3081.2015年10月20日(火) HPアクセス数50000回、ブログ書き込み連続3080回を記録

 昨日の時点でこのホームページへのアクセス数が50000回を超えた。HP開設以来8年半になるが、これを覗いて見てくれる人がこれほどおられることは有り難いことであるし、嬉しいことでもある。1年間で6000人弱ということから推して、多いのか少ないのかは何とも言えない。しかし、同時に2007年5月15日に最初のブログを書き出してから、これも昨日で連続3080回に達したことは、自分でもよく書き続けて来られたと思っている。

 もう少し学術的なテーマも取り上げられたら良いと思うのだが、その点は残念ながら未熟で知力及ばず、ネタも拾えず原稿が書けない。まあ一般的な話題は何とか書けそうなので、あまり気張らずに今まで通り自分で納得の出来る範囲内で気楽に書き続けて行きたいと考えている。

 さて、昨日から新聞やテレビで大きく騒がれている経済関係のニュースに中国経済の停滞が取り上げられている。昨日の夕刊各紙の一面トップに、「中国成長率7%割れ」(朝日、日経とも)との見出しが掲げられている。毎日、読売、東京各夕刊紙も同じ扱いである。

 中国が昨日2015年7~9月期の国内総生産(GDP)を発表したが、7%を割ったのはリーマン・ショック以降6年半ぶりとなった。それほど大騒ぎする数字かと首を傾げるところだが、専門家によると投資や生産の低迷で中国の成長が鈍化し、世界経済を揺さぶるリスクとなっているという。中国経済が力をつけて世界に影響を及ぼすようになったということである。

 確かに中国の実質成長率は12%を示した09年以降確実に低下傾向にある。中国政府としては金融市場に資金を投入するなどして、なりふり構わずあらゆる手を打って来る可能性がある。我々にはよく分からない中国市場の動きであるが、とにかく世界経済の動向に大きな影響を与えるようになりそのまま推移するのか、景気を戻すのか、見て見ぬふりをしているわけにも行かないようだ。

 ところで今イギリス国内で盛りあがっているラグビー・ワールドカップは、昨日決勝トーナメント準々決勝が終わり、ベスト4が出揃った。今回もベスト4には、すべて南半球の国々、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンが進出した。試合の経過、結果を見ると恐らくニュージーランド(オールブラックス)が優勝の最右翼ではないかと思う。

 ひとつ残念なことは、準々決勝オーストラリア対スコットランド戦のノーサイド寸前のプレイでレフェリーの判定に誤審の疑いが出て現地で話題となっている。試合は残り時間2分でPKを得たオーストラリアのキックが決まり32-34の試合をひっくり返し、オーストラリアが35-34で僅か1点差の逆転勝ちを収めるという劇的な幕切れとなった。

 ビデオを見たわけではないが、報道によるとスコットランドのラインアウトでスコットランド選手がノックオンしてこぼれたボールをオフサイドの位置にいたスコットランドの選手が抑えたため、ノックオン・オフサイドと判定されてPKとなった。ところが、ノックオンしたボールは先にオーストラリア選手が触れたことからスコットランド選手のオフサイド反則ではなく、オーストラリアのスクラムで試合再開となるべきというのが真相のようである。この誤審は勝負をひっくり返すような大誤審となった。

 主審を務めた南アフリカ人のクレイグ・ジュベール氏は、8万人以上の観客の大半を占めるスコットランドのファンのブーイングから逃げるようにピッチから去ったために疑惑の判定と言われ、その一方で最後の土壇場でどんでん返しを食ったスコットランド人は収まりそうもない。勝利を分ける重大な判定となっただけに、この誤審は後々尾を引くことになるのではないだろうか。

2015年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3080.2015年10月19日(月) また脱線!高石大臣ら靖国神社参拝

 昨日日本共産党の日米安保条約容認という電撃的なニュースを耳にして腰を抜かさんばかりに驚いた。俄かには信じられなかった。今朝の朝日「天声人語」は皮肉たっぷりに取り上げ、「夕刊フジ」のような大衆紙にも紹介されている。「天声人語」は、「違憲」の安保法制廃止のためだけに他党とともに新政権「国民連合政府」を樹立しようという共産党の構想と提案が注目されていると指摘している。今回の提案の特徴は、党の根幹政策である、日米安保条約の廃棄や自衛隊解消は暫定的なものとして極力抑えた。だが、共産党アレルギーのある他の野党は共産党との連携にどういう対応を取るだろうか。当分の間議論を呼ぶことだろう。

