5175.2021年7月14日(水) 西村大臣、上から目線発言を謝罪、撤回

 緊急事態宣言が発出されることが決まってから、対象となる飲食店の中には取り決めを守らず、禁止されているアルコール類を供給する店があり、約束を守っている店とは不公平、不平等が取り沙汰されてきた。それを止めさせるため西村康稔・経済再生相が金融機関に対して、要請、命令に応じない飲食店がルールを遵守するよう働きかけを行うことを求め、更に酒類販売事業者に対して応じない飲食店との取引を停止するよう依頼すると公表した。これが行政、或いは行政の長が権限外の介入をしているとして世論の批判を浴び、更に業界団体からも抗議の声が殺到して撤回要求を突き付けられ、大臣は謝罪のうえ撤回することになった。その後菅首相も謝罪した。

 このような金融機関への働きかけや取引停止依頼は、営業の自由を制限しかねず、法的根拠を軽視する政府の姿勢が問われるところである。いくら不公平との声があるにせよ、どうしてこのような一方的な言動にまで及んだのか。気持ちは分からないでもないが、あまりにも世間の風を知らなさ過ぎる。大臣は頭脳明晰なのだろうが、世間常識とか、現場を知らな過ぎる。気になるのは、同じような考えを持っている国会議員が他にも多くいることである。その中のひとりが、麻生太郎・副首相である。麻生氏は本件について法的根拠は基本的にはないと思うと述べている。麻生氏はさほど頭脳は優秀ではないのに西村大臣と同様世間知らずだから西村氏より面倒である。こういう軽薄な発言を戒める意味でも、自民党は党内のモラルと規律の徹底を行って欲しいものである。

 現在来日中のバッハIOC会長が、今日菅首相、丸川五輪担当相と会談し、明後日広島へ行き、原爆慰霊碑に参拝する。原爆被爆地をIOCの首脳が手分けしてコーツ副会長は長崎へ向かう。そのバッハ会長が昨日組織委員会を訪れ、橋本会長に対して日本人の安全というべきところを中国人の安全と語り、すぐ訂正はしたが、これがSNSで拡大し、会長の本心や真意をあれこれ詮索する声がSNS上に殺到している。訪問国滞在中にその国名を選りによって、間違え、しかも最も呼ばれたくない国名をテレビで流されるとは本人も反省しているだろうが、日本人にとってはあまり気持ちの良いものではない。IOC会長たるもの、もう少し慎重に発言すべきである。

 ついては、このところIOCの強引な言動が一部で顰蹙を買っている。バッハ会長の国名間違いへの批判もその裏返しではないだろうか。開催国がコロナで苦悩している実態をどこまで考慮しているのか、オリンピック開催一辺倒に対しては、反オリンピック、反IOC感情が根強くある。結果的に直近の菅内閣支持率が、昨年9月発足以来最低の水準33%に落ち込んだのも、コロナ対策の不十分さとオリンピック開催に拘り過ぎたせいではないだろうか。

 さて、今日広島高裁は、俗にいう「黒い雨」を被ったという原告団に対して全員「被爆者」と認める判断を下した。国が定めた保護区域の外に居住していた原告に戦後76年で漸く所謂被爆者と同じ待遇となる。但し、政府が最高裁へ上告の可能性は残されている。湯崎広島県知事は、厚労省が上告をしないよう望んでいる。ほとんどが高齢者であるこれらの人たちにこれ以上精神的負担をかけないようにしてあげるのが、「被爆者」への配慮ではないだろうか。

2021年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5174.2021年7月13日(火) コロラド州デンバーの桜の想い出

 アメリカMLBで大活躍中のロスアンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手が出場することで、コロラド州デンバーで開催される今年のオールスター・ゲームが日米ファンの間で異常に注目されている。デンバーなら6月に咲く桜を想い出すと言えば、些か首を傾げる向きもいると思うが、そのデンバーで見た桜とそれに付随する想い出について書いてみたい。

