4050.2018年6月15日(金) ギャンブルを国が公認

 前から気になっていたカジノ賭博を認める統合型リゾート(IR)実施法案が、今日衆議院内閣委員会で与党自民党、公明党、日本維新の会の賛成多数で可決された。19日に衆議院を通過の予定である。これまでも良識ある人たちが、依存症や教育上のマイナス面をアピールして反対していたが、前のめりになった与党は留まるところを知らない。日本国内にラスベガスを3か所も建設してどうするのだ。

 ついに我が国も賭博を公認するのかと思うとがっかりである。私は賭博行為が大嫌いだ。競輪、競馬など一部を除いて一切認められない賭博、つまり博打をどうして国が公認するのかさっぱり分からない。国民の賭博依存症を心配する前に与党議員の依存症が気になる。それにしても、自民党のかなりの世襲議員はあまり考えることもなく何らの実績もないまま、今度も賭博に積極的に賛成したのだろう。救いようのない連中だ。日本維新の会は、利己主義者の集まりだから自民党との取引さえ納得出来るなら賭博派になるだろう。だが、宗教団体創価学会を母体とする公明党が、賭博容認に賛成するとはどういう考えだろう。いつもきれいごとばかり言っている公明党もついに本音が出たというか、化けの皮が剥がれたというべきだろうか。公明党は依存症の深刻化を懸念して一応法案に注文を付けたようだが、それも賭博場への入場料を6,000円、入場回数を週3回までとか、入場を4週間に10回までに制限するとか、いくら条件を付けても所詮五十歩百歩である。

 公明党がどこまでも政権にしがみ付いていたいとの無節操な言動で、与党の一角を占め、自民党の言いなりに政治を操るようになっては、国民は堪ったものではないし、政治が乱れ切ってしまう。

 よく考えてみて欲しい。朝から大の大人が賭博場に入り浸っている姿は果たして健全な社会と言えるだろうか。実に困ったことになったものである。

 さて、今日からロシアでサッカーのワールドカップが始まった。緒戦で地元ロシアがサウジ・アラビアに5-0で大勝した。日本は19日に前回ブラジル大会で敗れたコロンビアと第1戦を戦う。憂さ晴らしにサッカーでも観るとするか。これから来月半ばまで当分の間世界中が賑やかに湧きかえることだろう。

2018年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4049.2018年6月14日(木) 絵画の本物・偽物取り換え事件

 一昨日の本ブログに母校・湘南高校の大先輩について取り上げた。出陣学徒壮行会で全学生を代表して答辞を述べた江橋慎四郎さんについてである。その江橋さんの話が飛躍して偶々メール交信を通して高校、大学とも一緒だった友人と学業ならぬ絵画に話が発展した。私の母方祖父は日本画家で川合玉堂師の一番弟子だったが、彼の叔父さんも小磯良平らと同じく画家だったという。

 叔父さんは戦時中に戦争画「学徒出陣」を描いたが、戦後その絵はマッカーサー司令部に没収されてアメリカへ運ばれた。実話とはとても思えないような話だが、1975年になって日本に返却された絵画は、本人のものではなく似て非なる贋作だったという。この不思議な話は彼から送信されたコピー、当時の「週刊読売」にも取り上げられ、写真で見る限り贋作はかなり本物と似ている。署名も似ているという。だが、キャンバスのサイズが大分違うようで、本物は400号なのに対して贋作は200号だというから、贋作者はあまり細かいことには頓着しなかったのだろう。それにしても雑誌の写真から見ても2つの絵画はよく似ている。実際叔父さんも感心していたほど似ているというし、週刊読売も2つの絵画にいくつ違いを見つけられますかなどとクイズ紛いのことを問うているくらいである。

 世にも不思議な物語だが、東京都美術館に保管されていた昭和23年から26年の間にすり替えられていたようだ。その後取り換え事件が話題になり、NHK「日曜美術館」や民放番組でも取り上げられたという。友人は竹橋の東京国立近代美術館に陳列されている贋作を自分でカメラに収めたコピーを送ってくれたが、叔父さんが描かれた本物が発見されたとも言っていないので、今や迷宮入りしてしまったのかも知れない。それにしてもこの贋作の作者はどういう人物だろうか、興味が湧いてくる。

 世の中には、いろいろ変わったことが起きるものだなぁとつい思ってしまう。

2018年6月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4048.2018年6月13日(水) 民法改正により18歳以上は成人に

