3946.2018年3月3日(土) 小田急線複々線工事完了

 元勤めていた小田急電鉄に関するニュースが最近しきりに伝えられる。今日もNHK朝の「おはよう日本」で代々木上原~登戸間11.7㎞の複々線工事完成に伴い、下北沢駅プラットフォームで行われた開通式のテープカット・シーンが報道されたばかりか民放でも伝えられ、朝日夕刊には社会面の半分を使って紹介されている。

 何が話題になったのかと言えば、首都圏の鉄道会社の悩みである朝夕のラッシュアワーについて小田急が30年かけて進めて来た前記工事が完成し、これまでの混雑率190%だったところが150%に緩和されるという朗報である。

 OB社員としても誇らしく思うし嬉しいことである。自分自身も駅員として現場でラッシュアワーに携わった。大学卒業後、入社して1963年3月から翌64年9月まで町田駅管内の4駅で駅員として働いた。当時、ラッシュアワーになると実際に通勤列車へ乗客を押し込む作業を随分やらされた。当時はあまり時差通勤なんてなかったので、その混雑は殺人的で気持ちが悪くなる乗客もいた。半世紀以上も昔の当時とは、今では駅の様子、車輛、勤務体制、駅員気質等々随分変わった。

 だが、これはグッドニュースであり、社会的貢献度も高い事業であり、そのうえ利用者から喜んでもらえれば、鉄道事業者冥利に尽きると思う。

 さて、昨日アメリカのトランプ大統領が一方的に鉄鋼とアルミの対米輸入について関税賦課を発表したが、実はこの御仁は今月初めにアメリカの核戦力全面強化を見直す報告も行っている。現在世界最強の核兵器国であるアメリカが、核兵器禁止条約採択など核兵器禁止・廃絶へ向けた世界の流れへ真向から挑戦を表したものである。これを唯一の戦争被爆国の日本の安倍首相が、高く評価すると衆議院予算委員会で述べたのである。戦争を知らない首相は、アメリカの言うことなら何でも耳を傾けるというのだから世界が呆れるわけである。

 このアメリカの動きに対抗するかのように、ロシアのプーチン大統領が核には核で対抗するかのような施政方針演説を行った。プーチン大統領の演説は、大画面を使って武器の宣伝のようなPRぶりだった。原子力エンジンにより事実上無制限に飛ぶ巡航ミサイルや、核兵器を積める無人潜水艦など開発中の兵器の威力を動画で得意げに紹介していた。そのうえで、「例え小さな核でも、使用されれば核で報復する」とまで言い切った。核不拡散条約(NPT)に加盟している米ロは、核軍縮に取り組む国際的な義務を負っている。それにも拘わらず、お互いに非難の応酬をしている。

 ロシアには、今月6年に1度の大統領選がある。プーチン大統領の強いロシアを国内にアピールするための演説であるが、核開発競争で今また東西対立時の米ソ関係に戻りつつあるのが、何とも不気味である。

 それにしてもどうしてトランプ大統領は恐喝的な手法で、ガンガン突き進むのだろうか。プライドの高いプーチン大統領も我こそはと思っているだけに、丸く収まる筈がない。世界の平和を壊そうとしているのは、米ロの2大強国ではないか。

2018年3月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3945.2018年3月2日(金) 安倍政権、「裁量労働制」を削除

 一強多弱に胡坐をかいて国民を甘く見たのか、このところ安倍政権がしばしば失態を犯している。働き方改革国会と銘打ち、目玉法案のひとつとして力を入れている「裁量労働制」の対象拡大を目論んでいたが、データのねつ造が洗い出され、それも400を超えるデタラメ数値を参考にしていたことがばれ、ついに違法なサービス残業を合法化すると受け取られている裁量労働制を「働き方改革関連法案」から除外することを決めた。これは経済界から強い要望があって実施しようとした制度であり、今国会の提出を断念したことに榊原定征・経団連会長も失望しているようだ。

