後日が侵攻以来ちょうど1年になるウクライナ侵略は、2014年にウクライナに誕生したネオナチ政権に東部ドンパス地方の住民が攻撃されてロシアに助けを求めていたため、ロシア軍はウクライナに介入したので、戦争を仕掛けたのは、ウクライナ側でありロシアは終わらせるために武力行使しているとの身勝手な主張を述べた。西側諸国では、ロシアはいずれ敗れるとの見方をしているが、プーチン大統領はあくまで強気に、アメリカを主とする西側陣営を非難している。ウクライナを舞台にしたロシアと米欧との対立、さや当ては、今後も続けられることだろう。それにしても我々の目から見るとロシアの主張は、身勝手過ぎてもう少し本当のことを言えと言ってやりたい。

 さて、一昨日日本が北朝鮮の弾道ミサイル発射について、国連安保理事会に緊急会合を要請し、直ちに開かれたが、アメリカが北朝鮮を非難する議長声明案は、常任理事国の中で、案の定北朝鮮の後ろ盾である中国とロシアが、北朝鮮が挑発行為を繰り返す原因はアメリカにあると反対し、一致した声明を出すことは出来なかった。この動きを見ると今後も北朝鮮がいくら派手にミサイルを日本近海に発射しても、中ロは北朝鮮を擁護し続けることであろう。

 ついては、国内問題であるが、岸田政権になって以来、原発に対する見方や規制・措置が随分緩やかになったと受け止めていたが、その影響だろうか、朝日新聞が最近行った世論調査では、ついに原発再稼働について賛成意見が51%となり、東電福島第1原発の事故後、初めて過半数になった。反対は42%だった。あれほど甚大な被害を与えた福島原発に対しては圧倒的に反対が多かった。その後賛成者は概ね3割前後、反対が5~6割だった。だが、次第にその差は縮まり、今回ついに賛成者が反対者を上回ってしまった。もう2度と事故は起こさないという名の下に念には念を入れて備えを充実させたところで、日本は地震大国である。万が一にも、東日本大震災時を上回る大地震が襲来したらどうやって原発事故を防ぐのだろうか。

 原発賛成が上回った根拠の背景には、電力料金の大幅な値上げがあり、そこに隠されている「原発設備の充実、稼働が値上げを抑止することができる」との甘い囁きが、消費者に強く訴えているのではないだろうか。電力会社のなりふり構わぬ料金値上げ作戦が功を奏しているようである。そのしわ寄せは、いつの日にか原発施設近くに住む人々を襲うことになるのではないかと懸念される。

 嫌な話題ばかりが目立つが、微笑ましいのもある。パンダ大好き人間にとっては悲しいニュースであったようだが、昨日上野動物園で生まれ育った5歳のパンダ「シャンシャン」が、中国に返還され、別れを惜しむパンダ愛好家の間では大騒ぎだった。その後無事中国に到着したようだが、今日も和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」のパンダ親子3頭が中国へ返された。テレビでも放映され、まるで大物人物が日本を去るかのような画像だった。カナダでも2年前に借りたパンダを中国に返還した。日本もすんなり中国に借りたパンダを返したが、フィンランドでは2年後に返還期限がやってくるのだが、その前に返還しようかと悩んでいるようだ。それは賃借料があまりにも高額であることから、とても収支上採算が合わないとの理由のようである。フィンランドの賃借料金は年間2億円というから巨額である。近日関係者が結論を出すようだ。パンダも甘い話ばかりではないということである。

2023年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5762.2023年2月21日(火) 日本遺族会長の旭日大綬章受賞祝賀会に出席

 いま岸田政権は、防衛費をアメリカの要望を聞いてアメリカ製兵器を購入しつつ、GDPの2%という大軍拡を実施しようとしている。5年間で43兆円を防衛費に投入する腹積もりのようだ。年々人口が減少し、今では岸田政権にとって少子化対策が重点政策の最大の課題となった。ところが、子どもを育てている家庭にとって一番の負担である教育費への公的支出2.8%は、対GDP比で経済開発協力機構(OECD)37か国中36位と言う過少ぶりである。あまりにも低次元な少子化対策であり、こんな施策を重点政策と見ているようだが、防衛費拡大、教育費削減で人口を増やし将来の課題を解決していけるのだろうか。