 昨日行われた初の米朝首脳会談から1日経って、両首脳が帰国したアメリカと北朝鮮でメディアから伝えられる合意の中身は、大分異なったものになっている。あれほど強気だったトランプ大統領がどうしてこれほど北朝鮮に譲歩したのだろうか理解に苦しむ。アメリカのメディアは、これまで大統領にフェイクニュースの発信と言って痛みつけられていたが、この際とばかりやり返している。アメリカは、朝鮮半島の完全かつ検証可能で非可逆的な非核化(CVID)が北朝鮮にすぐにも認めさせる絶対条件だった筈である。なぜ大統領は弱気になったのだろうか。

 これからしばらくはトランプ大統領にとって厳しい通信簿がつけられることだろう。

 さて、今日参議院本会議で成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる民法改正法案が可決され、2022年4月から新改正民法が施行されることになった。成人の定義が変わるのは、1876(明治9)年の太政官布告以来141年ぶりである

 成人年齢が18歳になるのに伴い、女性の結婚年齢が現行の16歳から18歳に引き上げられる。結婚年齢の男女差がなくなるのは、民法が制定された1898(明治31)年以来である。18歳から成人になることにより、今まで20歳未満を少年としていたが、この機会に少年とは18歳未満であると少年法を改正する必要がある。一方、少年には認められていない飲酒、喫煙、競馬、競輪などのギャンブルなどは成人年齢が引き下げられたからといって、引き続き禁じられる。

 今気がかりなのは、近々国会に提案されると予想される統合型リゾート(IR)法案である。公的賭博を条件付きで認めようというもので、とても教育上、モラル上素直に認められるものではない。政府は、外国人旅行者の懐を狙った法案との言い訳を言って、ギャンブル依存症を心配しつつ、むしろそれへ追い込む恐れのある法案を検討中というのだから、何をかいわんやである。

2018年6月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4047.2018年6月12日(火) 初の米朝首脳会談と出陣学徒壮行会

 ここ数日トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長による初の米朝首脳会談が、数々の前情報や思惑などで格別な関心を呼び、世界中のメディアの注目を集めていたが、今日シンガポールのセントーサ島内のカペラホテルで予定通り開催された。両首脳は市内の別々のホテルに泊まり会議場まで車で移動したが、厳重警戒の中を各国のメディアが追い掛け回す有様である。会談終了後両首脳は至極満足そうな表情で合意文書に署名した。合同記者会見は行われず、トランプ大統領だけが記者会見を行った。

 初対面の映像で観る限り、72歳のトランプ氏と33~4歳の金正恩氏では、年齢的、また経験上からトランプ氏の方が場慣れしていて金氏はややオドオドしているように感じた。だが、その後の結果は意外なものだった。

 署名された合意文書では、トランプ大統領は会談前に妥協は許さずと強気だったうえに、ポンペオ国務長官が「朝鮮半島の完全かつ検証可能で非可逆的な非核化(CVID)がアメリカの受け入れられる唯一の結果」とまで強調していた。しかし、トランプ大統領の当初の気概はどこへやら、絶対要件としていた北朝鮮によるCVIDの受け入れも極めてトーンの低いものとなって、大分ハードルが下がってしまった。

 日本人拉致問題については事前に安倍首相がトランプ大統領に直接金委員長に伝えるよう依頼して、トランプ氏はその通り伝えたようだが、両者の会談ではそれまでの話のようだ。これは当事者である日本と北朝鮮が直接交渉によって解決すべき問題であり、国内にも日朝首脳会談開催を求める声が上がっている。

 これから関係各国の評論家諸氏の間で今回の会談の成果のプラス、マイナス両面について話されるだろうが、百戦錬磨のトランプ氏がむしろ若い金正恩氏にしてやられたような印象を受ける。

 さて、昨日兄が新聞の切り抜きコピーを送ってくれた。それによると、昭和18年10月雨の中を明治神宮外苑競技場で行われた約2万5千人の学生が行進した出陣学徒壮行会で、学生代表として答辞を読んだ東大生・江橋慎四郎さんが、兄と私の母校・湘南高校の先輩であることを知った。今年4月に97歳で亡くなられたそうだが、お住まいは鵠沼海岸で我々の実家の近くだった。厳しい戦時下に学徒動員で戦地へ招集されたが、幸い内地勤務で終戦を迎えられた。戦後文部官僚となり、東大に勤めた後、国立鹿屋体育大学初代学長に就任し、その後同大名誉教授、東大名誉教授を務められた。64年東京オリンピックでは組織委員を務められ、学徒壮行会が行われた国立競技場で開会式に出席されたが、願っておられた新国立競技場で開催される2020年東京オリンピックを観ることなく永遠の眠りに就かれた。