 この他にも怪しい事象がある。森友学園との国有地売却に伴う財務省の決済文書でも、契約時の文書の内容と、1年前に国会議員に開示した文書のそれが違っていることが分かった。交渉記録も変わっているという。問題発覚後に書き換えられたのではないかと疑問を持たれている。きょうの参議院予算委員会でこの点を質問された麻生太郎財務相は、大阪地検の捜査に影響を与える恐れがあるとして答弁を差し控えた。

 どうしてこのように国家がらみの事象に、嘘の報告書が作成されるのか。これは偏に政治家と高級官僚が示し合わせた私利私欲の成せる技である。

 後者については、しきりに言われているように関係者、とりわけ森友学園小学校の名誉校長に就く予定だった安倍首相昭恵夫人と、国会で重大な嘘つき発言をして出世した佐川宣寿・国税庁長官を証人喚問すべきだと思う。

 さて、このところニューヨークと東京の証券市場の値動きが異常に激しく、直近の日経平均株価の対前日終値は、一昨日321円、昨日344円、今日は543円と3日連続して大幅な下落を示した。3日間で実に1,208円も値下がりした。これは経済不況に伴うものではなく、お騒がせ男・トランプ大統領の輸入制限発言が水を差したのである。トランプ大統領の保護主義、アメリカ・ファーストの一端である。EU委員会のユンケル委員長を始め、最大の鉄鋼取引国カナダ外相、EU諸国や中国からも反発の声が上がっている。

 トランプ大統領は、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税賦課を表明したのだ。早速自社株が対前日96円も下がった進藤孝生・新日鉄住友社長が、この発言に対して批判的な会見を行った。義父はすでに亡くたったが、生前アルミ業界最大手の日本軽金属会長を務めていたので、存命なら進藤社長同様にカンカンになって怒ったことだろう。これが貿易戦争に発展してアメリカ経済に悪影響を及ぼすばかりではなく、中国経済にも影響し、両国への依存度が高い日本にも響くと予測されている。

 これには自然もびっくりしたのか、北海道では急速に低気圧が発達し、数年に一度の豪雪に襲われている。やれやれである。

2018年3月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3944.2018年3月1日(木) ロヒンギャ難民の元凶・イギリスを糾弾すべし!

 昨年8月ビルマ国内ラカイン州に住んでいたイスラム系ロヒンギャの人々がバングラディッシュ領内へ逃れて以来、難民問題として国際社会でも大きな問題となっている。ラカイン州に暮らすロヒンギャは約百万人とも言われているが、その内約70万人が居住地を離れて難民となった。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を主に、国際社会が救済の手を差し伸べてビルマ、バングラディッシュ両国政府の間で難民帰還について何とか話がまとまり、先月から帰還を開始する予定だった。ところが、頓挫して話は進まない。バングラディッシュ側の難民キャンプでは、間もなくやって来るサイクロンを前に戦々恐々の様子である。

 この問題の解決に際しては、元凶であるイギリス政府が物心両面で動かないと根本的な事態解決は難しいと思う。そもそも戦前のイギリス植民地時代にイギリスが彼らを旧インド領からひとまとめに同じ英領だったビルマのラカイン州に移動、定着させたことに問題の発端がある。最大の責任を負うべきはイギリス政府である。そのイギリスがだんまりを決め込んで本件に関しては一切発言しない。これだけの異常事態を自らの無定見により引き起こしておきながら、責任を取ろうとしないばかりか知らん顔を決め込んでいる。あまりにも無慈悲ではないか。不思議なのは、この理不尽さについてどの国もイギリスをまったく責めないことである。例え詰問しなくても後片付けをすることぐらいははっきりとイギリスに言うべきだと思うが、どの国も何も言わない。日米はもとより、いつも好い顔をするロシアや中國も何も言わない。こんな理不尽なことがあるだろうか。国内問題として貧しいバングラディッシュとビルマ政府に解決を委ねると言っても、身に降りかかったお荷物は貧しい両国にとっては、とても納得出来る解決策が生まれるとも思えない。

