5610.2022年9月22日(木) 国連安保理事会の機能不全と日本の政治

 昨日岸田首相が国連総会で一般討論演説を行った。スピーチでは、ロシアのウクライナ侵攻を強く非難し、安保理事会など国連機構の改革の必要性を訴えた。日本は来年1月から安保理の非常任理事国を務める。国連機構改革のひとつは、5大理事国の拒否権行使に対する制度改革を求めたものである。「国際平和への脅威・平和の破壊及び侵略行為」を多くの国々が避難しながら、安保理が常任理事国の5大国の拒否権の行使によって機能しなくなるのが現実である。

 それは今年3月の国連総会緊急特別会合でロシアのウクライナ侵攻に対して、ロシアは直ちに占領地域から撤退するよう求めた日本を含む96か国の共同提案による非難決議を、常任理事国であるロシアが拒否権を発動したことにより、機能しなかったことから不満と疑問を呈せられた。この共同提案は、193か国中、賛成国は141か国で反対票を投じたのは、ベラルーシ、ロシア、北朝鮮、エリトリア、シリアのたった5か国だった。中国及びインドは、他の33か国とともに棄権した。

 5大理事国の賛意を得られなければ、いかに多数国から賛同を得ても提案は実現しないという多数決制度に逆らう前近代的なシステムを制度として生かしている国連事態の機能不全と非民主性を象徴しているようなものだ。

 岸田首相の提案が一歩でも前進し、最終的に5大国優位制度を排除することが出来るなら首相の努力が報われることになる。ところが、その岸田内閣の支持率が国内では思わしくない。数日前毎日新聞が行った世論調査によると、内閣支持率は「危険水域」とされる20%台まで落ち込んだ。7月には、支持率52%だったものが、8月には36%、9月には何と29%へ急降下してしまった。岸田内閣不支持率が高い大きな原因は、ひとつに7月に安倍元首相が殺害され、閣議決定だけで元首相の国葬を実施することを決めたことであり、もうひとつは旧統一教会との関係が曝け出され今以て闇の中という実態がある。他にも物価の高騰に対する政府の対応の拙さや、コロナ禍に国の対応の遅れなどの理由があるが、旧統一教会の関係と元首相国葬実施が大きく影響したものと思われる。

 ところが、この時期に立憲民主党と日本維新の会が、合意内容は限定的であるが、来る臨時国会で共闘に合意したというニュースには些か首を傾げた。いかに自民党がふらついているにせよ、日ごろ非難の応酬合戦を繰り返しているやや左寄りの立憲民主党が、右翼の日本維新の会と仮に条件付きとは言え、手を結ぶとは馬鹿げている。

 とにかく一番真面目に仕事をしない「人種」は政治家で、高いお手当をもらいながら、怪しげな宗教団体の言いなりになって世間を騒がせている。しかも怪しい行動歴が後から後へと暗闇から明るみに出され、闇は限りなく深い。内閣不信や国家の機能不全は、明らかに彼ら政治家の責任である。国会は休会が多いが、衆議院議員は465人、参議院議員は248人もいる。いっそのこと議員数を現在の半分程度に削減出来ないだろうか。

2022年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5609.2022年9月21日(水) 日本とミヤンマーの絆が切れるか?

 昨日防衛省がミヤンマー国軍から幹部や幹部候補生の留学生を受け入れることを来年度から停止すると発表した。しかし、ミヤンマーとの交流は過去の歴史的背景から考えてそう簡単に断ち切れるものではないと思いつつ、残念ながら現状ではこの決断を受け入れざるを得ないと思っている。

 昨年2月にミヤンマー国軍が、アウンサンスーチー国家顧問が支配していた民主的な政権を軍事クーデターで倒し、ミンアウンフライン国軍最高司令官が国の全権を奪った。スーチー氏ら民主派政権幹部を拘束し、民主派議員や知識層を追放し、国内に戒厳令を敷いて、市民と軍事政権との対立を煽り多くの犠牲者を生んだ。国際世論は反民主的で暴力的な国軍にスーチー氏らの身柄を解放するよう要求しているが、国軍はスーチー氏への強い国民の支持を警戒して応じないばかりか、次から次へとスーチー氏に対して国家反逆罪などの罪を被せて、身柄を拘束したまま重刑処分を課している。

