5540.2022年7月14日(木) 今秋、安倍元首相の国葬実施

 今日は夕刻になって突然公表された政府の方針に耳を疑った。今秋安倍晋三元首相の国葬を行うとの電撃的ニュースである。別にケチをつけるわけではないが、疑問を感じる。歴代首相の中で国葬を行ったのは、過去に吉田茂首相だけである。吉田元首相は、戦後打ちひしがれた日本経済が立ち直るきっかけとなった政治を行い、同時に1952年にはサンフランシスコ平和条約を各国と協定し、戦後世界への復活を果たした功労者である。それに比べて安倍元首相は、歴代最長期間首相を務めたとは言え、決して首相としてさほどの実績を残したわけではない。むしろ政治に闇を被せた首相ではなかっただろうか。森友・加計学園問題では国有地の不法な払い下げにより、会計不明瞭で担当者に死者まで出している。

 更に「桜を見る会」の公私混同と公選法違反などと、ともども未解決のまま逃げ回っていた人物を国民が国家の令によって追悼させられるというのは、いかにも不条理で素直には納得出来ない。中曽根康弘元首相は、内閣と自民党の合同葬だった。多額な国葬の費用も国の財政から支出される。穿った見方をすれば、自民党内最大派閥会長だった安倍元首相が亡くなった機会を捉えて、安倍派議員の気持ちにつけ込んだような気がしてならない。

 さて、日本で円安が進み今日の対ドル相場は、一時1㌦=139.088円にまで値下がりした。アメリカのインフレが加速して6月の消費者物価指数が、前年同月より9.1%も上昇したことが、響いている。ヨーロッパでもユーロ圏がエネルギー高や燃料高の影響を受けて、ユーロが値下がりし、直近の対ドル相場は1㌦=137.48ユーロとなり、対ドル価値がユーロと円がほぼ同じとなってしまった。

 ウクライナ情勢にばかり目が向いているが、この間世界ではいろいろな変化が起きている。一番意外に思ったのは、スリランカの経済的混乱でラジャパクサ大統領が辞任を表明したかと思いきや、逮捕を逃れるためだろうか、無責任にも自国を放り出し国外へ脱出してしまったことである。元々軍人出身だった大統領は、反政府勢力を制圧し、元大統領の兄らとともに親族が政財官界で政治を私物化してきた。見栄えの良い「採算度外視」インフラ開発のために国際金融市場に頼り、対外債務を膨らませた。その一方で、国民のためと称して大幅な減税を行い、国家財政を大きく悪化させた。

 混乱の最大の原因は、外国からの借金を返せず、国家財政が破綻したことである。中国の一帯一路政策の片棒を担ぎ、港に巨額の投資をした結果、返済資金を返せず、中国の支援と協力で完成した近代港湾施設を99か年間、中国へ譲り渡すような稚拙な開発計画に手を出した。

 それにしても自らの汚職と失政の責任を放り出し、国外へ逃亡するとは国家の大統領としては、許せない行動である。昨年8月アフガニスタンの大統領以下の政治家が同じように国と国民を見捨てて国外へ逃亡したが、政治家のモラルもこうまで落ちるものかと呆れるばかりである。

2022年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5539.2022年7月13日(水) アフリカより男女格差の大きい日本

 アホらしいことだが、今日はびっくりした。こんなことになるとは、思いも寄らなかった。銀行で用足しをして帰宅したら、玄関の扉が開けられない。キーでロックを解くことは出来たが、キーを鍵穴から取り出せなくなってしまったのだ。ダブルロックをしているので、もう一箇所キーを使わなければ扉を開けられない。いくら手を変え品を変えても鍵穴からキーを取り出せず往生した。近くの公園の管理人さんや、知り合いの建築業者に尋ねたり、世田谷区役所に電話で問い合わせても色良い返事はなかった。そこでご近所のよしみでお隣さんの奥様にご相談したところ、以前にしばしば上野毛の鍵店の世話になったので、そこへ一緒に行きましょうと、私をお隣さんの車に乗せてくれ心当たりのその鍵店へ案内してくれた。鍵店で相談したところ取り出すコツを教えてくれ、帰宅してお隣さんのテクニックでキーを取り出すことが出来た。これまでにも使い難い点があったためキーを替えた方が良いとのアドバイスもいただいたので、この機会に新しいキーを購入することにした。