 1972年1月「加藤隼戦闘隊戦跡巡拝団」で加藤建夫・隼戦闘隊長が戦死されたベンガル湾に面したラカイン州のアキャブ(現シットウェイ)で、慰霊祭を執り行った時、ロヒンギャ族と見られる人たちが大勢寄り集まって来た。その時ガイドは、彼らは山中に住んでいるイスラム系人種で、ビルマに溶け込まないので、あまり接触しないようにしていると話していた。当時から異民族同士で、接点がなかったのだ。それは、イギリスによる形を変えた侵略でもある。

 加えて私がもうひとつ不満に思っていることがある。それはイギリスがロヒンギャ難民を生み出した元凶だということをどのメディアも報道しないことである。こちらの方が罪が深いと思う。今日の難民はどうして生まれたのかと詮索するコメントも見られない。メディアというのは、事実を報道することは当然であるが、その因果関係も伝えなければ価値はない。ロヒンギャについては、ビルマにとってイギリス植民地時代の負の遺産である。それをイギリスがどう償うのかという点についてメディアが論じなければ最終的な解決は難しいと思う。この点については、問題が沸騰している現在きちんと伝えないといけない。現在執筆中の「海外武者修行男の言い分」」(仮題)の中で、メディアに対して不満や不信を取り上げつつあるが、このロヒンギャ難民問題に対する無責任なイギリス政府の対応と、これを報道しないメディアについても大上段に振りかぶって厳しく書くつもりだ。

 国家顧問アウン・サン・スー・チーさんの対応もとかく非難の対象になっているが、亡夫と子どもが英国籍の立場上思い切った行動に出にくい点をメディアは伝えず、一方的に批判するばかりである。

 大好きなビルマが、イギリスによって降りかけられた民族問題で困惑している現状が気の毒に思えてならない。

2018年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3943.2018年2月28日(水) 不安定な財政をどう立て直し、安定させるか。

 日本ペンクラブ財務委員会が開かれた。一財務委員として赤字予算続きの来年度予算案をチェックし、黒字化へ向けた対策を考えることが大きな課題である。大雑把に言って、決算書類が一般の企業のそれと違ってやや分かり難い。民間の営業会社などと異なり一般社団法人として利益を上げることを目的にしているわけではないので、収益を上げる企画を考えることも必要だが、無駄な経費を削減することが重要である。

 実際昨秋には、伊豆市・河津町主催の「ふるさとと文学」と称して川端康成に関するプロジェクトを共催した。今年も菊池寛について同じような企画が計画されている。

 会議ではいろいろなアイディアも提案された。そのひとつは、毎度東京で開催する例会のうち、いくつかを地方都市で開催してみてはどうかということである。地方から出席した委員から出されたアイディアで、もし実施出来るなら地方会員の獲得に効果的であり、手ごろな会場費で地方の公立施設を利用することによって経費も節減出来るのではないかとの提案だった。東京にいては中々気づかない着眼である。やはり常設委員の決まりきった考えもそれなりに大事だが、異なった視点を持つ地方人の意見はより大切だとつくづく思った。

 とにかく当面は財政面で不安のないようにしたうえで活気を注ぎ込むことである。

2018年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3942.2018年2月27日(火) 本を読まなくなった大学生

 近年街の多くの書店が閉鎖に追い込まれ、新聞や書籍が読まれなくなった。その原因のひとつは、学生が読書をしなくなったことが大きい。全国大学生協連合会によると近年大学生が本を読まなくなり、彼らの読書量も大分落ち込んでいるらしい。驚ろいたことに、大学生でありながらその半数以上が読書をしないというのだからお話しにならない。2時間以上読書に時間を費やす学生は、僅か5%程度だというからこれも酷いものである。学生でありながら本を読まない。彼らは一体何のために大学へ行くのだろうか。これでは高い学資を払って大学に進学する意味も必要もない。彼らには大学で勉強する目的が分かっていないのではないか。大学生にとって本を読むことは学問の基本ではないだろうか。専門書であろうとなかろうと本を読まなければ先へ進まない。本を通して知識を得て、思考力を養うものだと考えている。