 日本をはじめ国際世論の非難が厳しい中で、ミヤンマーは外国から多くの制裁を課せられている。防衛省がミヤンマーから毎年留学生を受け入れていることに関しても、これまでも国際人権団体などから批判が出ていた。ここへきて、7月に国軍は民主派活動家ら4人を処刑したり、昨日は空軍機がサガイン地区の小学校を空爆して11人の小学生を死亡させた残虐行為に、遂に防衛省もこのまま留学生を受け入れることに構っていられなくなったのだ。

 1971年初めて当時のビルマを訪れて以来、公私ともにミヤンマーを度々訪問し、ミヤンマーの人びとと個人的に深く交流を重ね、他の国との付き合いとはまったく異なる、彼らの優しさに触れ親しい間柄となった。戦没者慰霊団で何度も訪緬する度にビルマ軍高官や、政治家にもお世話になった。彼らの中には戦前日本の航空士官学校へ留学していた軍人が多くいた。スーチー氏の父親で「ビルマ独立の父」として国内で尊敬されているアウンサン将軍も、日本の陸軍士官学校へ留学した時期があった。72年に加藤隼戦闘隊ビルマ慰霊団には、片足を失いながら「隻脚のエース」として戦闘に加わり、後に航空士官学校講師として多くのビルマ人留学生を教えていた檜与平氏が同行された。その折元教え子のウチッキン情報局長がこれを伝え聞き、唐突に迎賓館で豪華なレセプションを催して歓迎してくれた。現地のメディアにも大きく取り上げられ、当時の鈴木孝ビルマ駐在大使を驚かせたことが懐かしく思い出される。

 戦後自衛隊が発足して間もなく日本は外国人留学生を受け入れるようになった。現在ミヤンマーをはじめ、17か国からの留学生を受け入れているが、現在のミヤンマー政府の非民主的軍事国家情勢から、遂に来年度以降受け入れを停止することになった。

 現在のミヤンマー軍事政権は、ロシア、中国を除いてほとんどの国々から非難、制裁を課せられているほど独裁的で非民主的であり、現状では防衛省の判断は当然と受け取られるのもやむを得ない。しかし、本来ミヤンマーの人びとは、他の国民とは一味異なる人間的な思いやりや優しさ、親切心を有しており、一部の軍人の行動によって全体として厳しい目で見られることは忍び難い。昔ながらの日本人とビルマ人との温かいつながりが、当面これで途絶えてしまうのかと思うと堪らなく寂しい気がしている。

2022年9月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5608.2022年9月20日(火) 英女王逝って英連邦国の未来

 エリザベス女王の国葬が終わり、国民の女王への敬愛の念の強さが、改めて認識され、イギリス、及び英王室はホッとしていることだろう。その一方で、かつては大英帝国として多くの海外植民地を掌中に収め、植民地支配を強化することによって多くの資産を搾り取り、住人を弾圧してきた悪しき歴史がある。

 56か国ある英連邦諸国に惨い歴史を繰り返さないためにも、イギリス国王を君主とする立憲君主制を反省する動きが急速に炙り出されている。懸念されているのは英連邦から離脱の動きがあることである。英連邦の主要国であるカナダ、オーストラリア、ニュージーランドは女王逝去からまもなく、チャールズ3世国王を正式な君主とする声明を発表している。しかし、カリブ海の小さな島国であるアンティグアバーブーダは、国民投票を行う方針を明らかにした。女王が亡くなってまだ日が浅いので、もう少し時が経過すれば、現実的な問題点なども浮かび上がってくるだろう。

 例えば、オーストラリアの通貨のように、現時点では紙幣にも、貨幣にもエリザベス女王の肖像が描かれている。女王の肖像をそのままにしておくわけには行くまい。アメリカの紙幣で1㌦=ワシントン、2㌦=ジェファーソン、3㌦=リンカーンなどが描かれているのとは事情が異なる。いずれにせよ、そのような現実的な問題を抱えている英連邦国は、自ら解決しなければならない。

