6446.2025年1月5日(日) 入学推薦制度の国のルールを冒す私立大学

 今年は太平洋戦争が終わってからちょうど80年目になる。当時国民学校(現小学校)初等科1年生だった私には、あの恐ろしかった戦争の全体像までは、分からなかったが、戦争自体の恐ろしさや怖さは空襲などにより身体全体で感じていた。今朝もテレビで終戦80年を取り上げて現在の世界の風潮を伝えていた。戦勝国のアメリカでも終戦とともにホッと安堵の空気が溢れ、戦いから解放され新たな平和への取り組みが伝えられていた。それが今のアメリカ人はほとんど戦争を知らない人ばかりになってしまった。同じ番組の中で、世界、及びアメリカ国内の「対立」、「分裂」と「差別」を取り上げていた。特に、トランプ次期大統領のごときは、「戦って、戦って、戦って、勝って、勝って、勝って・・・アメリカを再び世界最大の大国にする」と喚いている愚かな芝居があった。終戦時には生まれてもおらず、戦争の怖さを臨場感で知らないトランプ氏が、当時の国民が知った戦争のない平和時代の幸せを知らずに、改めて戦争のきっかけを作ろうとしている。その意味では戦争を知らない世代の人たちの無鉄砲さが怖い。これからはどうしたら戦争を避けることが出来るかということを、世界中で真剣に考えなければいけないと思う。

 さて、そんな世界の情勢とはかけ離れた話題をひとつお知らせしたい。日本の私立大学の経営事情が大分変ってきたようだ。近年少子高齢化の到来に連れて受験生の数が相対的に減っている中で、受験生、学生が増えて名実ともに安定した経営を堅持している大学がある一方で、大学の経営に赤信号が灯りだした大学も表れて来た。それでも受験生の数が減る中で、なお大学新設、定員増などが耳に入ってくるが、大学の実態は、そんなに安定した経営が出来る状態ではない筈である。

 最高学府である大学の実態は、外部からはそう容易く窺い知ることが出来ない。女子学生専門の女子大学や、女子短期大学などの中には、男女共学大へ進学する女子高生が年々増えるにつれ、女子大の名門校も経営が苦しくなり閉学の危機にいて、最近では東京女学館大、恵泉女学園大も新入生の募集を停止した。

 著名な大学の中でも受験生の減少に危機感を募らせ、受験生に負担をかけない推薦入学制度に重点を置いている大学も多くなったようである。最近では、私立大学の中の多くが4月入学者の過半数を年内に推薦入学者で固めているという。スポーツ選手優先の大学などでは、ほとんど無試験で推薦入学した学生を受け入れ、在学中も合宿所に宿泊しながら授業にはほとんど出席せず、単位も何らかの理由を付して授与されていると仄聞する。因みに今開催中の全国高校ラグビー大会で、昨日準々決勝で敗れた2校の選手はほとんど進学先が決まっていた。受験生の心的負担をなくすために、推薦入学制を採用する私立大学が増える傾向にあるが、国立大学でも天下の東大や、筑波大ですら推薦制を採用しているとは、秋篠宮家の悠仁様が受験するまで知らなかった。そこには、推薦入試であろうと受験料は平均3万5千円にもなるので、大学にとっては受験生が多ければ大きな収入源となるようだ。

 ただ、この推薦制度を悪用して、中には勇み足をする大学もある。東洋大学がルールを無視して受験生を攫って行ったとして文部科学省から指導を受け、他の私立大学からも厳しく責任を追及されている。東洋大には、悲痛な願いがあるそうである。それは東洋大が、よく話題となる私立大格付けランク「日東駒専」から抜け出し1ランク上の「MARCH」へ食い込みたいとの願望があるからだそうである。そこで東洋大が冒したルール違反とは、学力試験は2月1日以降でなければ許されていないにも拘わらず、12月1日に2科目の学力試験を含めた推薦入学試験を実施したからである。政治の世界のみならず、学問の府でも違法的行為を冒す非常識な大学が増えている。大学でまともに授業を受けずとも卒業に必要な単位だけは得て、社会へ出ていく。しかし、このような学生が、卒業後に果たして厳しい社会でやっていけるのだろうか。当事者はよくよく考える必要がある。

2025年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6445.2025年1月4日(土) アメリカと韓国がやっている非民主的行動

 昨日日本の同盟国でえっ!と驚くような決定が2つも行われた。

 そのひとつは、バイデン米大統領がアメリカ国家安全保障を損なう恐れがあるとして、日本製鉄によるアメリカの鉄鋼最大手メーカー・USスチール(USS)の買収を認めないとその計画を禁止する命令を出したことである。大統領が民間企業の商取引に禁止を命じるなんてことは初めてである。一昨年12月に両社の間で買収計画が決まり、合意していた。しかし、買収計画が公表されるや、アメリカの鉄鋼業界の労働組合、全米鉄鋼労働組合(USW)が、猛烈に反対し強く抗議した。