 こういう時に、安倍政権の閣僚2人が秋季例大祭開催中の靖国神社に参拝した。やれやれまたかという印象である。その2人とは、高石早苗総務相と岩城光英法務相である。高石法相がこのよおうな言動をするのは、これで何度目だろうか。確信犯である。メディアに取り上げられ、話題になることだけを目的にした言動に見えてならない。大体2人とも言うことがおかしい。「国のために戦い、尊い命を捧げられたご英霊に対して感謝の誠を表すために参拝した」。本心からそう思っているのだろうか。参拝する政治家は、皆同じ言葉を繰り返す。だが、とても本心とは思えない。問題は、靖国神社に祀られた御霊が、赤紙1枚で徴兵された兵士や軍令によって戦い命を落とした人たちばかりなら、2人の言い分も分かる。だが、英霊の中には、彼らを死に追いやった戦争犯罪者として処刑されたA級戦犯が含まれていることを忘れては困る。高石大臣らは、こんなことは百も承知だろう。それにも拘わらず、毎年のように参拝している。これが、中国や韓国を始め、先の大戦の戦勝国や、犠牲者を生んだ国々から非難され、外交関係がおかしくなっているのだ。どうして分かりきった理不尽な行為を、大臣ともあろう者が性懲りもなく参拝し続けるのだろうか。そこには、何らかの個人的な意図や思惑が隠されているように思えて仕方がない。はっきり言ってこの2人には大臣の資質がないと断定せざるを得ない。あまりにも浅はかであり、無思慮である。

 案の定早速中国と韓国から批判的コメントが伝えられた。

 さて、今日はセビリア大使館でセルビア人画家、ミラン・トゥーツォヴィッチ氏の展示会を行うので、ぜひ閲覧をとベオグラードの山崎洋さんから先日案内をもらった。ゼミの友人3人と大使館へ見学に行ったが、ちょっと普通の展示会とは変わっていた。大使館中庭でコントラバスによるセルビア曲の独奏を立ったまま聞き、手作りの木製の箱の中へ入ってひと時イヤホーンで解説を聴いたり、絵画自体が主に床屋と美容院を題材に描いているのが異色の感じがした。

 それにしても、山崎さんは今年になって一時帰国したのは3度目だ。元気いっぱいに明るく振る舞っているのが頼もしい。25日には、ともに鎌倉散策を楽しむ計画である。

2015年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3079.2015年10月18日(日) 日本共産党は変節したのか。

 去る15日に日本共産党の志位和夫委員長が、安全保障関連法案を廃止するために提唱する国民連合政府が実現すれば、日米安保条約の枠組みで対応すると日本外国特派員協会の記者会見で述べた。国民連合政府の対応として凍結すると条件付きではあるが、それにしてもあまりにもショッキングなアピールである。

 共産党が安保条約を一時的にも認めようとの考えには驚き以外の何物でもない。「ブルータス、お前もか」と尋ねたいほどのショックである。志位委員長の個人的見解でもなさそうだとすると、かなりの数の党員が賛成したというのだろうか。これまで「平和への道」として頑なにテーゼを守って来た、野呂栄太郎、徳田球一、野坂参三、宮本顕治氏ら党の先覚者はこの変節をどう受け止めるだろうか。そして党是はどうなるのか。とりわけ期間限定的な許容との条件付きであることが、これまでの共産党がイエス・オア・ノーとして潔癖性を打ち出し、妥協も許さなかった活動から見ると、とても理解することが出来ない。

 志位委員長の腹は、とにかく戦争法案とされる安保関連法案を廃案するためには、何でもやるぞとばかり従来の党是を脇に置いてでもやろうとの意思と受け取れる。妥協を許さない党員は果たしてこの委員長の決断を是とするのだろうか。野党連合を組もうとしている相手の民主党内には、共産党との連携には後ろ向きである。

