6156.2024年3月21日(木) 大谷選手を襲った不運、通訳解雇

 このところ関東地方でも地震が多いが、今朝も北関東方面、特に埼玉、栃木で震度5弱の地震があった。我が家でもそこそこ揺れ、大分経ってから棚に飾ってあった木彫りの象が2頭墜落しているのに気付いた。これから用心しないといけない。

 さて、昨日のドジャースとパドレスの韓国における初めてのMLB開幕試合が実況中継され、地元韓国はもちろん、日本、アメリカでもかなり話題を呼んでいたようだ。喜ばしいことに昨日は大谷選手が活躍し、ファンを歓喜させたが、その一方でパドレスのダルビッシュ投手、今年入団した松井裕樹投手もそれなりに責任を果たすピッチングをした。その後の夜の報道番組でもこの試合ばかりでなく、選手のグッヅや家族の話など何でもかんでも派手に伝えられて、大谷選手の出身地である岩手県奥州市ではパブリックビューイングを観ながら応援する地元ファンの様子を伝え、かなり盛り上がっていた。この分では日本のプロ野球が開幕しても、当分人気は大谷ドジャースに奪われたままではないかと心配するほどで感銘を受けている。

 その大谷選手に突然不幸が襲い掛かった。今朝のニュースでは大谷選手の通訳を務めていた水原一平氏が、違法賭博を行い、その借金を大谷選手の口座から送金した疑惑によりドジャースから解雇を伝えられた、と驚くような報道に各テレビ局の報道番組は大騒ぎである。昨日の試合でも水原氏はベンチで大谷選手の傍に寄り添っていたが、それが今日の第2戦では姿は見えなかった。大谷選手の精神的ショックもかなりのものだろう。水原氏が賭博に投資した金額が、何と6億8千万円と聞いて2度びっくりである。普通の人間には賭博にこんな巨額を注ぎ込むなんてとても考えられないが、1度はまると抜け出せなくて中毒になるのが賭博の魔力のようだ。それにしても2人の友好関係は見ていても微笑ましいほどで日本国内でも人気のコンビだったが、水原氏が大谷選手に黙って詐欺行為をやったとは今以て信じられない。人は見かけだけでは分からないものだということを教えてくれるような通訳氏の裏切り行為である。

 この賭博行為の常習性は、広く知られているが、大阪万博の跡地に大阪府が公営賭博場を建設する計画が、周辺住民から強い反対の声が上がっている。これを主催者の大阪府は言い訳で言い繕っていたが、この通訳氏の賭博の常習性が広くPRされれば大阪も立場が苦しくなるのではないか。

 今日3か月ぶりに慶応病院循環器内科で、昨年来診察してもらっている心臓の不整脈について審査結果を教えてもらった。最近ちょっと気になっていた不定期ながら、時々脈拍が急降下する現象について数値グラフを示して医師に尋ねたが、許容範囲ということと上腕血圧計の数値だけでは、何とも言えないということだった。次回6月に昨年9月に続きもう少し精巧なホルター心電図検査を受けることになった。

2024年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6155.2024年3月20日(水) 大谷選手の活躍と「富嶽三十六景」の競売

 数日前の天気予報で、今日は早朝から晴れるが寒くて午後から夜にかけて荒れた天候になり、都内では雷雨も予想されるということだった。そこで午前中にウォーキングをしてしまおうと駒沢公園へ出かけた。春分の日という祭日でもあり、これから天候が崩れる予報にも拘らず、多くの家族連れが遊んだり、散策していた。陸上競技場脇を通ったところ場内で陸上競技大会をやっているのが目に入り、入場規制もなさそうだったので、スタンドではなくフィールド内へ初めて入ってみた。ちょうど長距離のスタート前だったが、選手たちが1周するのを見て外へ出た。その足で屋内球戯場傍を通ったところ、ここでも何かスポーツ大会をやっている様子だったので、ここも初めて中へ入り込んでみると空手道関東選手権大会なるものが行われていた。近くに住んでいながら公園のこれらの施設内に入り込んだのは、幸か不幸か初めてだった。

 午後になって青空が暗くなり、予報通りいよいよ雷雨のお出ましかと思っていたところ、3時ごろから逆に雲が消え空も明るくなってきた。ところが、4時過ぎになって雨が降り始めた。新橋方面は大変だったようだが、世田谷は雷が鳴ったが、それほど風雨は強くなかった。