 結局残り任期が2週間に迫ったバイデン大統領が、自身の思惑でUSW組合員、及びアメリカ国民の信頼を失いたくないとの自己擁護のために資本主義の大義を捨てて無難に退任する道を選んだとしか思えない。日鉄、USSともに失望感を抱えているが、この買収禁止によりアメリカの鉄鋼業界をはじめとして、他の分野も含めた産業界に対する海外からの投資が、今後他の地域へ移っていくことが懸念される。アメリカ経済界にとっては厳しい事態が予想されることも考えられる。

 アメリカのメディアもバイデン大統領の決定について批判的なコメントを掲載している。ニューヨーク・タイムズは、「アメリカで培われた開かれた投資という文化からの逸脱」と指摘し、ウォール・ストリート・ジャーナルは、この決定はUSWにとっては勝利だとしながらも、124年の歴史があるUSSの将来に暗い影を落とす、と厳しく批判している。実際USSは2024年10月~12月決算で、最終赤字に陥ると見られ、日鉄の買収や追加の投資がなければ、今後の成長戦略が描けないと指摘されている。その一方で、日本製鉄は大統領による禁止命令は適正な手続きや法令に違反していると主張して、アメリカ政府を相手取って訴えを起こす方針を決めたと伝えられた。一方のUSSのCEOはバイデン大統領の行動は恥ずべきものだと批判的な声明を発表した。同盟国である日本との関係が悪化する可能性もある。

 日本政府もこの決定については、武藤容治・経産相が早速不満を表明し、今後バイデン政権に対して説明と不安払拭に向けた対応を求めていくと述べた。今後この結末はどういう落としどころを探すのだろうか。

 もうひとつの猶予ならぬ事件とは、お隣の韓国でのことである。この1か月間連日のように尹錫悦大統領による非常戒厳令発令とその撤回、そしてその後の大統領の弾劾訴追を巡る動きの挙句に、合同捜査本部が大統領拘束の令状を発行し、昨日その執行を試みた。ところが、大統領公邸の敷地に入った捜査官らは、大統領警護庁が大統領の警護を理由に公邸の捜索を許可せず、警護庁の関係者らによって阻まれた結果、合同捜査本部は令状の執行を中止した。国家の最高権力者の周辺がこのような治安状態で、政治が機能する筈がない。この様子では、韓国政界は世界に置いて行かれるだろう。この政治的混乱の解決の道は、まだ不透明である。一刻も早く事態を解決させるよう国が一体となるべき時である。

 このように日本の同盟国では、わが国に直接、或いは間接に影響を与える事態に晒されている。今年の政治的安定を祈るしかないか。

2025年1月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6444.2025年1月3日(金) 権力者でも勢いに流されるものだ。

 昨日から行われていた関東大学対抗箱根駅伝は、昨日往路でトップだった青山学院大が5人の選手が安定した走りをして大会記録で総合優勝した。一方、昨日はやや精彩を欠き期待を裏切ったかの感があった4位の駒沢大が、今日は奮起して2位に入り、記録も優勝した青山を上回って復路優勝となったが、昨日の記録がやや遅すぎて残念ながら2位に甘んじることになった。見事だったのは、出雲と全日本を制した国学院大が初優勝を目指しながらも3位に入ったことである。以下4位は早稲田大、5位中央大となった。

 今日は全国高校ラグビー大会の準々決勝4試合が大阪花園ラグビー場で行われたが、テレビ中継がなく観られず残念に思っている。昨年優勝の神奈川県代表・桐蔭学園が大阪桐蔭学園に勝って準決勝へ進んだ。これに関して思うことは、私が高校時代にラグビー部主将を務めた県立湘南高校は、近年かなり実力が上がり良いところまで勝ち進むが、強豪私立校が出揃うベスト8までが精いっぱいで、いつも私立の強豪校の壁をぶち破れずにいる。昨年もそうだったが、今年度も後輩たちは、この桐蔭学園と県大会準々決勝で顔を合わせ0-148のスコアで大敗を喫した。

