5509.2022年9月20日(火) 英女王逝って英連邦国の未来

 エリザベス女王の国葬が終わり、国民の女王への敬愛の念の強さが、改めて認識され、イギリス、及び英王室はホッとしていることだろう。その一方で、かつては大英帝国として多くの海外植民地を掌中に収め、植民地支配を強化することによって多くの資産を搾り取り、住人を弾圧してきた悪しき歴史がある。

 56か国ある英連邦諸国に惨い歴史を繰り返さないためにも、イギリス国王を君主とする立憲君主制を反省する動きが急速に炙り出されている。懸念されているのは英連邦から離脱の動きがあることである。英連邦の主要国であるカナダ、オーストラリア、ニュージーランドは女王逝去からまもなく、チャールズ3世国王を正式な君主とする声明を発表している。しかし、カリブ海の小さな島国であるアンティグアバーブーダは、国民投票を行う方針を明らかにした。女王が亡くなってまだ日が浅いので、もう少し時が経過すれば、現実的な問題点なども浮かび上がってくるだろう。

 例えば、オーストラリアの通貨のように、現時点では紙幣にも、貨幣にもエリザベス女王の肖像が描かれている。女王の肖像をそのままにしておくわけには行くまい。アメリカの紙幣で1㌦=ワシントン、2㌦=ジェファーソン、3㌦=リンカーンなどが描かれているのとは事情が異なる。いずれにせよ、そのような現実的な問題を抱えている英連邦国は、自ら解決しなければならない。

 さて、アメリカのバイデン大統領は英女王国葬儀に列席する前日のCBCテレビ会見で、台湾海峡問題が緊迫化している中で、台湾に中国軍が侵攻した場合は、軍事介入し台湾を守ると明言した。実は、1978年米中共同声明では、「中国は1つで、台湾は中国の一部であるという中国の立場をアメリカは認識する」としている。しかし、アメリカは中国が台湾に侵攻した時、台湾防衛のため軍事的に関与するとはっきり応えている。アメリカは、矛盾というか、曖昧な言い回しを使って自国の論理を主張している。この発言に、「国家分裂を目的とした如何なる活動も容認しない」と中国側は直ちに反論した。この主張の背景には、近年の公海上の海洋進出など中国の反国際的な行動や、香港の中国化、台湾周辺での威嚇的戦力誇示に対してアメリカが支援の動きを示すことがなかったことから、中国がアメリカを甘く見て図に乗った構図を示したものとイメージさせる。そこへロシアのウクライナ侵攻に対して、中国がロシア寄りの姿勢を見せたことから、これまで黙っていたアメリカがこのまま中国の理不尽な言動を放置出来ず中国にお灸をすえたのではないかと思える。台湾問題に火が点けば、日本への影響も計り知れない。米中とも冷静になって、一触即発の空気を抑えた言動をしてもらいたいものである。

 今日も台風14号の影響を受け朝から断続的に雨が激しく降り、先日手術した白内障の検査のために訪れた東京医療センターの帰りに、それまで降っていなかった雨が不意に激しく降り出した。夕方まで陽が差したり、急に雨が降ったり落ち着かない天候の1日だった。この台風のせいで、昨日までの連休で観光地は大分目算が狂ってしまったようだ。不運にもコロナ禍の隙間の期待も裏切られてしまった。そして、今週秋分の日からの3連休も観光業者に期待を抱かせているが、気象庁によると再び3日間はずっと大雨の予報が出ているそうだ。お気の毒なことに観光業者にとっては泣くに泣けない。

2022年9月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com