 地味ではあるが、もうひとつ国内には大きな問題がある。酪農の危機と言われ酪農家を苦しめている問題である。ご多聞に漏れず、酪農家にとっても肥料、飼料が2年前に比べて5割も値上がりしているという厳しい現実がある。酪農振興のために政府は機会あるごとにこれまで乳牛を増やすことを奨励してきた。1980年ごろは、農林水産関係予算は3.7兆円、防衛費は2.5兆円だった。それが2023年度予算では、農業予算は2.3兆円に減少している一方で、防衛予算は6.8兆円と逆転している。欧米では、生産コストが上昇した場合、コストと乳価の差額を国が補填しており、アメリカではほぼ9割を補填しているという。それが、日本では苦しいなら乳牛を処分すれば、補助金を支給するという農業の振興とは逆の施策を持ち出している。政府は数年前に乳牛を増やせと要求したにも拘らず、今では生乳の需給調整を口実に乳牛1頭処分に対して20万円を支給して、全国で4万頭を処分するよう要請している。これでは年間四季昼夜を問わず乳牛の世話を焼いて一朝一夕にできる仕事ではない酪農は堪ったものではない。現岸田政権には、農業、特に酪農業に精通している政治家がいない。酪農がいかに長い期間に亘って努力を続けなければならないのかが分かっていない。私自身亡父がずっと乳業会社に勤めていて、常に牛乳が健康に良いかということを散々聞かされていた。それだけに酪農業の発展について強い関心を抱いてきた。物価の高低によって簡単に乳牛の需給を調整するなんて安易な発想が生まれてくるようでは、日本の酪農の将来も危ういものである。

 現状では、政府は酪農に発展的、かつ安定的な保障を行うことに後ろ向きである。酪農家の苦労が分かるような気がする。酪農こそ国が景気に左右されない堅実な百年の計を立てるべきである。

 さて、旅行会社に在籍していた当時、旧厚生省太平洋戦没者遺骨収集事業に約20年間に亘って深く関わっていたが、その時日本遺族会担当者だった水落敏栄さんとは毎年一緒にサイパン島に渡っていた。その水落さんが、元参議院議員、現日本遺族会会長として昨秋最高の栄誉である旭日大綬章を受賞された祝賀会が、今夕九段会館で開かれた。元同僚とともにお祝いに駆け付けた。水落会長とは懐かしい昔話もして再会できたことを大変喜んでいただいたが、とにかく出席された参加者の顔ぶれにはびっくり仰天だった。発起人が、橋本聖子元東京オリンピック組織委員会会長で、冒頭の祝賀挨拶が林芳正外相、その後に大物大臣が延々と小1時間も続いた。加藤厚労相、西村経産相、谷国家公安委員長、高市国務相、参議院議長、古賀元自民党幹事長、らが続いた。そして、途中で岸田首相まで駆けつけてくれた。首相のご挨拶を耳にするのは、今月3日にミクロネシア大使館新築移転披露レセプション以来2度目である。これだけ大物が集まるパーティなんて滅多にあるものではない。

 他に出席された衆参議員の紹介があったが、会長の人脈には流石と驚いた次第である。衆参国会議員だけでも50人近くもおられたのではないかと思う。水落会長もご満悦の様子だったが、高校卒業後就職され、その後日本遺族会に奉職され、長年戦没者ご遺族のために誠心誠意尽くされておられた。ここまで上り詰められたのは、会長の努力であり、実力だったと思う。こういう人の知遇を得られたというのは、望外の幸せである。政治家が多いレセプションではあったが、心楽しくなるパーティだった。これも水落会長のお人柄であろう。

2023年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5761.2023年2月20日(月) ロシアは経済制裁に苦しんでいない。

 一昨日に次いで今朝もまた北朝鮮がミサイルを連続して3発も打ち上げたとNHKが発表した。ところが、韓国軍合同本部では2発の短距離弾道ミサイルが発射されたと発表した。それはともかく昨日米韓空軍が合同訓練を行ったことと、日米合同訓練に対する反抗的仕打ちのようだ。どうも北朝鮮の行動は子どもじみている。傲慢な金与正・朝鮮労働党副部長は、「太平洋を我々の射撃場として活用する頻度は、米軍の行動の性格にかかっている」と述べ、今後もミサイルを太平洋に向けて撃つ可能性を示唆した。このように太平洋が自分たちの庭であるかのような発言をしたが、目の前の日本の領土や領海を無視し、国際海域を自国領海と考えているような考えでは、当分発射は止めないだろう。国内に貧しい人々が数多くいるのに、国費の無駄遣いであるミサイルをいつまで打ち上げようというのだろうか。愚かな人たちである。

 日本政府は国連安保理事会に対して、直ちに緊急会合の招集を要請し、早々に会議が開かれるようだ。

 さて、ロシア軍のウクライナ侵略が激しさを加えて、支援するNATO加盟国の中でもそのやり方に温度差が生まれているようだ。今後戦いが長引けば、NATO内部での対立にも発展しかねない。一方当事国のロシア国内では、多くの世界各国から経済制裁を受け、いずれロシアも経済的に立ち行かないことになり、音を上げると見られていた。実際欧米企業はロシアから事業を撤収し、彼らの製品はロシアでは見られなくなった。ところが、実態はそうでもないようだ。国際通貨基金(IMF)は、ロシア経済の見通しの上方修正を重ねている。昨年12月時点のロシアの失業率は3.7%で、フランスの半分だという。モスクワ市内では、戦争の暗い空気はまったく感じられず、商店街は賑わっており、販売を禁止した筈のドイツ製ポルシェや、iPhoneのような外国製ブランド商品も店頭に並んでいるという。