 我々が1960年に安保条約改定反対の旗印の下で安保闘争を戦ったが、その岩盤をしっかり支えてくれたのは日本共産党ではなかったのだろうか。大学にはライシャワー米大使、浅沼稲次郎・日本社会党委員長、自民党から藤山愛一郎外相らに交じって日本共産党から伊井弥四郎氏が来られ、間もなく暗殺された浅沼委員長と伊井氏は、安保改定は絶対阻止しなければいけないと絶叫調で訴えていた。間近にいて彼ら大物のスピーチに圧倒されたものである。

 それにしても共産党の現役委員長がよく言うよと言葉もない。確かに最近の共産党は社民党の退潮もあって党勢の伸長が著しい。だが、だからと言ってそれは自分たちの思想や訴えが必ずしも国民の支持を得たというわけではないと思う。それを誤解してなりふり構わず党勢拡大のためのチェンジ・オブ・ペース的なジェスチャーだとしたら、幻滅を感じるだけだ。

 実際いくら志位委員長の考えを聞いたところで、こればかりは素直に納得出来るものではない。共産党はこれまで通り腰を据えて、信念を曲げずに是は是、非は非として国民のため、平和のために闘うべきである。

 第3次安倍改造内閣の閣僚として閣内へ取り込まれた、原発再稼働反対だった河野太郎・国家公安委員長も変節の人と考えざるを得ないが、就任後記者会見で九州電力川内原発2号機の再稼働についてコメントを求められると、「担当大臣(経済産業大臣)に聞いて欲しい」とさらりとかわして自説を述べることはなかった。共産党も河野大臣と同じ穴の狢でなければ好いがと思っている。

 それにしても、あの日本共産党が日米安保条約を容認するとは、思いも寄らないことだった。時代も変わって人物も変わったのだなぁと思うとともに一抹のやりきれなさと不安を感じる。

2015年10月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3078.2015年10月17日(土) 呆れ果てた大手企業のモラル

 技術の日本、テクノロジー日本、ものづくり大国とか、或いは真面目さ、熱心さ、信頼感とか日本の技術水準や仕事に対する真摯な姿勢、取り組み態度に関する評価は海外で広く認められ、我々も自覚している。ところが、つい最近横浜市内のマンションで施工不良により建物が傾いたことが明るみに出て深刻な問題となっている。商業的にはもとより、道徳的にもないがしろに出来ない問題である。これは2006年に大手不動産会社・三井不動産レジデンシャルが、販売した大型マンション4棟の内1棟が、基礎のくい打ち工事の手抜きによりマンションが少し傾いた事案である。くい打ち自体が地下の強固な地盤に達していなかったことが明らかになったのである。

 更に補強のためのセメント量を改ざんした疑いも出てきた。販売業者から元請会社、基礎工事施工会社まで幾段階かに亘って工事が行われたが、すべて大手企業、乃至はその子会社である。当然徹底した教育を受けた社員が高いモラルを持って工事に当っていたと思われる。それが購入者である顧客住民を欺き手抜きをやっていたとは、呆れ果てて住民に同情するばかりである。どうして信用のある大手企業がこんな騙し打ちのような工事計画と杜撰な工事を行うのだろうか。

 今回業者の不正については、今全面的な建て替え工事を前提に会社側と住民との間で、話し合いが行われ保障問題が話し合われている。だが、これとて中々一筋縄では行かない。建て替えするにしても、基本的に所有者の4/5以上の同意が必要である。仮に建て替え工事を行うにしても、3年程度の時間がかかり、その間別の場所へ移住しなければならない。付帯経費も無視出来ない。ことほど左様に意図的な不祥事による報いと費用負担、心労は馬鹿にならない。

 加えて別途明らかになったのは、大手タイヤ・メーカーの東洋ゴム工業の不祥事である。この会社は3度目のスキャンダルというから極めて悪質である。

 海外ではフォルクス・ワーゲンのディーゼル車排気ガス不正が、世界中に車への不信感を撒き散らしている。どうして世界的にも有名な大手企業が、このように顧客を欺くような不良商品を製造し販売して自らを貶めるようなことをやるのだろうか。情けない限りである。

2015年10月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3077.2015年10月16日(金) 原発再稼働の流れが始まった?

