4132.2018年9月5日(水) 中国によるアフリカ経済支援攻勢

 一昨日から北京で中国とアフリカ諸国が関係強化について話し合う「中国アフリカ協力フォーラム」が開かれ、53か国が参加している。

 中国のアフリカ向き援助というと、ついあれこれ考え込んでしまう。中国は他の先進国に真似出来ないような資金とドラスチックな人材投資のおかげで、アフリカ市場に圧倒的な拠点を築いているからである。問題はこのやり方がアフリカ諸国に本当の意味で貢献しているのかということと、アフリカの人材育成、雇用拡大の面で必ずしも効果的ではないのではないかという点で首を傾げざるを得ない。例えば、建物の建設援助については現地の労働者に中国人指導者が技術指導するのではなく、労働者まで中国から連れて来て現地人を雇用しないケースがあることである。

 加えて資金面では無償援助もあるが、ほぼ4分の3が有償援助でその借款を苦しい財政のアフリカ諸国が期限内に返済出来ないケースがあることである。

 巨額プロジェクトの中には、必ずしも必要なインフラ整備に充当するようなものでなく、支援物件に押しつけがましい名前を書き込んで中国をアピールしているのが多い。特に中国の強い要望「目に見える援助」に拘っている。これまでに中国が行った主要なプロジェクト6つのうち、その4つはスポーツ施設、競技場の建設であるが、これらが貧しいアフリカにとって緊急に必要なものだろうか。残りの2つはいずれも長距離鉄道建設で、ひとつは、ケニアのナイロビ・モンバサ間480㎞の鉄道建設であるが、今からちょうど半世紀前にナイロビから夜行寝台でモンバサまで行ったことがある。その時イギリス製の鉄道施設は悪いものではないと思った。今敢えて同じ鉄道路線を作る意味はあるだろうか。どうも無駄なような気がしている。

 もうひとつのプロジェクトも鉄道建設で、何とエチオピアの首都アジスアベバから隣国ジブチ間全長750㎞の巨大なプロジェクトだった。これには中国人駅員まで配属されて旅客案内を務めている状態である。まるで中国の鉄道である。それだけの利用客がいるなら、これは大きな援助と言えるかも知れない。しかし、これでは中国政府はエチオピアに対して庇も母屋も貸した挙句、すべてを手に入れたという印象である。かつてアジスアベバからジブチまでプロペラ機で飛んだことがあるが、ずっと砂漠上空を飛んでいた。そんな環境下で果たしてこの鉄道敷設がどれほど国民の期待に応えているだろうか。

 とにかく中国の援助攻勢はけた外れの規模で、目くらませを噛ませられていたアフリカ諸国が気が付いたころには、抜き差しならぬ状態になっているのがオチである。これほど派手な支援を真似出来ないアメリカは「中国式支援は各国の主権を弱め、長期的な成長を阻む」と言ってみたり、イギリスBBCは「巨額債務はアフリカ諸国を窒息させる」と指摘しているが、犬の遠吠えにしか聞こえない。

 今のままで行ったら世界の覇権地図はどうなってしまうだろうか。

2018年9月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4131.2018年9月4日(火) 台風21号、各地に甚大な被害を及ぼす。

 1週間ほど前に南方洋上で発生した巨大な台風21号が日本本土に向かっているとずっと予報されていたが、今日現実に襲ってきた。今年発生した最大級の台風で、正午ごろ室戸岬に上陸し毎時60㎞のスピードで関西を襲い、北陸石川県を通り日本海へ抜けて行った。ところが台風の進行につれて強風を周囲に引っ張っていったため、通過ルートの周辺に風を呼び込み、それは関東地方にまで及んでいる。各地に相当な被害を及ぼしている。

 午後3時ごろネットには、「台風21号神戸市付近に再上陸」「台風10府県で68万人に避難勧告」「近畿四国で記録的潮位」「台風徳島市の新町川が逆流」など、珍しく台風関連ニュースが溢れていた。関西国際空港では最大瞬間風速が58.1mを記録した。

 その関西空港の連絡橋に停泊中のタンカーが煽られて衝突し、橋、タンカーともに破壊された。その連絡橋は立体構造になっていて上部を車道、下部を鉄道が走っている。橋が破壊されたためJR、南海電鉄も運行を止めている。そのため関西空港には約3千名の利用者と空港関係職員約2千名が孤立状態になった。一部停電状態にもなっており、冷房が効かず、電話も一部不通になっている。明日以降どうやって閉じ込められた人々を開放するのか、空港自体も一部水没して機能不全を来しており、明日以降どうこの閉塞状況を解消するのか、今度ばかりは台風一過というわけには行かないようだ。