 アメリカ大陸の中西部にあるデンバーは、東海岸のニューヨーク、首都ワシントンDCや、西海岸のロスアンゼルスやサンフランシスコに比較して日本では馴染みがやや薄く、知名度が低い。ホーム・チームのコロラド・ロッキーズが誕生したのは、今からちょうど30年前である。その名の通りロッキー山脈観光の拠点である。そして別名マイル・ハイ・シティ(MILE HIGH CITY)と呼ばれるように海抜1マイル(約1600m)で、日本では上高地とほぼ同じである。2度ほど出かけたことがあるが、偶々6月に訪れた時に市内に桜がきれいに咲いていて驚いたことがある。桜は4月に咲くものだとばかり思い込んでいた常識を、1月にビルマの中部高原都市メイミョーで見た時に覆されたのと同じような衝撃だった。

 半世紀前のことだったが、ビルマでその時こんなことを思った。旧日本陸軍第15軍が無謀で悲惨なインパール作戦を決行した時、その総司令官だった牟田口廉也・第15軍司令官は、この気候穏やかな司令部のあったメイミョー高原で桜を鑑賞しながら花見をして司令部から過酷な軍令を出すだけで、結果的にインパールでは非業にも多数の犠牲者を生んだだけだった。多くの日本兵を犠牲にしながら、牟田口は戦犯にはなったが、戦後保釈された。
 デンバーも高地に位置するだけに空気は乾燥している。この近辺にはアメリカの大手ビール会社「クアーズ・ビール」工場があり、ロッキーズのホーム・グランドも「クアーズ・フィールド」と呼称されている。空気の澄んだ爽やかな街だったという印象が強い。大谷選手は今日のホームラン競争では、活躍出来なかったが、明日本番のオールスター・ゲームでは、1番指名打者で登板というオールスター史上初めての二刀流ケースとなるようだ。改めて活躍を期待した。

 さて、来年1月に新制度の下にスタートするラグビーのトップ・リーグが、どうもすっきりしないまま発足するようで、少々気になっている。2019年ラグビー・ワールド・カップ開催成功と同時に、日本は実力的にも世界で堂々ベストエイト入りが成って、それが日本のラグビー人気の底上げに繋がった。今後の日本ラグビー界の発展は、このトップ・リーグの結果次第だと思う。

 疑問は2つある。ひとつはリーグのチーム振り分けである。参加24チームを3部に分けるが、1部が12チームで、2,3部がそれぞれ6チームから構成される。ところが、今年のトップ・リーグの所属チームは16チームだった。2部へ落とすチームが4チームもあり、その中で審査委員会で正式に順位が決まったにも拘わらず、不明瞭にもいつの間にか1部と2部チームが入れ替わっていたという不可解な事実がある。その説明が行われていない。

 2つ目の疑問は、順位決定の過程で決められた審査基準が理不尽にもいつのまにか変更されていたという点である。しかも、審査基準を決めた審査委員会に対して、森重隆・日本ラグビー協会会長が諮問委員会を立ち上げ、採点の要素を変えたようだ。会長の一存でこんなに安易で、無責任なやり方が許されるだろうか。まだ大きな問題にはなっていないが、シーズンに入ったら問題になるのではないかと気になっている。

 森重隆会長と言えば、かつては明治の俊足ウィングとして秩父宮で快速を飛ばして、ファンを唸らせた九州男児である。今は問題がこじれるのを憂慮しているだけだが、問題を抱えたまま来年トップ・リーグが順調にスタートすることが出来るだろうか、半年先の開幕が心配である。

2021年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5173.2021年7月12日(月) 緊急事態宣言下、アメリカで大谷翔平選手活躍

 新型コロナウィルスの影響は想像以上に大きい。東京オリンピックのほとんどの会場が無観客となったのも、コロナのせいである。東京都の新規感染者数は、今日連続23日間前週の同じ曜日を上回った。今日から4度目の緊急事態宣言が発出され、来月22日まで自粛要請が求められる。飲食店ではまた営業自粛を要請され、商売にならないと政府に不満をぶちまけている。