 本を読まない人間は信用出来ないと言った財界人がいる。特に専門書がそうだが、その他の文芸書も思考力と想像力、構想力を育てるうえで社会生活を送るうえに欠かすことが出来ない。恐らく本を読まなくなった大きな原因は、スマホに時間を注ぎ込み、知識ならそこから吸収できると安易に考えているからだろう。スマホ集中の反面読書へかける時間は当然少なくなる。困ったことに、そのため彼らには文章を書く時間も少なくなり、手紙も書かなくなり、手紙やレポートを書くコツを身に付ける余裕もなくなり、まともなレポートが書けなくなる。社会に出てから困るだろう。

 ちょっと寂しく感じている。

 さて、昨秋ポーランドを訪れる前に新聞で、1980年代に一世を風靡した自主管理労組「連帯」委員長だったレフ・ワレサ氏に批判の声が挙がっていると知って意外な感がした。ポーランドでガイドに直接尋ねてみると確かにそういう声はあると承知していた。1980年に起きたベルリンの壁崩壊のさきがけとなったワレサ氏らのグダニスク造船所における行動が、東西対立を崩壊させた。その後ポーランドで大統領となり、ノーベル平和賞も受賞した英雄が、なぜそれほど評価が下がったのか、理解出来なかった。

 先日テレビで港湾都市グダニスクを紹介した場面に登場したワレサ氏は、今の若い人たちは平和というものを分かっていないし、平和とは自分たちで作り出すものだと若者に注文をつけていた。かつてソ連からの大量受注に沸いた造船所は、今受注が落ち込み、労働者も最盛期の約2万1千人から、僅か1千人にまで大きく落ち込んだ。経済が停滞し、グダニスクの活気も衰えた。

 そんなご時世に、現在の不景気をかつての「鉄の男」ワレサ氏の責任にされても困るだろう。ワレサ氏は「民主化を実現した後、連帯が権力を独占するのは避けるべきだ。複数政党制による民主主義を目指しているのだから」と語っている。一方で政権政党「法と正義」は、民主主義に不可欠な報道の自由や司法の独立への介入を強めている。経済成長の果実にありつけない国民の不満を吸収するため、内向きのナショナリズムを煽るような動きも顕在化している。ワレサ氏の理想は実現の途上にあったが、民主化後に襲った経済停滞により、元同士らは対立し内部分裂して今やかつて名前だけだった社会主義とは逆行して保守・右傾化へ向かって走り始めている。ポーランドへ行くまでは寡聞にして知らなかったが、ちょっと残念なストーリーである。

2018年2月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3941.2018年2月26日(月) 習近平国家主席、長期独裁政権へ向け踏み出す。

 「社会主義国家」を唱える中国の習近平国家主席が、長期政権へ踏み出すべく憲法条文を改正する。現在の2期10年を反故にしようというのだ。元々毛沢東が社会主義国家を目指していた時代とは異なり、今日中国が社会主義を理想として実践しようとしているとは到底思えない。社会主義国家どころか、資本主義を超越して帝国主義国家ではないかと思うくらいである。どうして中国が非現実的な「社会主義国家」という名称に拘るのか分からないが、私なりにこう考えている。

 資本主義国家の抑圧から脱出しようと毛沢東らが中国共産党を起ち上げ国民党を破り、資本主義体制を打倒し革命を成就させた歴史の教えから、現代中国の礎を作った先人の功績を称え、共産党主導による社会主義国家の発展を信じた後継者らが、毛主席こそが新中国建設の創建者と考え、毛主席らと別の路線を歩むこと、つまり社会主義国家以外の国家を唱えることは自らを破滅へ追い込むとの考えがあるのではないかと考えている。

 胡錦濤・前国家主席、及び江沢民・前々国家主席はいずれも憲法に基づき、2期10年を全うしてその地位を去った。然るに習近平・現国家主席は、昨年秋の中国共産党大会で後継者を指名せず、自らの任期を無限に延長しようとして、そのまま居座ることを示唆している。