 江橋さんは私より19年も先輩であり、直接お会いすることはなかったが、あの戦時下の雨の中の勇ましい行進をしていた壮行会の映像は、何度観ても悲壮さと興奮を抑えきれない。太平洋戦争の多くの画像の中でも最も印象に残るシーンである。

2018年6月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4046.2018年6月11日(月) 日大教職員組合が理事長らの辞職を要求

 台風5号が南方洋上から日本本土の東を通り北上しているようだ。そのせいで昨日から雨が降り出し、今日も朝から雨が降っている。どうやら今週一杯は天候が不安定で変わり易いようである。全国的に梅雨に入っているので、しばらくはこの鬱陶しい天候に付き合わなければならない。

 さて、かねてより話題になっていた日大問題について、今日午後日大教職員組合の代表者が、珍しくも文部科学省で会見して、田中英寿理事長、大塚吉兵衛学長らの辞任を含めた要望書を提出したことを発表した。学部と付属高校の専任教員数の44.6%に当たる752人の賛同署名が集まった。これまでガバナンスの欠如を再三外部から指摘され、その初期対応の稚拙さにより、大学の信頼を失墜させたとの声があるにも拘わらず、今以て日大のトップ、田中理事長が公的な場へ姿を見せて説明する機会がない。アメフト部監督だった内田正人常務理事は監督こそ辞めたが、常務理事の地位は一時謹慎という形を取り、いずれ復帰するであろう。内田氏は同時に日大組織内の人事を統括しているが、この人事部長職を辞任する様子は見えない。従って今後自分に反抗的な職員には人事面で報復措置を取ることも考えられる。その点について今日の会見でも、報復を恐れて署名付きで声明書に賛同することにしり込みする教職員がいるので、敢えて署名を強制しなかったとの発言があった。日大組織内において教職員組合の力がどの程度影響力があるのか不明だが、力任せに上意下達ですべてを取り仕切ってきた田中体制を崩すには、日大内だけではなく、日大OBやメディアも含めて日大の外部からも支援を得られるような方策も考えられても良いのではないだろうか。

 それにしても日大という組織は、あまりにも巨大となって学者や有識者が管理出来る枠を飛び越え、体育会系や右翼系のような非アカデミックな人たちによって支配されなければ、機能しなくなってしまったのだろうか。仮にそうだとしても、トップに君臨する相撲部出身の強面の理事長がこの大学危機に際して、一向に自ら進んで解決のために行動しようとの態度が見えないのでは、日大問題解決は曙光すら見えない。

 夜になって微かに光が見えてきたのは、日大が内田氏の人事部長の職を解任したとのニュースを聞いたことである。これで人事面で報復されると尻込みしていた告発の声が一気に増すことは、問題解決にとって朗報であろう。しかし、いずれにせよ日大問題は、アメフト部の問題から日大組織のガバナンスの問題になってきた。

2018年6月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4045.2018年6月10日(日) トランプ大統領とG7首脳とのずれ

 昨日閉幕した先進7か国首脳会議(G7)は、腹蔵なく話し合うとは行かず、これまでになく、すっきりしないままさほど実りのない会議に終わったような印象である。その最大の原因は、主役のトランプ大統領が、2日後の米朝首脳会談に気を取られてG7の課題に気持ちが入っていなかったからである。そのうえ会議前に自由貿易に歯止めをかけるような保護主義貿易を打ち出し、輸入品に多額の関税をかけると宣言して、各国から反発を招いていたことである。そのトランプ大統領は、会議終了前に首脳会談の会場であるシンガポールへ向けてカナダを去った。トランプ氏は、カナダのトルドー首相が記者会見でアメリカの鉄鋼輸入制限措置を侮辱的と発言したことに対してツイッターでトルドー首相を軟弱者とこき下ろす有様である。格調高い首脳会議の場ではあまりにも傲慢なコメントであり、礼を失している。両国が北米自由貿易協定で対立している背景もあるようだ。それにしてもトランプ氏は、G7首脳がすでに採択した首脳宣言を専用機から承認しないようアメリカ代表団に指示したというから呆れるほかない。アメリカが他の6か国と対立している構図がはっきりした。来年以降も引き続き開催されるG7がこのままでは、猶予ならぬ事態になることが心配である。

