昨日閉会したデフリンピックには、オリンピックとは結果的に大きく異なる点がある。それはオリンピックでメダルを獲得する国とデフリンピックで同じようにメダルを獲得する国とは地域が随分異なることである。それは、陸上男子などでは、健常者のオリンピックならアフリカ勢やジャマイカが上位を独占するというイメージがあるが、難聴者のデフリンピックではまったく異なり、ヨーロッパ諸国や日本も上位を占めることである。
この傾向にかなり関心が集まったと見られ、メディアでも原因やその分析について報道しているほどである。ひとつには、デフリンピックが今から約100年前の1924年にフランスで始まった歴史的経緯もあり、ヨーロッパを中心に発展し、このような歴史的土壌が現在の競技力に影響を与えたことである。もうひとつは、ヨーロッパや日本には聾学校などが古くからあり、選手を育てる組織が出来ているが、中南米やアフリカでは聴覚障害者スポーツが機能する環境が整っていないことが考えられる。デフリンピックの国別メダル獲得数を調べても、協会から正式に公表されたわけではないが、1位中国(メダル数220、金メダル94)、2位イギリス(メダル数124、金49)、3位アメリカ(メダル数105、金36)しか分かっていない。日本は合計51個で、金メダルは16個である。
いずれにしても聴覚障害を抱える人たちが参加するスポーツ大会には、それなりの人材、資金面などハードルがある。デフリンピックのようにメディアも目を向け、一般に啓蒙するようならいつの日にか、アフリカの国がオリンピック同様檜舞台で活躍する日が訪れる可能性もあるのではないかと密かに期待したいと思う。
さて、一時コロナ期を除いて近年インバウンド業では、外国人の来日が増えて、オーバーツーリズム現象のようなマイナス面を抱えながらも、現状は悦に入っている。国の財政面でも今や旅行業がプラス要因として大きく貢献している。
それに沿って都道府県も頭を抱えながらもそれなりに受け入れ態勢を整備している。そこへある民間調査会社が全国47都道府県の魅力度ランキングなるものを発表した。各自治体はそれなりに現存する観光地の他にも、新たな独自の魅力をアピールして魅力度アップに取り組んでいる。ランキングを一瞥して感じることは、自然風景と歴史的資産に恵まれた自治体と大都市圏が概ね上位にランクされている。例を挙げれば、ベスト5は、北海道、京都府、沖縄県、神奈川県、東京都の順である。その一方で、ワースト5は、埼玉県、茨城県、佐賀県、鳥取県、山口県である。判定の根拠である種目別点数が分からないので何とも言えないが、最下位の埼玉県は、首都東京に近く住み良さと交通至便では高い評価を得て、その他にも教育・子育ては2位という評価を得ながらもトータルでは最下位に沈んだ。これは実感というよりイメージの要素が強いが、その自治体職員にとっては屈辱であろう。その点でも行政ではこれらの点にも留意しながら業務に取り組むべきであろうか。