 さて、アメリカのバイデン大統領は英女王国葬儀に列席する前日のCBCテレビ会見で、台湾海峡問題が緊迫化している中で、台湾に中国軍が侵攻した場合は、軍事介入し台湾を守ると明言した。実は、1978年米中共同声明では、「中国は1つで、台湾は中国の一部であるという中国の立場をアメリカは認識する」としている。しかし、アメリカは中国が台湾に侵攻した時、台湾防衛のため軍事的に関与するとはっきり応えている。アメリカは、矛盾というか、曖昧な言い回しを使って自国の論理を主張している。この発言に、「国家分裂を目的とした如何なる活動も容認しない」と中国側は直ちに反論した。この主張の背景には、近年の公海上の海洋進出など中国の反国際的な行動や、香港の中国化、台湾周辺での威嚇的戦力誇示に対してアメリカが支援の動きを示すことがなかったことから、中国がアメリカを甘く見て図に乗った構図を示したものとイメージさせる。そこへロシアのウクライナ侵攻に対して、中国がロシア寄りの姿勢を見せたことから、これまで黙っていたアメリカがこのまま中国の理不尽な言動を放置出来ず中国にお灸をすえたのではないかと思える。台湾問題に火が点けば、日本への影響も計り知れない。米中とも冷静になって、一触即発の空気を抑えた言動をしてもらいたいものである。

 今日も台風14号の影響を受け朝から断続的に雨が激しく降り、先日手術した白内障の検査のために訪れた東京医療センターの帰りに、それまで降っていなかった雨が不意に激しく降り出した。夕方まで陽が差したり、急に雨が降ったり落ち着かない天候の1日だった。この台風のせいで、昨日までの連休で観光地は大分目算が狂ってしまったようだ。不運にもコロナ禍の隙間の期待も裏切られてしまった。そして、今週秋分の日からの3連休も観光業者に期待を抱かせているが、気象庁によると再び3日間はずっと大雨の予報が出ているそうだ。お気の毒なことに観光業者にとっては泣くに泣けない。

2022年9月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5607.2022年9月19日(月) エリザベス英女王の国葬

 今日は敬老の日であるが、その敬老の日にイギリスでは去る8日96歳の天寿を全うされたエリザベス女王の国葬が行われた。日本より8時間遅れの時差のため、夜テレビで生中継された国葬をゆっくり観ることが出来た。世界各国から多くの国家元首や王室関係者が参列されていたが、イギリスとの外交関係がなかったり、友好的でない国へは招待状が送られていない。英王室と長い交流がある日本の皇室から天皇・皇后両陛下が列席されたが、テレビはイギリスのBBC独占放送によるものだったため、両陛下のお姿が特別に画面に現れることはなかった。

 ところで、招待されていない国は、ウクライナ侵攻の主役であるロシアとそれを支持するベラルーシ、クーデターで軍人が政権を奪取したミヤンマー、シリア、ベネズエラ、アフガニスタンである。国葬が行われたウェストミンスター寺院には、列席者が入り切れず、1国からは招待者と連れ合いの1組しか参列出来ない。珍しいことに国を代表する元首や首脳が国葬の場まで移動する手段として、英王室はシャトルバスを利用するよう勧めている。天皇・皇后もこれを利用したようだ。専用車で移動するのは、バイデン米大統領夫妻とイスラエルのヘルツォーク大統領の他に数人と言われている。トルコのエルドアン大統領なぞは、専用車での移動を申し入れたが、断られて出席を断念し、代わりに外相が出席するという。

 国民から敬愛された女王に最後のお別れをしたいと沿道には、多くの人が群れを成していた。国葬の場では、やはり厳かな空気が流れていた。ただ、イギリスの宗教はイギリス国教であり、カンタベリー大僧院の大主教が司祭を務めた。そのせいか欧米の葬儀で普遍的に見聞される讃美歌合唱や、胸元で十字を切るジェスチャーは見られなかった。