 毛沢東はあまりにも長期政権だったことが、文化革命などの混乱を引き起こしたとの教訓がある。仮に権力絶大となった習近平氏が仮に道を間違えた場合、素早く次の手を打つことが出来るだろうか。現状は習近平氏の独裁的権限が強まるばかりである。失脚した他国の独裁者らと同じ哀れな末路を辿ることにならないだろうか。

 偶々来月ロシアで大統領選が行われる。似て非なるものとは言え、プーチン大統領と習近平国家主席の目指すところはどうも同じようだ。プーチンも自らの強大な権力を長期的に保持するため、憲法を改正した。任期は2期8年だったが、一旦野に下り、傀儡のメドベージェフ大統領の下で離職したうえで、憲法を改正して再選され期間も延長し2期12年の長期政権を可能にした。プーチン大統領は、2度目の任期で、3月には2期目の大統領選に臨む。圧倒的な勝利が安定政権への最大の支援である。

 プーチン氏のクリミア半島併合を厳しく批判した野党指導者ネムツォフ氏が、3年前に暗殺された。ネムツォフ氏は元エリツィン大統領の下で第一副首相を務めていた人物で、プーチン批判を繰り返していた。プーチン氏はライバルを追放、抹殺することによって長期政権を担い、自らの権限を強めて独裁政権の基盤を構築しようとしている。

 わが国でもスケールは小さいが、これを真似しようと考えている政治家がいる。一強多弱に胡坐をかき、最近綻びが見えて来た安倍晋三首相である。自民党は現在2期6年の総裁任期を3期9年に延長して、現在の安倍政権をこのまま長期政権にしようと企んでいる。安倍首相も自己顕示欲の強いプーチンや習近平と考えることは基本的には同じである。

 図らずも、メディアではまったく伝えないが、今日は昭和時代の闇が深まって軍部の力が強まった「2.26事件」発生の日である。3人の行動は何やら暗示的である。

2018年2月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3940.2018年2月25日(日) 平昌冬季オリンピック閉会

 9日に開幕したオリンピックは今日閉会式を迎えた。毎日朝から晩まで各テレビ局も中継していたが、それも今日が最後だ。悲喜こもごもだったが、日本は予想以上に良い成績を挙げたのではないかと思う。金4、銀5、銅4、合計13個のメダルを獲得したのは冬季大会では過去最高である。日本チームとしては上出来だったと思う。トップのノルウェイは金14個を含む計39個のメダルを獲得したのは流石だと思うが、いつもメダル争いに参加する次期開催国の中国が金メダル1個というのは意外だった。

 今回特に印象的だったのは、選手を応援する家族や出身地の人々、関係者などへの密着取材が、ほのぼのとする空気を写し出していたことである。特に女子スピード・スケート500mで金メダルを獲得した小平奈緒選手と、銀メダルに終わった過去2連覇の韓国のイ・サンファ選手との温かい友情シーンが微笑ましかった。

 若干気になったのは、最近の大会で採用されるようになった新競技種目の中には、少し危険ではないかと思うような際どい曲芸のようなプレイを要求していることである。実際ハーフパイプとか、エアリアルなどで多くの選手がケガをした。スポーツ精神の観点から考えて少々疑問に感じた。北朝鮮の政治がらみの参加も主旨とは違いちょっと釈然としなかった。

 ともあれ大会は華々しい閉会式とともに成功裏に終わった。この後来月9日から10日間パラリンピックが開催される。オリンピック同様に盛り上がって欲しいものである。

 一方で、オリンピックにすっかり話題をさらわれてしまったが、今日東京マラソンが行われ、2位で日本人トップの設楽悠太選手が、2時間6分11秒の日本新記録をマークした。実に16年ぶりに高岡壽成選手の記録を5秒更新した。おまけに報奨金制度により1億円のボーナスを手にすることが出来る。立派なものだと賞賛してあげたい。