 一方、ヨーロッパではコロナどこ吹く風と言う感じで、ヨーロッパ・サッカー選手権決勝、イングランド対イタリア戦が昨日6万人の観客を迎えてロンドンで行われた。ほとんどのサポーターはマスクを着けずに試合に熱狂し、それはテレビ応援するイタリアでも同じだった。イギリスではやや収まりかけているとして19日から規制が緩和されるそうだが、それにしてもその熱狂と興奮ぶりはコロナが収まっていない中で、少々違和感を覚えるフィーバーぶりだった。結局試合は延長戦でも決着がつかず、PK戦の末イタリアが1968年以来53年ぶりの優勝を飾った。

 しかし、こんな熱狂ぶりを見せられると東京オリンピックの抑圧的な無観客スタンドが異質なものに見えて来る。

 このような鬱積する空気を破ったのは、アメリカから伝えられたメジャーリーガー・大谷翔平選手の投打に亘る二刀流の活躍である。ロスアンゼルス・エンジェルスの大谷選手は、今日4打数2安打を放って前半戦を終えた。活躍ぶりはアメリカでも大きな話題になっているという。打撃部門では、打率0.279、本塁打33本。70打点、12盗塁である。投手としての実績は、4勝1敗、防御率3.49である。加えて、大谷選手はプレイばかりでなく、思いやりや謙虚な性格などもメディアで称賛され、アメリカのスポーツ専門メディア「ESPN」による目覚ましい活躍を見せたスポーツ界選手を表彰する賞を、テニスの大坂なおみ選手とともに日本人として初めて受賞することになった。アメリカのメディアがその活躍を評価したのである。大したものである。

 二刀流の活躍が注目されるようになってから不世出のスター、ベーブ・ルースに比較されるようになった。ルースは投手として生涯94勝を挙げた。大谷投手はこれまで日米で46勝だから、まだ道半ばである。ぜひとも頑張ってもらいたい。

 大谷選手は明日ア・リーグを代表してホームラン競争に出場し、明後日はオールスター戦に初出場する。またびっくりするような活躍を期待したいと思う。

2021年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5172.2021年7月11日(日) 八木哲郎・知的生産の技術研究会会長を惜別する。

 5月21日に「知的生産の技術研究会」(略称:知研)創設者である八木哲郎会長が逝去された。長きに亘ってご交誼をいただき、数々の教えをいただいた。大変寂しくもあり残念で堪らない。

 ついては、知研の今後などについて若干気になることもあり、昨日知研の福島哲史氏にメールで、久恒啓一理事長にはCCで照会したところ、早々に福島氏よりメールを受け、理事長からは電話で直接お話しいただいた。

 知研に入会してかれこれ半世紀近くになるが、そもそも知研を創立したのは、八木会長の個人的に強い希望と熱意に依るものだった。当初八木会長が、梅棹忠夫のベストセラー書「知的生産の技術」に触発され、梅棹先生に直接ご了解を得て知研は創立され、発足することになった。爾来NPO法人としてアカデミックな分野で広範に、かつ深く勉強する機会を作り、多くの学識経験者、著名人らのご理解とご協力を賜り多くの知的好奇心に渇望した社会人、学生らにあらゆる勉強の機会を提供してきた。手元にある「知的生産の技術研究会のご案内」冊子の冒頭に会長が「~人生の前段では受験勉強、サラリーマンになって出世のために自己中心的なキャリアを積む。45歳を過ぎたら世のため、人のために知識を役立てねばならない。知研はそのための交流の場になるのが理想」と書いておられる。

 ただ、あまりにも知研への期待と希望が会長ご自身の中で強く、すべての業務をおひとりで抱えられた結果、いざ亡くなられてみると誰にも引き継ぎ業務がなされておらず、残された知研会員が戸惑うことになったことは事実である。いかに愛情が深く思い込みが強いとしても、これほど多くの人びとや組織団体とつながりを持つようになったら、補助、或いは業務引き継ぎ者が傍にいて、フォロー出来る体制を常に備えていないと、周囲が途方に暮れることになる。遅まきながらつくづく思い知らされた次第である。NPOとしての報告義務もあり、これから理事長も福島氏にとっても想定外の事務作業があるのではないかと思う。理事長もひとつずつ整理して、いずれ早い機会に全会員に現況と今後の方針を伝えたいと話しておられた。