 エリザベス女王に対するイギリス国民、及び世界中の人びとからの敬愛の念は想像以上に強く、亡くなられてから弔意を示すために棺をお参りする人々の長い列は、ロンドン市内で延々16㎞に及んだという。ただ、王室にとっては、一時国王チャールス3世が皇太子時代にとかくの好ましからざる言動によって国民の反発が強まった時があった。今日曲がりなりにもチャールス3世を新国王として受け入れるようになったのは、女王のチャールズ皇太子を後継者にとの強い気持ちと、周囲に彼が国王として相応しいとの根回しを行った温かい思いやりがあったからだと思う。

 日本国内ではこの数日巨大台風14号の襲来に天候が脅かされていたが、普段は天候があまりすっきりしないロンドンの空に太陽が現れたのは、女王の御威光ではないだろうか。

 国葬が終わってホットしているイギリス王室にとって、この後オーストラリアのように英連邦の立憲君主制をこのまま維持すべきかとの議論の観察と、恒例通りチャールス国王の戴冠式を行わなければならない。前例からして、恐らく戴冠式は来年実施されることだろうが、どんな戴冠式になるだろうか。1953年に行われた女王戴冠式は、その映画も観てよく覚えている。とかくの噂のあるチャールス国王であるが、最近国民の人気と評価も少し上がってきたという。誰もが唸るようなチャールス国王ならではの戴冠式をやって、国民を納得させて欲しいものである。

2022年9月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5606.2022年9月18日(日) 過去最大級台風14号の影響で朝から雨

 朝から断続的に激しく雨が降って台風14号の影響が遥か関東地方にも及んでいる。今月初めには九州地方を襲った大きな台風11号がのろのろと停滞していた。今日九州地方を襲った台風14号は、11号の後にやや遅れて12号、13号と同じころに発生しながら、この14号だけが生き残りじわじわと沖縄から九州を窺っていた。

 正午のNHKニュースは、鹿児島、宮崎からの現地中継を交え台風関連のニュースだけしか放送せず、そのまま「素人のど自慢」の放映時間にまで食い込み、1時まで台風だけのニュースしか伝えなかったほど台風一辺倒番組になってしまった。

 大げさとも言えるほど強力な台風を思わせる14号は、気象庁によると過去最大級のもので、沖縄を襲ったころは気圧が910ヘクトパスカル(hPa)という超弩級だったのには些か驚いた。午後7時になって九州に上陸して930hPaとなりほんの僅か衰えたが、かつて2大台風と言われた1961年の第2室戸台風が925hPa、その前年59年に襲来した伊勢湾台風が930hPaだったことを考えると気象庁の「過去最大級」とか、「数十年に1度しかないような災害を与える危険」のような過大な表現を見過ごすわけにいかない。実際これまで経験したことがない暴風や高波、高潮が予想されるとして奄美大島を除く鹿児島県全域に特別警報を出した。宮崎県には線状降水帯が発生した。JR九州では明日の九州新幹線の運行を始発から中止する。

 今後14号は北北西に向きを変えて明後日には関東地方にやって来るようだ。今日1日中断続的に激しく雨は降り続いている。そこへ午后まで発令される有様である。それにしてもNHKの台風報道はやや過剰過ぎる。大相撲中継を普段観たことのない他のチャンネルへ押し出すようなやり方で、30分間相撲を観られなかったし、夜のサンデー・スポーツも台風情報が放送され、大幅に遅れて放映されたくらいである。

 さて、今月29日に日中国交正常化50周年を迎える。国家同士の友好を祝う記念すべき年を迎え、本来なら両国の間で今後も友好国としてともに発展すべく祝典行事を行うところである。しかしながら、現在日中間の外交関係は必ずしも友好的なものとは言えない。その最たる理由は、中国側にある。近年経済力を背景に途上国へインフラ投資で資金を貸し付け、債務国を縛り付ける「一帯一路」政策や、海洋強国を目指して公海への領海進出などで、南シナ海沿岸諸国や欧米から警戒され、日本との間でも東シナ海の領海侵犯など、中国との前向きな話し合いは中々進まないからである。