 昨日鹿児島県薩摩川内市にある九州電力川内原子力発電所で2号機が再稼働された。この2号機は、8月の第1号に続く国内再稼働第2号でもある。この後、高浜、伊方、玄海、大飯、美浜が後に続く模様である。原子力規制委員会が安全基準を満たしていると判断してから、政府、並びに各原発はどうも急いで再稼働の流れが加速しそうな様子が窺える。だが、福島第1原発事故以来原発の危険性が知られるようになり、原発再稼働に対する国民の目は厳しくなっている。

 ほとんどの国民には原発や放射能の安全性に対する不安がどうしても抜けきれない。原発自体への不安も去ることながら、近年特に心配されているのは、頻繁に火山噴火の兆候が窺え、一層不安感を増幅させているからである。

 核のゴミ自体について言えば、福島第1原発事故で放射性物質が拡散し、土などに付着した廃棄物が核のゴミとなり、その処理が宙に浮いた状態になっていることが不安を煽っている。そのゴミの処分場が中々決まらず、福島県内の各地域の仮置き場に保管されたままである。

 今最も気がかりなのは、原発再稼働によって新たに発生する放射性廃棄物の処分である。中でも最も厄介なのが高レベル放射性廃棄物である。原発で使用した核燃料からプルトニウムなどを取り除く再処理の際出る廃液である。これが何と数万年に亘って強い放射線を出し続けるために、その廃液とガラスを混ぜて固めてステンレス製の円筒型容器に入れ地下深くに埋める。具体的には地下300m以上深くに10万年の長い年月を隔離する考えであるが、その処分場選びが一向に進んでいない。一括保管される中間貯蔵施設、更に最終処分場の場所ははまったく決まっていないのである。

 このように処分方法が行き詰まった中で、新たに危険な原発を稼働させ、放射性廃棄物を増やすのは、あまりにも後世世代のことを考えず、そのツケを将来に回す無定見なやり方ではないだろうか。電力は必要だと主張する再稼働賛成派の人たちは、一体この事態をどう考えているのだろうか。

 近年自然現象の台風、地震、津波、火山爆発等々の他にも原発施設を脅かす現象が増える可能性がある中で、敢えて原発再稼働を推進しようという無思慮な考えにはとても賛同出来ない。加えて上記のように、稼働によって排出される核のゴミの処分問題がまったく解決されていない。現時点で危険な方向へ向かって着実に進んでいる。

 川内原発再稼働についてコメントを求められたノーテンキな菅官房長官は、新基準に適合すれば再稼働の方針であると平然と述べた。安倍内閣は、原発再稼働を推進することをはっきり明言している。

 他にも節操のない人事として顰蹙を買っているのが、これまで原発再稼働に反対していた河野太郎衆議院議員が、第3次安倍改造内閣で大臣の椅子欲しさの腹の内を見透かされて政権側に取り込まれてしまったことである。変節した河野新国務大臣は国家公安委員長に就任すると同時に、行政改革と防災も担当するのである。仮に原発事故が発生すれば、防災面で指揮を執る立場である。そのトップが信念を捨てて大臣の椅子にしがみついた人物とは驚きである。国民の心配なんかどこ吹く風なのである。政治家は目の前にお土産をぶら下げられれば、つい理性なんていとも簡単に消えて手を伸ばす。原発再稼働問題の渦中にも政治家の愚かさと欲得、利己主義だけが目に見えてくる。これだから政治家は信用ならない。

2015年10月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3076.2015年10月15日(木) 「世界記憶遺産」登録で顕れた日本人の狭量さ

 このほどユネスコの「世界記憶遺産」に、日本から2つの貴重な資料が登録されることになった。いずれも京都府内にある舞鶴引揚記念館に所蔵されている「シベリア抑留・引き揚げの資料」と、世界遺産・東寺が伝えてきた「東寺百合文書」である。

 シベリアについては、遺骨収集業務の下見調査のため1992年にチタ、ハバロフスク、イルクーツク等の日本人抑留者流刑地を訪れ、寂しい荒野における厳しい環境と気候を実感し、抑留者の辛い気持ちと厳しかった拘留生活を慮ったものである。東寺は近くの平安中学2年在学中に度々遊びに出かけた。その意味では記憶遺産と直接関係があったわけではなく、触れることもなかったが、2つともまったく縁がないというわけではない。