 今日教えられ、知ったことは、目標は扉を開けることだったが、もっと大事なことは近所付き合いの大切さだということをつくづく思い知らされたことである。近頃はご近所のお付き合いを敬遠する傾向があり、特に若者たちは、目の前に住んでいてもどういう人なのか知らないことが多い。その点をお隣さんも嘆いておられた。お互いに隣組で仲良くし、助け合いましょうということを力説しておられた。お世話になったが、良い教訓を授かった1日となった。

 さて、最近日本国内でも男女の差別感をなくそうとする動きが脚光を浴びている。いわゆるジェンダー・イクォリティである。このほど世界経済フォーラムが男女格差の状況をまとめた2022年版「ジェンダーギャップ報告書」を発表した。期待はしていなかったが、案の定と言うべきか、146か国中日本は116位という先進国の中では恥ずかしい地位にランクされた。こういう調査になるといつも北欧諸国が上位を占めるが、今回も13回連続で首位の座を守ったアイスランド以下、2位フィンランド、3位ノルウェー、そして5位にスウェーデンが位置している。意外なのは、6位にルワンダ、8位にナミビアのアフリカ2か国が入っていることである。日本より遥かに上位である。一般的に女性の地位が低いイスラム諸国は、押し並べて低位置にいる。とりわけ女性を戸外へ出すなとか、女性に教育を与えるなという極端な女性蔑視のタリバン政権のアフガニスタンは、最下位の146位である。アジアは総じて低く、19位にフィリピン、49位にシンガポール、53位にラオスがやや上位にランクされている程度である。韓国は99位であり、中国は102位である。

 これは国会議員に女性議員が少ないことが大きく効いている。とりわけ女性国会議員だけのジェンダーギャップ度は、日本は139位と最低に近いところにいる。果たして今後女性議員の比率を向上させていくことが出来るかどうか。それが出来なければ、日本はいつまで経ってもジェンダーギャップが大きい後進国に留まることだろう。

2022年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5538.2022年7月12日(火) 安倍元首相葬儀と新興宗教

 3日前に凶弾に倒れて亡くなった安倍晋三・元首相に、最高位の勲章である大勲位菊花章頸飾と、大勲位菊花大綬章が授与されることが決まった。戦後、大勲位菊花章頸飾を受章したのは、吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘・元首相らに続いて4人目である。

 今日安倍元首相の葬儀が、港区芝の増上寺で行われた。増上寺には午前中から献花に訪れる人の長い行列が続き、午後1時には人が溢れて一般の人びとからの献花が中止になるほどだった。増上寺から霊柩車が立ち寄ると見られた千代田区内の自民党本部、首相官邸、国会議事堂を結ぶ路上では、大勢の人びとが元首相を見送った。実際テレビで観る限りでも随分大勢の人が別れを惜しんでいる様子が見えた。

 安倍元首相の客死は誰もが予想もしなかったことであるが、テレビの評論家によるコメントの他に、一般人の安倍氏への思いや評価は、想像を遥かに超えるほど好意的なものだった。事実、殺害の現場、奈良市内の近鉄線大和西大寺駅前の現場の供花台にも長蛇の列が作られている光景を観ると、生前の安倍氏に対する印象とは随分違うものだと思う。もちろん死者に鞭打つ気はないが、一般国民は元首相に対して随分好意的だと感じている。確かに見た感じでは、お育ちの良さもあり優しそうで、温かいイメージがある。しかし、長い首相在任の割には、これという政治的に大きな実績は残していないし、アベノミクスのように自分を売り込むことに熱心だった。むしろ晩年は、森友学園、加計学園の不明瞭な資金問題や、「桜を見る会」の税金私物化などの不祥事は、安倍元首相自身に自ら実態を明らかにしようとの気持ちが見られず、不明瞭なままになってしまっている。私自身も各国首脳とのうわべの個人的友好関係は佳しとしても、安倍元首相の右翼的で、やや強引な政治力には不満を感じていた。