 さて、世間には公表されなくても秘匿されたビッグニュースもいつかは公に明らかにされることがよくあるものだ。このほどイギリスのフィナンシアル・タイムズ紙が明かにしたところによると、昨年大晦日にロシア軍の機密文書が明かされ、今から10余年も以前のことであるが、ロシア軍が日本や韓国との戦争を想定して、160か所もの攻撃対象リストを作成していたと伝えた。関門トンネルや東海村の原発施設、北海道奥尻島の航空自衛隊レーダー基地などがターゲットとして含まれていたという。もっと他の施設も明らかにして欲しいものである。他にもたくさんインフラ設備などが対象になっていたのでないかと考えるとおぞましい気がする。しかし、恐らくアメリカ軍の手には、それ以上に日本国内の重要施設で致命傷となりかねない施設なども日本には知らされず、アメリカ軍の掌中にるのではないかと考えられる。

 昨年も各地で戦火が激しくなったが、今年もあちこちに点火するのではないかと気がかりである。今朝の朝日新聞にこんな記事が出ていた。「百年―未来への歴史・・・デモクラシーと戦争」によれば、先の戦争直前から日本の中枢部には、「勢い」と「大勢」という言葉が、支配していたとして、真珠湾攻撃の直前緊迫した空気の「天皇絶対」観があった環境下で昭和天皇が戦争を止めようと思ってもどうしても勢いに引きずられてしまった、開戦は避けられなかったそうである。同じように近衛文麿首相にしても日独伊3国同盟は必然の勢いだと述べていたとされる。これについて、政治学者・丸山真男が述べた「つぎつぎになりゆくいきおい」の考えを応用して、「戦前の日本では、時勢の流れの前に人は無力であり、時勢の必然ならばあらゆる人々が全力で順応すべきだとの論理で、『勢い』の概念が成り行きまかせの政治判断・行動を正当化する言説として使われた」と解説する学者もいる。つまりある考えが固まってくるといかに絶対君主の天皇であろうとも勢いに流されてしまうということを言っているのであろう。いざとなってもそういう方向に進まないよう十分気をつけなければいけないと痛感する。

2025年1月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6443.2025年1月2日(木) 新年早々治安三流国アメリカで大量殺戮

 正月2日は、毎年テレビのスポーツ中継魅入られる。今日、明日の2日間行われる第101回関東大学対抗東京・箱根間駅伝第1日目では、予想に違わず、優勝候補の筆頭った青山学院大が最初の1区では10位だったが、徐々にトップとの差を詰め、最終5区の山登りでトップの中央大を追い抜き、昨年に続き往路優勝を飾った。毎年優勝争いをしている駒沢大が、1度もトップ争いをやることなく往路4位にやっと食い込んだ状況なので、明日の復路も青山学院大の独走になり2年連続総合優勝を飾ることになるのではないかと思う。

 レースに直接関係ないことであるが、今年の出場選手のユニフォームを見て、少々変わったなと思った。いつもより黒っぽく地味に見えた。パンツは21チームのうち、約15校が黒っぽかったし、シャツが黒色のチームが半分くらいあった。もう少し若者らしく明るいカラーを使用した方が、チーム全体の雰囲気が明るくなると思う。創価大なんか、昨年までは青と赤を採り入れた若干目立つシャツを着用していたように記憶しているが、今日は上も下も真っ黒だった。どうでも好いようなものかも知れないが、他のスポーツ選手のユニフォームは、年々華やかな色彩を採り入れているのに、どうして箱根駅伝だけが今年になってこのような地味なユニフォームを着るようになったのか謎である。

 高校サッカー全国大会の試合も中継していたが、全国大学ラグビー選手権大会準決勝、帝京大対明治大、早稲田大対京都産業大の2試合を今年も観戦した。大会3連覇中の帝京大が予想通り明治を破り、京都産業大を下した早稲田と決勝戦で対決することになった。今年の関東大学対抗戦ですでに対戦していて、早稲田大が勝利を収めているので、帝京大の4連覇は難しいと思うが、13日成人の日に行われる決勝戦は熱戦が期待される。今から楽しみである。

 かつては、大学と社会人チームの実力は伯仲して甲乙つけ難かったが、近年は社会人チームのレベルが圧倒的に高くなり、日本選手権もかつては社会人チームと大学チームのチャンピオン同士が日本一の雌雄を決していたが、今では社会人チームの間で日本一のチームを決めている。大学選手権の後は、社会人選手権の日本一決定戦を楽しみにしている。

