3524.2017年1月5日(木) 新国連事務総長にアントニオ・グテーレス氏

 大ニュースなのにうっかり見落としていた。この元旦10年ぶりに国連事務総長が代わった。韓国の前事務総長・潘基文氏からポルトガルの元首相アントニオ・グテーレス氏にその職が引き継がれた。グテーレス氏は今年67歳だというから政治家としては脂がのっている時であろう。

 前任者の潘基文氏は一部には史上最低の事務総長と揶揄されあまり評判がよろしくなかった。在任中取り立ててこれという実績はなかったが、それでも韓国人としては国家の誇りでもあった。その中でも公平であるべき立場にも拘わらず、裏に何があったのか、中立の立場を忘れることがあった。中国南京で反日行為を支援するかのように南京虐殺の現場へわざわざ出かけて反日的な言動をして、国連事務総長の立場上不謹慎との批判をされたことがあった。この後来年予定される韓国大統領選挙で意欲満々とされているが、前国連事務総長の看板を背負って、果たして選挙戦で勝ち抜いて弾劾されている朴槿恵大統領の後を引き継いで韓国政治をまともな路線へ戻すことができるだろうか。

 珍しいことに国連事務総長については、格別任期が決められておらず慣習に従っているようだ。一応1期5年ということでこれまで事務総長は、ほとんど2期10年間を務めていた。これから新事務総長は順調なら2026年12月31日まで務めることになる。ただ、難民問題やシリア内戦、国際過激派テロ、更には無法化しつつある中国の海洋進出など問題山積である。この他にも、最近トランプ次期米大統領や、フィリピンのドゥテルテ大統領が国連を軽視した発言をしたり、国連安保理事会がヨルダン川西岸と東エルサレムでイスラエルが進めるパレスチナ入植地建設を違法だと非難し、建設停止を求める決議案をアメリカが棄権したことにより採択したことについて、イスラエルが国連を逆恨みしているのが現状である。こういうささくれだった国際環境の中で事務総長の舵取りは益々難しくなることが予想される。

 それにしても正月休みというせいもあるが、これだけの大人事をメディアが揃いも揃って報道していないとは、何たる手抜きだろうか。新年早々箍が緩んでいるのではないだろうか。

2017年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3523.2017年1月4日(水) 早くもトランプ次期米大統領の影響か?

 2017年の経済活動もスタートした。1年で最初の株式取引となる大発会の今日、日経平均株価は昨年末より479.79円も上がり、19,594.16円となった。これで政府、財務省、日銀、財界関係者はホッとしていることだろう。このまま本年末までこの好調を保てるかどうか、国内のみならず海外の政治、景気にも左右されるので何とも言えない。ニューヨーク株式市場も僅かながら上がっているので、今後トランプ氏が大統領に就任して不測の事態により株価が下がるような事態さえなければ、この調子を維持できると言えるのだろう。

 イギリス人歴史学者ポール・ケネディ氏が、「選択」1月号の中でインタビューに応じている。氏は「アメリカにはトランプ氏を含めて『反知性主義』がはびこっているが、無知からくる自信過剰はつまずく。公約が実現出来なければ有権者は失望し、軌道修正を図られる。今は反動期でやがて揺り返しが来る。各国の利害が絡み合った時代に、アメリカが一方的に世界から撤退するのは難しい。トランプ氏の関心が内政にあることは諸外国にとって必ずしも悪いことではないが、トランプ氏の最優先課題が日本経済だったら、予測不可能なトランプ氏に振り回されるだろう」と語っている。

 そのトランプ氏は早くもアメリカ第一主義の間接的な実施により隣国メキシコに影響を与えている。メキシコに工場移転を考えていたGM社にメキシコ製車に対しては35%の高関税を課すと語り、それと同じようにフォード社もメキシコにおける工場新設計画を取り止めると発表した。早くも産業界が剛腕・トランプ氏に屈服した感がある。早速これに反応してメキシコのペソが急落し、対ドル外為相場は市場最安相場にまで落ちた。