 それらの文化的財産が世界的に認められ、価値のある記録として残されることは素晴らしいことであると考えている。併せてこれらの遺産と同時に中国・南京にある南京博物館に保管されていた旧日本軍による「南京大虐殺の記録」も登録されることになった。これについては、中国の登録申請が明らかになった時点で日本政府は、日中間で様々な見解の違いがあり、申請資料は中国の一方的な主張に基づいているとして懸念を表明してきた。最大の問題は、日中双方が主張する虐殺された南京市民の数である。日本政府は、行為があったこと自体は否定出来ないと認めているが、犠牲者数は認定出来ないとの立場である。一方中国側の言い分は、犠牲者数を30万人以上と記した南京軍事法廷の判決書に準拠している。

 どちらの主張も正確な数字に確たる証拠はないというのが実態である。中国には、戦後アメリカ政府が原爆投下による日本人死者の数を大きく報道されないために、中国が南京事件の犠牲者の数を上積みしたことに目をつぶっていたと言う説もあるくらいである。

 先ごろ経営委員を辞めた作家・百田尚樹氏を安倍首相に媚を売る放言家としてあまり信用していないが、その名の通り氏の近著「大放言」によると、1937年旧日本軍が南京占領した当時の南京の人口は20万人で、それは資料として残っているという。それにも拘わらず虐殺された市民が30万人もいたというのは理解出来ないという。しかも、中国側が当初主張していた犠牲者の数はもっと少なかった。それがいつの間にか30万人以上という考えられない数になったという。この点については、確かにもっと精査する必要があるような気がしている。

 ところが、これとは別の問題が派生しつつあるのが気になる。それは、中国の南京虐殺の資料が登録されたことに対して、菅官房長官が不満の意を表し、あまつさえユネスコを非難したうえで、日本からユネスコへの拠出金を取り止めることも検討するという短絡的な考えを世界へ向けて公表したことである。自分たちにとって不本意であるとの思いだけで、これまでユネスコに協力し、拠出金もアメリカに次いで多い資金を一刀両断の下に切り捨てようと言うのは、いかにも狭量で世界中の物笑いの種に成りかねない。実際イギリスのメディア辺りから早くも批判的なコメントが出されている。

 国内からも良識的な意見として、登録承認と資金拠出は別次元の話ではないかとか、資金拠出凍結をするようでは文化国家とは言えないとごく当然の意見が出ている。政治家というのは、いつまで経っても世間知らずのまま未熟で成長しないものだと改めて知らされることになった。国のスポークスマンである官房長官には、もう少し理性的であってもらいたい。

 さて、高尚なディナー招待券をいただき、今夜は妻ともどもさるレストランへ出かけた。自宅近辺のバス停から東京駅南口行の都バスで一直線である。向かった先は丸ビル36階にある三つ星イタリア・レストラン「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ」で、ミラノに本店を置く高級レストランである。店の名前も初めて聞くものでやや長たらしく、とても一度には頭に入らない。スリランカの首都スリ・ジャヤワルダナ・ブラ・コッテや、オランダ水泳界のヒーロー、ピーター・ファンデン・ホーヘンバンドと同じ類である。

 しかし、流石に三つ星レストランである。料理の見栄え、味、おもてなし、ムード、ロケーション、すべてに満点で、ひとつひとつじっくり味わうことが出来た。ボリューム的にも問題なく久しぶりに美味しいディナーを楽しむことが出来た。普段高級食を食べる機会はあまりないが、偶にはデラックスな食事も好いものだ。

2015年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3075.2015年10月14日(水) 内憂を一日も早く解決することを期待する。

 今わが国で2つも大きな問題を抱えることになってしまった。1つは、昨日翁長雄志・沖縄県知事が辺野古沖埋め立て工事承認を取り消したことで、一層政府と県との対立が険悪になったことである。知事は知事選の公約だった移設計画の阻止を熟慮の末、ここに至って決断し行動に移したのである。当然政府は対抗措置として不服審査請求と執行停止の申し立てを行うと見られている。最終的には政府、沖縄県双方が法廷闘争に持ち込むことが考えられる。国と地方自治体が相争うことは大変残念であるが、これまで沖縄の歩んできた道筋を考えれば、沖縄県の取った手段は理解出来るものである。政府の考えには県民の感情を配慮しない点があることや、沖縄県との話し合いの前に基地管理について米軍と談合したり、とかく県民の気持ちを逆なでする面があった。今回の翁長知事の承認取り消しについても、安倍内閣では全閣僚が沖縄県の取り消し行為を絶対認めないと、全く沖縄県民感情に配慮する気持ちがない点が気がかりである。これではいつまで経っても政府と県が対立する構図が続くばかりである。こんな時どうしてひとりくらい知恵者が現われないのだろうか。