 思い返すとこれまで知研では、拙い文章を会長に唆されて度々会報「知研フォーラム」誌に寄稿してきた。講演でもシベリア鉄道と今日のロシアや、社会主義国キューバ他についても話す機会を与えてもらった。他にも2008年韓国で行われた高齢者の福祉交流に関する国際シンポジウムに日本からただひとりのパネリストとして派遣していただき、多くのことを学ぶ機会を与えていただいた。普段のお酒を飲む機会を含めて、随分長いお付き合いになる。会長はご自分の後継者は特に望んでおられなかったようだが、これまでと同じように知研が再び活動出来るようになるまでは、私自身このままやや消極的ではあるが、知研を支えていければと願っている。

2021年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5171.2021年7月10日(土) どうして政治家は知性と常識に欠けるのか。

 新型コロナウィルス防止対策として、明後日緊急事態宣言が東京都内と沖縄県に発出されるが、西村康稔・経済再生担当大臣が休業要請に応じない飲食店などに対し、宣言のルールに従うよう金融機関を通して働きかけるような強圧的な考えを述べた。これまで経緯だと、ルールを守る店と守らない店があり、その不公平が問題視されていた。だからと言ってこれを行政が立場を利用して強引な手段を取るとはあまりにも強引であり、野党などから傲慢だとの批判が寄せられている。あまりの批判に西村大臣も直ちに釈明して撤回したが、しばらく火種は鎮火しそうもない。菅首相も融資を制限するなどと言うような発言の趣旨はないと火消しに懸命である。

 森山裕・自民党国対委員長が国民の誤解を招かないようにと加藤官房長官に注文をつけたくらいだが、安住立憲民主党幹事長は、直ちに辞任すべきであると厳しく非難し、玉木国民民主党代表が、金融機関の優越的地位を行政が悪用するとは質が悪いと批判している。権力のある地位に就くと、政治家はつい上から目線でその特権を行使しがちであるが、それがどれほど社会に大きな影響を与えるかということを慎重に考えて行動して欲しいものである。

 菅内閣閣僚の中には、この西村大臣や、河野太郎・行政改革担当相、平井卓也・デジタル改革担当相のように上から目線の不遜な閣僚が多過ぎる。平井大臣の如きはデジタル改革に関して一家言持ち、自信過剰にも自分の考え通りに行うとの意気込みが強いせいか、強い傲慢さが気になっていた。4月のオリパラ・アプリの事業費削減を巡ってNECに対して「完全に干す」とか、「社長を脅せ」のように脅し発言が波紋を呼んでいる。更に平井氏は、昨日過去の資産報告書に株式の記入漏れがあり、売却益にかかる所得税を申告していなかったことが判明した。善と悪の区別がつかないのだろうか。一体何を考えているのだろうか。

 また、梶山弘志・経済産業相が7日に都内のホテルで政治資金パーティを開いたことが分った。過日同じようにパーティを開いた議員が非難を浴びたにも拘わらず、よくも懲りずに同じ愚行を繰り返すものだ。梶山氏の言い訳がふるっている。650人収容可能な会場に200人が参加しただけだとか、テーブルにひとりずつ座り感覚をとった、食事は出さず、参加者の検温を実施したとか、「開催制限に照らして充分余裕をもたせた」などと屁理屈を述べている。パーティをやったことが問題だということが分っていないらしい。彼らの行為には、一般常識や知性がまるで感じられない。所詮政治家の知性というのは、こんな程度だとは思っているが、それを選挙の際頭ばかり下げず、そのまま洗いざらい思うところを選挙民にぶちまけて訴えてみてはどうかと言いたい。

