4312.2019年3月4日(月) 雨中のマラソンにもう少し健康面の配慮を

 昨日冷たい雨が降る中を東京マラソンが行われた。最近の日本マラソン界は男女とも期待の星が現れず、少々沈滞気味だったが、昨年アメリカのシカゴ・マラソンで大迫傑選手が、久し振りに日本記録を出しやや明るさが見えてきた。その大迫選手が出場するとあってレースは大いに期待されたが、何と朝から冷たい雨が降りランナーにとっては厳しいレース展開を余儀なくされた。

 時々テレビで中継を観ていたが、ちょっと気になることがあった。出走前にすでに気温は5.7℃だった。それに雨が降っていた。完全に冬の天候下である。それにも拘わらず、3万8千人のランナーのほとんどが、薄いランニングシャツに短パンである。帽子を被っているランナーも少なかった。しばらく走ってユニフォームはびしょ濡れだった。健康上良いわけがない。時間とともに気温が下がることは予想される。走れば汗をかく。それが更に体温を低下させる。走る条件は段々悪化するのだ。そんな悪条件下で、スタート前に選手たちはどうしてアンダーウエアを着用しないのだろうか。もう少し日本陸連としてはアドバイスするなり、選手の健康管理に配慮すべきではないだろうか。また選手のトレイナーやコーチももう少し選手の健康を配慮すべきだと思う。優勝候補のひとり、大迫傑選手は29㎞付近で棄権したが、スタート地点から寒くなって体が動かなくなり、棄権せざるを得なかったと語っている。

 東京オリンピックを前にして、日本体育協会、オリンピック準備委員会などももっと選手たちの健康を守るよう留意すべきである。現在卓球、バドミントンなどが世界で飛びぬけた好成績を上げている。それに引き換え、陸上競技は男子短距離を除いてあまりぱっとした成績を上げていない。これも陸連が選手に成績面のみならず、普段から健康管理を含めた指導面で行き届いた管理を行っているのか疑問を感じる。選手たちが雨の中で健闘の挙句に、身体を壊しては元も子もないのではないかと心配である。

 ハード部分は良かったのかも知れないが、ソフト面でもう少し神経を巡らせた方が良いのではないだろうか。

2019年3月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4311.2019年3月3日(日) 「桃の節句」、お内裏様とお雛様とは?

 今日は女の子の「桃の節句」ひな祭りである。昔ほど女児のいる家庭でもお雛様を飾る家庭は少なくなったようだが、それでも男児の「端午の節句」同様に日本の伝統文化のひとつとして、いつまでも残しておきたいおめでたい年中行事である。

 先日NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる!」でひな祭りに飾られるお雛様が話題になった。お内裏様とお雛様はどの人形を指すのかとの質問があった。当然最上段の一対のお雛様がお内裏様とお雛様だと思っていたところ、答はその一対の2体がセットでお内裏様と呼ばれ、他に飾られたすべてのお雛様を総称して「お雛様」というそうである。そんな誤解の原因となったのは、サトーハチロー作詞の♪うれしいひな祭り♪の2番の出だしに‘お内裏様とお雛様 2人並んで すまし顔~’とあるので、つい最上段の一対がお内裏様とお雛様だと思っていたという人が多いらしい。私自身これまでそうだと思っていた。サトーハチローも後年になって誤りに気が付き、恥ずかしく思い自ら作詞したこの童謡を聴こうとはしなかったとはご子息の話である。

 今日はお雛様のお祝いの日ではあるが、生憎朝から冷たい雨が降っていて寒々しく春らしいムードが感じられない。

 さて、先の米朝首脳会談が不調に終わったことで北朝鮮の非核化の動きが先送りされたことは極めて残念である。近年北朝鮮に加えられている全面経済制裁がかなりボディブロー効果を上げ、北朝鮮の国民は大分経済的に苦しんでいた。北朝鮮としては、何とか部分的にも制裁解除を願っていたが、その気持ちは交渉の仕方、作戦面でアメリカに通じなかった。金正恩労働党委員長は内心愕然としつつ帰国の途へ就いた。会談前は勝算ありと意気揚々とハノイへ乗り込んできたが、手ぶらで帰ることになり、求心力が落ちることも考えられ、期待していた国民の委員長に対する信頼度も少々弱くなったのではないか。近い将来北朝鮮はいかなる手を打って3度目の首脳会談へこぎつけようとするのだろうか。