 さて、正月早々に治安面で悪評が高いアメリカ社会で、また大事件が勃発した。何度も訪れたことがあり、ジャズの街として知られるニューオーリンズの繁華街で車が暴走し今日時点で15人が死亡し、35人が負傷したという。銃を所有していた犯人は、その後警察官と撃ち合いになり、射殺されたそうだが、過激派組織「イスラム国」に影響を受けていたようだ。それにしても1年を通じてこうも恒常的に殺人事件が起きるというのは、間違いなくアメリカ社会に大きな欠陥があるからである。バイデン大統領は、「いかなる暴力も正当化できない」といつもと同じコメントを述べているが、それなら解決策をどんどん積極的に進めるべきではないか。問題は深いところにあり、これまでの政府首脳が一向に治安悪化を解決しようとの意思を示さず、放置しているからである。アメリカのGNPは確かに世界一であるが、厳しく言えば、アメリカは国家としては三流で、アメリカ人自身も三流人と見做さざるを得ない。

2025年1月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6442.2025年1月1日(水) 1年の始めに当たり想うこと

 今日は令和7年の正月元旦、1年の始まりの日である。西暦なら2025年、紀元で言えば2685年、昭和ならちょうど100年に当たる。見上げれば透き通るよう青空が広がっている。 

 ♪年の始めの 例として 終なき世のめでたさを 松竹たてて 門ごとに 祝う今日こそ 楽しけれ 

 「1月1日」という戦前・戦中の唱歌である。終戦の年・1945年疎開先で小学校(当時の国民学校初等科)へ入学して1946年正月の3学期の始業式で唄ったことを覚えている。そして翌2月の紀元節(現在の建国の日)に紀元節の歌、

 ♪雲に聳ゆる 高千穂の 高根おろしに 草も木も なびきふしけん 大御世を 仰ぐ今日こそ たのしけれ

 を同じく学校で大きな声を張り上げて合唱したことも懐かしく想い出す。今年は昭和100年、太平洋戦争終戦の年から数えて80年になる。いずれの唱歌も、今ではまったく歌われなくなった。その背景には、歌が象徴しているのが、神道であり、天皇家であり、戦後GHQにより学校で唄うのが禁止されたからである。

 以前は、元旦になると今も恒例として行われている母校ラグビー部OB会主催ラグビー祭に参加して、OB・現役一体となった交流会に参加していたが、コロナ渦になってから車を処分したことと、コロナは去ったとは言え、元旦早々老妻を家に残して1日外出し難くなったこともあり、ラグビー部には毎年些細な志を贈るだけで許してもらっている。

 今日皇居では新年祝賀の儀が行われ、天皇が皇后ともども皇族や石破首相らから新年のお祝いを受けられた。午後には日本に駐在する外国大使から挨拶を受けられた。明日は新年一般参賀が行われ、天皇、皇后両陛下から参拝者に新年の祝辞が述べられる。昨年は元旦に襲われた能登半島地震の被害を考慮され、見送りになったので、今年は2年ぶりということになる。被災地では、それぞれ各自治体でも犠牲者の追悼式が行われた。能登では9月にも豪雨が襲い、2度も悲惨な目に遭っている。復興はまだ遥かに先でいつになるのか分からない。地元民にとっては、2度とこのような残酷な災害が襲来しないように祈るだけである。

 昨晩NHKテレビで恒例の紅白歌合戦を見るとはなしに、時々観ていたが、年末年始よう厳かあるべき時に、ショーが賑やか過ぎてどうも落ち着かない。今風の歌激しい楽器の音や派手なダンスなどを採り入れ、喚いたり怒鳴ったりして彼らが唄う歌詞には詩的な要素がほとんどなく、単語を並べているだけで意味不明なものが多くとても落ち着いて聴こうという気になれない。そんな時には、思想的なことを考えずとも昔の年末年始の唱歌を聴く方がどれほど気持ちが落ち着くことだろうか。

 お正月用にはもう少し落ち着いた、詩情溢れる歌があって欲しいと歌に明るくないド素人は思う。

 今日元旦ならではの年賀状を楽しみに受け取っていろいろ思いを巡らしながら、送り主のことをあれこれ想っていた。少々びっくりしたのは、来年から年賀状を辞退したいという友人が、13人もいたことである。私と同年配以上ならともかく、中には50歳前後で来年から年賀状と縁を切りたいというのもあった。残念ながらこれまで書いてきた年賀状の本来の意味がよく分かっていないようだ。いずれにせよ、年賀状を通信手段と考えているとしたら、少々手間がかかるので、他の通信手段に代えたいということなのだろう。まあ時代の成り行きでこれも致し方がないのかも知れない。それにしても年賀状廃止の傾向は時代の流れということで片付けられそうだが、文化的習慣の消滅と人々の心に他人の気持ちを思いやる心情が少し失せてきたことではないかと考えている。