 さて、今日は妻の76回目の誕生日である。息子たちからもお祝いのメールとお花を贈ってもらった。夕食にお祝い気分で正月以来のワインで乾杯した。アルコールを喉に通すのは、実に半年ぶりのことである。私も今年11月には83歳となる。今日も糖尿病クリニックで検査を受け、数値的にはやや上がってしまったが、医師は問題ないと言ってくれている。夫婦ともどもお互いに健康に気を付けて、支え合ってコロナを切り抜け、終息後の余生をエンジョイしたいと願っている。

2021年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5170.2021年7月9日(金) オリンピックを指図するメディア

 いつものことながら、またメディアの無責任と思い上がりを知らされた。昨夜5者協議の結果、東京オリンピックの競技会場は東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県では無観客ということに決まった。昨日の本ブログにも書いたことだが、昨晩のテレビ朝日「報道ステーション」が終了間際になって急遽コメンテーターが「1都3県ではなく、東京だけが無観客」と追加訂正したままで、3県も東京同様無観客であるとは言わなかった。このように杜撰だからメディア報道の信憑性にはいつも?が付いて回るのである。

 無観客のニュースは直ちに全世界へ伝えられ、来年2月に北京冬季オリンピックを控えている中国では関心が高く、SNSでは開催すべきではない、とかオリンピック精神を失った大会だとあまり好意的とは受け取れない感触だった。中でもアメリカのメディアは、自国が世界最多の感染者3千3百万余人を出し、60万人もの犠牲者を生んだことを棚に上げ、日本の感染状況の悪化を報じる中でワクチン接種の遅れを指摘している。偶々昨日世界のコロナ犠牲者の数は、4百万人を超えた。感染者は1億8508万人にもなった。無観客と決めた以上、一部の有観客の例外をなくして無観客のまま開催し安全な大会にした方が良いと思う。

 まだ始まってもいないオリンピックであるが、2013年招致が決定した時は日本中が歓喜したものだ。だが、オリンピックはこれまで大会を重ねるごとに競技種目が増え大会は肥大化し、開催費用も増え続けている。とても観客の入場券だけでは賄いきれなくなった。そこへ全世界へのテレビ放映権料としてアメリカのNBCが、IOCと2032年までの夏冬6大会におけるアメリカ国内への放映権料として日本円7,780億円を支払う契約を結んだ。これなら無観客でも問題はない。IOCは全収入の約7割をこのテレビ放映権料から得ている。大会が開催されることによりIOCの台所も潤う反面、アメリカ・メディアのお節介な横車により、大会開催時期も彼らの都合に合わさざるを得なくなった。それが東京大会のように1年で最も暑い時期の開催である。

 ところが、アメリカのメディアは前記のようにIOCに還元することによって大会開催に大きな力を持つことになった。メディアの目に見えないパワーについて、アメリカの「ハリウッド・リポーター」誌は、「オリンピックの利益の多くは、海外のIOCとその放送パートナーに集中する可能性があるが、発生するかも知れないモラル・ハザード(倫理観の欠如)は、日本人に最も大きな打撃を与える可能性がある」と指摘している。

 すでにアメリカの有力ジャーナリストが連名で傲慢にも組織委員会の日本国内における行動要望に対してイチャモンをつけている。このコロナ禍の中で開催される大会期間中に自分たちの取材以外の行動制限に不満を漏らしているのだ。わがまま言い放題のアメリカ・メディアの思い上がりが、結局オリンピックを手に負えないほど巨大化させてしまったのではないかと気になっている。

2021年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5169.2021年7月8日(木) 東京都に緊急事態宣言⇒五輪無観客

 昨日来山陰地方に襲来した線状降水帯が、同地方を過去にないほどの豪雨に晒している。線状降水帯は東日本にも雨をもたらし、すでに先日の熱海市内で土石流が起きている。こんな中で相変わらず収束の見通しが立たない新型コロナウィルスの新規感染者の数が、東京都では際立って増加傾向にある。昨日は920人の感染者が出たが、900人を超えたのは5月13日以来で、これにより18日連続で前週の数を上回ったことになる。全国的にも感染者が増加し4週間ぶりに2千人を超えた。