 ついては、安倍氏を殺害した容疑者は、母親が宗教法人・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入れあげて家計が崩壊して破産宣告を受けたことで、その宗教法人と関係のある安倍元首相を殺害しようと考えたと述べたことから、捜査当局は宗教法人から事情聴取している。昨日その代表が記者会見を行った。霊感商法が問題になり、裁判沙汰になったこともある宗教法人の闇のように不明瞭なものは、代表者の会見だけでは明らかにはならなかった。それにしても今改めて元首相が暗殺される事態に、政治とは関係のない宗教団体が取り沙汰されるのは、極めて珍しい。現実には、世界平和統一家庭連合の友好団体である国際NGO・宇宙平和連合(UPF)が主催したイベントに、在職中の安倍首相がビデオ・メッセージで祝意を表したことから、元首相と関係があると受け取られたようだ。これから不透明な点が見られる宗教法人については、事件の捜査が進む過程で徐々に明らかにされていくことだろう。

 ついては、私も時々知人や未知の人からも著書をご恵贈いただくことがあるが、一昨年ある友人からこの旧統一教会関係の書物をいただいていた。興味がなく積読状態だったが、今日少し気になったので、改めて見てみると、正に今話題に取り上げられている世界平和統一家庭連合の創設者文鮮明氏の3番目の妻・韓鶴子総裁が著した「自叙伝・平和の母~人類の涙をぬぐう~」なる立派な著書である。これまで手元に持ってはいたが、読む気持ちがないのでそのままにしていた。とても新興宗教の信者になぞなる気はないが、後学のためにいつか気が向いたら読んでみようかなとも思っている。

2022年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5537.2022年7月11日(月) 参院選、自民党大勝で岸田政権安泰

 昨日の参院選の結果は、すべてのメディアから自民大勝と言われている。自民党は、改選議席125の過半数となる63議席を単独で獲得した。中でも全国に32ある「1人区」で28勝4敗と断然他党を圧倒した。戦前の予想でも自民有利と見られていたが、特に農村部で野党はほとんど議席を失ってしまった。過去には、小沢一郎氏の絶対的地盤だった岩手県の1人区は立憲民主党が勝ち続けていたが、今回自民党の女性候補者に僅差で議席を譲ってしまった。

 全般的には、自民の他に「日本維新の会」と「れいわ新選組」が伸び、立憲、国民、共産が議席を減らした。その中で女性議員35名が当選したことは特筆もので、当選者の28%を占め過去最多の議席となった。ところが、期待された投票率は、期日前投票率が大きく上昇し、昨日は投票所に有権者が列を作る様子だったにも拘わらず、最終的に前回を3.25%上回ったが、期待ほど伸びず、52.05%で相変わらず2人の内1人は棄権したことになる。今回から18歳の若者にも選挙権が付与されたが、期待していた若者はどんな行動をとったのだろうか。

 今後各党でも反省が行われるだろうが、全般的に保守志向に傾いている空気があることは感じ取れる。国内に物価高騰や賃金問題に特段の解決策がない中で、大きな政治問題や社会問題がなく、それが国民を安定志向に仕向けているようなきらいがある。

 ただ、憲法改正に前向きの保守派の政党議員が全議員の2/3を超えたことから、今後改憲論議が熱を帯びて来るだろう。その中で、憲法改正に反対を唱えていた良識派の社会民主党が、政党としての要件を維持できるかどうかが注目されていた。幸いにも公職選挙法が規定する得票率2%を獲得して、何とか規定をクリアし、引き続き社民党は国政党として存在することになった。福島瑞穂党首も比例区で6度目の当選をして、何とか面目を保った。

 学生時代の60年安保闘争時から、日本共産党と民社党の前身・日本社会党は学生運動にとっては力強い支援者だった。左派系の総評も労働者の味方として、学生団体の全学連とともに強力に反体制的な社会運動を繰り広げることが出来た。しかし、総評の後継である今の日本労働組合総連合会(連合)の動きは、労働者や労働運動の力になっているようにはどうしても見えない。女性として初めて会長に就任した芳野友子会長は、意見を聞くと言いながら、自民党や政府の要人とばかり会見、会食を重ねて、野党とは会おうとせず、選挙でも労働者の味方とは思えない行動が気になる。立憲民主党をはじめ、野党が伸び悩んでいる背景には、連合幹部の労働者に寄り添わない姿勢に問題があるように思えて仕方がない。
 今や労働者を支援する社民党としては、国会議員は福島党首と、沖縄選出の新垣クニオ衆議院議員のたった2人だけになってしまった。かつては政権を握り首相を2人も輩出した政党の栄枯盛衰も激しい。自民党も、安定の座に胡坐をかいてやるべきことをやらないと、いつか同じような憂目に遭うだろうことは忘れてはならない。