 さぁ、今年も健康に配慮しつつ、知人友人らとの交流を続けながら、前向きな気持ちを堅持しつつ個性的な執筆活動だけは気持ちを入れ込んで続けて行きたいと思っている。

 夜は例年通り、NHK・Eテレビでウィーン・フィルハーモニーの新年演奏会を楽しんだ。ラデツキー行進曲の軽快で力強いリズムに乗って今年も明日から頑張って行こう。

2025年1月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6441.2024年12月31日(火) 1年の終わり・大晦日に想う。

 今年も大晦日を迎えることになった。妻と2人だけの老夫婦の家庭なので、昨年と変わり映えしない年末であるが、世間に目を向けてみると日本国内や海外の社会がいずれも前途多難ではないかと懸念している。地球沸騰化の名の通り、夏は過去最高の猛暑だったし、冬のは例年に比べ全国的に厳しい寒さで、日本海側では近年稀な大雪に見舞われている状態で、ある大学教授が表現したように1年が夏とだけの2シーズンになるとの予感がしている。国内政治は石破首相にやや頼りなさがあるが、外国の圧政に比べればまだましかも知れない。心配なのは、まもなくアメリカの大統領に就任するトランプ氏が、世界中から懸念されているように、パリ協定から再び離脱して地球温暖化を進め、世界保健機関(WHO)からも脱退をほのめかしていることで、民主主義をぶち壊し、地球沸騰化を進め、対立と差別を拡大させ、世界中に憎悪と不信をばらまき、戦争が発生し拡散することである。世界の3大悪人と見られていた習近平、プーチン、金正恩を超える悪魔の登場を考えると今から憂鬱な気持ちになる。

 私自身今年をざっと振り返って、やはり悲しいことは「べ平連」で活動された小中陽太郎氏とJR東海参与の須田寛氏が他界されたことである。お2人の先輩にはいろいろな面で、ご教示とご指導を賜った。他にも高校の先輩と後輩にも別れを告げなければならなかった。年々親しい人たちが逝かれるが、その点でも現在定期的に連絡を取りながら交流を続けている友人らとは、これからも交誼を保っていきたいと考えている。

 大晦日になると想い出すのは、年末に海外で楽しいひとときを過ごしたことである。最も印象に残っているのは、今から57年前に第3次中東戦争終戦直後にエジプトの首都カイロから戒厳令下にあった運河の街スエズへ列車で向かい、車内の乗客と親しくなり言葉は充分通じないながらも日本対エジプトの紅白歌合戦をやったことである。あの時三波春夫の♪チャンチキおけさ♪を手拍子を交えて唄ったところ、お返しにエジプトの音楽を返してもらった。あの後何度か官憲に身柄を拘束されたが、今思い出してもあんな危なっかしい体験をしたのは、若く好奇心があったからこそ出来たことだとつくづく思っている。

 今年のNHK紅白歌合戦では、もう知っている歌手はあまり出場しなくなり、歌われる曲名もあまり知らない。かつての藤山一郎、灰田勝彦、岡晴夫、淡谷のり子、渡辺はま子、美空ひばり、越路吹雪、村田英雄、三橋美智也、三波春夫らの歌ならすぐにも口ずさむことが出来るのだが、最近の歌手についてはまるでダメだ。今年もまた紅白はあまり観ることがないと思う。

 今年1年を振り返って来年の希望と行動を考えてみると、今や創設者が亡くなり往年の勢いを失った「NPO知的生産の技術研究会」の仲間たちが、試行的に昨年季刊誌を発刊して、私も協力を要請され次号から毎号寄稿することになった。更に現在3版を重ねた「八十冒険爺の言いたい放題」が、意外にも在日アメリカ人の間で読まれているようで、現在ある出版社を介して英語版出版を進めつつある段階にあるので、これを何とか世に出したい。他には、これまで外部に公表した原稿をまとめて私家版として上梓して親しい友人らに目を通してもらいたいと思い、いつまでも記録として残してみたいと考えている。もう一冊、僭越だが、社会批判と政治家批判を私自身のベトナム反戦闘争経験や海外ひとり旅体験を踏まえて書いてみたいと考えているが、これは来年以降になると思う。

 今年も1年366日1日も欠かさずこのブログを書き続けることが出来たことは、ラッキーだったと思う。幸い今日連続6441回を数えることが出来た。これからいつまで書き続けられるかは神のみぞ知るであるが、出来るうちは書き続けて行きたい。

 2人目の孫の女子がこの3月に大学を卒業し就職する。彼女の兄は昨年社会人となったが、孫が2人も社会人になるとは、随分時が経ち、逆に余生が少なくなっていることでもある。健康に留意しながら、妻ともども自由な生活を送って参りたいと願っている。