 ところで、今日から韓国ソウルでMBL初めての開幕試合が行われた。「オータニサン」大谷翔平選手が所属するLAドジャースとダルビッシュ投手のSDパドレス戦が、数日前から盛り上がって韓国における大谷選手の人気もすごいものだ。期待に違わず2安打を放ち1打点をあげ、盗塁もひとつ成功させて5-2でドジャースの勝利に貢献した。今日の開幕戦は、NHKが実況中継やら、7時のニュースの冒頭に想定外の大谷選手のプレイ・シーンを放映する有様だった。これからもMLBの試合で日本選手の活躍ぶりを見せてくれることだろう。

 今日衝撃的だったニュースは、ニューヨークで美術品のセリが行われ、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の「富嶽三十六景」のシリーズ全46図が競売にかけられ、5億3700万円で落札されたというショッキングな話である。驚くとともに落胆したのは、この国宝とも言える芸術的作品が日本にはなく、海外で度々取引されていた事実である。売却した所有者が前回これを入手したのは、2002年11月パリで開かれたオークションだったという。稀に見る日本の古典的芸術作品がしばしば外国人の手によって売買されている現象に悲しい気分になってくる。これほどの日本独特の価値ある名作をどうして日本で所有保管出来ないのだろうか。

 「富嶽三十六景」の中でも、とりわけ「神奈川沖浪裏」は郵便切手の絵図にも使われ、多くの人に知られ、昨年8月ドイツのバイエルン州立図書館が、個人の収集家から数億円で購入し、2025年に日本の版画を集めた展覧会で目玉として展示すると発表してまだ間もない。バイエルン州科学・芸術大臣が保存状態は良く「コレクションに新たな宝石が加わった」と喝采を叫んでいたばかりである。

 繰り返すようだが、なぜ日本の芸術品が日本人の手を放れ、海外へ行ってしまうのだろうか。ここには、文科省をはじめ、日本の文化・芸術関係者が日本の宝であるとの認識をしっかり持ち、決して海外へ放出しないよう、最後の砦で国が購入してでも手放さないとの強い信念と気持ちがなければいけないと思う。とにかくがっかりした。本物にはもう会えないかも知れない。

2024年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6154.2024年3月19日(火) マイナス金利解除と派閥幹部証人喚問要求

 今日日銀は金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除することを決め、17年ぶりの利上げに踏み切った。これによって長期金利-0.1%を+0.1%に変更し、短期金利を0から+0.1%に上げる。これを受けて三菱UFJ銀行は早速21日から0.001%だった普通預金金利を、0.02%に引き上げると発表した。三井住友銀行も追随することを発表した。これから外為市場や住宅ローンなどにも影響が表れて来ることだろう。また、今日の日経平均株価は、再び4万円台に戻り40,003円となった。

 さて、自民党派閥の裏金問題は、政治倫理審査会で派閥幹部ら関係者が答弁したが、一向に明確な説明がなく闇は濃くなるばかりである。しびれを切らした野党4党は、予算委員会で派閥の事務総長経験者など6人について、罰則規定のある証人喚問を行うよう自民党に要求する模様だ。国民の自民党に対する不信感と政治に対する失望感などが強まり、数日前に行った朝日新聞の世論調査によると岸田内閣の不支持率がまた上がり、遂に67%に達した。有権者の3人に2人が岸田内閣を支持していないことになる。首相のリーダーシップも何やら頼りなさそうで、仮に今解散し総選挙を実施したら自民党は相当得票率を下げるのではないだろうか。

 国内の政治が裏金問題の解明に費やされて、能登半島地震支援などに充分手が回らない印象である。その間に闇に隠れるように安保問題が素通りして行く。とりわけ防衛費の増額に示されるように、敵基地攻撃能力とか、戦闘機の共同開発による輸出や、オスプレイの不安な飛行復活など、日米協定という隠れ蓑の陰で着々と危ない手を打っている。特に気になるのは、イギリス、イタリアと日本が共同開発している次期戦闘機である。イギリスは、日本が同意しない「防衛装備移転3原則」の変更を求めたが、これは日本の国是である非戦平和主義を逸脱するものである。ところが、これに条件付きであるにせよイギリスの要望を受け入れた。当初公明党は賛成しなかったが、今では人気も下り坂の公明党が同じ与党の自民党と一層連携を強めることで愁眉を開こうとしたのか、次期戦闘機輸出解禁で合意する有様である。今や日本は軍事国家に変貌しつつあるのだ。