 この背景には雇用問題もさることながら、トランプ氏にとっては許しがたい、アメリカ国内に直接利益をもたらさない外国への投資額の増加がある。30年前には世界経済で中国が占めるシェアは5%に過ぎなかったが、今では20%近くに達している。その一方で、アメリカは逆にその当時30%のシェアが今日では20%に落ち込んでいる背景がある。そのトレンドにトランプ氏がアメリカ・ファーストを訴えている根拠がある。

 いずれにせよ2週間後にアメリカ大統領に就任するドナルド・トランプ氏が、本当にアメリカだけの景気回復、世界1の地位の確保に拘るのだろうか、世界中の関心を呼ぶことになる。日本もケネディ氏が心配するように、トランプ氏の思い付き発想にかどわかされるようであっては困る。その意味では日本ももう少ししたたかな外交力を発揮しないと、トランプ氏に自家薬籠中のものにされてしまう心配がある。

2017年1月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3522.2017年1月3日(火) 正月をテレビ佳作品鑑賞で得した気分

 お正月も三が日を終えると里帰りしていた人たちもまた都会へ帰って来る。今日はUターン現象が始まり高速道路はどこも渋滞している。これから明日にかけて更に大変なようだ。サラリーマンは明日から職場復帰で大変なことだと、現役時代を思ってつい同情の気持ちが湧いて来る。

 我が家でも横浜に住む二男が正月に花園ラグビー場から嫁の実家新潟市へ行っていたが、今朝自宅へ戻った後、夕方になって揃って車でやって来た。今年小学校へ入学する男児は、元気が好い。4歳の女児も元気でおしゃまなところが可愛い。このまま素直に育って欲しいと願っている。二男も明日から会社人間になる。

 さて、昨日テレビ番組「江戸城無血開城」について感銘を受けたことを書いたところ、今日も別の意味で中々教育的な番組を観ることが出来た。これもNHK番組であるが、ルーブル美術館を効率的、かつ教養溢れるガイドで、約2時間の間飽きさせずに見せてくれた。「極上ルーブル美術館を完全2時間で堪能ツアー」と称するものだ。これまでルーブルへは何度も足を運んだので、展示物を観て回るコースはある程度分かっているが、実に効率良く歩くルートを図解と矢印で説明してくれた。今では、館内でカメラを自由に使えるとは知らなかった。中でもメソポタミヤ文明期の石造りのハンムラビ法典について、これまでガイドさんからあまり説明を受けたことがなく、素通りに近かったが、「目には目を」の一章がアラビア語で彫り込まれているのを見たり、考えたりしていると当時の時代考証的な場面が想像出来て、何とも実態感が身に染みてくるような気がするから不思議である。出来れば、このコースでもう一度ルーブルを訪れてみたいものである。

 2日続けて興味深いテレビ作品を観ることが出来て、2017年早々何だか得をしたような気分である。

2017年1月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3521.2017年1月2日(月) イギリス人外交官による幕末外交史

 暮れの30日から新聞夕刊の配達がない。今日は朝刊も年賀状も来ない。テレビでは暮れからタレントによるエンタメ番組や、歌謡ショーが幅を利かせてあまり真剣味の溢れたニュースがない。スポーツでは、今日と明日関東大学対抗箱根駅伝と今日ラグビー大学選手権準決勝、暮れから高校ラグビー大会、高校サッカー大会が取り上げられているが、政治、経済、外交などはいまひとつ迫力が伝わって来ない。トルコで大きなテロ事件があっても1回限りの放送では忘れられてしまう。

 そんな中で元旦にひとつ興味深い番組があった。知り合いの‘The Japan Times’の川畑泰・元論説委員長から番組に出演するかも知れないと連絡をいただいた、NHK・BSの2時間番組「江戸城無血開城」である。幕末に英国公使館の日本語通訳として19歳で赴任したアーネスト・サトウが、幕府と薩摩藩の仲介役として江戸城を無血開城に導き、江戸を焼失から救ったことを史実に基づいたストーリーとしてドラマされたものである。日本史上サトウは日本語通訳として知られているが、実はそれ以上に外交官として実績を上げ、ある面で日本を救い日本の歴史を変えた人物であることを描写していた。川畑氏は番組の中でも登場してコメントされていたが、これまで寡聞にして知らなかったサトウの通訳としてだけでなく、本当の姿を知らされた。