 中国は、元々国連重視を唱え、すべての国の主権と領土を尊重すべきであると主張していながらこれまでの中国の行為は、意に反してとても信用出来るものではない。特にロシアのウクライナ侵攻に際して、多くの国々の期待と要望を裏切ってロシアに秋波を送って来た。当然ロシアに対する制裁には参加せず、行き場を失ったロシアの資源輸出の主要な受け皿になっている有様である。日欧米がロシアに厳しく対峙している中で、中国はそのロシアを精神的にも物理的にもバックアップしているのだ。

 こういう中国政府と国交50年を迎えることになったが、今後覇権国家となった中国政府とどう向き合って国交正常化を深めていったら良いのか。一向に先が見えないが、国民の関心も高いこと故、政府にはこの機会に是非ともこれからの「対中国政策」について国民に分かり易く説明してもらいたいものである。

2022年9月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5605.2022年9月17日(土) 新しい世界が目の前に開けた!

 「わぁ!綺麗だなぁ!」というのが、今日右眼の眼帯を外した直後の率直な気持ちである。昨日の朝右眼の白内障手術を受けてから、右眼はずっと眼帯で塞がれ狭い世界にいた。それが、明るくはっきりした現実の世界へ戻って来たのだ。まさにこれから新しい世界が始まるかのように感じた。それほど眼鏡のレンズを通さず自分の眼で外をはっきり見ることが出来た感動は大きい。かねがね白内障の手術を終えた友人らから以前に比べて大分はっきり見え、視界が広がったということを聞き、実際自分自身2年前に左眼の手術を受けて、よく見えるようになったなぁと感慨深く思っていたところだ。それが、現実に右眼の手術を終え、改めて今日手術後の検査で眼帯を外した時、新しい世界が始まるような明るい世界が自分の前に現われたような気がした。3日後に再び検査を受けるが、多分このままの状態であれば、眼鏡の必要がなくなるのではないかと密かに期待している。

 看護師の方から目のテストを受けていた時、あまりにも感動したような表現をしたため、つい話が脱線して、眼鏡をかけるようになった大学受験時代の思い出をノリでしゃべってしまったほどである。高齢者になるに従い、肉体的にはすべての面で退潮気味になるのが一般的で、老眼と言われる視力の減退ほど露骨に現れる。その点で両眼がはっきり見えるようになったということは、ラッキーだと思っている。

 ところで、世界的に高齢者が多い日本では、その点でいろいろ話題になることが多いが、今日新聞で知ったのは、2021年国内で100歳以上の高齢者が実に9万人を突破したということである。この内女性が8万人強で89%である。この100歳以上の高齢者は老人福祉法が制定された1963年には僅か153人しかいなかった。それがこの58年間に600倍近くも増えたことになる。これは国家支出にも当然大きく影響を与え、昨年度医療機関に支払われた医療費は、約44兆円強に当たり一般会計予算の約40%で、1人当たりでは35万円になる。高齢者の数が増えることは決してマイナス面ばかりではないが、少子高齢化社会と言われるように、生まれる子どもの数が年々減少していることと、結婚をする若者の数が減っていることも人口動態がアンバランスになる要因となっている。

 しかし、高齢化社会は医学の進歩のお蔭もあり、長生きは昔から祝われる目出度いことでもあり、この現象自体を止めることは出来ない。むしろ少子化社会をどうして解消していくのかと言う点で、議論が尽くされ、国としても打つべき手を充分打ったのか、疑問の残る点である。経費だけの問題を考えれば、防衛費への過大な支出が国家財政を厳しくしている観点からも最も筋が通らないことである。防衛費は確実に国家のために機能的に活用されると保証出来る支出ではなく、はっきり言えば予備費的なもので、医療費などの複利厚生費などとは自ずから異なる。しかもアメリカの言いなりによって高度な防衛施設を購入することなどは、国家財政全体の観点からも必ずしも理解を得られるものではない。増え続ける福利厚生費には、それなりの歴史と説得力があるが、防衛費には国民が納得出来る根拠に乏しい。この辺りの議論をもっと進めてもらいたいものである。