 この米朝関係の他にも、国際社会ではインドとパキスタンのカシミール両国国境地帯で、それぞれの空軍機が国境を侵犯したとの理由で、相手国戦闘機を撃墜するという手荒い行動に出た。心配なのは、両国ともに核保有国であることであり、まかり間違って核を使用するようなことにでもなったら両国だけの問題に留まらなくなる。

 南米ベネズエラのマドゥロ大統領を巡るアメリカと中ロの鞘当ても問題である。強権発動の独裁者マドゥロ大統領に対して暫定大統領を宣言したグアイド国会議長をトランプ政権が支持すると表明して、それに反対する中ロと対立している。先月末グアイド暫定大統領はベネズエラ最高裁からの出国禁止令を無視して支持されているブラジルを訪れていたが、明日帰国すると語っている。果たしてスムーズに帰国出来るのか、或いはどんな仕打ちを受けるだろうか。

 また、アメリカと最も親しい外交関係にあるイスラエルで、検察当局がネタニエフ首相を汚職関与の罪で起訴する方針であることを示した。ネタニエフ首相と言えば、通算約13年も首相の地位にあり、トランプ大統領との蜜月関係はつとに知られている。もちろん首相自身は容疑を否認しているが、単なる収賄容疑ばかりでなく、自らの主張、持論を啓発するために、地元有力紙に対して便宜を図る見返りとして首相に好意的な報道を求めた疑惑がある。

 「絶対首相」と見られていても、長い間権力の座に留まっていると独裁志向が強まり鎧も綻びるものである。中東の独裁者ネタニエフ首相の身にも同じような雲が降りかかってきたということだろう。

2019年3月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4310.2019年3月2日(土) 国の借金は安倍政権になって増加

 今日の朝日夕刊「素粒子」欄に少々皮肉っぽくそのものズバリのユニークな表現が載っていた。先ごろ行われた沖縄県民選挙に関する安倍首相の言動に非難を込めて皮肉ったものだ。首相は選挙後のインタビュー、或いは昨日官邸を訪れたデニー玉城沖縄県知事に対して嫌味を交えながらも一応丁重に応えてはいた。しかし、この他にもこのところ連日のように国会で取り上げられている「毎月勤労統計」調査に関する意図的な改ざんに関して、厚労省側に恣意的な隠蔽工作があったのではないかと野党から追及されているケースを例に取っている。

 その永田町版「ことば検定」として、永田町用法とも言える「正」「誤」を逆の意味で解釈する政府の対応を取り上げている。次のような例が紹介されているが、まったく指摘された通りだと思う。

 「寄り添う」⇒「誤」我がこととして向き合う。「正」沖縄県民の意見は受け流す。政府の方針は変えない。

 「真摯に受け止める」⇒「誤」誠実に声に耳を傾ける。「正」県民投票の結果は聞き捨てる。土砂投入はやめない。

 「『隠蔽』の定義」⇒「誤」人目から覆い隠すこと。「正」隠蔽はなかった、と言い張るための身勝手な線引き。

 4月には統一地方選挙が行われる。最近自宅ポストにもしばしば区会議員や、都会議員の選挙用パンフレットが投げ込まれている。大阪では、現職の府知事と市長が辞職して4月には入れ替わって相手の立場で立候補する「日本維新の会」の費用を無駄遣いし選挙民を軽視するような戦略が実施されようとしている。基盤が安定するとともに、手抜きというか、選挙民を愚弄するような行為が平然と行われるようになる。国政の場では長年の自民党1党支配が続いて弛緩状態である。これという実績がなくてよくぞ天下を取っていられるものだと思う。

 これも野党勢力がこれまで協調出来ずに自民党の思うがままにさせていたことに大きな責任があるが、実績がなく致命的な非実績が多い自民党の過去をどうして野党勢力はもっと追及しないのだろうか。