 驚いたのは、通訳としても並外れた人物であったということである。「青い眼の志士」と自称していたサトウが編纂した三省堂の英和口語辞典には、日本人でもうっかりしがちな表現が満載されている。例えばfool=たわけ、ぬけさく、トンチキメとか、emergency=いざ鎌倉、cheap=安かろう悪かろう、のようにくだけた表現まである。こんな表現は、日本人社会に相当入り込んでないとマスターできないと思う。サトウは幕末に当時の‘The Japan Times’に度々投稿していた。彼は日本の真実の姿を海外へ紹介し、それは日本語で書かれた「策論」として今日に伝えられている。

 一例を挙げれば、「将軍を唯一の支配者とする陳腐な虚偽を捨て、日本は本当の支配者のもと、ひとつにならねばならない。日本は古より天皇の権威が強かった。その後源平によって天下は長く武家の時代となり徳川になる。つまり将軍は権限を天皇から委任されているにすぎない。真の日本のトップは天皇である」とはっきり述べている。

 江戸時代にひとりの外国人が日本に愛情を抱き、これだけ深く日本を知っていたのは驚愕すべきことである。観賞して中々味わいのあるドラマ仕立てのドキュメントだった。

 今年私は個人的にやってみたいと思っていることがある。いずれここに書き込みたいと考えている。昨年のキューバ旅行のように刺激的、かつ新鮮で心を洗われるような目的地はまだはっきり見当がついていないが、来年傘寿を迎えるので、それなりの国を訪れ、自らの過去の海外武者修行を併せ振り返って50年以上に亘る海外旅行体験をドキュメントとして整理してみたいと考えている。

2017年1月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3520.2017年1月1日(日) 新年は母校のグランドで

 澄み切った快晴の青空に祝福されるように新年を母校のグランドで迎えた。例年通り湘南ラグビー祭に参加するため、お屠蘇を飲まず車で母校湘南高校へ出かけた。自宅から40㎞、50分である。グランドでOBチームと現役チームの練習試合をしばらく観戦した。昨年県大会でベスト8に残り神奈川新聞にも称賛された現役チームの活躍ではあったが、やはり大学でプレイしているOB混成チームの方に一日の長がある。だが、新年度のチームも部員が揃い身体もしっかりしているようなので、新チームには昨年以上の活躍を期待したい。

 試合後OB会総会を終えて懇親会でお母さん方の手によるカレーライスをいただき、現役メンバーを紹介の後、前OB会長である私が、後輩たちに話をした。スピーチのポイントは2つあり、1つは若いうちに極力ひとりで海外へ出かけて世界各地でその場の出来事を臨場感で感得することを求め、そのことは人生を生き抜くうえで大切なことであるということである。もうひとつは、読書はもちろんであるが、できるだけ文章を書くことを習慣づけるように、特に日記とか、手紙を書く習慣を身に付けるようにとアドバイスをした。手紙については、仮に手紙をもらったら必ず返事を書くことと、物をいただいたらお礼状を差し上げることも当然の行為だと付け加えた。

 最年長の武智さんがお茶で乾杯の音頭をとったが、右手で高く杯を上げることを強く言っておられた。武智さんは私より1年年長であるが、やはり近頃の若者に対して日頃思うところがあるようで、彼らは握手を左手で行うことがしばしばあると言って嘆いておられた。時移り時代が変わっても、変わってはならないことがある。日本の文化などは、テレビCMの影響もあり、左手で箸を持ったり、扉が右手前である筈なのに左手前だったり、そういう文化を壊すようなことは注意しなければいけないとお互いに意気投合したところである。

 今年のラグビー祭には、これまで毎年来られていた4年先輩の時山さんが姿をお見せになられなかった。きっと体調があまりよくないのではないだろうか。近年OBの間でも亡くなる人が増えたので、ちょっと寂しく感じている。

 高校を卒業して今年60年になるが、いつまでも同じ部活をともにした仲間たちが、このような楽しく懐かしい場に参加できるのは、素晴らしいことであり嬉しいことである。3年間の高校時代に勉強ばかりでなく、部活に精一杯没入したことはその後の人生にとって大きなプラスになっていることは間違いない。

 同期生の大島くんとも来られるうちは、これからも出来るだけ来るようにしようと約束して別れた。

2017年1月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com