 その次期戦闘機開発・製造に当たるのは、航空機製造に実績のある三菱重工業のようだが、何と自民党は同社から年間3千万円の献金を受けていたことが分かった。これも裏金のひとつとしてキックバックの対象となり、関係筋の国会議員の懐に入っていくのだろう。

 停止していた米軍のオスプレイの飛行も14日から日本国内で再開を認めたが、昨年11月屋久島沖で墜落した原因の調査結果に納得して再開に同意したと、防衛省は手早くアメリカの意を受けた発言をしている。しかし、調査結果の内容を厳しくチェックすることもなく、問題なしとして安易に再飛行を認めたのは、これもまたアメリカの言いなりということではないか。屋久島沖の事故オスプレイは、都内の横田米軍基地に所属していただけに基地周辺の住民からは不安の声が聞かれる。

 裏金問題に忙殺されている間に、防衛省は難しい問題を抱えて大分困惑しているようだ。今秋のアメリカ大統領選でトランプ前大統領が復活当選するようなことにでもなったら、トランプ・アメリカは次々と日本に過大な要求を突き付けて来るだろう。

 ともかく現在の岸田内閣の政権運営は心配で見ていられないというのが率直な気持ちである。現在の政倫審もこれという成果がなく、真実を隠蔽していることが考えられるとして証人喚問に進めば、スッキリするが、同時に、岸田首相自身が身を退く事態も考えられるのではないだろうか。

2024年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6153.2024年3月18日(月) プーチン大統領、疑問符の付く「歴史的大勝」

 15日から3日間行われたロシア大統領選挙の投開票が終わった。最初はどうして投開票のために3日間も費やすのかと首を傾げていたが、考えてみるとロシアの国土は広大で、バルト海に面した飛び地カリーニングラードからカムチャツカ半島東端まで、実に11の時間帯があるので10時間の時差があり、どうしても1日や2日ですべての作業を終えることが出来ないからである。

 投票結果は、予想されていた通りプーチン大統領のいわくつきの圧勝だった。単にプーチン氏の強権的独裁をPRしただけで、はっきり言って事前に反プーチン行動を抑圧し、有力な反プーチン派候補者には立候補を認めず排除し、投票でもプーチンへの1票を押し付けるなど、勝負は最初から分かっていた。とても開かれた民主的選挙と言えるものではなく、形だけの選挙である。国民からの信頼と委託を投票に具現化する選挙とは程遠い。総選挙を行わずに独裁的権力を行使している中国の習近平・国家主席や、北朝鮮の金正恩・朝鮮共産党総書記と何ら変わらないままトップの座に君臨するようなものである。この2人の独裁者から早速祝電が届いたそうであるが、同じように独裁的権力で国家を抑え込んでいる2人と相通じるものがあるのだろう。時代錯誤も甚だしい。

 投票への呼びかけも威嚇的で、大学構内で大学当局から学生たちに投票するよう圧力をかけたり、ウクライナ東部のドネツク州など4州のロシア占領地区では、武器を持った関係者が全住民の家庭を訪問して投票を強要した押し付けがましい選挙民への投票要請については、国連加盟国50か国以上が、一斉に非難する共同声明を発表したほどである。

 何を考えているのか、プーチン側は選挙で圧勝して、絶対的な勝利で信頼と権力を得たと誇示することによって引き続き思うがままに政治、経済、外交面で行動する存在感をアピールしようとしているのだ。結果的に開票率98%時点で、プーチン氏の得票率は世界でもあまり例のない87.34%で文句のない?圧勝だった。

 プーチン氏が再びロシア大統領に選出されたことにより、今後2030年までその地位に就くことになる。任期切れの30年に再び当選すれば、更に6年間思うままに権力を揮える。取り敢えず在位30年となり、旧ソ連時代に殺人鬼と言われた独裁者スターリンの在位25年を超えて最長の在任期間になる。偶々今晩NHK「映像の世紀」で1千年間自由のない国ロシアと殺人鬼スターリンについて放映していた。人騒がせで利己的な独裁者プーチンがこれからもロシア大統領として居座ることによって、世界は益々暗く偏屈なものとなる。