 2つの目の問題は、再来年4月から消費税を10%に引き上げることが決まっているが、政府はその際何とか公明党との話し合いで軽減税率を導入しようと考えている。それが先日経済産業省案である、増税分を後から還付する手間のかかる方式を提案することが報道されるや、公明党が猛然と反対し、慌てた安倍首相がこれを推進していた野田毅・自民党税制調査会会長を更迭までしてご破算にし、もっと分かり易く中小商工業者に負担のかからない軽減税の導入を検討することになった。確かに経産省案は分かり難く手続きが面倒で、よくもこんな方式を編み出すものだと思っていた。

 ただ、どの品目を減税の対象とするかが今も決まっておらず、今後に問題を引きずりそうである。とにかく再来年4月には増税されることになるが、軽減税を導入するにしても、早く減税対象品目をすっきり決めて欲しいものである。

2015年10月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3074.2015年10月13日(火) チェコの名花チャスラフスカの明暗人生

 昨夕NHK・BSで2時間に亘るドキュメンタリー番組「東京五輪・女子体操の華ベラ・チャスラフスカの肖像、民主化求め激動の人生」を観た。チェコ・スロバキアの名花チャスラフスカと言えば、男子マラソンのアベベ選手と並び、大会の話題を独占したヒロインとヒーローである。番組では東京オリンピック以降チェコ・スロバキアのスターとなったチャスラフスカは、1968年自由と民主化を求めた「プラハの春」でその民主化運動に賛同したことから魑魅魍魎の世界へ巻き込まれながらも同年開催のメキシコ大会でも金メダルを獲得して、世界中から同情と称賛を得た。だが、その後の人生は苦難の連続で、番組では彼女の厳しい人生を追っていた。番組では別れた夫が息子に殺害された不幸な私生活などは紹介されなかったが、オリンピック金メダル獲得の栄光の反面、起伏の激しい人生を送った。今や73歳となり癌を抱え入退院を繰り返して健康は必ずしも芳しくはないが、その間初志を貫き自由と民主化に身を捧げ、署名した「2000語宣言」を撤回しなかったため、長い間国の監視下にあった。番組ではその波瀾万丈の人生模様を冷静に描写していた。あれだけ華やかだった名選手でも、時代と国家に見放され翻弄されると不本意で必ずしも納得の行かない人生に付き合わされるということである。

 私自身チェコとは浅からぬ因縁がある。革命前にチェコへ留学を志したが実現しなかったのは、生憎「ブラハの春」に遭遇したためであり、また1988年チェコを訪れた時も偶然「プラハの春」20周年記念日に当り大群衆のデモと出会ってホテルから出られなくなってしまったことがある。

 私の青春を思うようにも、その反対にも彷徨わせたかつてのチェコ・スロバキアと「プラハの春」については、思い出は尽きない。画面で久しぶりに観たモルダウ川とスメタナの名曲が懐かしい。

 さて、先月24日にサウジ・アラビアで行われたハッジ(大巡礼)で巡礼者が将棋倒しに押しつぶされ700名余りの死者が出たと報じられた。だが、つい最近フランスのAFP通信が、実際の死者はその数を遥かに上回り1535名と伝えた。当初サウジ政府が発表した数の約2倍である。これについてサウジ政府は何のコメントも出していない。1990年に同じようにハッジで1400余名が亡くなったが、それを上回る犠牲者を生み、イスラム教歴史上最悪の事故となった。

 サウジ政府は事故発生当初に準備や対応の悪さを指摘されたことに対して誠意ある回答をしなかった。これ以上自らの落ち度を非難されたくなく逃げ通そうと考えたからであろう。自らの落ち度を指摘されても謝罪も反省もしない「夕日新聞社」(旧「朝日新聞社」)の無責任で不誠実な対応と酷似している。

 それにしても聖地への巡礼に加わって命を落としたのでは堪ったものではない。大勢の人々が集まる集会では準備によほど慎重で、行事進行中は周囲に神経を張りめぐらせていないと無意識のうちに、危険の影が忍び寄ってくるものである。

