6138.2024年6月11日(火) 見えていた富士山が見えなくなると?

 コロナが明けて漸く複数で集まれるようになった。久しぶりに元会社の同僚2人と、東急田園都市線二子玉川駅近くのエクセル東急ホテルで会食をして楽しいひとときを過ごすことが出来た。30階のガラス越しに霊峰富士を望めるのは、幸せの一言である。3人揃って80歳を過ぎているので、それほど前向きな話は出ないが、どうしても同期生会の話題が多くなる。所属するグループの同期生会なども年齢的に今後中止するケースが多くなるだろう。会社の学卒同期生の集まりも、コロナ期間中は休止していたが、その間に年賀状も送ってくれなくなった同期生もいる。健康を害しているのかも知れない。年齢的にも次回は最終回と銘打って同期生会を開き、そろそろ同期生会を取り止めるのがbetterではないかと思い、近々同期生に連絡をしようかと考えている。

 さて、世俗的な話ではあるが、最近富士山が見られなくなるということから、マンション建設に物議を醸していた自治体がある。東京都国立市である。

 テレビ画面にいきなり大きな新築マンションの建物が現れ、説明によるとそれが近い内に取り壊されるという仰天する話である。完成間近の洒落た10階建てマンションで「富士山の眺望が望める」ことが、セールスポイントだったという。それも当初は、11階建てを予定していたが、反対の声を聞いて3mほど低くして、10階建てを提案したらしい。すでに販売を開始していて富士が眺められることを楽しみに購入した人もいるらしい。それが、急転直下ビル自体を取り壊すというから、街から富士山が見えなくなると反対していた市民も「まさか?」と狐につままれたような気持ちだという。

 不動産の専門家ですら、「反対運動があるのは珍しくない。裁判沙汰になっても事業者の考えが通ることが多い。最終的に事業者が事業を諦めて解体までするのは、よっぽどだったと思う。これまで聞いたことがない」と驚いている。

 このマンション建設では国立市は近辺の住民に対する配慮が求められるが、事業者に対して高さ制限はないとしている。住民の2つの反対理由は、①富士山が見えなくなる、②マンションの北側に建っている戸建て住宅は日中日陰になる、ということのようである。

 それにしても完成直前の洒落たマンションを業者が解体するということは、とても想像出来ないことで、住民も半信半疑で、むしろ複雑な心境のようだ。大きな負担を背負うことになった施工業者の積水ハウス㈱は、「建物が建つことによって、周辺への影響を充分に検討が出来ていなかったため、当社として解体することを判断した」と苦しい胸の内をコメントとして述べた。同じようなケースで、裁判沙汰になってこれまでは大体施工業者の主張が通っていた。正に稀に見る珍しいケースである。

 この出来事で、つくづく知ったのは、富士山の言うに言われぬ神通力である。富士山の姿を拝めることは、日本人にとって信仰心と力の源泉となることである。

 それにしても今日は富士山が見られて良かった。

2024年6月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com