2022年9月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5604.2022年9月16日(金) 右眼白内障手術を無事終える。

 今朝9時までに東京医療センターの手術室へ間に合うよう8時半前に家を出た。バスとのタイミングが悪く、発車したばかりで次のバスまで15分くらい待っていたが、これなら自宅から歩いて行けば良かった。

 血圧、体温の検査、点滴を受け、何度か目薬を指してもらい、予定通り右眼の手術成功を期待してベッドに横たわった。前回と同じ野田医師の手により手術を受けた。同じ医師の手によるものだが、前回は左眼を大分いじっているような印象を受けたが、今日は強い光線を当てられ少々まぶしく感じて少し印象は異なった。同じように30分程度で終わったし、痛みはまったくなかった。

 ところで、今日は右眼に眼帯を着けていて視界が狭いが、手術が成功となれば両眼ともに以前に比べれば、大分良く見えるようになる筈だ。現在両耳に補聴器、マスクのひも、眼鏡縁を着け、時には眼鏡が曇ることがあり、鬱陶しく思っていたので、これで普段眼鏡を使用しないようになれば、よほどすっきりする。受験勉強していた浪人時代に眼鏡を使用し始めてから65年も経つが、もう眼鏡を使用しないで済むよう願っている。

 明日も早く8時前に検眼に出かけて、20日に最終的にチェックして、眼鏡と今後もこのまま付き合うのか、或いは眼鏡とおさらばするのか、が決まる。

 目の治療が終われば、今通院している糖尿病クリニック、同じ東京医療センターの膠原病内科、かかりつけの内科医院への定期通院だけになる。糖尿病は2年以上通って基本の数値HbA1cが5.9~6の間をうろついているので、今やほとんど回復したと言ってもよい。膠原病の肩の痛みは消えたが、手指が痺れて拳骨が握れない変形性関節症は、高齢者特有の症状と診断されている。薬を飲んでいるが、回復の見込みは薄いと言われているのが、辛いところだ。内科は気休めに通いながら血圧チェック、内科的治療をお願いしている。毎年慶應病院で人間ドックを受診しているので、問題点を指摘されれば、例えば、前立腺関係の泌尿器科や、肛門科のような特定の医院で、その都度医師に相談するという健康維持対策を実行している。まぁ年齢も年齢だけに、常に絶好調というわけにはいかないだろうが、せめて日常生活で不自由を感じない程度の健康は保っていきたいと考えている。

 ただ、とても辛いことだが、この3年間ばかりはコロナ禍のために、海外へ行く機会がない。出来れば毎年ひとりで気ままに海外を彷徨ってみたいと思っているが、それが出来ないことが寂しい。このまま今のコロナ禍が収束しなければ、海外へ出かけるチャンスもなくなるのではないかとそれだけが気になっている。

2022年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5603.2022年9月15日(木) 中学校の恩師から厳しいアドバイス

 13年前に中学時代の恩師からいただいたハガキを読み返してみて、厳しいアドバイスに「普通の感覚ならそう考えるだろうなぁ」とある面で納得もした。その恩師は2年前冥界へ召されてしまったが、当時としてはそのご忠告はとても聞き入れられないものだった。2008年に韓国利川市で起きた倉庫火災事故を日本のメディアが報道しないことを私が批判した拙稿について、「なぜ、マス・メディアは真実を伝えようとしないのかと言う君の記事で初めて冷凍倉庫爆発事故で40名のお即死者を出していることを知りました」と私の言い分を評価していただいた。しかし、その一方でハガキの終わりの部分にこんな風に書かれている。「~旅もよいが、危険な国、危険な場所へは行くな!」と手厳しいご忠告をいただいたのである。私の海外武者修行を平素評価していただいていたが、それでも私の波瀾万丈な旅は危なっかしくとても黙っていられないという親心だったのだろう。