 「脱ロシア」を模索した欧米は、ロシア産原油に制裁を課して対ロ貿易を大幅に減らすことが出来た。だが、実際には制裁に加わらない国が多い。中国やインドはむしろこの隙を突いて貿易を大幅に伸ばした。この他に立ち回りの上手いトルコのように、21年と22年の11月分だけを比較しただけでも、ロシアからの輸入を55%も伸ばし、輸出も86%増やした。こういう火事場ドロボーのような国が存在する限りは、話し合いだけで取り決めても思惑通りには行かないものだ。

 鈴木一人・東大教授が、「太平洋戦争で日本は経済制裁を科されながらも、1941年から43年まではそれほど窮乏感がなかった。資源があるロシアはもっと対応力があり、1,2年の制裁で影響は出ない」と語ったようだが、制裁を科した当時はこのような発言をすることはなかった。そう考えるなら、その時に言えよと言ってやりたい。これは学者のご都合主義感覚ではないだろうか。

2023年2月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5760.2023年2月19日(日) ミサイル乱射の北朝鮮を擁護する中国

 今朝起きて庭を見ると待ち焦がれていた白梅がいくつか花を咲かせていた。今年の開花は遅いなぁと思っていたところでもあり一安心である。近所の世田谷緑地園の白梅は大分前から花を咲かせていたし、昨日のテレビ放映で観た小田原近郊の曽我梅園では、紅白の梅が満開で今が見ごろだったので、我が家の梅は大分遅れていると感じていたところである。これから一気に満開となって欲しいものである。さすれば、鶯のホーホケキョも聞かれることだろう。芭蕉の弟子、服部嵐雪の一句「梅一輪  一輪ほどの  暖かさ」が身近に感じられる。まさに春近しである。

 さて、昨夕北朝鮮がまたもミサイルを発射し、日本の排他的経済水域の内側に落下したというからその傲慢で身勝手なやりようには腹が立つ。打ち上げたのは大陸間弾道(ICBM)「火星15」で、すでに今月8日の軍事パレードで披露済みのものであるが、能力的にはアメリカ大陸を射程距離内に収めているという。毎度強気な北朝鮮当局は、金与正朝鮮労働党副部長が「アメリカは北朝鮮に対して敵対的ではなく対話への扉は開かれているとして世界を欺くのは止めた方がよい。わが国の安全を脅かすすべての行動を止めるべきだ」と一方的なコメントを発表したが、仕返しをしたのはアメリカに対してではなく、日本に対してである。何故日本に向けてミサイルを放つのか。このことをよく考えて欲しい。アメリカの行動がお気に召さないと言っては、日本に向けミサイルを発射されたのでは溜まったものではない。こういう無法国家がのさばっているようでは世界の平和への障害になる。その平和破壊国家を中国とロシアが援護しているからこそ北朝鮮は思いのままに行動しているのだ。特に中国は近年世界の大国と言われて思い上がり、その度合いは限度を超えている。その中国が、ウクライナ戦線で相当な被害を出し、兵器の消耗も激しいロシアに対して武器の供与を検討しているとの情報があり、ミュンヘン安全保障会議の場で、ブリンケン国務長官が中国の王毅政治局員に対して、米中関係に深刻な影響を与えるとして懸念を示した。

 ところが、王毅氏は話を逸らして中国の気球がアメリカ国内でアメリカ軍が撃墜したことについて、気球がアメリカの領空に入ったのはあくまで事故だと主張し、むしろ気球を撃墜したアメリカの行動に対して武力の乱用だと厳しく批判した。この王毅氏の発言と対応を見ていると今の中国人には礼儀とか、常識がまったく身に備わっていないのではないかと思わざるを得ない。仮に事はどうあろうとも、最初に間違って他国へ侵入しようがしまいが、他国へ越境行為を犯したことは事実であり、まず謝罪し、説明するのが普通の常識である。それを相手国であるアメリカが、中国の気球を撃墜したことだけを非難するのはおかしい。しかも侵入する前にその越境する予感があるのであれば、その時点でアメリカに通知するべきではないだろうか。それを気球がのんびりアメリカ大陸を横断するのを伏せておいて、アメリカに領土侵略ということで撃墜されたからとて、アメリカが黙って黙認するわけがないではないか。毎度のことではあるが、今回も中国の常識外れが騒がれただけである。その非常識な中国が、世間知らずの北朝鮮や、侵略国家ロシアのお助けマンになっている。いずれ世界中の笑いものになるのではないか。

2023年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com