 さて、昨日セルビアにいる友人から次のような情報を知らせてくれた。20年前の昨日、コソボでロシアの友好国セルビアを糾弾する暴動が起きた。これがきっかけとなりコソボではセルビア製品の輸入禁止、今年2月からはコソボ地域でのセルビア通貨の使用禁止により年金や給与が受け取れなくなったり、それらがエスカレートして数日前からロシアを中心に使用されているキリル文字の使用禁止などが、日常生活に影響を与えているという。そもそも暴動の原因となったのは、アルバニア人の3人の子どもが川で溺死した事件である。コソボ人男性が地元のメディアに、3人はセルビア人に追われて逃げる途中に川に落ちたというフェイク情報がきっかけで、コソボ全域で暴動が起こり、セルビア人襲撃とか、正教会聖堂の焼き討ちなどの民族浄化が行われたということである。

 これはロシア大統領選とは直接関係ないが、旧ユーゴスラビアから独立した国家間で複雑な民族間対立があり、そこへロシアが入り込み、ロシアと友好的なセルビアとそうではない国々の間に対立感情が堪っているからである。ことの良し悪しは別にしてもロシアが絡むとどうも嫌な事件ばかり浮かび上がって来る。

2024年3月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6152.2024年3月17日(日) 内憂外患の岸田内閣は大丈夫か?

 いま自民党の派閥裏金問題の対応を巡って党内は揺れに揺れている。自民党は、昨日全国幹事長会議を党本部で開いたのに続いて、今日都内ホテルで全国党大会を開催した。各都道府県の代表者である幹事長らからは、本部への批判が相次いだ。岸田首相は冒頭の挨拶で国民の間に政治不信を引き起こしたとして謝罪した。首相は、政治責任、再発防止、政治資金規正法改正などを進めると述べたが、自民党が変わらなければならないと言い、党本部ともども命がけで党再生に努力することを誓った。そして、茂木幹事長に関係議員の処分について結論を得るよう指示した。

 そのうえで自民党の今年度の運動方針案について語ったが、実際のところ裏金問題が決着つかない状態では、それが果たして今年度中に実現できるかどうかは不透明である。運動方針案の基本とは、

 ・政治と金について、反省と国民へのお詫びとして従来の「派閥」を2度と復活させない。

 ・憲法改正について、2024年度中に国民投票で国民の判断を仰ぐ。

 ・北朝鮮拉致問題については、全被害者の即時帰国実現のために全力を尽くす。

 ・皇位継承には、責任ある政権与党として党内で議論を進める。

 ・次期衆議院選は、高い緊張感を持ち、勝てる態勢構築。

 ・賃上げは、物価上昇を上回る賃上げへ政策後押し。

 である。

 派閥の復活をしないと大見えを切ったが、まだ政治倫理審査会の手打ちが済んでいないこれまでの経緯を見ると、またすぐに復活するのではないかとの疑問が膨らんで来る。また、憲法改正のための国民投票まで進めることは難しいだろう。この件についてはまだ国民はほとんど知らされていない。拉致問題の解決も、北朝鮮の最近までの対応から考えて可能性は限りなく0%に近いと思う。皇位継承権の議論については、難しい問題もあり果たして自民党内だけの議論で問題を先へ進めることが出来るだろうか。次期衆議院選の前に、4月に補欠選挙が3か所で実施される。裏金騒動の流れの中で議席獲得はかなり厳しいと考えられる。賃上げだけは、昨日すでに大幅上昇で決着したが、物価上昇をカバー出来るだろうか。

 自民党が当面切り抜けなければならないハードルは、4月のトリプル補選であろう。そのひとつの東京15区は、江東区長選を巡る公選法違反罪で有罪判決を受けた柿沢未途議員の辞職に伴う補選で、後継者が見つからず不戦敗の空気である。2つ目の長崎3区も裏金問題で政治資金規正法違反に問われ略式起訴された谷川弥一議員の辞職の後釜であるが、後継立候補者を捜し難く、自民党としてはここも不戦敗の方向である。3つ目の島根1区は、細田博之前衆院議長が長期に亘り安定的議席を獲得していただけに、細田氏の死去に伴う欠員は後継者が見つかっただろうか。自民党全体に逆風の影響もあり厳しいと見られている。

 ウクライナ、パレスチナなど国際的な人道問題が取り沙汰されている混乱の中で、日本政府はこれという手が打てないまま、アメリカの後押しをしている。経済問題では日本製鉄によるアメリカの最大の鉄鋼メーカー「USスチール」の買収につき、USスチール労働組合の反対の動きに乗って、バイデン大統領やトランプ前大統領が強い口調で認めないという国内の政治問題から外国の経済問題に露骨に口を出す動きにも日本政府は何らの手も打てない。正に岸田内閣はいま内憂外患に晒されている。