 交通機関は航空機を始め、鉄道もかなり支障を来たし運休となった路線も多い。新幹線は東海道、山陽新幹線はすべてストップした。驚いたのは西日本と京阪神地区の鉄道在来線が午後になってすべて運休となってしまったことである。

 我が家の周辺でも時々雨が降っていたが、それ以上に風が狂ったようにビュービューいいながら吹きまくり、吹いては止み、止んでは吹くという状態で一日中風雨に驚かされていた。書斎の窓から外を見ていると50mほど先の宮前公園内の大きな樹木を始め、隣家、我が家の庭木が左右に大きく揺れている。これほど強い風雨は久しぶりである。

 テレビでは朝から晩まで台風関連ニュースを流している。

 さて、海外ニュースで残念なのは、今年開業200年を迎えたばかりのブラジルのリオ国立博物館が2日夜火災を起こし、全焼してしまったことである。古代人類の歴史的な資料、標本など約2千万点が消失してしまい専門家からはしきりに惜しまれている。一番惜しまれるのは、アメリカ大陸で最も古い人類の骸骨だったという。火災の原因はまだ分からないが、国民は財政的に苦しい政府が前々から消火設備の設置を指摘されていながら、設備を取りつけなかったからだと怒っている。

2018年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4130.2018年9月3日(月) 「天声人語」筆者の浅慮と知識不足

 今朝の朝日「天声人語」を読んでその好い加減な内容に呆れるとともに、筆者の無知を情けなく思った。今問題になっている「ロヒンギャ難民」に関する内容である。数日前に国連人権理事会が、ロヒンギャ難民に対する組織的な迫害が行われていたとしてミヤンマー軍を非難した。同時にこの残虐行為を止められなかったとしてアウンサンスーチー国家顧問の無力ぶりも批判した。この行為が事実であるなら、ミヤンマー軍が非難されても止むを得ない。しかし、ロヒンギャ問題の根源はイギリスの支配にあった。戦前バングラディッシュとミヤンマーを植民地として支配していたイギリスが、イスラム系ロヒンギャ族を旧インド領(現バングラディッシュ)から、旧ビルマ領(現ミヤンマー)山中へ強制的に移住させた。これが問題の原点である。今更ミヤンマーを非難しても、当時のビルマはイギリスの言いなりだったので、多くの異民族を自国領内に定住させられたところで、貧しいミヤンマーとしては彼らの生活まではとても手が回らない。その原因を作ったのはイギリスなのである。

 最大の加害者であるイギリスが無責任にも今以て知らん顔をしている。国連にも責任はあると思う。この事実を承知している筈なのに、イギリスの責任を追及することはせず、被害者とも言えるバングラディッシュとミヤンマーを一方的に非難するばかりである。

 国連がまず為すべきことは、今日の問題を引き起こした原因をきちんと整理し明らかにすることである。イギリスが大きく関わってきたことは明確であるので、第一義的にイギリスの責任を厳しく追及し、それなりの責任を取らせることではないか。貧しいバングラディッシュとミヤンマーだけにいつまでも責任を負わせるようなことだけは避けるべきである。地球上の四分の一の土地を植民地として、現地人をこき使いアブク銭を手にして優雅な生活を送って覇権国家として君臨してきたのが、戦前までのイギリスである。まず、国連が中心になってイギリスにかかる費用の全面的な援助を行わせ、同時に国連加盟国に対して国力に応じてそれなりの支援策を講じて、経済的に立ち遅れているバングラディッシュとミヤンマーを支援するべきではないか。

 この「天声人語」氏の意見があまりにも見識を欠いていると思い、すぐに知人の朝日記者にメールでこの点を指摘し、問題点を伝えたところ、1時間も経たない間に返信が届いた。彼も私が指摘したイギリスの関与について何も触れていない点が気になっていたと書いてあった。

 それにしてもどうしてジャーナリストは問題の本質を欠くような視点で原稿を書くのだろうか。同じ朝日30日付5段記事の「ロヒンギャ難民 遠い安住」もバングラディッシュの南東部コックスバザールで取材されたもので、ミヤンマー側の視点はない。イギリスに関する描写はまったくない。調査、研究不足としか言いようがない有様である。これだからメディアを全面的に信用することが出来ない。