 さて、昨日セルビア・ベオグラードに住む友人の山崎洋氏から、安倍元首相の殺害事件についてメールで感想を送ってくれた。流石にこの蛮行には驚愕していたが、元首相は在任中にセルビアを訪れた唯一の日本の首相だった。過日日本とセルビアの修好140年記念式典が在セルビアの日本大使館で行われ、出席した来賓のブルナビッチ首相が、安倍氏に叙勲を公表し、安倍氏も名誉なこととして受勲を喜んでおられた。しかし、安倍氏はセルビア政府から授かった勲章を手にすることなく、不運にも冥界へ旅立ってしまったという。

2022年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5536.2022年7月10日(日) 参議院選投票日、妻喜寿の誕生日を迎える。

 安倍元首相の暗殺事件で騒がしい空気の中を、今日参議院選投票日を迎えた。10時半ごろ近くの小学校の投票所へ出かけたが、有権者の長い列が学校の外まで続いて投票するまで実際どれほど待たなければならないのか、係員に聞いても見当もつかないという。これから大学ゼミの友人がチェリストの上野浅草フィルハーモニー・オーケストラ定期公演会を、ゼミ仲間とともに鑑賞するつもりで浅草へ向かう予定だったので、待つ時間がなく止むを得ず帰りに立ち戻ることにして、その場では投票はしなかった。今日77回目の誕生日で喜寿を迎えた妻は、今日学生時代の友人らと会食する約束をしていたので、昨日すでに事前投票を済ませている。

 私たち夫婦もすでに長期高齢者であるが、お互いに医者通いが増えて来た。幸い絶対的な健康障害はないので、予防医学に留意し、通い付けの医師のアドバイスをいただいて、健康な日常生活を送ることを心掛けている。生憎妻は13日に腸の内視鏡検査を受けるので、アルコールによる誕生祝いはあと伸ばしにすることにした。

 さて、友人が一員であるオーケストラであるが、3年前までは毎年2回定期演奏会がありその都度鑑賞していた。生憎コロナ禍以来ホームグランドの浅草公会堂では中止となった。今日の公演は復活した浅草公会堂である。演奏曲目はすべてフィンランド人作曲家ジャン・シベリウスの作品で、名曲♪フィンランディア♪と、同じシベリウスの2曲「交響詩エン・サガ」と「交響曲第5番」だった。以前ヘルシンキを訪れた時、シベリウス記念館を訪れたことがあったが、トーチカ風半地下の一風変わった建物で、近代的な内部が強く印象に残っている。♪フィンランディア♪は、第2のフィンランド国歌とも呼ばれているように、中々力強い曲でゼミの仲間も感動していたようだった。

 それにしてもコロナ禍がリバウンド現象を示して、第7波襲来と言われており、その上酷暑でもあり、浅草雷門周辺は人出も少ないのではないかと思っていたところ、日曜日というせいもあり、人、人、人だった。外国人の姿はあまり見かけなかったが、若い女性の浴衣姿が目立っていた。夏の暑さで汗だくだくだったが、東京の観光地・浅草はコロナどこ吹く風という様子だったと言えよう。

 帰路再び投票所へ立ち寄り、投票を予定通り済ませてホッとした。やはり午后6時を過ぎていたので、かなり空いていた。それにしてもこれまでこの投票所では40年以上の間欠かさず投票しているが、今日のように投票所に行列が出来たのは、初めてである。事前投票率がかなり向上したようなので、この様子では、投票率がかなり上がるのではないかと思うがどうだろうか。

 夜8時に投票を締め切ったので、8時過ぎから各テレビ局が報道合戦を行っているが、最終的な行方はもう真夜中の12時近いが、まだ分かりそうもない。

2022年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5535.2022年7月9日(土) 安倍元首相の悲惨な死と英首相の派手な店仕舞い