 一昨日トルコの首都アンカラではテロリストによる自爆テロが仕掛けられ、市内で95名が犠牲となった。クルド人を敵視するイスラムは過激派組織「IS」の仕業と見られている。トルコ国内でこれまで最大のテロ事件である。国境を接するシリアの内乱は今や手をつけられない状態で、当分治安は乱れたままであろう。そこへトルコでも治安不安定な状況になると中東地域は益々混乱してくる。サウジ・アラビアとトルコのトラブルは性質が異なるが、世界的に危険で怪しい事象が増えてきたことは間違いない。

 今世界の現状は荒れ漂流しているが、一体これからどこへ向かおうとしているのだろうか。

今日ラグビー日本代表チームが大歓迎の中を帰国した。選手たちはテレビ局にモテモテである。アメリカ戦の勝利を伝えた今日のスポーツ紙をつい7部も買ってしまった。

2015年10月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3073.2015年10月12日(月) 「体育の日」に祝砲、ラグビー日本、アメリカを撃破

 1964年10月10日前夜来の雨が打って変わった快晴の下、国立競技場で東京オリンピック開会式が行われた。爾来毎年この日を祭日「体育の日」としていた。しかし、2000年から「体育の日」は10月第2月曜日に変更され、今年は今日がその「体育の日」に当る。いつもの通りウォーキングに出かけた近くの駒澤オリンピック公園では、著名なスポーツ選手も参加して、いろいろ健康と体育に関するイベントを行っていた。

 さて、日本時間の今暁イギリス・グロスターで行われたラグビー・ワールドカップの日本代表チーム第4戦は、日本チームがアメリカを28-18で破り、Bグループ内で3勝1敗の好成績を挙げ5チーム中第3位となった。残念ながら2位までに与えられる決勝トーナメント出場権は勝ち点の差で、同じ3勝1敗の1位南アフリカ、2位スコットランドに僅かに届かなかった。

 残念ながら念願のベスト8入りは成らなかった。だが、過去7回のワールドカップでは、通算1勝22敗2分けで勝ち星を挙げたのはたったの1度きりだった。それを思うとこれまで大きな顔が出来なかった日本ラグビー界にとって貴重な3勝を加えることが出来た。充分称賛に値する大活躍ぶりだったと思う。ゲームを見ずしてルールが分からないというファンが多い中で、ラグビーに目を向けさせ、ラグビーに関心を持ってもらえたことはラグビー代表チームの功績であり、今回の代表チームは今後の日本ラグビー界発展のためにも偉大な貢献をしてくれたと思っている。

 アメリカ戦の前に行われたスコットランド対サモア戦でスコットランドが勝った時点において、日本のベスト8進出の夢は潰えていた。そこでテレビの生放送も明け方の4時過ぎにキックオフという悪条件にテレビ観戦を諦め、昼食後ビデオ録画で試合をじっくり振り返って観た。緒戦以来チームとしての強い意思は第4戦でもしっかり引き継がれていて、ノーサイドまで終始互角以上の戦いぶりだった。印象的なプレイは、後半12分敵陣ゴール近くでペナルティのチャンスに、南ア戦と同じようにキックを避け、狙い通りトライを奪って5点を得たのは自信の表れだろう。南ア戦に次いで最後まで素晴らしいゲーム展開を見せてくれた。

 強豪南アフリカを破り3勝1敗の成績を収めていながら、結果的に決勝トーナメントへ進出出来ないことは何はともあれ悔しい。リーグ戦で3勝しながら決勝トーナメントへ進めないワールドカップ史上最初の国となったが、イギリス国内では日本がトーナメントに出場出来ないのは、商業ベースでマイナスだとの声があると英国紙に書かれている。