2018年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4129.2018年9月2日(日) 「プラハの春」小論を脱稿

 台風21号が3日後に東海地方を中心に襲来するせいか、昨晩から雨模様で今日も時々雨が降るので比較的涼しく感じられる。お陰で庭の樹木に放水する必要がない。それにしても今週はほとんど雨の予報である。

 先日来書いていた「プラハの春」について漸く書き終えた。写真を入れて12頁に納めた。この8月であの事件発生以来ちょうど50年・半世紀になる。事件自体と自分自身が関わったことや、プラハへ行った時の事件を思い出させる出来事について書いた。これまで度々外国へ出かけているが、その中でも格別印象に残っているのがこのチェコの首都プラハである。

 ちょうど「プラハの春」が発生した1968年、プラハに留学を、出来れば名門カレル大学へ留学しようと計画していたところ、あのような国家、社会体制を崩壊させるような乱暴なワルシャワ軍戦車部隊の侵入により、先の予測が出来ないような事態になってしまった。すでに課長に辞職願を提出してしまったので、判断が難しかった。家族にも、友人の誰にも話していなかった。ゼミの恩師・飯田鼎教授に相談したところ説得されて辞表の撤回を申し出る一世一代の屈辱的なことをやってしまった。今思えば、人生の岐路となった。

 あれからチェコには、4度訪れているが、そのうち3度もトラブルに遭っている。なぜかチェコと特別な因縁があるように思えて仕方がない。そんなこともあり、思い込みも特別である。プラハの中心街にある、「プラハの春」の舞台となったヴァーツラフ広場と隣接する旧市庁舎前広場の近くにあるカレル橋とそこから眺めるプラハ城の光景は文句のつけようがないほど素晴らしい。拙稿でも触れたが、中世以来の伝統的な街づくりを市民は誇りに思い、傷つけられることを許さなかった。あの街の風景にはチェコの人々同様に心を癒される。それが「プラハの春」、或いは他の事件でも市内で内戦や銃撃戦を避けられた理由である。

 偶然とは言え、今夕NHK「クラシック音楽館」で、1980年代の演奏録画だったが、スメタナの交響詩「わが祖国」を映し出したことに驚いた。好きなクラシック音楽のひとつである。拙稿にも「ビロード革命」直後の音楽祭でハヴェル大統領の呼びかけにより亡命中の指揮者クーベリックが帰国して、ヴァーツラフ広場で「わが祖国」を演奏し、世界中に感動を与えたエピソードを取り上げた。

 世界遺産都市「プラハ」にせよ、名曲「わが祖国」にせよ、「プラハの春」に翻弄された立場から見ても抜きん出た芸術品である。

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4128.2018年9月1日(土) 財政再建になぜ真剣に取り組まないのか。

 昨日来年度の各省庁の概算要求額が公表された。当初の概算要求額は過去最大の102兆円後半と想定され、最終的な要求総額は5年連続で100兆円を超える。高齢化により当然福利厚生費は増えることが予想され、社会保障費の伸びにより厚労省の要求額は、今年度当初予算より2.5%も多く、31兆9千億円でトップである。これは性質上中々減額させることは難しいと思われる。

 新聞社説でやり玉に挙がっていたのが、防衛費である。何と対前年2.1%増の5兆3千億円である。北朝鮮のミサイル対策として陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の購入が大きい。ただ、防衛費は一般的に普通の人には見えないし、その是非を判断しにくい。その上アメリカから高い防衛資材や用具を購入する場合、アメリカの言い値で買わされていることで相当な経費が掛かることは間違いない。もう少し専門家を加えた検討会で公正な購入価格を打ち出すべきだ。いずれ財源として消費税値上げによる2%が見込まれているが、これは社会保障費を補うことに使われるとされているので、他省庁に豊かな財源は、支出を削減するより術がない。

 ここ数年自然災害の損傷で、国、自治体ともにその対策に頭を悩ませているところだが、国交省が堤防のかさ上げなど水害対策の強化と、文科省が公立学校のブロック塀や校長整備などに多額の予算要求をしている。前者は5千2百億円、後者には2千4百億円が計上されている。

