5441.2022年7月14日(木) 今秋、安倍元首相の国葬実施

 今日は夕刻になって突然公表された政府の方針に耳を疑った。今秋安倍晋三元首相の国葬を行うとの電撃的ニュースである。別にケチをつけるわけではないが、疑問を感じる。歴代首相の中で国葬を行ったのは、過去に吉田茂首相だけである。吉田元首相は、戦後打ちひしがれた日本経済が立ち直るきっかけとなった政治を行い、同時に1952年にはサンフランシスコ平和条約を各国と協定し、戦後世界への復活を果たした功労者である。それに比べて安倍元首相は、歴代最長期間首相を務めたとは言え、決して首相としてさほどの実績を残したわけではない。むしろ政治に闇を被せた首相ではなかっただろうか。森友・加計学園問題では国有地の不法な払い下げにより、会計不明瞭で担当者に死者まで出している。

 更に「桜を見る会」の公私混同と公選法違反などと、ともども未解決のまま逃げ回っていた人物を国民が国家の令によって追悼させられるというのは、いかにも不条理で素直には納得出来ない。中曽根康弘元首相は、内閣と自民党の合同葬だった。多額な国葬の費用も国の財政から支出される。穿った見方をすれば、自民党内最大派閥会長だった安倍元首相が亡くなった機会を捉えて、安倍派議員の気持ちにつけ込んだような気がしてならない。

 さて、日本で円安が進み今日の対ドル相場は、一時1㌦=139.088円にまで値下がりした。アメリカのインフレが加速して6月の消費者物価指数が、前年同月より9.1%も上昇したことが、響いている。ヨーロッパでもユーロ圏がエネルギー高や燃料高の影響を受けて、ユーロが値下がりし、直近の対ドル相場は1㌦=137.48ユーロとなり、対ドル価値がユーロと円がほぼ同じとなってしまった。

 ウクライナ情勢にばかり目が向いているが、この間世界ではいろいろな変化が起きている。一番意外に思ったのは、スリランカの経済的混乱でラジャパクサ大統領が辞任を表明したかと思いきや、逮捕を逃れるためだろうか、無責任にも自国を放り出し国外へ脱出してしまったことである。元々軍人出身だった大統領は、反政府勢力を制圧し、元大統領の兄らとともに親族が政財官界で政治を私物化してきた。見栄えの良い「採算度外視」インフラ開発のために国際金融市場に頼り、対外債務を膨らませた。その一方で、国民のためと称して大幅な減税を行い、国家財政を大きく悪化させた。

 混乱の最大の原因は、外国からの借金を返せず、国家財政が破綻したことである。中国の一帯一路政策の片棒を担ぎ、港に巨額の投資をした結果、返済資金を返せず、中国の支援と協力で完成した近代港湾施設を99か年間、中国へ譲り渡すような稚拙な開発計画に手を出した。

 それにしても自らの汚職と失政の責任を放り出し、国外へ逃亡するとは国家の大統領としては、許せない行動である。昨年8月アフガニスタンの大統領以下の政治家が同じように国と国民を見捨てて国外へ逃亡したが、政治家のモラルもこうまで落ちるものかと呆れるばかりである。

2022年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com