 案の定というべきだろうか、安倍晋三元首相殺害事件について、今朝も新聞をはじめ、テレビ各局が取り扱っている。与野党を問わず国会議員のみならず、財界、有識者、一般国民からも卑劣な蛮行として厳しく糾弾されている。その中で、立憲民主党の小沢一郎氏の発言に対して、泉健太・立民党代表は不用意だとして、小沢氏に注意した。小沢氏は明日行われる参議院選応援のために東北地方を訪れていた。小沢氏は記者会見で「社会が安定して良い政治が行われていれば、こんな過激な事件は起きない。自民党がおごり高ぶり、勝手なことをやった結果だ」と語り、岩手県一ノ関市の街頭演説では、「安倍氏のこの災難は、むしろ自民党に有利に作用するかも知れない」と話した。確かに小沢氏の発言は的外れで穏当ではない。これは与党議員からの抗議ではなく、同じ立民党代表の当然のような注意に、立憲民主党としての節度を感じる。

 長期間首相を務め、各国首脳との外交交渉にも度々出かけたので、各国首脳からその死を悼まれている。今日国連安保理事会では、冒頭に安倍氏へ黙祷を捧げた。ワシントンの日本大使館にはバイデン大統領が訪れ記帳した。エリザベス女王からも弔電をいただいた。その他にも、インドのモディ首相、中国の習近平・国家主席、生前27回も会合したロシアのプーチン大統領らからもその死を悼むメッセージをいただいた。台湾では、首都台北市内の高層ビルの側面にネオンで「感謝 安倍晋三」の文字が表示された。

 なお、安倍氏の通夜は、参院選の翌11日、葬儀は12日に、昭恵夫人が喪主となって行われる。

 さて、安倍元首相の突然の死によって、取り上げるのが凝縮してしまったが、一昨日イギリスのジョンソン首相が突然辞任するというビッグ・ニュースである。NATO首脳の中でもウクライナ問題でロシア非難の先陣を切っていた首脳であり、国内的にはスコットランド独立問題や、EUから離脱したことに対する反論もあり、国内的に難しい時でもあった。やや軽率なスキャンダル続きによる、同じ保守党内からの辞任要求に負けた辞任表明であり、後継者はどうなるのかということと、今後政局の成り行きが注目される。

 首相辞任は唐突のように伝えられたが、スキャンダル続きで、同じ与党保守党内にも首相への批判が目立っていた。きっかけは首相と考え方が合わず、閣僚、及び政府の役職から辞任する議員ら50人以上が続出したことで、ついに首相もその職に留まっていられなくなり保守党党首の役から退くことになった。今後次期保守党党首が決まり、首相選出の手続きがある。次期党首が決定した後に、正式に首相を退くことになる。

 ジョンソン首相は、当初よりウクライナ情勢で積極的にウクライナを支援する先頭に立った。ジョンソン辞任の報を受け、ロシアではウクライナを武装させた「愚かな道化師」は正当な酬いをうけたとしてジョンソン辞任に歓迎の意を示した。ペスコス大統領補佐官に至っては「ジョンソン氏はロシアを嫌い、ロシアも彼を嫌っている」とまではっきり言明した。

 このジョンソン首相辞任には後日談がある。辞任を発表して早々に今月中に盛大に自らの結婚披露宴を行うとのサプライズである。引き際を静かに控えめにするのかと思っていたイギリス国民もこの報道には、些か腰砕けになったのではないだろうか。首相は昨年現夫人と結婚式を挙げたが、コロナ禍のため30人程度が祝った控えめなものだった。よほど派手に自らの結婚式を祝いたかったのだろう。とかくの噂のあった首相としては、最後まで賑やかに行動しようというのか、大々的にけじめをつけたいのだろう。イギリス流の終わり良ければ、すべて良しということだろうか。

2022年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5534.2022年7月8日(金) 安倍元首相遊説先で銃撃され急逝