 支出を抑えて健全財政を進めるには、財政再建をしっかり行うことである。以前橋本龍太郎内閣時代には選挙の都度財政再建が話題になり、各党とも自党案を提案し方策を探ったものである。それが昨今政治家から財政再建策について話が出ることがなくなった。すでに日本の累積財政赤字は、何と1040兆円で世界で最高の借金国である。これを政治家たちは進んで解決に取り組もうとしない。支出が減れば政策を行えず、選挙民から評価されないと考えているからである。

 しかし、このまま毎年予算が膨らんで行ったら、借金財政が行き詰ることははっきりしているし、次の世代がわれわれ世代の負の遺産を負わされ償っていかなければならない。政治家がダメなら、せめてメディアが問題を取り上げ、真実を国民に訴えて改善策を講じないと国家の破算を招きかねない。

 それにしても数字をごまかすことに慣れてしまった官僚を使って、政治家は景気の好い話だけしていれば良いのだろうか。

 数日前今年度の後期高齢者医療制度保険料の通知があったが、後期保険料として常識では考えられないような「ものすごい金額」が今年度分として加算請求されていた。あまりの加算額の説明が分かりにくく、いずれ区役所で説明してもらおうと考えている。こうして高齢者を益々生きにくくしているのも、愚かな政治家たちが財政再建に関心を持たないからである。

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4127.2018年8月31日(金) アマチュア・スポーツ界にスキャンダル連発

 暦の上では夏も終わりだが、相変わらず暑さは衰えない。先日来南方洋上の台風21号が来週には日本本土を襲いそうな雲行きである。東北地方には日本海から熱帯性低気圧が上陸して秋田、山形に大雨を降らせている。とにかく異常気象に悩まされた夏だったが、秋は平穏な天候になるだろうか。明日は関東大震災発生の記念日「防災の日」である。

 さて、最近アマチュア・スポーツ界にトラブル発生が多い。どうしてこのような事態になるのか。この数カ月間に日大アメリカン・フットボールの危険タックル、アマチュア・ボクシング連盟の会長辞任、アジア大会出場のバスケット・ボール選手の買春、そしてここ数日は日本体操協会のパワハラ問題が取り上げられている。

 この体操協会問題は、パワハラを行った速水コーチを協会が無期限登録抹消処分としたところ、昨日コーチに指導を受けている18歳の宮川紗江選手が協会に対してコーチの処分を緩和して欲しいとの要望と、自身塚原光男協会副会長と女子強化本部長の千恵子夫人からもパワハラを受けたことを公表する記者会見を行った。まだ幼く、リオ・オリンピック団体4位入賞の選手が自らを省みずコーチを庇い、体操協会の実力者を非難するのは相当な覚悟だと思う。体操協会内でかなりの力を有している塚原夫妻は、唐突のような記者会見に慌てている節が見える。協会は急ぎ第3者委員会の設置を発表した。実績、実力ともに体操界では名を知られた塚原夫妻が、これから自分に向けられたパワハラ批判に対してどう説明するのか、また若い前途有望な選手の芽を摘み取ることがないのか、気になるところである。

 それにしてもアマチュア・スポーツの世界にどうしてこうも後から後から嫌な事件が発生するのか。

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4126.2018年8月30日(木) トランプ大統領にはとても付き合いきれない。

 保護貿易に凝り固まっているオポチュニスト、トランプ大統領が中国からの輸入品に関税を上乗せして加税したことに対して、中国側も報復的に同率の関税をかけるとして米中間貿易戦争の幕開けとなった。トランプ大統領には各国とも本心が見抜けず困惑している。安倍首相はトランプ氏とゴルフをやったり、電話会談を何度も行って日米蜜月を匂わせていたが、対日貿易が赤字だと言われ、嫌味とも思える「真珠湾を忘れてはいない」とまで言われたらしい。それではあの両首脳の友好的ポーズは一体何だったのかと考えてしまう。

 トランプ大統領の心変わりの速さには目が回るくらいである。6月に金正恩・朝鮮労働党書記長と世界が注目する会談を行って米朝友好をアピールしたと思っていたところ、一向にその成果が表れず、しびれをきたしたのか、ポンペオ国務長官の訪朝をキャンセルし、停止していた日韓軍事行動の再開を匂わせている。カナダとの間もギクシャクし、ヨーロッパとの間もあまり好い関係にはなっていない。

