5438.2022年7月11日(月) 参院選、自民党大勝で岸田政権安泰

 昨日の参院選の結果は、すべてのメディアから自民大勝と言われている。自民党は、改選議席125の過半数となる63議席を単独で獲得した。中でも全国に32ある「1人区」で28勝4敗と断然他党を圧倒した。戦前の予想でも自民有利と見られていたが、特に農村部で野党はほとんど議席を失ってしまった。過去には、小沢一郎氏の絶対的地盤だった岩手県の1人区は立憲民主党が勝ち続けていたが、今回自民党の女性候補者に僅差で議席を譲ってしまった。

 全般的には、自民の他に「日本維新の会」と「れいわ新選組」が伸び、立憲、国民、共産が議席を減らした。その中で女性議員35名が当選したことは特筆もので、当選者の28%を占め過去最多の議席となった。ところが、期待された投票率は、期日前投票率が大きく上昇し、昨日は投票所に有権者が列を作る様子だったにも拘わらず、最終的に前回を3.25%上回ったが、期待ほど伸びず、52.05%で相変わらず2人の内1人は棄権したことになる。今回から18歳の若者にも選挙権が付与されたが、期待していた若者はどんな行動をとったのだろうか。

 今後各党でも反省が行われるだろうが、全般的に保守志向に傾いている空気があることは感じ取れる。国内に物価高騰や賃金問題に特段の解決策がない中で、大きな政治問題や社会問題がなく、それが国民を安定志向に仕向けているようなきらいがある。

 ただ、憲法改正に前向きの保守派の政党議員が全議員の2/3を超えたことから、今後改憲論議が熱を帯びて来るだろう。その中で、憲法改正に反対を唱えていた良識派の社会民主党が、政党としての要件を維持できるかどうかが注目されていた。幸いにも公職選挙法が規定する得票率2%を獲得して、何とか規定をクリアし、引き続き社民党は国政党として存在することになった。福島瑞穂党首も比例区で6度目の当選をして、何とか面目を保った。

 学生時代の60年安保闘争時から、日本共産党と民社党の前身・日本社会党は学生運動にとっては力強い支援者だった。左派系の総評も労働者の味方として、学生団体の全学連とともに強力に反体制的な社会運動を繰り広げることが出来た。しかし、総評の後継である今の日本労働組合総連合会(連合)の動きは、労働者や労働運動の力になっているようにはどうしても見えない。女性として初めて会長に就任した芳野友子会長は、意見を聞くと言いながら、自民党や政府の要人とばかり会見、会食を重ねて、野党とは会おうとせず、選挙でも労働者の味方とは思えない行動が気になる。立憲民主党をはじめ、野党が伸び悩んでいる背景には、連合幹部の労働者に寄り添わない姿勢に問題があるように思えて仕方がない。
 今や労働者を支援する社民党としては、国会議員は福島党首と、沖縄選出の新垣クニオ衆議院議員のたった2人だけになってしまった。かつては政権を握り首相を2人も輩出した政党の栄枯盛衰も激しい。自民党も、安定の座に胡坐をかいてやるべきことをやらないと、いつか同じような憂目に遭うだろうことは忘れてはならない。

 さて、昨日セルビア・ベオグラードに住む友人の山崎洋氏から、安倍元首相の殺害事件についてメールで感想を送ってくれた。流石にこの蛮行には驚愕していたが、元首相は在任中にセルビアを訪れた唯一の日本の首相だった。過日日本とセルビアの修好140年記念式典が在セルビアの日本大使館で行われ、出席した来賓のブルナビッチ首相が、安倍氏に叙勲を公表し、安倍氏も名誉なこととして受勲を喜んでおられた。しかし、安倍氏はセルビア政府から授かった勲章を手にすることなく、不運にも冥界へ旅立ってしまったという。

2022年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com