 その一方で、トランプ大統領がやみくもに提起したロシアのG7への復帰は、いずれの国からも受け入れられなかった。今年のG7ではトランプ大統領の身勝手な行動ばかりが目立ち、会議自体の成果は乏しかった。この様子では来年以降が心配である。

 さて、一部でちょっと意外な興味を持たれているのが、早稲田大学が2021年度から政経学部の入試科目に数学を加えることを決めたことである。文系学部の入試科目は、これまでほとんど文系希望の受験生が嫌う理数科目を避けてきた。そのため私立大学の文科系学部で受験科目に数学を必修としていたのは、母校の慶大経済学部以外は見当たらなかった。そのせいで受験者数は少なく、入試合格倍率は低かった。私は早大政経学部も受験したが、その年早大の倍率は慶大のそれより4倍ぐらい高かったと思う。数学があるため普段から受験勉強に数学を学んでいる国立大学受験生でないと受験出来なかったからである。それが、3年後から早大政経学部も慶大経済学部と同じように合格倍率は低下するだろう。だが、受験科目を減らして、特に文系学部だからとの理由だけで理数系科目をなくして受験生を増やそうという大学の安易なシステムも、考え直すべき時に来ているのかも知れない。大学生となって専門科目を学ぶようになった時、受験数学であるにせよ数学を学んだ経験がどれだけ自分の専門科目修学上プラスであるかを大学は真剣に考えるべきであると思う。

 これについては、学生時代にゼミの恩師から文系の学生も大学で学ぶに当たっては数学の基礎知識が必要であり、況してや経済学を学習するには、論理的に物事を考える学問上数学の基礎知識は絶対欠かせないと伺ったことがある。

 経験から考えても確かに数学の知識は、経済学を学ぶに際して大切なことだと思う。今にして恩師の卓見が思い出されてくる。

2018年6月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4044.2018年6月9日(土) 米朝首脳会談を前に落ち着かないトランプ大統領

 3日後に迫った米朝首脳会談を前に世界のメディア報道はヒートアップしてきた。一旦は会談中止を一方的に宣言しながらも、何とか実現の可能性が高まってきた。アメリカ国内では、難問を抱える北朝鮮との交渉においてハードルを下げ過ぎと心配する声もある。

 最大のカギは、北朝鮮が完全な非核化に応じるかどうかである。かつて非核化を約束したが、結果的に自らの死と体制崩壊を招いたリビアのカダフィ政権の姿が北朝鮮には残像としてある。もうひとつが、朝鮮戦争の休戦状態に終結宣言をして平和条約を締結することである。これにより北朝鮮がアメリカから不意に攻撃されることはないとの安心感があり、アメリカよりもむしろ北朝鮮が拘っているらしい。法的には、現在も朝鮮半島では戦争状態が続いており、終戦となれば、北朝鮮にとっては体制が保証されることに繋がる。

 朝鮮戦争勃発時は、私は小学6年生で毎日のように先生から戦争の様子を聞いたことを思い出すし、映画館では本番の映画より前に必ず朝鮮戦争関連ニュースが映された。当時の李承晩大統領の名前はこの時インプットされた。国連軍の仁川上陸による反攻などが思い出される。中2の時朝鮮戦争は終わった、というより休戦となった。

 果たして両首脳の話し合いの中でどこまで実務的な話し合いがなされ、両国が納得出来る協定が結ばれるだろうか。

 首脳会議を前にトランプ大統領が、また身勝手なことを考えているようだ。カナダ・ケベック州シャルルボワで開催された先進7か国首脳会議(G7)でアメリカの通商政策を主に話し合われたが、懸念されていたようにアメリカの高関税措置を巡ってG6側がアメリカに対して共通のルールに基づくべきだと反発しているのに対して、アメリカは持論を主張し、明日の共同宣言をどう発表するのか興味を呼んでいる。気候変動の話し合いなどについては、トランプ大統領は出席せず、首脳会議に備えてシンガポールへ向かうと見られている。

 トランプ大統領の身勝手な考えとは、ロシアのG7への復帰を考えているようだ。G6の期待を裏切ったかのような自由貿易から保護貿易へ転換を図ろうとするトランプ大統領は、G7の加盟国としてロシアの再加盟を持ち出すらしい。かつてG8だったが、当時ロシアがクリミア半島を掠め取ったことを国際法違反としてG8から追放したのだ。それはアメリカにとっても当然の動きだったが、それを再び元の鞘に納めようというのだから、G6にとっても何を考えているのか分からないのではないか。