 例えば、毎年累積する国の借金を減らそうとの考えもなく安倍政権になってから加速度的に増えていると思う。かつて橋本内閣、小泉内閣時代には金庫番が国家の借金が増えることに警告を鳴らして曲がりなりにも増加を抑制していたが、現在は「選択」3月号に「落日の『暴走老人』」と取り上げられた麻生太郎財務相が金庫番をやっているようではお先真っ暗である。原発関連の出費は増え続け、これにトランプ大統領との裏取引もありアメリカ製兵器、軍事機器を買い付けて防衛費が高騰し続けている。これらの安倍政権による出費をメディアはもっと追及すべきではないか。

 さもないと「素粒子」に「メディアの『寄り添う』は国民の意見は受け流す」と書かれかねない。

2019年3月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4309.2019年3月1日(金) 韓国「3.1独立運動」記念日

 2日間に亘ってベトナムのハノイで開かれていた米朝首脳会談が昨日合意に至らず、最終的な合意文書が取り交わせなかったことについて、その原因などを今朝も各テレビ局では専門家から考えを聞いていたが、結局両首脳がお互いに望む条件が合わなかったということである。アメリカにはまぁしようがないとの考えがあり、時間をかけて次の機会で話し合いしようとの意向があるようだが、北朝鮮には、自分たちの要望をアメリカが受け入れてくれるものと考えていた節があり、金正恩委員長が大成果を上げ、国へお召列車で錦を飾る凱旋を考えていたようなイメージがあったようだ。それがため北朝鮮側には落胆したムードが流れていたように感じた。

 トランプ大統領は今後国内でロシア疑惑を始めとしてかなり厳しい対応を求められるようだ。

 さて、100年前の今日朝鮮半島で起きた「3.1独立運動」を記念して、韓国国内各地で集会が開かれた。文在寅大統領は式典で日韓両国の協力を訴えた。昨今日韓関係は冷え込み、その主導的役割を演じている文大統領は、収まりつつあった反日ムードに次々と再点火して、すでに解決した問題を蒸し返し、改めて日本に謝罪と賠償を求める理不尽な反日行動に走っている。そこには、北朝鮮出身の文大統領の家族が戦後南北に分断されたとの積年の恨みと強い嫌悪感がある。朝鮮半島も日本帝国主義によって植民地化された結果、戦後東西対立の中で、国が分断されるようになった。あくまで現在の南北分断は、日本の植民地支配による責任であるとの思い込みがあるせいだと言われている。

 今日は、100年前の抗日デモで多くの朝鮮人が亡くなったことに弔意を示す記念日だった。それにしても韓国のように両国間で一旦はケリがついた問題を蒸し返して、相手国に対して過去に遡って無理難題を持ちかけるのは一流国家のやることだろうか。また、こんな流儀では、外国からいずれ毛嫌いされ、遠ざけられてしまうのではないだろうか。それでも最近の韓国は、恥ずべきことを何の贖罪意識もなく堂々と相手国に罪をふっかける太々しさがあり、それもエスカレートしている。今日も文大統領の挨拶を始め、反日的なプロパガンダが国内を染めるのかと危惧していた。ところが、案に反して大統領のスピーチは、やや過激な論調が避けられたようだ。過去の朝鮮人に対する蛮行や虐殺という言葉を使いながらも、元徴用工や従軍慰安婦については直接触れることがなかった。日韓関係が極度に悪化して、これ以上抜き差しならぬ両国外交関係に発展した後世においてその中心人物と指摘されるのを恐れたのだろうか。

2019年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4308.2019年2月28日(木) 米朝首脳会談、「非核化」合意に至らず

 また急に寒くなって来た。庭の白梅は今や満開となった。今日は鴬がつがいでやってきてくれたが、残念ながら囀ってくれることはなかった。昨今は時節の風情がだんだん薄れていくようで何となく寂しい。その中でも鴬の囀ることなぞ中々風流である。今日で2月は終わったが、今月アルコールを口に入れたのは、僅か2日だけだった。最近は1ヶ月に5日程度飲酒日があるが、今月は少なかった。まあ由しとしよう。