 今日は青天の霹靂と言うべきか、滅多にない衝撃的な臨時ニュースにびっくりした。安倍晋三・元首相が、何と突然男に銃撃され亡くなられたのである。元首相は明後日の参議院選投票に向けて自民党候補者の応援演説に出かけていた奈良市内の近鉄線大和西大寺駅前で、元海上自衛隊員に銃撃されドクター・ヘリで奈良県立医科大病院へ緊急搬送されたが、治療の功なく午后5時3分に亡くなられた。享年67歳だった。犯人は取り押さえられたが、安倍氏の政治信条ではなく、態度・対応が気に入らないと無責任なことを述べた。現職首相ではないが、つい最近まで過去最長の首相在任期間を記録し、今も自民党内の最大派閥・安倍派の会長を務め、自民党内では相変わらず強い影響力を与えている。首相の座を去っても幾分右翼的発言を繰り返し、岸田政権の各政策にも防衛費の増額や、敵基地攻撃など何かと口出しする言動に私も些かうんざりして、一昨日の本ブログにも安倍氏へ対する皮肉を書いたばかりだった。

 ところが、案外安倍元首相とはか細いながらも接点がある。最初は学生時代に60年安保反対闘争に夢中になったのだが、その目指すターゲットは、安倍氏の祖父・岸信介首相だった。安保が終わってから、ソ連からボリショイ・サーカス団が後楽園へ来て妙技を披露した際、私たちより3列ほど前の最前列で岸首相家族とともに見学に来て、目の前でじっとしていられず走り回っていた坊やが晋三くんだった。そして一昨年8月元首相が慶應病院へ検査入院した半月前に私も人間ドックで検査を受けた。

 それにしても世界的にも治安が安定し、民主的な平和国家として海外各国から畏敬の目で見られている日本としては、思いがけない突発的事件発生に海外からの印象も悪いだろう。今から90年前に勃発した5.15事件の際、「話せばわかる」と言っていた当時の犬養毅首相が首相官邸へ乗り込んできた海軍青年将校らによって殺害されて以来の日本憲政史上の汚点である。その2年前には、東京駅で浜口雄幸元首相が右翼に銃殺された。更にその前年の1909(明治42)年には、満州ハルビン駅で朝鮮人・安重根によって射殺された伊藤博文元首相もいる。不幸にして安倍元首相が彼岸へ旅立ったのは、浜口ライオン宰相以来の元首相殺害事件となる。

 安倍氏の言動には、とても同意出来なかったが、さりとて暴力的にあの世へ追いやろうとの行動は、厳しく非難されるべきである。早くも外電は本事件について報道しているが、とりわけ在任中、「シンゾー」「ドナルド」と呼び合い、一緒にゴルフをプレイして意外にも気持ちが通い合ったアメリカのトランプ前大統領から「真の偉大な男である指導者、安倍元首相が銃撃されたのは打ちのめされるほど悲しいニュース」とコメントを発した。

 岸田首相をはじめ、政界の要人は口を揃えて民主主義をぶち壊すものだと非難しきりである。安倍元首相の急死については、各評論家も愕然としていた。しばらくはこのニュースで持ち切りとなることだろう。

2022年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5533.2022年7月7日(木) 関連する人口減少と疫病流行

 ♪ささの葉さらさら のきばにゆれる~♪ 今日は七夕であり、ロマンチックなイメージが、新型コロナウィルス感染拡大第7波に壊されやしないか気がかりである。この数日コロナ禍の急激な感染拡大が懸念されている。東京都でこの3日間連日新規感染者は8千人を超えた。他の自治体でもほとんど増えているが、特に西日本で急増している。直近の増加数を人口10万人あたりでみると、1位が沖縄、以下島根、熊本、佐賀、鹿児島、東京、大阪、福岡、大分、長崎の順で10位内に九州が6県も入っている。