 私的にも女性スキャンダルなど人間性に疑問を感じる行動も度々繰り返している。2年前の大統領選挙でロシア秘密機関と接触して選挙妨害を企んだり、女性へのセクハラを繰り返し、その挙句口止め料として金銭を支払ったり、あまりにも常軌を逸している。およそ国家の責任ある人物とは思えないほどブレーキの効かない乱れた人間である。人間性や言動においてとても大統領とは思えない非常識なアクションには呆れるばかりである。こういう愚劣な人物が世界のトップ・リーダーとして君臨し、地球上にゴミをまき散らすような行動はとても見逃すことは出来ない。トランプ氏のせいで、世界中が益々好戦的になりトラブルが増え、戦争が絶えることはないだろう。トランプ大統領にお灸をすえてもダメだろう。こうなったら1日も早くアメリカ国民がこの迷惑大統領を辞めさせるよう行動してもらいたいものである。

2018年8月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4125.2018年8月29日(水) あまりにも酷い官公庁のウソ

 昨今官公庁に対する国民の信頼が大きく崩れている。これは何といっても森友学園、加計学園問題で財務省を始めとするトップ官僚が堂々公文書の改ざんを行ったことに起因している。そこへこの数日来身障者雇用で水増しが行われたことが明るみに出たが、昨日からメディアで派手に報道された数字は余りにも酷いもので、官公庁に対する信頼が一層揺らぐことになった。

 今朝の朝日のトップ記事に、「障害者雇用 実際は半数」と中央省庁が企んだまやかしの調査結果が公表されている。国の33行政機関のうち、約8割の27機関で障害者の水増し参入があったというものである。最も水増しがあった国税庁の如きは、障害者の7割強が不適切な計上で、癌や糖尿病などの持病をもとに本人に知らせず障害者にしていた。役所は民間には厳しい実施を迫り時には立ち入り検査まで行う。これを怠るとそれなりの罰金を課す。ところが、自分たちを監査することはなく、チェック機能が働いていない。嘘を積み重ねても罰を受けない。これに対して担当大臣が今日言い訳の会見を行ったが、原因の究明と防止策には触れず、「なぜこのようなことが起きたのか分からない」とか、遺憾の意を表明するばかりだった。民間ならお客を騙したら客離れを起こして倒産だろう。役人たちはいくら悪さを犯してもお客(国民)は離れて行かないと高をくくっている。官公庁は民間が経営した方が良いのではないかと考えてしまう。

 こういう国民を騙すようなことばかり行って平気の平左なのだから困る。これからは、役人に対しては偽証罪の制度執行を求める。そうでもしなければ悪賢い役人は今後も減らないだろう。まったく不愉快極まる「国民の僕」である。

 具体的にひとりの官僚が行った悪例を今朝の新聞から拾ってみよう。3年前内閣府地方創生推進次長だった現経産省貿易経済協力局の藤原豊審議官が、岡山から愛媛県今治市へ出張した際利用した公用車とは、実は加計学園の車だった。しかもこの時は加計学園獣医学部の新設を目指して国家戦略特区の申請を受けていたため、便宜供与との指摘も受けた。明らかに加計学園問題に絡んだ怪しい便宜供与であり、国家公務員倫理規程違反の疑いも上がっている。それに対して内閣府は、慣例上官用車と書いただけで法手続き的には問題ないと居直っている。国家公務員の悪事にはいつも背後に「偉い人」が見え隠れする。これでは日本から贈収賄、便宜供与はいくら法で縛ってもなくならないと思う。

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4124.2018年8月28日(火) ロヒンギャ問題に国連の不見識

 昨年夏以来国際的な問題となっているロヒンギャ難民問題について、国連人権理事会がミャンマー軍による少数派イスラム教徒ロヒンギャへの組織的な迫害が「人道に対する罪」とミヤンマー政府を非難する報告書を公表した。その中でミヤンマー軍幹部の責任追及、ジェノサイドの疑い、アウンサンスーチー国家顧問の無力について批判したとの記事が今朝の朝日に掲載された。

 本件については、先月の「知研フォーラム」誌341号に「ロヒンギャ難民はなぜ生まれたのか?」と題して寄稿し、その中で問題発生の根源は戦前イギリス植民地時代にイギリスが一方的にロヒンギャ民族を居住していた現在のバングラディッシュ領内から、ミヤンマー領内ラカイン州の山中に強制移住させたことにあるとイギリスの罪を強く非難したところである。同誌を読んだ知人からも理解し納得出来るとの声を聞いている。戦時中ミヤンマーは異民族をイギリスによって自国領内に強制的に押し付けられ、貧しい国としては今もその対応に途方に暮れているというのが実情である。私が拙稿で特に指摘したのは、国連の無理解と無力であり、無責任である。イギリスに対して自ら犯した罪滅ぼしに前面に立って救済活動に当たるべきだと説得し、そう仕向けるべきである。とにかく今日まで自らの悪行と無責任を頬被りしているイギリスの責任は重大である。今日までこの問題に目を向けずに放置してきた世界中のメディアにも大いなる責任がある。