 なお、現時点では結論が出ていないが、閉会前にG7としてどんな共同宣言が出されることだろうか。

2018年6月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4043.2018年6月8日(金) 進歩的文化人・日高六郎氏逝去、享年101歳

 社会学者の日高六郎・元東大教授が昨日京都で亡くなられた。60年安保闘争、ベトナム反戦運動のころからお名前はよく存じ上げていたが、昨今はメディアでもお見掛けしなかったのでもう好いお年だと思っていたら、何と101歳だった。著書は読んだことはなかったが、その行動力には敬服していた。

 一番印象的だったのは、1967年11月横須賀港に停泊中のアメリカ海軍空母「イントレピッド」から、ベトナム戦争に反対する米水兵4人が脱走し、彼らがべ平連立ち合いの下に行った記者会見の光景である。米軍や警察の手を逃れた4人は、長い逃避行の末に最終的にスウェーデンで公の前に姿を現した。その間1人は小中陽太郎さんが自宅に匿っていたことは小中さんから聞いて知っていたが、もう1人を日高氏が匿っていたとは初めて知った。

 日高氏は戦後民主主義を守り抜くことを自らに言い聞かせた硬骨漢だった。69年の東大紛争では大学が警察隊を大学構内へ入れたことに抗議して、東大教授の職を辞した。ベトナム戦争中に北爆停止を訴える文書を当時のアメリカ国務長官に送った行動の人でもあった。安保やベトナム反戦を身体で知る知識人がまたひとり逝った。心よりご冥福をお祈りしたい。

 さて、過日思うところがあってロヒンギャに関する拙稿を書いたばかりだが、昨日NHKニュースで、今日は朝日朝刊でミヤンマーのアウンサンスーチー国家顧問へのインタビューが紹介されていた。

 残念なことに、相変わらずメディアでは一方的にロヒンギャ難民発生の原因はミヤンマー側にあると決めつけていて、その考えを改める気がないようだ。NHKと朝日のように日本を代表するマス・メディアが、浅薄な調査と偏重した情報収集だけで実態解明をせず、ロヒンギャ難民の原因がイギリスにあることに一言も触れていないことに苛立ちと歯がゆさを感じる。これでは、一種の情報操作ではないかとの疑念も憶える。これが、今のメディアのレベルではないかと考えると失望しかない。朝日を始めメディアの不甲斐なさについては、現在執筆中の「海外武者修行爺ヤの言い分」(仮題)で思い切りぶちまけようと思っている。それにしてもイギリスが第2次世界大戦前に、旧インド領からイスラム系のロヒンギャ族をビルマ領内に強制的に移住させた結果が、今日ロヒンギャ難民が生まれた原因であることが明らかであるにも関わらず、敢えてイギリスの蛮行に目をつぶり見過ごし、その一方で、ビルマに罪を被せようとするモラルに背くことを、なぜメディアは報道しようとしないのか。メディアは総懺悔して事実を世界に向けてアピールすべきではないだろうか。

2018年6月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4042.2018年6月7日(木) シェラ・レオネのMr.Kondoh

 今政官界を挙げてハチの巣をつついたような騒ぎになっている問題のひとつは、森友学園の国有地払い下げに関して財務省が8億円にも上がる大幅な値引きを行い、これが国家に大きな損害を与えたことである。

 ところが、国家の無駄遣いとそのやり方が国民一般には、分からないまま実施されている例がいくつもある。そのひとつが、意外にも在外公館の設置に見られる。大使館は原則的に外交関係を締結した相手国の首都に設置され、それが両国間において相互理解、協力関係が構築されるなら大変実利的で結構なことである。

 しかし、実際には外交関係が結ばれたが、まだ密接な協力関係がないままに大使館だけが建設され、一部には税金泥棒と陰口を叩かれている在外公館がいくつもあるようだ。

 現在日本の在外公館は、大使館150、総領事館64、国連やユネスコ、OECDなどの政府代表部9を合わせて223に上がる。150名の特命全権大使がいて、その他に多くの大使館員がいて一部の大使館を除いてそれほど本来の仕事がなく、その反面大使館員は抜群の待遇を得て優雅な生活を送り、現代の王侯貴族との陰の声がある。特に東西対立時代には、駐ソ大使ひとりだけだった旧ソ連領には、今では最近開設されたベラルーシを始め、在留邦人がほとんどいないアルメニアやタジキスタンにも大使館が設置され、旧ソ連内にその数実に15人の特命全権大使がいるという。また、大使以下ロシア語堪能のスタッフを駐在させなければならず、その経費は想像を遥かに超える。