 ついては、近年日本の人口が漸減傾向にある。総務省統計局が発表した今年6月1日現在の総人口は、1億2,493万人である。過去の動態を調べてみると江戸幕府が成立した1603年には1,227万人だった。それが明治維新(1868年)には3,330万人となり、終戦の1945年には7,199万人となり、その直後にベビーブームが起き、その10年後の私の高校時代は約8千万人だった。それが20世紀最後の2000年には12,693万人を数え、4年後には12,784万人でピークを迎えた。同時に少子高齢化の兆しが見え始め高齢化率が19.6%となった。今後の推計では、年々人口は減り、その反面高齢化率は高まると予測されている。2100年に予想される日本の人口が4,771万人に対して、高齢化率は実に40.6%と推定されている。これら人口減少は自然現象的なものであるが、その上コロナ禍の如きは、偶々降りかかった不幸な災いで人口減少の引き金になりかねない。このコロナ禍が早く終息しないと人類にとっても存亡の危機を迎えることになってしまう。
 実は世界史上にも、かつて栄耀栄華を誇った国家が人口減少により滅びた例はいくつかある。その典型がローマ帝国である。約500年間に亘り共和政を誇り、その後東西に分裂し、東ローマ帝国はペルシャによって、またAD476年には西ローマ帝国がゲルマン民族によって滅ぼされた。そのローマ帝国の崩壊の遠因も人口減少によるものだった。その人口減少は2世紀中ごろに流行った大規模な疫病だったと言われている。現代社会でも人口の自然減少をどう食い止めることが出来るか、検討する必要がある。また、もうひとつ人口減少の大きな原因になり得る病、コロナによって滅びる可能性があるやも知れない。

 ローマ帝国滅亡には、軍事費がかさんで財政が破綻寸前であるにもかかわらず、通貨を増発し、物価は高騰し、財政危機が経済危機、更に社会危機に拡大していったという一説がある。この現象を歴史家は「3世紀の危機」と呼んでいるが、現在の日本と重なって見えるというのが、ローマ史を研究している本村凌二・東大名誉教授である。

 だが、中世ヨーロッパには、赤痢、インフルエンザ、黒死病、ハンセン病など多くの伝染病が流行した。その中でも最も恐れられたのは黒死病、いわゆるペストである。14世紀に流行したペストは、17世紀にロンドンで再び流行し、3度目のパンデミックは19世紀半ばに始まり20世紀まで続いた。今流行っているコロナが、ペストと同じように世界中に拡大し、人口の減少、並びに人類の破滅へ拡大しないよう祈るばかりである。

2022年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5532.2022年7月6日(水) 税収過去最高、安易に防衛費を増額するな!

 財務省が昨日2021年度一般会計の歳入のうち税収について公表した。コロナ禍と円安の中で2年連続過去最高となったが、歳出がコロナ禍もあり大幅に増えているので、素直に喜ぶわけには行かない。税収は67兆円超で、所得税、法人税、消費税の主要3税がいずれも前年度より増え、総額で前年度を約6兆円も上回った。税収の内最も多かったのが消費税で、21.8兆円だったとは想像もしていなかった。給料は上がらず、そこへ物価値上げにより庶民の暮らしには厳しいものがある。

 そこで、来る10日に行われる参院選に当たり、各政党は消費税について公約で訴えている。ただ聞こえの好い減税にばかり有権者の目を向けさせようとしている傾向がある。与党の自民・公明党は減税には一切触れていないが、各野党はそれぞれ独自案を主張している。れいわ新選組が消費税廃止の他に、社民党が今後3年間の消費税をゼロにと言うのを筆頭に、日本維新の会が3%、立憲民主党、日本共産党、国民民主党が現在の消費税10%から5%へ減税を主張している。問題は現在の一般会計予算が毎年赤字であり、今でも歳入が少なく四苦八苦の末に借金予算を組み歳出額が圧倒的に多い現状を考えると簡単に減税するのは難しいだろう。況してやこの数年コロナ禍対策に予備費として相当額を充てた。消費税収入は税収の中でも最も多く、税収額全体の約1/3を占めている。これを減税したらとても国家財政のバランスを保つことは出来ない。

 それより安倍晋三元首相ら保守勢力が持ち出す防衛費用2倍論、或いは防衛費大幅増額論を抑え込む議論を展開する方がよほど説得力はある。コロナ対策により21年度一般会計予算の歳出額は、142兆円と大きく膨らんでしまった。いくら収入が増えてもその足元から無駄遣いをやっているのでは、いつまで経っても赤字財政は無くならないだろう。結局国債発行に異存する借金財政を維持しなければならない。コロナ禍が終息したら真剣に均衡財政への議論を極めてもらいたいものである。

