5175.2021年7月13日(火) コロラド州デンバーの桜の想い出

 アメリカMLBで大活躍中のロスアンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手が出場することで、コロラド州デンバーで開催される今年のオールスター・ゲームが日米ファンの間で異常に注目されている。デンバーなら6月に咲く桜を想い出すと言えば、些か首を傾げる向きもいると思うが、そのデンバーで見た桜とそれに付随する想い出について書いてみたい。

 アメリカ大陸の中西部にあるデンバーは、東海岸のニューヨーク、首都ワシントンDCや、西海岸のロスアンゼルスやサンフランシスコに比較して日本では馴染みがやや薄く、知名度が低い。ホーム・チームのコロラド・ロッキーズが誕生したのは、今からちょうど30年前である。その名の通りロッキー山脈観光の拠点である。そして別名マイル・ハイ・シティ(MILE HIGH CITY)と呼ばれるように海抜1マイル(約1600m)で、日本では上高地とほぼ同じである。2度ほど出かけたことがあるが、偶々6月に訪れた時に市内に桜がきれいに咲いていて驚いたことがある。桜は4月に咲くものだとばかり思い込んでいた常識を、1月にビルマの中部高原都市メイミョーで見た時に覆されたのと同じような衝撃だった。

 半世紀前のことだったが、ビルマでその時こんなことを思った。旧日本陸軍第15軍が無謀で悲惨なインパール作戦を決行した時、その総司令官だった牟田口廉也・第15軍司令官は、この気候穏やかな司令部のあったメイミョー高原で桜を鑑賞しながら花見をして司令部から過酷な軍令を出すだけで、結果的にインパールでは非業にも多数の犠牲者を生んだだけだった。多くの日本兵を犠牲にしながら、牟田口は戦犯にはなったが、戦後保釈された。
 デンバーも高地に位置するだけに空気は乾燥している。この近辺にはアメリカの大手ビール会社「クアーズ・ビール」工場があり、ロッキーズのホーム・グランドも「クアーズ・フィールド」と呼称されている。空気の澄んだ爽やかな街だったという印象が強い。大谷選手は今日のホームラン競争では、活躍出来なかったが、明日本番のオールスター・ゲームでは、1番指名打者で登板というオールスター史上初めての二刀流ケースとなるようだ。改めて活躍を期待した。

 さて、来年1月に新制度の下にスタートするラグビーのトップ・リーグが、どうもすっきりしないまま発足するようで、少々気になっている。2019年ラグビー・ワールド・カップ開催成功と同時に、日本は実力的にも世界で堂々ベストエイト入りが成って、それが日本のラグビー人気の底上げに繋がった。今後の日本ラグビー界の発展は、このトップ・リーグの結果次第だと思う。

 疑問は2つある。ひとつはリーグのチーム振り分けである。参加24チームを3部に分けるが、1部が12チームで、2,3部がそれぞれ6チームから構成される。ところが、今年のトップ・リーグの所属チームは16チームだった。2部へ落とすチームが4チームもあり、その中で審査委員会で正式に順位が決まったにも拘わらず、不明瞭にもいつの間にか1部と2部チームが入れ替わっていたという不可解な事実がある。その説明が行われていない。

 2つ目の疑問は、順位決定の過程で決められた審査基準が理不尽にもいつのまにか変更されていたという点である。しかも、審査基準を決めた審査委員会に対して、森重隆・日本ラグビー協会会長が諮問委員会を立ち上げ、採点の要素を変えたようだ。会長の一存でこんなに安易で、無責任なやり方が許されるだろうか。まだ大きな問題にはなっていないが、シーズンに入ったら問題になるのではないかと気になっている。

 森重隆会長と言えば、かつては明治の俊足ウィングとして秩父宮で快速を飛ばして、ファンを唸らせた九州男児である。今は問題がこじれるのを憂慮しているだけだが、問題を抱えたまま来年トップ・リーグが順調にスタートすることが出来るだろうか、半年先の開幕が心配である。

2021年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com