 さて、今日は米朝首脳会談2日目である。昨年6月の首脳会談前には、強い意気込みと強気の姿勢を見せていたトランプ大統領も、今回は最初から軟化して強気な態度が影を潜めている。昨日も何となく金正恩委員長に花を持たせてご機嫌を取っていたような印象だった。

 今日はどうだったか。両首脳の話し合いの出だしは悪くはなかった。午前中の両首脳を交えた6者会談も途中で記者とのやり取りを聞いている限りは、和やかだった。ところが、ランチを取りながら会談を行う予定だったが、そこには双方から誰も出席せず、そのまま会談は中止となってしまった。その後トランプ大統領は予定を繰り上げてハノイ空港から大統領専用機で帰国の途へ就いてしまった。合意成らずである。

 最もこじれたのは、金委員長がニョンビョン核施設閉鎖を提案した見返りに全面的経済封鎖の解除を求めたことである。アメリカとしてはニョンビョンだけではなく、北朝鮮の核関連施設のすべてを停止、閉鎖、撤去である。それが、トランプ大統領に受け入れられなかったというのが真相のようである。結局北朝鮮の部分譲歩で、アメリカから全面譲歩を得ることは出来なかった。アメリカ国内ではトランプ大統領の弱腰に対する批判もあった。

 そして実はこのころロシア疑惑に関わる元大統領顧問弁護士コーエン氏が、アメリカ議会公聴会で大統領を守るために、複数の違法行為に関わっていたと証言した。元側近の証言は大統領の弾劾にも繋がりかねず、アメリカではコーエン証言一色だったという。大統領自身も気になると見え、会談の合間にテレビ中継から目を離さなかった。

 四面楚歌に立った感じの大統領であるが、ここで北朝鮮に譲歩したら、今後立場は一層苦しいものとなるだろう。結局トランプ大統領は成果を上げることが出来なかった。これで北朝鮮の非核化は当分遠のいたということになりそうだ。

2019年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4307.2019年2月27日(水) 2回目の米朝首脳会談始まる。

 今日、明日の2日間ベトナムのハノイで開催されている米朝首脳会談のニュースでメディアは持ち切りである。昨日午後北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、平壌から中国を縦断してお召列車でハノイ入りした。一方のアメリカのトランプ大統領も夜遅く大統領専用機「エア・フォースワン」でハノイ入りした。会場がハノイに設営されたことは、世界中の注目が集まり経済成長著しいベトナムにとっては絶好の国家のPRチャンスであり、多くの制約を課せられながらも会談成功のための舞台作りの準備に取り掛かっている。

 昨晩になって一旦は金委員長が宿泊するホテル内に設営されたアメリカの記者室が、国際メディアセンターに移設させられた。当初予定された会場、ダナンからハノイに変わったのも北朝鮮側の要求だったこともあり、アメリカは今会談で2度目の譲歩を余儀なくされることになった。

 いよいよ昨年6月に次ぐ2度目の首脳会談は、今晩開かれるが、あれほど強気一辺倒のトランプ大統領がどういうわけか、最近になって北朝鮮に対してやや低姿勢になり、その話し合いの成果が果たしてアメリカが望むものになるか、疑問になってきた。

 会談の最大の焦点は、アメリカが要求する非核化の実現であり、それに対して北朝鮮が具体的な非核化措置をどの程度提示してアメリカがどのような見返りを与えるのかが、大きなポイントである。

 昨年の首脳会談では、かなり強気だったトランプ大統領が金委員長に非核化を迫り、これを北朝鮮が受け入れ、アメリカは経済制裁を解くことに決めたと理解していた。ところが、北朝鮮は核実験こそ行ってはいないものの、核施設は廃絶してはおらず、これでは永久的な非核化にはつながらないとして宙ぶらりんの状態である。

 果たして今回の会談ではどう結論づけられるだろうか。このところアメリカ国内では、トランプ大統領のやることなすことすべて功を奏さず一向に国内で点数を稼げていない。逆に考えてもこれまでいかなる政治的な成果を上げただろうか。僅かに対中国問題で貿易赤字に対する中国側の歩み寄りにより、多少成果を上げた程度であろう。トランプ大統領は、成果と信頼を取り戻すことができるだろうか。