 間もなく深夜12時にテレビを通して京都知恩院の鐘を聴き、除夜の鐘の音を耳にしつつ、2024年を送ることになるだろう

2024年12月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6440.2024年12月30日(月) 韓国内は大荒れ、カーター米元大統領死去

 韓国国内では大統領、首相が失職し政局不透明の昨日、国際線航空機が務安国際空港に胴体着陸しフェンスに激突して大惨事引き起こした。乗員乗客181名が搭乗していて、そのうち2名は救助されたが、他の179名は死亡した。韓国当局は、鳥が飛行中に航空機にぶつかったバードストライクの可能性を述べてい。しかし、イギリスの航空問題専門家は、滑走路の端から300余m離れたところに普通にはあり得ない外壁があり、そこに衝突したことが多数の死者を生んだ原因と分析している。

 韓国の航空機事故と言えば、1983年9月に大韓航空機がソ連領空を侵犯し、追跡していたソ連の戦闘機にサハリン沖上空で撃墜され、日本人28人を含む269名が亡くなった大事故を想い出す。韓国航空史上最大の事故として知られている。ソ連の同盟国だった東ドイツでは、この大事故を知っている人がほとんどいなかった。当時はまだ東西対立時代で、偶々事故の直後に東ドイツを訪れて、それとなく東ドイツの教育委員らにこの事故について尋ねたところ誰もまったく知らなかった。東独政府が同盟国の不届きな撃墜事故により厳しい批判を受けるのを懸念したのか、これほどの大事故をメディアでは一切伝えなかったのだ。当時の東欧社会には、報道の自由なんてまったくなかったことを存分に知らされたものである。その2年後にプーチン現大統領が、5年間に亘り東独のKGBに務めるようになった。

 それにしてもつい先日カザフスタンでアゼルバイジャン航空機が、ロシアのミサイルによって撃ち落とされたとの報道があったばかりである。ロシア側は意図的に狙って撃墜したことはなく、偶々事故により撃墜させてしまったとプーチン大統領も率直に認めた。アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、国営テレビで旅客機が電子妨害を受け、誤射により撃墜されたと述べ、ロシア側に責任を認め、関係者を処分するよう求めた。そんな事故が起きて間もなく昨日の韓国機の事故が発生したのである。   

 今回の航空機事故は、コロナ渦が消えて世界的に再び旅行ブームが訪れそうな時であるが、航空機に限らず、事故防止には万全を期してもらいたいものである。

 さて、今朝アメリカのカーター元大統領が100歳で亡くなったとのニュースが入った。カーター氏は1期4年間だけの在任だったが、その行動と実績には世界平和を希求する信念と気持ちがはっきり表れていた。中でも、1978年に長年対立していたイスラエルとエジプトの平和条約締結を決めた「キャンプ・デービッド合意」を仲介して中東和平に尽力したことが評価されている。翌年には、アメリカと中国との国交を樹立した。大統領就任前からとかくのホラ発言で有識者の反発を買っているトランプ次期大統領とはまるで反対の民主的、平和的実績により、2002年にはノーベル平和賞を授与された。

 実は今朝の朝日新聞「声」欄に83歳のデザイン事務所経営者がなるほどと頷ける内容を投稿したのを読んだ。その経営者は現代のアメリカ流民主主義が、トランプ氏を主とするアメリカ国民の選択によって人種差別、暴力教唆、地球環境無視、イスラエルへの異常な肩入れ等により、民主主義より自国エゴを優先する国になったことに失望している。まったくその通りである。カーター大統領ならこんな馬鹿げたことをしなかったであろう。事実カーター氏は、先の大統領選ではトランプ氏ではなく、ハリス氏に1票を投じていた。

 口さがないトランプ氏が、カーター氏の死去に対して何という弔辞を述べ、皮肉を言うだろうかと思いきや、意外にも「カーター氏は、偉大な人格、勇気や希望、楽観主義の持ち主だった。この国のすべての若者たちに、原則、信念、謙虚さを併せ持ったカーター氏のことを学んでほしい」と語り、カーター氏の国葬をワシントンで行う意向を表明した。しかし、若者に伝えようとしたカーター氏言動、生き方とはむしろまったくそぐわない、トランプ氏は自分自身にこそ突き付けるべきメッセージではないかと思う。カーター氏のご冥福をお祈りしたい。

2024年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6439.2024年12月29日(日) 天下りの両横綱、日銀と中央官庁

 一般に「天下り」と呼ばれる、支配下の組織、或いは影響下にある組織に対して、人材を送り込む歓迎されざる習慣が国の役所を中心に、多くの組織で堂々と、或いはこっそりと行われるケースが間々ある。特に監督官庁からの天下りには、文句を言えず、泣く泣く受け入れる企業もあるようだ。天下りしても地位に就いているだけで権限を持たないならともかく、天下ったご当人が組織内の上司として組織の細かい箇所まで取り仕切る場合には、的外れもありパワハラもやりかねない。