 長年の懸案である財政再建が口先ばかりで一向に解決されず、累積財政赤字が1,100兆円を超える厳しい台所事情を考えれば、この辺りは一時的に1大使館が2~3か国を兼ねるやり方が検討されても良いのではないかと愚考するが、如何なものだろうか。このままでは新独立国が誕生し、わが国と国交を結ぶ都度必要経費がうなぎ上りに増え続ける。何事も前例踏襲主義のお役人には、その点で前向きの結論が出せないのだろうか。

 さて、最近エチオピアの首都アジスアベバにあるシェラ・レオネ大使館の参事官に同じ‘Kondoh’性の人物がいることを知り些か驚いている。名前は、Mr.Ibrahim Vandi Kondohといい、モスクワの大使館で自国の中央・東ヨーロッパの外交政策を22年間に亘って指導していた優秀な外交官のようだ。この名前通りにNETで調べれば、詳細がすぐ分かる。しかし、現実にこのように私と同姓の人物が、遥か遠いアフリカの地で活躍されているなんてことは想像だにしていなかった。私自身かつては長い間旅券申請上‘Kondo’を強いられたが、一度外国の空港でMr.Kondoと近藤の「近」が強調されてアナウンスされたため、Mr.Hondaと聞き違えて混同したことがあり、以後旅券に関わりなく、‘Kondo’の後に‘h’を付して後部にアクセントを置くMr.Kondohを意図的に使用するようにしていた。

 アフリカでは似たようなエピソードがあって拙著に紹介したこともある。ケニア人の間には、‘Kondo’の前に‘N’を付した‘Nkondo’という姓の人物がかなり多くいるということを現実に現地で実感した。名前について拾い上げれば、いくらでも面白く、ユニークなものが世界にはたくさんあると思うが、日本とはおよそすべての面において両極にあるアフリカで意外にも同姓の人間がいることに不思議な思いがしている。

2018年6月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4041.2018年6月6日(水) 国内外ともに気がかりなことばかり

 近畿、東海地方とともに関東甲信越地方も今日梅雨に入った。予報通り午前中から小雨が降りだし、肌寒い。テレビ・ニュースではきれいなアジサイの花が梅雨らしい時節を伝えていたが、いつ頃まで鬱陶しい梅雨が続くのだろうか。

 さて、来る12日に初の米朝首脳会談が予定されているシンガポールでは、警備上の問題もあってピリピリしているようだ。シンガポールには今世界中の注目が集まっている。会談は市内のホテルではなく、近くのセントーサ島で行われる。今ではこの小さな島内にレジャーランドとして、リゾートホテルや、遊覧施設などが整備されている。今から30年以上も前に何度か訪れたことがあるが、当時の質素、素朴さとは異なり、写真で見る限り中々高級なリゾート地に変貌しているように思えた。ここでトランプ大統領と金正温委員長が、非核化と経済制裁解除を主たる議題に取り上げて話し合いするわけだが、2人ともどこまで本気で当面の課題に真剣に話し合うことが出来るだろうか。日本はあくまで北朝鮮に対する制裁の強化と拉致問題解決を主張している中で、今日安倍首相はワシントンへ向け旅立った。ワシントンでトランプ大統領と日米首脳会談を行い、日本の立場と要望を伝える予定である。その後2人はカナダへ飛び、東部のシャルルボワで開催される先進7か国首脳会議(G7)に出席して米朝首脳会談への対応も話すものと見られている。

 ただ、過日アメリカが輸入品目に高関税を課すと公表したことに対して、日本を含む6か国がアメリカに反発して、日本以外の5か国は報復措置を取ると非難していただけに、アメリカと6か国との間でスムーズに話し合いが出来るか些か気になるところである。

 ついては、このところ国内大企業で検察が動き出すような不祥事が目立っているが、引き続きそれらの事件の実態が暴露されている。今日事件を報道した新聞の中にも、神戸製鋼所のデータ改ざん、スバルの排ガスと燃費の測定値に絡む改ざん、スルガ銀行の不動産投資融資に関する不正などがあるが、日本を代表する企業がかくも非倫理的な事件を次々に引き起こすとは、どういうことだろうか。いよいよ日本企業も政治に倣いモラルが劣化したのだろうか。政治もダメなら、経済もダメというのが最近の日本の実態だろうか。

2018年6月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com