 オリンピックを控えて開催、及び有観客に拘っていた政府だったが、11日までまん延防止等重点措置が出ていた東京都に対して、翌12日から8月22日まで4回目の緊急事態宣言の発出を決定した。これで有観客をきっぱり諦めたのだろう。自宅近くでは明日駒澤公園から公道を聖火ランナーが走る予定だったが、これも中止となった。同じく11日まで緊急事態宣言が出ている沖縄県でも宣言が延長される。その他に埼玉、千葉、神奈川、大阪のまん延防止重点措置も延長される。

 そして、今日オリンピックに関して極めて大事な決定がなされた。このコロナ禍騒ぎの中で今日バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長が来日した。到着早々今晩リモートによる5者協議が行われ、23日開会のオリンピックは緊急事態宣言発出により、5者協議は東京都内の競技会場をすべて無観客とすることに決定したのだ。この決断も最後の最後までもめたようで、一時は東京以外の埼玉、千葉、神奈川県で行われる競技会場も無観客にするということだったが、これが夜になって何とか東京だけが無観客ということになった。この結果国立競技場で行われる開会式と閉会式も無観客と決まったが、そう決まってみれば何か味気ない感じがするものだ。

 オリンピック観戦と言えば、以前から子どもたちが学校連携で観戦する計画があったが、コロナ禍が拡大したことにより参加自治体によってはキャンセルするところが増えてきた。保護者からも不安の声が聞かれて、神奈川、埼玉、千葉の3県では参加予定者の6割、約17万人がキャンセルを申し出た。しかし、東京都では参加予定者、約90万人が現在申し込んだままとなっている。開催間近になってこの様子ではトラブルが懸念されていた。自治体の中には、14区市町村のように独自に中止を決めた自治体があるようだが、子どもたちに期待ばかり抱かせて直前になって取り止めというのでは、子どもたちが可哀そうだと思っていたところ、無観客となれば中止ということになり、自治体と保護者らもホッとするのではないだろうか。

 さて、今日は医者通いのハシゴをしてしまった。午前中雨の中を東京医療センター膠原病内科で精密検査と定例の診断を受けた。多めのステロイド錠服用が数値上効果を示してきて、先月より更に回復に向かっていることで医師のアドバイスでステロイドを減らすことになった。その結果を持ってかかりつけの松本整形外科と森内科でも医師に報告し説明して、日常生活の注意点などをお話しいただき現在の状態をご理解していただいた。幸い先月には私自身2回目のワクチンを接種した。ワクチン接種の割合は、一昨日現在2回目のワクチン接種を終えた人が全国民の11%、高齢者の中では37.9%だそうである。

2021年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5168.2021年7月7日(水) ナイル川のダム建設による影響

 先日半世紀も昔に訪れたことがあるスーダンの首都ハルツームの、白ナイルと青ナイルが一体となるナイル川合流点についてエッセイを綴っていたところ、偶然にも一昨日朝日朝刊と夜のNHK・BS国際報道番組が、その青ナイルの巨大ダム建設で沿岸の3つの国の間でもめていると伝えていた。エジプトのナイル川では1970年に完成したアスワン・ハイ・ダムが、エジプト経済に大きく貢献している。

 しかし、新たな巨大なダム建設が、水量調整などで隣国に影響が出て来ると軋轢もあり、万事順調とは行かない。現在青ナイルの源流であるスーダンとの国境地点に、エチオピアが世界最大規模の大エチオピア・ルネッサンス・ダムを建設中で、昨夏に続き一昨日ダムに貯水を始めたことにエジプト、スーダン両国が神経を尖らせ反発を強めているのだ。エチオピアはダム建設を電力不足解消の切り札と位置付けているが、ナイル下流のエジプトやスーダンにしてみれば、水資源の9割以上をナイル川に頼っており、エチオピアの言い分をそのまま素直に納得することが出来ない。

 このダム建設についてエジプト、スーダンは国連をはじめ、アフリカ機構など国際機関に仲介を求めているが、エチオピアが受け入れようとせず話はまとまらない。降雨量の少ないエジプトでは全人口の4分の1が農業に従事しており、上流で水量が制限されると感慨用水が制限され死活問題になりかねない。大河のダム建設は上流国にこそその恩恵が大きい。