 最近あまり伝えられていない天下りが、今2つばかりやり玉に挙げられている。ひとつは、日本銀行である。銀行の中の銀行として、銀行界の頂点に立ち、日本の金融界をリードしているだけに職員のエリート意識も並外れているようだ。職員の給与もかなり高く、定年後に雇用延長制度により「エキスパート職員」として、月20日勤務で月給約70万円とされる。しかも福利厚生施設が充実している。日銀マンは、高給や手厚い手当の他に、高額な企業年金や地方銀行などへの天下り先まで用意されるケースがある。日銀の優越的地位を利用した天下りは、金融証券界に枚挙に暇がなく受け入れ側では、困惑しているケースもあるようだ。

 もうひとつの天下りは、外交官の退官後の就職先である。修士号も持たない外務官僚が、退職後に大学教授ポストを複数も掛け持ちする風潮に、学界から反発が出ているという。そのしわ寄せで、博士号を取得しながらポストがなく、コンビニなどで働いているケースもあり、外交官がポストを奪うのは罪深いと陰の声があるくらいである。

 一例を挙げれば、昨年退官した垂秀夫・前中国大使の如きは、立命館大学教授、慶應義塾大学特別招聘教授、北海道大学客員教授のポストを手に入れた。退職金は推定約8千万円といわれている。しかも、自らのHPに個別企業の講演依頼は「謝礼金30万円以上」と明記して、その厚かましい強欲ぶりを曝け出したのには呆れている。他にも在任中に特別の外交成果があったわけではない、前ロシア駐在大使を8年間も務めた上月豊久氏は、ロシア軍のウクライナ侵略のビッグ情報をベラルーシ大使館が事前に通報しても、親ロ派の上月大使は、そんなことは有り得ないと外務省に情報を封印させた。それが今年11月のロシア・東欧学会で暴露され顰蹙を買った人物で、大学で複数のポストを掛け持ちしているが、教鞭をとる資格があるのかと疑問を持たれている

 民間企業が、親会社から子会社への出向という名の天下り的異動は、同じグループ会社内で割り切って経営上の責任を負っている事象なので、外部からとやかく言える問題ではない。しかし、監督官庁とか、お得意先からの押し付けによる外部人事の受け入れは、働くスタッフにとっては歓迎されるものではない。現状のままで果たして良いものだろうか。

 最近斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラ問題が大きな話題となったが、その奥深い背景には、斎藤知事自身の経歴に依るところが大きいと思う。東大卒業後、エリート官僚として総務省に入省し、その後佐渡市、宮城県、大阪府に出向して地方で天下りにより殿様扱いされる甘い味を覚え、その後のパワハラ役人道を歩んだようだ。

 天下りなんて、送り出す側に若干人員削減のメリットがあるとは言え、受け入れ側にはメリットよりデメリットの方が大きい。いつまでも続けていて良いものだろうか

2024年12月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6438.2024年12月28日(土) 貧血症状、鉄分不足と判明

 最近腹具合がパッとせず、便秘と下痢繰り返しているような状態である。内科医には度々相談していてそれぞれに効用のある調整しているが、あまり結果は芳しくない。そこへ新たな問題が持ち上がってしまった。

 昨日4週間ぶりに糖尿病クリニックで調べてもらったところ、糖尿病のヘモグロビンの基準数値(HbA1c)は、このところ安定し5.6だったので、糖尿病の具合はずっと基準値範囲内にあり問題ではない。ところが、昨日時点で鉄分不足が見えたらしく採血した結果が今日分かる。処置した方が良い場合は、電話で教えてもらえるということだった。その電話が今朝クリニックからかかって来た。直ぐクリニックへ出かけて医師に伺ったところ、やはり鉄分が不足していて数値は「36」だった。基準値範囲の60~210より大分低い。早速薬局から2種類の薬をいただいて、明日から毎日服用することになった。毎日服用している薬の種類も多くなり、とてもすべての名前まで覚えきれない。それにしても貧血の原因ともなる鉄分不足とは、まったく初めてのことである。加齢とともに身体の保全、維持も中々難しくなってくる。これから薬はもちろんであるが、食生活面でも鉄分が多く含まれている香辛料、海藻類、魚貝類などの食べ物を食べられるよう妻協力を求める必要あると思っている。