 さて、アメリカ独立記念日の4日、アメリカのシカゴ郊外でまた銃乱射事件が発生し、7人が亡くなり多数の重軽傷者が出た。21歳の青年がライフル弾を70発も乱射していたらしい。アメリカでは、今年に入ってから4人以上の死者、負傷者が出た銃乱射事件は311件にもなるという。あまりにも残虐な殺人事件の頻発に、あの民主主義国家を自認するアメリカ国民が、どうしてこんな不名誉な殺人大国となるのを防ぐことが出来ないのかと、毎度のことながら理解出来ない。

 去る5月にテキサス州の小学校で起きた銃乱射で小学生19人と教師2人が殺害された。その直後にバイデン大統領は悲しみを堪えながら、銃規制への行動を起こすと言ったが、2歩前進1歩後退というのらりくらりの銃規制にしかならなかった。世界でも最低・最悪のアメリカ憲法により、銃の所持が保証されていることを盾に、アメリカ人は現代社会において世界中どこにも通用しない、銃の自由所持を認める悪法を廃棄する行動を起こすより、殺人事件が溢れる世の中を活かす自由を佳しとするアメリカ社会の常識と感覚に疑問を抱かざるを得ない。

2022年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5531.2022年7月5日(火) 世界中の人々に毒を盛ったプーチン

 ウクライナ情勢の悲劇的な戦況が連日伝えられているが、遂にロシアはウクライナ東部のルハンスク州のほぼ全域を制圧した。これによりロシアはもうひとつの東部ドネツク州を含むドンパス地方全域の支配を目指して、一層攻撃を強める気配である。

 ロシア国民は、ロシア政府お墨付きの報道のみを信じ込まされ、ウクライナへのミサイル攻撃や、その攻撃により商店、学校などが壊滅され多くの子どもたちが死亡させられたニュースはほとんど知らされていない。徹底した報道管制により、事実を都合よく取捨選択し、自国にとって有利な情報しか国民には伝えていないからだ。同じことは、専制君主国家の中国や北朝鮮についても言える。

 今朝の朝日新聞「オピニオン&フォーラム」に20年以上も母国ロシアを離れスイスに居住しているロシア人作家のミハイル・シーシキン氏が、「プーチンは皇帝か」との論文を寄稿している。氏は論文冒頭からロシア人であるということに苦痛を覚えるとぼやいている。戦争犯罪人の言葉として母国語ロシア語が恨まれる。報道管制下にあるロシアのテレビは、爆撃されたウクライナの街や子どもたちが殺害されたのは、ウクライナのファシストの仕業だと説明し、ロシア軍はアメリカに押し付けられたファシスト政権からウクライナを解放しているのだと今もロシア国民を信じこませている。

 シーシキン氏の不安と悩みは、ロシア人の国民性と旧ロシア帝国のツァーリと呼ばれた皇帝たらんとするプーチン大統領、そしてプーチン後に皇帝となる後継者である。

 プーチンはこのウクライナ戦争では、最後まで戦うだろうと推測している。私もそう思う。彼は旧ロシア帝国の絶対権者ツァーリを目指している。勝利が真のツァーリである唯一の証であるからである。ただ、シーシキン氏は彼に勝ち目はないとも見ている。シーシキン氏の不安は、ロシア国家と国民には絶対君主であるツァーリを生む土壌があるということである。ロシア国民は今でもあの殺人鬼スターリンを愛し、アフガニスタン戦争と東西冷戦でも敗れたゴルバチョフを軽蔑しているという。プーチンが姿を消しても、次の独裁者が誕生する下地がロシアにはあるという。新たにプーチンのような独裁者を生ませないためにも、ロシアは帝国的意識の浄化や真の脱プーチン化において新しく生まれ変わることが必要だと説いている。更に、国民的な罪の意識と悔恨がなければ、ロシア人とロシアという国にはいかなる未来もあり得ないとまで言っている。

 プーチンの罪は、ロシア人のみならず多くの人々に憎しみという毒を持ったことだ。それ故プーチンがいなくなっても、痛みや憎しみは長く心に残る。こうまで言い放っているが、シーシキン氏が懸念しているように、プーチンがいるかどうかとは別に、ウクライナ戦後もロシアの国家体制に変更がなければ、恐れている疑似プーチン皇帝が現れることだろう。果たして、覇権国家となったロシアには、次のプーチンを生ませない備えがあるだろうか。

2022年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com