2024年3月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6151.2024年3月16日(土) 春闘の高い賃上げと北陸新幹線開業

 法人税が低率のため企業の利益が膨らんでいるのか、大手企業が今春闘で随分景気の良い賃上げを提示した。正社員の賃上げ率が平均5.28%で、1933年以来33年ぶりに5%を超えた。驚いたのは、この過程で各社が公表した賃上げ額の中に満額回答や、満額を上回る回答があった企業が大分あったことである。

 連合が目標としていた5%以上を上回ったことに、芳野友子会長は得意満面で「この結果が今後、消費につながることを期待したい」と述べた。今気がかりなのは、この高水準の賃上げが、中小企業にまで普く影響が及ぶかということと、賃上げが物価上昇を上回り実質賃金が上がるのかという点である。それによっては現在日銀が11年もの長期間に亘り実施している金融緩和策を転換させることもあり得る。

 それにしても日本製鉄が平均賃上げ額を3万5千円、トヨタ自動車が2万8千円と回答したのには、度肝を抜かれた感じである。私は1963年入社してその時手にした初任給は1万8千円だったが、当時の新入社員2人分の給料に当たる金額を、日本製鉄の現役社員は昨年の給与の上に乗せてもらえるというのだから、時代の流れもあり貨幣価値も随分変わったが、懐具合は大分良くなったのではないかと思う。今の社員たちは、いただいた給料に見合う労働をきちんとやっているのだろう。

 ただ、こういう好景気の指標が示されたために、以前に比べて労働ストを決行する企業はほぼ影を潜めた。特に半世紀前は春闘というと鉄道会社や交通機関がストを決行し、通勤、通学の足に随分影響を与えていた。全般的に落ち着いた社会になってきたとは言えるのだろう。

 さて、今日JR北陸新幹線金沢~敦賀間が開通した。能登半島地震により北陸方面への観光客が減少しつつある中で、地元では大歓迎である。ただ、この路線は中々分かり難く、当初1997年に高崎~長野間が開通し、上野~高崎間は上越新幹線と同じ路線を走っていた。そして2015年に長野~金沢間が延長され、今日金沢~敦賀間が開通したことにより、上野から金沢経由で敦賀までつながった。この区間には加賀温泉と芦原温泉という有名な温泉場があり、地元では景気回復の梃子になると期待されている。

 しかしながら沿線から東京及び首都圏への交通は利便性が高まった反面、大阪方面は直通列車が消え、乗り換える必要がある不便から、今後関西方面の大学への受験生が、関東方面へ変わるケースが増えるのではないかと考えられている。当分大阪~敦賀間の新幹線建設工事は予定されていないという。敦賀駅では祝賀ムードが溢れ、一番列車の出発、到着時間前後はホームにも人がいっぱいの状態だった。

 敦賀と言えば、戦前は中国大陸との交通の出入り口で、ヨーロッパとの国際連絡鉄道の日本側の受け入れ港として街は未曽有の発展を遂げ、戦前にすでに「市」として一本立ちしていた。それが戦災に遭い戦後はあまり特徴のない都市として、発展からやや取り残されてしまった。今改めて北陸地方の街として再認識させるチャンスでもある。

 敦賀市民にとっては新幹線さまさまであろう。

2024年3月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6150.2024年3月15日(金) 法人税引き下げと消費税引き上げが裏金の遠因

 関西の大学でスポーツ法学を教えていた弁護士が、毎年講義が始まるに当たって学生たちに問いかける質問があったそうだ。「君らに1兆円あげるから毎日100万円ずつ使ってください。さて何年で使い切りますか?」との質問に学生のほとんどが答えられない。答えはおよそ3000年。縄文時代から毎日100万円を使っても使い切れない。それほど1兆円というお金は多額であるということを例に挙げて説明したかったようだ。私が大学経済学部に入学した1959年度の国の一般会計予算総額は、約1兆4千億円だった。それほど1兆円という金額は、富士の高嶺だった。