 京都市立中学3年生時の担任教師だった清水義一先生の愛情が籠った厳しいご忠告である。この中学へは、3年生になってから転入し、ちょうど1年後に卒業したので、それほど多くの思い出があるわけではないが、遊び友だちも沢山いて、嵐山と桂離宮にほど近く居心地の良い学校だった。清水先生は私があまり得意でなかった理科を担当されておられ、いつか試験問題でリアス式海岸と九十九里浜がどうして海岸沿いが違うのかという問いについて考えよとの問題があった。その時答えられず空欄のまま答案を提出した。その後答え合わせで、「君は、答が分からないのか?」と尋ねられた時に、咄嗟に「答は分かっていましたが、考えよと書かれていましたので、考えました」と返答したら、私の悪賢い返事を疑っていたかも知れないが、それなら良しと言って私に点数をくれたことを懐かしく想い出す。そんなこともあったせいだろうか、時折手紙などでも首を傾げる問いをいただくことがあった。これもあれも懐かしい。これも少年時代の忘れられないメモリーである。

 8年前に京都新聞の「旧交歓談」欄に、卒業後65年を迎えた我々の学年同窓会が取り上げられた。同級生30人がお2人の恩師をお迎えして京都市内のホテルで同窓会を開いたのである。先生とは卒業後も手紙による文通こそ続けていたが、お会いしたのはその時が卒業後初めてだった。寂しいことにその時ご出席されたお2人の先生はすでにお亡くなりになった。親しかった友人の1人も旅立たれてしまった。今では同級生も83、84歳となり、後期高齢者として健康維持に気を遣っている。

 ついては、来月から後期高齢者は一部の人を除いて、医療費の窓口負担額1割が倍額の2割負担になるが、幸い過渡的な減額措置として、3年間は1か月の外来医療の窓口負担の増加額を3千円までに抑えるとの通達を今日区役所から受け取った。明日も白内障の手術を受けるように、最近医療費の支払い額が増えたので、これは大分助かる。

 うっかりして忘れていたが、今日は今から55年前に高輪プリンスホテルで妻とお見合いをした日である。当時は「敬老の日」だった。それに肖り老いても健康で幸せな月日を送れればと願っていたが、息子2人に孫5人に恵まれ、幸いにも皆健康である。それだけでも佳しとすべきであろう。

2022年9月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5602.2022年9月14日(水) 天皇・皇后両陛下、英女王国葬に参列

 19日に行われるイギリスのエリザベス女王の国葬に、日本から天皇・皇后両陛下が参列されることが決まった。17日に出発され、20日にお帰りになる。コロナ禍のせいもあり、両陛下には天皇即位後初めての外国訪問である。一時は雅子皇后の健康次第では、天皇おひとりで参列されると報道されていたが、幸い皇后が同行されると知り、ホッとしている。英王室と日本の皇室とは長い交流もあり、公式典礼にはお互いのロヤルファミリーの誰かが出席されていた。不運にもコロナ禍のせいで即位後外国のどこへもお出かけにならなかったが、今年は女王からお揃いでイギリスへ招待されていたので、タイミングが良かったと思う。これも女王の心配りのお蔭であろう。岸田首相は参列されない。

 ただ、ひとつ気がかりなのは、女王が崩御されてから連日多くの国民が弔意を示すために棺へ近づいているが、かつてはヨーロッパでもコロナ感染者が最多だったイギリスのことでもあり、一応備えはしているだろうが、テレビで観る限り他人との間隔が取られていない密集状態であり、加えてほとんどの人がマスクを着用していないことである。両陛下がコロナに感染することはないと思うが、お付きの宮内庁職員らにも感染しないことをただ祈るばかりである。

 さて、アメリカMLBエンジェルスの二刀流大谷翔平選手の活躍が華々しく、すでに2桁勝利に2桁ホームランを打ち、ベーブ・ルースの二刀流以来の選手としてアメリカでも大きな話題を浚っている。その後も勝利投手になり、ホームランを打てば、NHKニュースの合間にも紹介されるほどである。明るく人柄の良さそうな印象からアメリカ人ファンの間でも人気が高い。MLBに人気と話題をすっかり奪われたかのように、日本のプロ野球界が地味であまり話題にならない中で、昨夜ヤクルト・スワローズの4番打者で背番号「55」の村上宗隆選手が、巨人戦に55号ホームランを放った。王貞治選手が55号を放ったのが1964年だったから実に58年ぶりの快挙である。これには、久しぶりにテレビ番組も熱が入り盛り上がって伝えていた。