 それにしても今年の日本代表チームは、勇敢に、堂々と戦ったと思う。4年前エディー・ジョーンズ氏がヘッドコーチに就任して以来、従来とはまったく異なるハードなトレーニングと、フィジカルの強化を目指したことは必ずしもチーム内をひとつにまとまめたわけではない。だが、HCは信念と持論である戦略を話し、頑なに選手たちに要求した。HCは勝ち方を徹底して教えたのだ。結果的にチーム力は格段に向上した。このHCの頑固さが成功の大きな原因だと言えるのではないだろうか。南ア戦は別にしても、残りの2勝は、勝ち方を知った日本チームは勝つべくして勝ったのである。選手たちのひたむきな努力はもちろん、それ以上にチーム力向上の功績は、この偉大なるエディー・ジョーンズHCであることを忘れてはならないと思う。エディーには引く手あまたのオファーがあり、日本チームとの契約切れを待って南アのチームに請われて行く。ありきたりだが、エディー・ジョーンズHCに感動をありがとうと伝えたい。

 今回の日本チームの活躍は、次回2019年ワールドカップ日本大会へ向けて良い弾みになった。「体育の日」に相応しい嬉しいトピックである。

2015年10月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3072.2015年10月11日(日) 国力衰えたアメリカの威信と影響力

 国際社会における国家間の縄張り争いというか、威信を賭けた駆け引きは、時として行き過ぎて熾烈でここまでやるかと思わせられることがある。近年自他ともに「世界の警察」と認めていた超大国アメリカの国力の衰えによる威信の低下が言われて久しいが、それは相対的に中国が持ち前の中華思想に裏打ちされた、世界の中核であるとの考え方が国力の充実と相俟って国際社会へその存在を拡大させてきたからでもある。中国の覇権主義と大国主義は、日本を追い抜いてGDP世界第2位になってから一層自己中心的、かつ独善的となり、今やその百家争鳴ぶりは凄まじく世界の隅々から顰蹙を買っているほどである。それは南シナ海における海洋進出で強引に公海上に島を造り、自国領土としてアピールするパフォーマンスが典型的な例である。

 加えて中国の経済力に関して統計上は、国のGDPは確かに世界2位にのし上がって来たが、人口が多いせいもあり、1人当たりGDPで比較すれば、わが国の約1/10である。国内の貧富の差が激しくなったことがよく分かる。マルクスが予想もしなかった共産社会における貧富の格差が共産国家・中国には存在するのである。それでも中国が、かつてのソ連とアメリカの世界2大国に取って替り、アメリカと自国こそが世界の2大強国であるとの自信たっぷりの立ち居振る舞いとプロパガンダには圧倒される。

 一方、ベルリンの壁崩壊後、力が衰えた旧ソ連・ロシアが突如再びその存在感を世界に示しつつある。それが停滞気味の経済面ではなく、軍事力の行使であるだけに国際社会から警戒の目で見られている。ロシアは昨年ウクライナの内政問題に介入するや否や、直ちにクリミヤ半島へ侵攻し、占領して東部の親ロシア地域まで掌中にロシア領土へ編入する露骨な武力行使を行った。

 そのような時にシリア情勢の混乱につけこんで、圧政を敷くアサド独裁政権を支援するフリをしながら、「イスラム国」殲滅作戦と言ってロシア空軍機による空爆を行った。このロシアのやり方が、実はシリア・アサド政権が手を焼いている反政府軍を攻撃していると言われている。このロシアの攻撃参加により、「イスラム国」攻撃より、むしろロシアはアサド政権を支援した結果となり、欧米にとっては大きな誤算となった。

 ロシアは、空軍機からの攻撃だけに留まらず、カスピ海からシリア国内に向けて弾道ミサイルを発射し、その内のいくつかはイラン領内にも落下したとの報道がある。この様子を見てロシアの攻撃をむしろ評価する国も出始め、その反面アメリカの権威は落ちている。更にアメリカのアフガニスタン領内の誤爆により「国境なき医師団」が活動する病院が爆撃され多数の死傷者が出て、アメリカは人道面でも国際的に非難されている。ここでもアメリカに対する評価は大きく後退した。

 今やアメリカの力と評価が下がる一方で、公平な評価ということでないにせよ、相対的にロシアや中国の力と影響力は確実に高まっている。ロシアと中国にとっては思う壺である。

 2006年バラク・オバマ氏がアメリカ合衆国の大統領に就任して僅か9カ月後に、平和への力強いアプローチと実のある結果を期待されて、華やかにノーベル平和賞を受賞したが、オバマ大統領の力と影響力も、今や影の薄いものとなった。そのオバマ大統領にぴったり追想している日本の安倍首相、否わが国の前途は、このままで本当に大丈夫なのだろうか。

2015年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com