 2024年度の一般会計予算を見てみると、歳出は112兆717億円で、その内ほぼ1/3に当たる37兆7千億円が社会保障費で、防衛費が8兆円もある。歳出入の中でも同じ一般会計の中で借り貸しを行う国債費用を別にすれば、憲法に違反している防衛費が2番目に多い。歳入では驚いたことに最も多いのが消費税で歳入の21%を占める23兆8千億円である。次いで16%を占める所得税17兆9千億円、15.2%の法人税17兆円である。

 ここに今月5日田村智子・共産党委員長が、参議院予算委員会で岸田首相に裏金発生の原因について質問した理由が納得できる。それは企業や業界団体から政治家個人への献金は禁じられているにも拘わらず、政治資金パーティという抜け道を使えば、企業、団体から巨額の資金を集められ、それを裏金に出来からである。それが以下の内容と合致して裏金問題となった本質ではないかと問い詰めたことに納得が行く。

 というのは、政府、自公両党が企業からの献金に依存する以上財界の要求に応えなければならない。経団連が最優先で要求してきたのは、法人税率の引き下げと消費税増税である。実際これまでの税率の経緯を遡ってみると1985年には、法人税率は43.3%だった。それがみるみる下がり2020年以降は23.2%にまで引き下げられている。ほぼ半減である。経団連の望む通りである。一方消費税に関しては、1990年に導入した時は税率3%だったが、その後5%、8%、そして20年から10%へ引き上げられた。法人税率をこれほど大きく引き下げなければ、消費税なんて上げる必要はまったくなかった。これにより経済界は潤ったであろうが、消費税導入に伴う物価の上昇により庶民の暮らしは厳しくなった。そして経済界は、法人税率を引き下げてくれた政府与党に対して恩返しとして多額の献金を行うようになり、それが今裏金キックバック問題の闇となっている。

 昨日から続いている政治倫理審査会で、裏金問題の中心にいた派閥幹部は問われると「知らない」「分からない」「すでに決まっていた」「関わっていない」と同じ無責任な回答ばかりで、これでは政倫審を実施した意味がない。特に昨日の政倫審における世耕弘成・参議院前自民党幹事長の説明には、誰しも納得が行かず、同じく政倫審に出席した自民党の西田昌司議員ですら厳しく批判して、内部対立の様相を示した。こんな無様な状態を曝け出した自民党は、すでに当事者能力を失っているのではないだろうか。

2024年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6149.2024年3月14日(木) ダメ3題=大学経営・中米諸国・国会議員

 日本大学アメフト部の再三のスキャンダルと大学当局の内部対立の影響のせいか、今春の日大入学希望者が激減したことは、去る5日の本ブログにも書いたところだが、その日大が穴埋めをしようと最初に3万5千円の受験料を払えば、2回目以降の試験では半額以下の1万5千円に受験料を割り引くという奇策を導入した。残念ながらそれは大学の思惑通りには行かなかった。首都圏の私立大学の受験料は、大体3万5千円が相場であるが、この思い切ったディスカウントは他大学の今春の値引きプランに刺激を受けたようだ。そもそもこのディスカウント制の口火を切ったのは、拓殖大学である。いくつの学科に応募しても一律1万円の大安売りである。そのせいか志願者数が急増したという。武蔵野大学も3万5千円の相場を無視して受験料1万円に値下げしたところ、何と受験者が対前年67%も増加したというから、その効果は絶大である。当然大学間に衝撃が走った。

 しかし、大学の大きな歳入源である入学試験受験料の値下げは、受験者数が増えたからと言って財政的には決してプラスになるものではない。安易で無責任な対策は、いずれ受験生の草刈り場となり消耗戦となって大学を淘汰する可能性があると思う。それにしても大学を管理・監督する立場の文部科学省は、一体この不条理なディスカウント戦争を黙って見ているだけなのだろうか。何らの反応も対策もないのは文部行政としては、怠惰であり手抜きではないだろうか。

 さて、聊か治安の面で心配になる話題は、カリブ海沿岸、及び中米の国々である。いずこも治安の悪化により、殺人事件が頻発するカリブ海の国の中で最近びっくりするような騒ぎがあった。去る2日にハイチでギャングが集団で刑務所を襲撃し、所内に収監されていた囚人約4千人が脱獄したのである。国内の治安は悪化するばかりで、ギャング団の首領から辞任を迫られていたアンリ首相が何と脅しに屈服して辞任を表明した。悪に屈した何とも危なっかしい事件であり、国家が悪党どもに支配され、それを止められない状況というのはどうして発生するようになったのだろうか。そのアンリ首相は偶々プエルトリコを訪問中だったが、空港が閉鎖され、帰国もままならなくなったという。