 さて、2008年に文芸社から「新・現代海外武者修行のすすめ」を上梓して以来、ちょうど10年を経過した。先日同社から契約により全国書店への販売依頼を取り止めるが、ついては在庫を処分するのでどうしたいかと照会があった。まだ230冊在庫があるようなので、書斎の空きスペースを考えて150冊ばかりいただくことにした。その内50冊を小田急トラベルに贈呈することで小田急の佐々木社長と話し合いがついた。私が同社在職中に手がけた、ビルマ旅行業界夜明け前のビルマへの旅行企画の苦労話なども書かれているので、同社の若い社員に多少参考になるのではないかという思いから、佐々木社長と了解したものである。残りの100冊の内、50冊は次回の高校ラグビー祭の折にでも現役ラグビー部員に寄贈しようかと考えている。

 この書物には、特別思い入れが強い。2004年新風舎が私の処女出版書として「現代海外武者修行のすすめ」を出版して再販を重ねていたが、同社経営が行き詰まり倒産して困惑していたところ、タイミング良くその経営権を継承した自費出版の大手・文芸社が拙著名を一部変え、文章も若干修正して再発行してくれたものである。

 これには、始めの頃夢中だった海外武者修行で危なかった事件に遭遇してショックを受けた体験や、親切な人たちとの交流など思い出深い話についても触れている。今年第16回を迎える「開高健ノンフィクション賞」の第1回の最終審査で、残念ながら選に漏れたが、自分でも珍しくも面白いノンフィクションだと自画自賛している。

 現在「海外武者修行男の言い分」(仮題)を書いているが、その中には「現代海外武者修行のすすめ」からアイディアを転用した個所もある。今年中に上梓しようと考えている新著も「現代海外武者修行のすすめ」のように重版となるよう心を籠めて仕上げたいと考えている。

2018年2月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3939.2018年2月24日(土) 日本新種目で金、カーリングで銅メダル

 生憎その瞬間をテレビで観ずに後になってニュースで知ったのだが、明日閉会となる平昌オリンピックの土壇場で今大会から採用されたスピード・スケートのマス・スタートという新種目で、ほんの4日前に女子団体パシュートで優勝した日本チームのメンバーのひとり・高木菜那選手が金メダルを獲得し、初代女王となった。日本が獲得した金メダルはこれで4個となった。

 また、女子カーリング3位決定戦で日本はイギリスを破り、銅メダルを獲得した。正に有終の美を飾ったと言えると思う。

 さて、昨日、今日と大分気候が緩んできて、わが庭の梅花も大分綻んで来た。近々ウグイスがやって来てくれるだろうと楽しみにしている。ところが異常気象の今年は北陸地方に大雪を降らせ、今日は北海道・幌加内町で一晩に313㎝の積雪により道路は雪で埋まっている状態だ。実に48年ぶりの豪雪だそうである。明日も大雪の予報が出ており、雪国の人たちのご苦労が思いやられる。

 午後幾分暖かいので、今年になって初めて駒沢公園へウォーキングに出かけた。公園はいつもと変わらず、家族連れや、ジョガーが多い。以前と同じようにもっと歩くことを習慣づけなければいけないと思ったのは、歩き出してしばらくしたら両足のふくらはぎ部分が痛み出したからだ。45分ほどして帰って来たが、痛みはほとんどなくなったので、出来るだけウォーキングは毎日というほどではないにせよ、以前のように回数を増やす必要がありそうだ。

 さて、問題児のトランプ大統領が昨日ホワイト・ハウス内の高校生の前で銃乱射から守るために教職員に銃を持たせれば抑止力になると発言し、あまつさえ銃を所持した教職員にはボーナス支給を考えていると馬鹿げたことを述べた。これに対して全米教員連盟が激しく反発している。事件が起きた日、銃を持った警官が校内にいたにも拘わらず、対処出来なかったことから、こうした対策の限界も露呈した。トランプ大統領は、銃所有をこのままにしておく積りなのか。もう少し国民の生命を守ることを真剣に考えたらどうか。