 2日間の会談の成果を待ちたいと思う。

2019年2月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4306.2019年2月26日(火) 二・二六事件をなぜ回顧、報道しないのか。

 今から83年前の昭和11年の今日、雪の降る中で日本中を騒がせた歴史的大事件が発生した。言わずと知れた二・二六事件である。私にとっては誕生2年前のことであり知る由もないが、その後軍部に支えられてこの危機的な日を乗り越えた日本政府は、対中戦争を加速させその勢いで太平洋戦争に突入し、戦争にのめり込んで行った。このクーデター未遂事件を承知のうえかどうか分からないが、奇しくも今日皇居では天皇在位30周年に際し天皇が国民に感謝する催しとして、昨日に続き、午前と午後の2回に亘り各界の著名人を招いて茶会が開催された。

 気になるのは、近年この大事件に関する報道をメディアがまったく行わなくなったことである。二・二六事件は、満州事変以来軍部の影響力が強まっていたその当時、雪の降る中を陸軍青年将校らが下士官兵約1,500名を率いて起こした日本史上例を見ない空前のクーデター未遂事件であり、政府高官の高橋是清大蔵大臣、斎藤実内務大臣、渡辺錠太郎教育総監、総理大臣私設秘書官ら4名が殺害され、当時数日間に亘り首都東京が機能不全に陥った大事件だった。

 松本清張著「昭和史の発掘」に事件の詳細が細かく描写されていて極めて興味深いが、その中で事件の関係者のひとりが、私がまだ若かったころ10年近く住んでいた横浜市内のマンションの同じフロアにひっそり住まわれていると知って驚いたことを思い出す。

 いずれにせよ二・二六事件は、日本史上現実にあった衝撃的な歴史の一コマである。いつのころからか、まったくメディアで伝えなくなったのは何故だろうか。昭和は遠くなりにけりということだろうか。軍部が力を持出すと国を亡ぼすとの格言を思い出すことから、近年の自衛隊強化が先行き国家を危険に晒すという懸念が生まれることを憂慮した政府を忖度してメディアが「報道の自由」の権利を放棄したのでなければ幸いである。

 今日の朝日朝刊に、一昨日永眠された日本文学研究者ドナルド・キーンさんを悼む社説が掲載されている。その中にキーンさんはバブル崩壊後の日本社会のありように辛口だったとある。内向き志向、他人への配慮を欠いた振る舞い、本に親しんできた日本人がテレビやゲームに興じて古典と向き合う時間をなくしたことを心配していた。ファストフードから得る喜びは限りがあると指摘して、人間性の探求に駆り立てる文学が必要とされる可能性も述べていた。私には昔の大事な歴史的事実である二・二六事件を、しっかり見つめる必要性をアピールしているように受け取れた。二・二六事件を排除しようという今のメディアの在り方は、キーンさんからあまり好意的に受け取ってもらえないのではないかと思う。

 結局83年前に二・二六事件が起きた今日の新聞、テレビには二・二六事件に関するコメントはまったく見られなかった。

2019年2月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4305.2019年2月25日(月) 沖縄県民投票の結果はどう反映されるのか。

 気になっていた昨日実施された沖縄県民選挙の結果が判明した。民意を問う県民選挙が実施されるのは、1996年以来実に23年ぶりのことである。結果は米軍基地辺野古移設工事に対する「反対」の声が圧倒的に多かった。72.15%の有権者が工事に反対票を投じたのである。工事反対派が強く工事の中止を求めていた結果が、県民の民意としてはっきり票に表れた。この結果をデニー玉城知事は、安倍首相とトランプ大統領に報告する。投票前から安倍首相ら官邸は、そっけない態度で結果に関係なく工事は粛々と継続するとして、政府としての見解を表示することはしなかった。前以て反対派が多数を占めることは、昨年9月に行われた県知事選挙で玉城知事が圧勝した結果から見て予測していたことであろう。