 実は2021年に当時の大統領が武装グループに襲われ殺害され、生前指名されていたアンリ氏が首相に就任した経緯がある。そのアンリ首相は辞任したが、後任が決まらないようでは国は一体誰が運営していくのか。ギャングの中には3人のボスがいるようだが、逃走した囚人たちは街にいるわけである。それぞれいわくつきの前科者である彼らが、国家、国民のために身を投げうって国の治安維持回復に務めるとは到底思えない。

 ハイチの悪化した治安情勢に対応すべくカリブ海の周辺諸国の間で対応を協議したようだが、他の国々もそれぞれ国内に同じような不安要素を抱えており、赤道直下のエクアドルでは、昨年から特に治安が悪化して、現職の市長など要人が相次いで殺害され、8月には大統領選に立候補を表明した有力国会議員が武装グループから狙撃され殺害された。

 その一方で、世界で最も治安が悪いといわれたエルサルバドルが、この数年ですっかり治安が安定してきたと言われている。2019年にギャングからまともな政治を取り戻したのが、42歳のブケレ大統領である。今ではギャング同士の争いも影を潜め、今月実施された大統領選では、8割強の票と議席を獲得した。

 始終政治的、社会的な問題でトラブルが絶えず、通常治安が安定しない中米諸国の中でも安定、不安定の2極化が目立つ。我々もこういう状況を良く見て、日本の政治家のことを考えるべきである。国の安定した基盤に乗って、気楽な政治活動しかせず、違法に近い手段で現金を手に入れ、政治家と言う看板だけであぶく銭を入手して、反省もなくウソをつき、税金も払わず、好き放題に明け暮れている日本の国会議員ほど国民を愚弄した気楽なものはない。国民による減点制により、不適格な国会議員を辞めさせるようにしてはどうだろうか。

2024年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6148.2024年3月13日(水) 頼朝もびっくり? 鶴岡八幡宮、「神社本庁」を離脱

 かねてより反対の声が強い神宮外苑再開発プロジェクトは、地権者である明治神宮の財政問題が絡んでいることがはっきりした。近くに制限を超える高さの高層ビルを建てることは本来なら難しいところだが、神宮球場や秩父宮ラグビー場などの外苑敷地内の建物の高さを制限することによってその上の用地容積と認められている空間分を、敷地外の地権者に譲り上限を超えた高い建物を建設することが可能となるそうである。その代償として敷地内建物の建設費用を負担してもらうことが出来る。明治神宮では現在最大の収入源である、プロ野球でも使用される神宮球場の改築のための再建費用をその建て替え費用で賄い、財政基盤を固めるために開発計画を立案したようだ。

 元々明治神宮内に本拠を置く全国の約8万社の神社を束ねる包括宗教法人「神社本庁」は、今では財政基盤が厳しく、加えて神社本庁の事務方トップを務める「総長」を巡って人事の対立があるようだ。他にも「別表神社」と呼ばれる有力神社の宮司の任命権を神社本庁が握っていて、その人事権がトラブルの原因となるケースも多いという。

 現在5期目の神社本庁総長を務める石清水八幡宮宮司に対して、内部にはかなり強い不信感がある。その跡目争いが先鋭化して、4年前に「こんぴらさん」で知られる金刀比羅神宮が神社本庁から離脱したが、他にも別表神社の日光東照宮や、富岡八幡宮も離脱している。それが今月になって鎌倉幕府を起こした源頼朝が開いた鶴岡八幡宮が離脱するとの通知を神社本庁宛に内容証明付きで送ったそうである。ついにここまで来たかというのが率直な感想である。泉下の源頼朝もさぞや驚き困惑しているのではないだろうか。

 争いごとは現実の世界だけのことかと考えていたが、神様の世界でも大物神社の争いが起きているとは、あの世もこの世もやることは同じだと、何ともがっかりするやら、情けないやら、この有様では神様にお祈りするのが無意味に思えてくる。

