3999.2018年4月25日(水) 「ペンタゴン・ペーパーズ」を鑑賞

 以前菱山郁朗・元日本テレビ政治部長から面白いから是非観たら好いと勧められていた映画「ペンタゴン・ペーパーズ(最高機密文書)」を明日が公開最後のぎりぎりのところで観ることが出来た。

 言わずと知れたウォーターゲート事件の内幕を描いたスティーヴン・スピルバーグ監督作品で、評判通り中々見応えのあるストーリーだった。副題に掲げられた最高機密文書とは、ベトナム戦争中のジョンソン大統領とマクナマラ国防長官らベトナム戦争の先行きを楽観視する首脳陣らに対して、現地ベトナムで従軍、或いは戦地取材で戦争の激しい現実に戦火の拡大を憂慮するジャーナリストが、真実をメディアでアピールすべきだとペンタゴン(国防総省)ウォーターゲート・ビルから機密文書を盗み出し、ワシントン・ポスト紙上に暴露した一件である。ライバル紙ニューヨーク・タイムズと外部人脈を交えた駆け引きなどもあり興味深かった。

  事件は1972年のことだが、その5年前にベトナムを訪れた時は、かなり激しい戦闘状態で私がサイゴンを経って2週間後に民間航空機の発着を禁止したほどだった。そんな当時の状況に鑑みて、ジョンソン大統領らがベトナム戦争の行く末を楽観視していたとはとても信じられない。反戦デモが広がることを恐れて真実をひた隠しに隠して戦争終結をアピールしたのである。ところが、従軍したワシントン・ポスト紙記者が、泥沼化した戦線で記者魂に触発されて事実を報道するべきだと考えた。その勇気は当然だと称えるとともに、社主を含めて社を挙げて真実を報道することに努めたワシントン・ポスト紙の意気に敬意を表したい。ウオーター・ゲート事件が表面化して2年後、1974年に時のニクソン大統領はアメリカ大統領として史上初めて任期途中で辞任した。

 アメリカ映画にしては珍しく恋愛もキスシーンもなく、久しぶりに訴求力がある、考えさせられる映画に感銘を受けた。

2018年4月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com