 1996年の県民選挙の際には、米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しを求められた結果、当時の橋本龍太郎首相は、沖縄県民の過去の苦しみと負担について政府の努力が足りなかったことを反省するとして、対米交渉に真剣に向き合い、沖縄とも謙虚に話し合った。それが、安倍首相はどうだろう。沖縄とは話し合いすらしようという気持ちがない。民意を無視する民主主義の根幹を揺るがすような対応ではないだろうか。周囲から甘やかされて育ったお坊ちゃん総理の安倍首相には、庶民の気持ちがまるで分からない。また、天皇・皇后のような沖縄への深い思いや愛情が見られない。沖縄では最初の内抵抗感が強かった天皇に対する沖縄県民の気持ちが、天皇が誠実に県民と触れ合い、昨日ニュースでも紹介されたように県民から敬愛され慕われるまでになったのは、天皇・皇后の沖縄県への思いと県民への愛情であろう。安倍首相夫妻には、両陛下のように同じ目線で触れ合うという考えは毛頭ないことを表している。

 玉城知事がトランプ大統領に投票の結果、つまり米軍基地の移転計画は7割以上の県民が反対していると報告しても軽く受け流すだけだろう。安倍首相とトランプ大統領は、ともに自国民を軽視し、国民の気持ちを汲み取ろうとしない性格を有している。だが、これだけ明白な結果が示されていながら、まったく県民の意向を無視するというのは、政治家としては厳に慎むべき行動である。

 安倍首相は何のために、誰のために政治家になったのだろうか。首相在位期間が長くなったことから思い上がりが益々エスカレートしている。政治家としての能力がなくとも、世襲という自分の力ではない見えない力によって頂点を極めたことは、ツキに恵まれたに過ぎない。われわれ現代の日本人が、このような傲慢な人物を首相にいただいたことはツキがなかったと諦めるしかないのだろうか。それにしてもこれまで苦しみに苦しみを重ねてきた沖縄県民が、まだ呪縛から抜け出せないとはあまりにも気の毒である。

 今回の県民投票は実質的には何の意味も効果ももたらさなかったということになりかねない。「言論の抑圧」と同じことにならないだろうか。安倍首相を始め、自民党は胸に手を当てて謙虚に反省し、沖縄県民の気持ちを斟酌して玉城知事、及び沖縄県と真摯に解決に向けた話し合いを行うべきであろう。

2019年2月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4304.2019年2月24日(日) 天皇在位30年、ドナルド・キーン氏他界

 今日国立劇場で天皇陛下即位30周年記念式典が行われた。その席で天皇作詞、皇后作曲の「歌声の響」という曲を沖縄出身歌手の三浦大知さんがソロで唄った。沖縄を唄った曲であるが、天皇陛下が書かれた詩を沖縄の方言に変え、メロディーは沖縄の民謡の感じを皇后陛下がうまく表現した曲だと感じた。1975年皇太子時代に両陛下は初めて沖縄を訪問された。その最初の訪問でハンセン病患者の療養所「沖縄愛楽園」を訪ねられた当時は、まだハンセン病への差別や誤解が残っていた時代で、収容されていた人々が両陛下が帰り際に一斉に唄った沖縄民謡♪だんじゅかりゆし♪は感動的だった。「歌声の響」はそれに相通じるようなメロディーだった。

 慰霊碑にお祈りしていた時に爆発物を投げつけられたり、沖縄では最初の内は皇太子ご夫妻の訪問に歓迎ムードはあまり感じられなかったようだ。しかし、それもお2人の優しい心遣いに沖縄の人たちの気持ちも和んで次第に歓迎ムードが高まって行った。お2人での沖縄訪問は実に11回に上ると言う。

 天皇在位30年というのは、ご苦労と気遣いの歳月だったと思う。口の悪い韓国国会議長が戦争犯罪人の息子呼ばわりしたり、時には何かと悪く言われるような空気の中で、ひたすら国家の平和と安寧、そして国民の幸せを願って全国を訪れては国民と触れ合っておられた。今日の挨拶でも、平成という時代に戦争がなかったことは平和を願う国民の気持ちが功を奏したと国民に感謝のお気持ちを謙虚に述べておられた。そういう意味では、とかく怖く冷たいようなイメージがあった昭和天皇の暗いイメージを極力払拭されるよう努められておられたように思う。天皇84歳、皇后83歳となられ、4月30日には公務の天皇という激職を去られ、それぞれ上皇、上皇后となられる。これからはのんびりと生活をされ、両陛下お揃いでいつまでもお元気にお過ごしになられるよう願って止まない。