 その一方で、イスラム教アラーの神への信仰心の強いアラブ民族は、戦争の合間でもラマダンという断食の習慣を頑固に守り、1か月近くの間太陽が現れている日中には飲食を口に入れないほど、アラーとの掟を守り信仰の気持ちを強めている。10日(一部には11日からとも言われる)から始まったラマダンについて、イスラム教徒アラブ民族と対立するユダヤ教のイスラエル軍は、ラマダン何するものぞとばかりに国際社会から要望されている強い停戦の声に耳を傾けることなく、パレスチナ・ガザ地区への容赦ない爆撃と殺戮を繰り返している。イスラム教徒は、自ずから経典に基づきひたすらラマダンの習慣を守り、他方ユダヤ教徒のユダヤ人たちは、イエス・キリストの教えを信じている。個々には敬虔なる宗教の信徒でありながら、それでもお互いが向かい合うと善人が悪人に変わる。ここでは宗教の信仰心が失われ、聖人ならぬ凡人となる。

 これは日本の神に仕える人たちとて同じ現象であると思う。信じても神は凡人を救ってはくれないということになるのではないだろうか。

 さて、やはりか、と言う印象のニュースを知った。今秋のアメリカ大統領選へ向けた民主党、共和党の候補指名争いで民主党は81歳のバイデン現大統領、共和党は77歳のトランプ前大統領が、昨日の両党全国大会で選出の代表権を持つ「代議員」の過半数をそれぞれ獲得し、指名が決定した。これで不測の事態でも起こらない限り、秋の大統領選は、4年前の2020年と同じバイデン、トランプ現・前大統領の後期高齢者同士による再対決となる。さぁ、この結果はどうなるだろうか。

2024年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6147.2024年3月12日(火) イギリスから離れていく英連邦諸国

 近年何かとそのあり方が問われているイギリス、旧大英帝国の植民地支配体制の崩壊が最近のイギリス王室への不信とともに、表面化してきた。それは、エリザベス女王の崩御とチャールス国王の即位により、一層はっきり表れてきた。

 現在英連邦王国はイギリスを含めて15か国あるが、その半分以上の8か国が集まるカリブ海域の連邦王国の内6か国が、数年内に共和制移行を問う国民投票を実施すると見られている。特にジャマイカとバルバドスでその動きは顕著である。植民地支配で虐げられてきた過去から抜け出し、政治的、経済的には君主国から完全に独立しているが、旧時代を象徴する立憲君主制を廃止して名実ともに独立国として独り立ちしたいというのが彼らの本音である。

 その大きなきっかけとなったのは、女王の死とチャールス国王の不人気、及びイギリス王室のスキャンダラスな噂である。カリスマ性のあったエリザベス女王に比べて、チャールス現国王は皇太子時代のダブル不倫とダイアナ元妃との離婚と事故死、更にヘンリー王子の王室離脱や王室内情暴露などで王室への畏敬は地に落ちた。

 2022年3月にウィリアム皇太子夫妻がジャマイカを訪れた際に、過去にイギリスが行っていた奴隷貿易への謝罪を求めるデモが発生したほどである。独立後55周年記念を迎えたバルバドスでは、2021年11月に当時のチャールス皇太子出席の下にメイソン初代大統領が選出された。君主制廃止の動きが加速し、民主主義の浸透、ナショナリズムの高まりとイギリス王室の権威低下によりその動きは益々勢いを増している。

 すでにイギリスの植民地下の圧政に苦しんできた途上国にとっては、立憲君主制であるメリットはほとんどなくなった。特に今世界に衝撃を与えているパレスチナ地区におけるイスラエル軍と、ハマスなどアラブ民族との間で争いが絶えることがないのは、ユダヤ人とアラブ人にそれぞれ独立の言質を与えたイギリスの二枚舌外交のせいであることは、今や国際社会では常識となっている。この他にも冷酷で悪賢い統治を行って中東、アジアだけでも、インド・パキスタンや、ミヤンマー、アデン、香港などで今日抗争の種となったりしている。

 最近のイギリス政府の存在感の低下は、過去の栄光に胡坐をかいて自ら学ぶことがなかったことが、国家としての成長を削いだのではないかと思われる。その点では日本の前近代的だった天皇制は、敗戦によってアメリカの支配により力関係を変えられたが、天皇をはじめ皇族方、そして日本国民がそれを厳粛に受け入れて、新生日本の立ち直りに順応させて民主天皇制を築いたのは、賢明だったと言えよう。よく考えてみるとイギリスの王室は、権威だけを頼りに住民の幸せとか、自由、平等に配慮しなかったことが今頃になって旧植民地からそっぽを向かれている大きな要因ではないかと思う。

2024年3月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com