 このところ世界で戦争、或いはそれに近い戦闘が各地で勃発しているが、ウクライナへ侵攻したロシア軍も意外に苦戦して、兵士の数に不足を来たし、北朝鮮兵を最前線に投入して、すでに彼らのうち相当数が戦死したと伝えられている。そこへ昨日ホワイトハウスのカービー広報補佐官が、ロシア南西部のクルスク州でウクライナ軍と交戦中の北朝鮮兵の死傷者数が、この1週間だけで1千人にのぼるとの見方を示した。戦線はウクライナとの国境周辺でウクライナ軍と一進一退の攻防を繰り返している。そんな時にアゼルバイジャンの旅客機が、カザフスタン国内で墜落し、その原因についていろいろ憶測があるような報道が流れている。乗客乗員67のうち38人の死亡と29人の生存が確認された。破片の形状からみると機体の後方と左側で防空システムが爆発したようだと当地の専門家がラジオで語った。

 それにしてもこの戦争には、一向に停戦の兆しが見えない。僅かにトランプ次期アメリカ大統領だけは、いつものように減らず口を叩き、直ぐにも停戦させてみせると意気込んで語っているが、トランプ氏の言い分は、仮に戦争を終わらせた功績は自らの実績にしたいだけで、終戦に至る両当事国の条件を現状から考えれば、プーチン大統領に好い顔を見せるため、占領地をロシア領と認めるロシア寄りの終戦条件を提案するのではないかと思う。そしてウクライナのゼレンスキー大統領には戦後の経済支援や復旧のための資金を提供することによって一応両者の顔を立てるような筋書きを描いているように思う。これまで終戦については、自国領からロシア軍が完全撤退すること以外は譲れないとしてきたゼレンスキー氏が、こんなトランプ提案を受け入れるだろうか。つまり、プーチン氏に有利な条件を主張するようでは戦争はまだまだ続きそうである。

2024年12月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6437.2024年12月27日(金) 増え続ける国家予算と国の借金

 このところ東京都内や隣接する首都圏都市でやたらに住宅火災が起きている。こんなに毎日連続して火災が発生し、多くの住民が死亡するなんてことはこれまでかったと思う。火災の原因は、最近雨が降らず空気が乾燥し切っていることが大きいように思う。

 実際東京消防庁の報告によると、都内で11月中に発生した住宅火災による死者は13人に上り、36年ぶりの多さだそうだ。近年は地震に伴う火災の発生が大きな被害を及ぼしていることもあるが、一戸建ての木造住宅の火災も目立つようになった。その原因は電気ストーブに可燃物が接触して燃え広がり大きな火災になるのと、タバコの火の不始末によるものが多いようだ。しかもタバコによる火災で亡くなった人の約6割が高齢者だという。恐らく長年嗜んできたタバコを先行き短い余命を考えると今更止める気にはならないのだろう。

 都内で今年住宅火災によって亡くなった人は過去10年間で最多の72人である。そのほとんどが密集した住宅から発生した火災であるが、そうではない我が家でも十分気を付ける必要があると思う。

 さて、来年度一般会計予算案が、今日臨時閣議で決定された。過去最大規模となった。3年連続で歳出総額が110兆円を超え、来年度は115兆5千億円となった。大学経済学部に入学した1959年に「経済学」の授業で、その年の一般会計予算が1兆4千億円だということを知った。来年度歳出予算に比べれば、僅かその1.2%にしか過ぎない。国家予算も随分巨大化したものである。年々歳出は増え続けているが、特に高齢化社会の到来により医療や、年金などの社会保障費が膨らみ39兆円超となり歳出項目の中でも圧倒的に多い。更にアメリカから言われるまま兵器やミサイル関連費を購入し防衛費に8兆6百億円を投入する。しかも具体的な使途が不明なものが多い。この辺りをメディアはもっと追求すべきではないかと思う。これも以前には予算の1%、つまり1兆円以内に納めるとの申し合わせらしきものがあったが、今では誰も口外しない間に雪ダルマ式に膨らんでいる。更に毎年投入する地方交付税交付金が実に19兆円余も計上されている。税収の見積もりは、70兆円超で、当然不足分は借金ということになり、財源の1/4を国債に頼ることになる。

 ここで毎年気になるのは、国家財政のうち、これまでの国債発行に伴う累積債務は、実に1,300兆円を超えることになる。一時は、このまま借金が増え続けたら国がデフォルトになるとの警戒心から財政収支のバランスを取るべく財政再建への真剣な取り組み、プライマリーバランスが議論されたことがあったが、最近ほとんどその議論は聞かれなくなった。どうしてだろうか。借金が出来るうちは、国力が残っているということで問題ないとでも考えたのだろう。金融専門家の考えていることが、よく理解出来ない。

2024年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com