 国連は知ってか知らずか、弱いものいじめをした加害者のイギリスの所業について責任を追及することなく、むしろ被害者である弱いミヤンマーを一方的に非難している点で、著しく公平性を欠いた対応をしている。大国の側に立ち、小国に手を貸すどころか痛めつけるこれまでの手法が、不見識な国連の限界と言われる所以である。このロヒンギャ問題は、イギリスと国連が先頭に立って解決に取り組むべきである。今のまま現在の当事国であるミヤンマーとバングラディッシュだけに解決を委ねていては問題は解決しない。

 さて、熱の籠った戦いで興味が盛り上がっているジャカルタのアジア大会で一昨日夜男子100m決勝が行われ、日本人として2人目の9秒台突入なるかと期待された日本選手団主将の山縣亮太選手は、惜しくも10秒00の自己タイ記録で3位だった。優勝した中国の蘇炳添選手は9秒92だった。ところが、山縣選手の記録は1000分の1単位で計測すると、9秒997で公式記録では100分の1秒単位に切り上げられて10秒00とされた。スピードとしては10秒の壁を破り9秒台だったが、記録としては10秒00にさせられたということになる。こういうチャンスはこれから何度あるか分からないが、実に惜しいことだと思う。山縣選手には、これに気を落とさず、捲土重来を期して欲しいと思う。

2018年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4123.2018年8月27日(月) 第2の天安門事件に発展か?

 このところ中国では、習近平国家主席を大々的に持ち上げる宣伝広告は影を潜めているようだ。習主席のポスターに墨汁をかけた女性の写真が大きく報道され、これを気にした政府当局が宣伝を手控えたというのが真相らしい。

 言論の自由を抑圧している中国政府と中国共産党が、広い中国国内をすべて権力と腕力で押さえつけようとの考えがそもそも間違っている。

 去る24日中国の労働争議に絡んで、学生ら50人余りが警察に身柄を拘束された。1989年発生した天安門事件を思い出すことになる。労働争議が起きていた広東省深圳の機械製造メーカーで会社側と対立していた同社従業員を支援するグループが、ネットで支援を呼びかけたところ駆け付けた学生らを当局が騒動挑発の疑いで拘束したという。少々過剰反応ではないだろうか。争議のきっかけは長時間労働や従業員への罰金制度など、不当な待遇に対する従業員側の改善要求だった。従業員たちは労働組合の設立も求めたがこれも認められなかった。今の中国では、組織に対する反抗は決して認められないばかりか、非愛国者と決めつける。特に今回は労働者を支援する声が学生にも広がって、これが燎原の火の如く国内の隅々まで広がり天安門事件の二の舞になることをを当局は恐れたのだろう。学生たちを弾圧して学生の間にこの流れが広がることを恐れているのだ。そのため、この流れを何とかして断ち切りたい。新華社通信は、身勝手にも外国のせいにしている。西側のNGO組織が外から資金援助を行い、それを受けた中国人が違法行為を重ねて騒動を煽ったと宣伝し、敵対行動による陰謀と決めつけている。とにかく言論の自由を徹底的に抑圧し排除し、あくまで自分たちのやり方が正しいと主張する姿勢では、このような動きは決してなくならない。今の中国の指導部はそれが分からず、強権的な言動に固執するようでは世界の真っ当な流れとは乖離し、シンパサイザーはどんどん中国から離れていくだろう。

 恐るべきは、こういう中国独自の覇権主義的手法を一帯一路の中で拡大させようとして関係諸国へ輸出することである。

 さて、今日は5日連続の猛暑日である。夕刻になって突然雷鳴が轟き激しい雨が吹き付けてきた。関東各地で局地的に激しい天候異変が起きている。夜8時頃には世田谷区でも1時間に110㎜の豪雨をもたらした。間もなく夏も終わると言うのに暑さは厳しく、雨も激しい。いつまで続くのかこの異常気象は

2018年8月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com