 そしてトランプ大統領は、今日になってまた節操のないことを言い出した。もう少し条件が良くなればTPPに戻っても好いなどと無責任な発言をしたのである。自分から勝手にTPPを出て行きながら、新たな貿易協定を提携出来ず、反って貿易環境が悪化したことから覆水を盆に返そうとしたのだろうが、そうは問屋が卸さないだろう。

 そのトランプ大統領は、昨日平昌オリンピック閉会式に出席させるため、娘のイヴァンカ大統領補佐官を韓国へ派遣した。どうも身内への贔屓ぶりが目に余る。ある評論家に言わせると、娘に拍付けしていずれアメリカ初代女性大統領に仕向ける腹ではないかと述べていたが、さもありなむと思う。日本の政治家も今やほとんどその中心人物は世襲議員になったが、民主主義国家の牙城であるアメリカでさえ、世襲政治を思わせるような親族優先人事を行うとは、アメリカも堕落したものだと思う。

 もうひとつ今日アメリカが世界中を驚かせたのは、昨年12月に発表したイスラエルのアメリカ大使館を首都テルアビブからエルサレムへ移転させる計画を前倒しして、来年中から今年5月に繰り上げるそうだ。イスラエル建国70周年記念日が今年5月で、この日に大使館移転を合せるという。これでパレスチナ自治区側の抵抗が一段と厳しいものになるだろう。

 錠規制に後ろ向きなのは、大スポンサーである全米ライフル協会へのポーズであり、大使館移設は同じく強力な資金サポーターである在米ユダヤ人への忖度である。こういう身勝手で独断的行動が、ゆくゆくはアメリカが世界中の信頼を失うことになるのだが、トランプ大統領を始めアメリカ人には分からないのだろうか。

2018年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3938.2018年2月23日(金) 鹿児島から文化の発信を続ける夫妻

 先日NPO知的生産の技術研究会・八木哲郎会長から素晴らしい地方の文化発信者のセミナーがあるので、ぜひにとお薦めいただき、今日セミナーに出席した。

 その文化発信者とは、鹿児島市内にNPOかごしま文化研究所を創立され、「月の舟自由大学」を主宰している三嶽公子・豊ご夫妻で、すでに24年間に亘って文学を中心にセミナーを主催して活動されている。趣味でもあり、ビジネスでもあるようだが、やはり採算の点でご苦労が絶えないようだ。鹿児島から関係者の方々も同行されたが、東京ではNPOが事務所を借りて定期的に「源氏物語」解説のような文化活動を続け、生活を賄うのは中々至難の技だと思う。それをやってのけられるのは、ご夫妻の前向きな意欲と、素晴らしい着想、文化を地方都市から発信しようという足場作りが明確で、信念がしっかりしているからだと思う。

 こういう行き方もあるのかと意義深い示唆を与えていただいた。

 さて、つい最近アメリカ・フロリダ州のハイ・スクールで同校中退生が銃乱射事件を起こして17名の生徒が死亡した。アメリカにおける銃乱射事件は毎度のことながら、今回ばかりは一般の高校生の間から銃規制を求める動きが沸き上がり、それは全米に広がりつつある。それに呼応したのか、昨日トランプ大統領は事件被害者の関係者らをホワイト・ハウスに招き意見交換を行った。

 犠牲者の家族らが銃規制を要望すると、大統領は教職員に銃を持たせて対応させる考えを語り、その場で唐突にそれに賛成か、反対かを尋ねる有様である。それにしてもその場の被害者の中に賛成者が3割ほどもいたことには驚いた。結局いくら銃規制を訴えても、現状では大統領が自衛措置として銃で身を守らせると言うのだから銃の野放し状態は解決しない。その後に大統領は銃を持った教員にはボーナスを与えると発言したのだから、銃規制なんてまるで眼中にはないのだ。こうして、毎年アメリカ人が理不尽な銃発砲事件により尊い命を落としていくことになる。こんな杜撰で危険な銃砲管理の下に銃所持を憲法が認めているからと言って、事件防止へ一歩も踏み出さないとは呆れるばかりである。