 今や人口が1億人を超え、経済的にも苦しいエチオピアにとっては、電力供給の救いの神であるダム建設の効果を減殺する2カ国からの要望をすんなり聞き入れるわけにはいかないようである。エチオピアでは、北部国境ティグレ州で少数民族の抵抗に手を焼いたアビー首相は、エルトリアとの国境紛争を解決したとして19年ノーベル平和賞受賞直後に、ティグレ人民解放戦線(TPLF)の拠点を空爆し、多数の犠牲者を出し、2万5千人の避難民がスーダンへ逃れた。今また他国の苦悩には一切目を向けようともせず、自国の主張のみを繰り返す平和主義者の肩書とは異なるアビー首相の好戦的なやり方には、権威あるノーベル賞選考委員会も頭を抱えているのではないだろうか。

 それにしても自国内だけを流れる河川ならともかく、隣国へ流れていく大河の工事プロジェクトは、隣国へ影響が及び難しい問題を孕んでいる。どうして関係国間で事前に話し合い精査、検討することが出来なかったのだろうか。

 その点で、ヨーロッパで2番目に長くその中心部を流れるドナウ川は、10カ国を貫流しているが、この種の問題は起きていない。ドナウ川でナイル川のような巨大なダム工事が行われなかったのは、幸いにも川の傾斜が緩くダムには不向きであったことと、下流の沿岸国への上流国の配慮があったからではなかっただろうか。東南アジア最長のメコン川が、チベットを源流に中国・雲南省からミヤンマー・ラオス国境、タイ・ラオス国境、カンボジア、ベトナムから南シナ海へ注ぎ込まれているが、その途上の国々が大きな建設工事でも行えば、たちまち下流にある国は負の恩恵を受けることになる。

 懸念されるのは、人工島を造成し公海洋上へ一方的に進出し、国際司法裁判所の審判を無視している中国が、メコン川でも「一帯一路」のような利己的大工事を行うことである。ここは中国にナイル川のダム工事が下流の沿岸国では歓迎されていない現実を教訓として考えて欲しいと思う。

2021年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5167.2021年7月6日(火) 傘寿を超えた同級生の集まり

 傘寿を過ぎると友だちもひとり去りふたり去って、日々に寂しさが募って来るものである。先日大学のクラスメートの肥後くんから久しぶりに食事でもしようと電話があり、今日正午に椿山荘の和食レストランでランチを楽しんだ。残念だが、4人集まる予定だったが、急にひとりが体調を崩して来られなくなった。急に健康を害するなんてことが、高齢者らしい。今日は格別話したい話題があるわけではなく、むしろお互いの青春時代を想い出し懐かしさを偲ぶ同窓会のようなものである。拙著「八十冒険爺の言いたい放題」に署名して贈呈したこともあり、どうしても私の一方的な海外武者修行が話の中心になる。ついぺらぺら話しまくってしまった。

 彼ら2人は気の合った5人グループが今では3人になってしまったとぼやいていた。どうしても残りの人生を考えるとつい後ろ向きになりがちになる。そこを前向きに切り替えないと余生は、本当に寂しくつまらないものとなってしまう。そんなことをしみじみ思った次第である。

 肥後くんがよく読書をしていることと、日本の悪化する財政事情を深刻に懸念していることに感心した。現状のまま毎年赤字財政が続いていくなら、次代の若者たちの過重な負担となるし、日本は財政破綻を来たし、「日本沈没」となってしまうと随分気にしていた。また、コロナでも落ち着いたら彼のご託宣を改めて伺いたいものである。

 さて、3日熱海市内で降雨による土石流で大きな被害がもたらされたが、日本各地でこ近年7月上旬の天候は荒れることが多い。3年前の2018年には平成最悪と言われた西日本豪雨により東海地方から九州までの14府県で300人以上の犠牲者が出た。その前年17年には、九州北部豪雨で40名が亡くなった。