 日本人選手で50本以上を打ったのは、過去に52本を打った野村克也選手と落合博満選手のようなスター選手しかいない。それこそ久しぶりに各テレビ局がニュースの時間に紹介していた。この夏には、2試合に亘って5打席連続ホームランという離れ業までやってのけている。村上選手はプロ入りしてまだ5年目で、22歳ながら現在打率、打点、本塁打の3部門のトップにいて、3冠王獲得の可能性も高い。ずば抜けた才能を持っていると期待され、今では本塁打日本記録のバレンチン選手の61本、ベーブ・ルースの60本の記録突破を目標にしている。この夢のような目標が達成されることを期待している。

2022年9月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5601.2022年9月13日(火) 岸田内閣の不支持率が高い原因

 イギリスのエリザベス女王が死去されてから連日女王の死を悼む報道が、イギリスをはじめ日本国内でも次々と伝えられている。19日に決まった女王の国葬が、世界中から惜別と感謝の気持ちで溢れている。

 その一方で、同じ国葬でも日本国内では安倍元首相の国葬については反対の声が日に日に強まり、それが岸田内閣の支持率にも大きく影響している。各メディアの世論調査でも悉く岸田内閣支持率が低下しているが、直近の朝日新聞の調査では、内閣不支持率は発足以来最低の47%まで落ち、支持率41%を上回ってしまった。先月の調査では、支持率が47%で不支持率が39%だった。この1か月間に攻守所を変えてしまったのだ。

 当初岸田首相は、国葬実施に積極的だったわけではないと言われている。今になって後悔しているようだ。実際自民党内にも政府と自民党の合同葬で好いという考えが支配的だった。それを決断力のない首相が、麻生太郎副総裁にすごまれ、決断したという背景があるようだ。これが首相の苦悩の始まりだったらしい。

 昨日鎌倉市議会は「『国葬』実施の撤回を求める意見書」を可決し、岸田首相と衆参両院議長に提出する。近くの葉山町議会や、東京・小金井市議会も国葬を行わないことを求める意見書を可決している。他にも反対を表明している市町村がある。いずれも国葬に明確な法的根拠がない以上、国葬を行うのであれば国会で議論が尽くされるべきだと指摘している。

 もうひとつ内閣支持率が急落した原因として、旧統一教会をめぐる対応の拙さが挙げられている。この1か月間批判に対して首相主導で手を打ってきたが、むしろ火に油を注ぐ形になり、批判は逆に広がった。このほど旧統一教会との関係について自民党議員へ行った「点検」アンケートで、前向きの姿勢を見せたように思わせたが、その結果を公表後になって申告し損なったとか、記憶になかったと申し出る議員が出て来る始末で、全体の信頼度が薄れている。誰でも分かりそうなことを申告は不必要だと思っていたとか、誤解していただけだとか、言い訳ばかり述べて、旧統一教会と手を切る覚悟が見られない。

 今日になっても木原誠二・内閣官房副長官が、2016年に関連団体のパネルディスカッションに参加していたと後追い発表した。参加の証拠を見せられ参加したことを思い出したというお粗末な記憶力だが、こんなおつむで内閣の重要な業務をこなしていけるのだろうか。それにしても関係を持った議員らは、こんな好い加減な気持ちで国を代表する政治家と言えるのだろうか。

 また、こんな闇のような組織との関係を構築した岸信介元首相の孫・安倍元首相の国葬、及び長年のズブズブの関係の中で旧統一教会色に染まった自民党員が主導する国葬を実施する岸田首相も旧統一教会に洗脳されていると言えよう。この事実を国民は知ってしまったのだ。立憲民主党幹部は「自民は地方議員らも教団とかかわりがある。隠せば隠すほど傷口が広がる」と指摘している。当分国政選挙はないが、今実施したら自民党は立ち直れないほどの惨敗を喫することだろう。

2022年9月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com