 アメリカの民主主義は、これまでその時代のアメリカ社会にうまく機能してきたと思う。憲法に保障されているように、誰もが自由に意見を述べ、それを差し止めることは出来ない。日本でも段々揺らぎつつある「言論の自由」と「表現に自由」であるが、アメリカにはその礎がある。その意味ではトランプ大統領の発言は、憲法によって守られているとは思う。だが、他所の国に自分の考えを押し付け、気に入らないと恫喝まがいの発言をしたり、自衛手段として銃砲規制より銃砲所持の方が効果的だと考えるのはどうかと思う。自分の身は自分で守る自衛権のため銃所有を認めるという点は、明らかに行き過ぎだと思う。自主防衛は結構だが、そのために所持する銃砲が、自分の身を守るために使われるより他人を殺戮する目的のために所有されるとするなら、銃所持は危険極まりない。また、銃所持を一切認めないことこそ、市民同士の虐殺事件を無くすための唯一無二の手段として理解されるというのがアメリカ憲法の精神ではないかと考えている。

 共和党は、来年の中間選挙で勝ちたいがため、今では強力な支援者、全米ライフル協会の意向を無視出来なくなっているのである。どうして常識的判断が出来ないトランプ氏のような非常識で無責任な人物をアメリカ人は世界のトップ・リーダーであるアメリカ大統領に選んでしまったのだろう。

2018年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3937.2018年2月22日(木) プロ野球界が「野球くじ」を検討

 プロ野球界が「スポーツ振興くじ」(TOTO)の一環として「野球くじ」の導入を検討しているという。近年野球賭博を「特区」構想の下に公営化して競馬、競輪、パチンコなどと同じようにギャンブルとして公的に認めさせようという動きが進められている。「サッカーくじ」と同様公的資金集めのためと言われているが、あまりにも安易で軽薄な発想である。それでも当事者には少しは後ろめたい気持ちがあるようで、いくつか制約を設けて実施しようとの気持ちがある。だが、所詮「野球くじ」はギャンブルであり、ギャンブルは賭博である。倫理的にも教育的にも周囲に与える影響は好ましいものではない。これまで夢を与えるスポーツとして青少年に胸を張って来たプロ野球界が、甘い囁きにいとも簡単に落ちたのかと思うと、これまでのように健全なスポーツのイメージが剥がされる。

 これまでプロ野球コミッショナーには、裁判官経験者が多かった。昨年7月野村證券副社長、東京証券取引所社長、日本取引所グループCEOなどを歴任した株式業界に精通した斎藤惇氏が就任した。株式売買だって賭博性が強い。その賭博性が身体に沁み込んだ斎藤氏の指導の下に、プロ野球界は賭博街道を歩むことになった。過去においてプロ野球界は八百長に絡む黒い霧事件で賭け事には懲りている筈である。これまで何度となく「野球くじ」への誘いはあったが、その都度断っていた。それが、今度は斎藤コミッショナーの下で防止策を講じたうえで甘い話に乗るようだが、これでは高校野球のイメージも暗くなるのではないだろうか。プロ野球界としては、安易に濡れ手に粟で資金をもらい、球場などの整備費に充てるようだが、そんなことより今サッカーに押されて人気が下がり気味の現状を押し上げる改革を考えた方が良いのではないか。

 あのギャンブル好きで、競走馬も所有している浅田次郎・日本ペンクラブ前会長が、最近読んだ「ペンの力」(集英社新書)の中で吉岡忍現会長と対話しているが、カジノ法案に批判的である。「カジノをそこら中につくってどうすんのよ。ギャンブル好きの僕ですら、疑問を持つよ」と語っている。

 このカジノ法案だって元々は地元選挙区民の声を取り上げた政治家のごり押しによって作られた。その声を受けた代行者が賭博的人生を送って来た斎藤惇コミッショナーで、その口車に乗ったのがプロ球団のオーナーたちである。そこには、暴力団の介入の心配とか、教育的配慮は一切見られない。

 プロ野球の魅力がまたひとつ消えた。

2018年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com