 熱海市内の土石流では、今日も懸命な救出作業が続けられているが、何人が生き埋めになったのか見当がつかず、静岡県は、行方不明者の特定のため止むを得ず連絡が取れない住民の名前を公表した。恐らく初めてのことであろう。結果的に64名の住民の名を公にしたことにより、その後連絡が取れた人が41名いた。その他の24名は安否不明者として扱われている。犠牲者は7名となった。水を大量に含んだ大量の泥のため、現場に重機械を持ち込めず、捜索作業員も胸まで泥に浸かりながら作業に従事している。警察犬も泥んこの中では中々歩き難いようだ。こうした悪条件の中で捜索活動は続けられている。なぜこれほどの土石流が発生したかとの疑問に対しては、どうもはっきりしない。だが、谷間の上部が豪雨により崩れ落ちて一気に周辺の崖を崩した様子を画像で観る限り、崩れ落ちた上部に盛り土が積まれていたことが分っている。どうも土砂崩壊の危険を察知せずに、無計画に盛り土を積んだことが原因ではないかと見られている。今後の災害防止の観点からもきちんと原因を追究して防護対策をしっかり立てるべきである。川勝静岡県知事も現場に視察に来られていたので、災害防止対策を抜け目なくやってもらいたい。それにしても自然災害は怖い。

2021年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5166.2021年7月5日(月) 東京都議会の新分布図

 昨日行われた東京都議会議員選挙の投票結果は、若干予想とは違ったが、概ね予想されていた通りとなった。4年前にブームを巻き起こして第1党となった「都民ファーストの会」が、自民党に取って替わられたが、33議席獲得の自民党に次ぐ第2党で31議席を得た。公明党が全員当選を果たし4年前と同じ23議席を獲得して第3党となった。4位は前回より1名増えて19議席となった共産党、5位は8議席から15議席へ大幅に増やした立憲民主党だった。投票日前日健康回復途上の小池知事が、応援に駆けつけてくれたことが、自民党の伸びを抑えて「都民ファーストの会」の大幅な地盤沈下を救ったとも言える。国会議員選挙と異なり都議会選挙では、「日本維新の会」と「国民民主党」の無個性的保守傾倒ぶりはほとんど評価されなかった。

 今回の選挙結果で注目されたのは、女性議員が前回より5名も増え、過去最多の41名となり、全議員127名の約3分の1となったことである。現在衆議院は、全議員465人の内女性議員47人で10.1%であり、参議院は245人中、56人の22.9%が女性議員である。毎回選挙の都度女性議員の割合は上がっているが、いずれもまだ少数である。その点では東京都都議会議員の方が国会議員の先を行っている。

 さて、このところミヤンマーの国軍統治の政府に対して、微力ながら民主派が創設した「統一政府」が少しは存在感を示している。クーデター発生時から見れば、国内で目立つような殺伐としたニュースは起きていないが、それぞれ2つの政府にとって問題が噴出している。

 ロシアへ長期訪問していたミンアウンフライン最高司令官が統治する国軍政府の兵士が、去る4月にヤンゴン市内の日本人大使館員と国際協力機構(JICA)職員の住宅に押し入ったことが判明した。明らかに外交儀礼に反し、治外法権的暴挙である。その一方で、統一政府がイスラム教徒ロヒンギャに市民権を与える方針を打ち出した。いずれもこれまでの経緯と国民感情から考えてとても考えられないことである。前者は外交上許されないことであり、後者は迫害されたロヒンギャとの融和を図るジェスチャーを示すことによって国際社会の支持を得ようという目論見のようだが、基本的に仏教国であるミヤンマーがいかに国際社会から支持、援助が欲しいからとてイスラム教徒のロヒンギャに市民権を与えることには、ほとんどのミヤンマー人が反対するのではないだろうか。いずれも一種のドサクサに紛れた解決策であまり賢明な方策とは思えない。簡単に紐を緩めるとロクなことにはならないことを統一政府の民主派幹部は心すべきである。

2021年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com