 両陛下にとって思い出と、思い込みのある沖縄では、今日米軍基地辺野古移設への賛否を問う県民投票が行われた。午後11時現在ではまだ最終結果は出ていないが、影響を与える勝敗の分岐点は、投票数の1/4を超えられるかどうかであるが、ほぼ反対が1/4を超えそうだと予測されている。明日詳細な数値が明らかになるが、残念なのは、結果はどう表れようとも政府によって沖縄県民の気持ちと相反する判断がなされるような気がしている。

 さて、日本文化の研究者で日本ペンクラブ名誉会員でもあったドナルド・キーン博士が今日心不全で亡くなられた。享年96歳だった。言わずと知れた日本通で日本が大好きなアメリカ人で、最近まで現役で活躍しておられた。文化勲章他国内外で数々の名誉ある賞を受賞され、日本国籍を取得されてからは名前も英語名からドナルド・キーンと片仮名に替えられ、通称は「鬼怒鳴門」を使うこともあった。年齢的には人生を全うされた方であるが、つい最近までお元気だったので少々寂しい感じがする。何度かお話を伺ったことがあるが、日本ペンクラブが島崎藤村初代会長の下に発足した11月26日を記念した2012年「ペンの日」に講演され聴講したことが懐かしい思い出である。心よりご冥福をお祈り致したい。

2019年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4303.2019年2月23日(土) 皇太子殿下59歳の誕生日

 ♪梅の小枝で鴬が 春が来たよと唄います ホッホッ ホケキョ ホーホケキョ♪と鴬の美声を楽しみにしていたところ、待ち望んでいた2羽の鴬が梅の開花とともに、今日午後梅木のある我が家を訪れてくれた。残念ながらホーホケキョとは鳴いてはくれなかった。いずれ囀ってくれるだろう。

 さて、昨晩から身体が熱っぽく寒気を感じていた。体温も38℃を超えてこれはただ事ではないと思った。風呂に入り早々と寝床に就いた。夜中にも何度か目が覚めた。気になったので、今朝かかりつけの森内科で診察してもらった。ジャジャジャジャーン!悪魔の宣告があった。インフルエンザA型に感染したそうである。こんなことは初めてである。血圧も脈拍数も上がっている。確か昨年10月に予防接種を受けたが、効果を表さなかったということになる。当然誰かから感染させられたわけだが、妻は風邪気味ではあるが、インフルエンザではない。誰かからうつされたことは間違いないと思うが、思い当たる人はいない。とにかくタミフルに替えて1度の服用で済む薬・ゾフルーザをいただき、うがい・手洗いを欠かさず、家の中でもマスクを手放せなくなってしまった。

 縁起でもない話の後に恐縮であるが、今日は皇太子殿下59歳の誕生日である。天皇即位まであと2ヶ月余となった。新天皇即位後最初の誕生日である来年の今日は、還暦を迎えることになる。59年前に皇太子が誕生した時は、大学のアルペンクラブの仲間たちと新鹿沢温泉へスキーで向かっていた。その途中でトランジスター・ラジオから皇太子誕生のニュースを聞いて山仲間ともども何となく明るい空気になったことが思い出される。

 あの時代1960年は、日本中が60年安保反対闘争で持ちきりだった。安保反対のデモ行進をしながら、その一方でそんな大事な時期にのんびりスキーなんかで滑っていたわけである。妙な考えに固まらず、全体的に柔軟な考えで、学生生活を送っていた。その4か月後安保条約改定案は国会を通過して、それが今もなお協定の縛りから抜け出せない結果になっている。当時の沖縄はまだアメリカの治世下にあった。日本へ復帰したのはそれから12年後の1972年である。明日その沖縄で米軍基地辺野古移設の是非を問う県民投票が行われるが、こういう深刻な問題が沖縄だけに残されているのは、日本が沖縄を見捨ててしまったひとつの証左ではないだろうか。

2019年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com